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生物学的製剤基準
組織培養不活化ダニ媒介性脳炎ワクチン
劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
ダニ媒介性脳炎の予防
初回免疫の場合、1回0.5mLを3回、筋肉内に接種する。2回目接種は、1回目接種の1~3ヵ月後、3回目接種は、2回目接種の5~12ヵ月後に接種する。免疫の賦与を急ぐ場合には、2回目接種を1回目接種の2週間後に行うことができる。追加免疫の場合、1回0.5mLを筋肉内に接種する。
16歳以上の者
必要に応じて、3回目接種の3年後に追加免疫を行い、以降は16~60歳では5年ごと、60歳以上では3年ごとの追加免疫を行うこと。
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
ベネフィットとリスクを考慮した上で接種の要否を判断すること。本剤接種により自己免疫疾患が悪化する、もしくはその経過に悪影響を及ぼす可能性がある。
本剤接種の必要性について十分に検討すること。
本剤接種後に出血があらわれることがある。
接種要注意者である。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること。生殖発生毒性試験は実施していない。
予防接種上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中への移行は不明である。
接種にあたっては、問診等を慎重に行い、被接種者の健康状態を十分に観察すること。一般に、生理機能が低下している。
10%以上a)
10%未満a)
頻度不明
局所症状(注射部位)
注射部位疼痛(35.0%)
注射部位出血、注射部位腫脹、注射部位そう痒感、注射部位硬結、注射部位血腫、注射部位発赤・紅斑、注射部位熱感、注射部位知覚異常
注射部位関節運動障害、注射部位関節痛、注射部位結節、注射部位炎症
感染症
上気道感染
帯状疱疹再燃
血液
リンパ節症
免疫系
過敏症
精神神経系
頭痛、神経痛、傾眠、浮動性めまい
痙攣、感覚異常及び運動機能障害(第7脳神経麻痺、顔面不全麻痺、麻痺、不全麻痺、神経炎、視神経炎)、髄膜症
感覚器
回転性めまい
視力障害、羞明、眼痛、耳鳴
循環器
頻脈
呼吸器
呼吸困難
消化器
下痢b)
悪心、嘔吐、腹痛
皮膚
そう痒症、発疹(紅斑性皮疹、斑状丘疹状皮疹)、紅斑、蕁麻疹
皮膚炎、多汗症
筋・骨格系
筋肉痛、関節痛、四肢痛、筋骨格硬直
背部痛、関節腫脹、頚部痛
その他
疲労、倦怠感、発熱、無力症、インフルエンザ様疾患
悪寒、歩行障害、浮腫
ダニ媒介性脳炎ウイルスに対して感染歴のない16歳以上の健康成人を対象に、本剤を3回筋肉内接種(1回目接種の21~35日後に2回目接種、2回目接種の5~12ヵ月後に3回目接種)したときの免疫原性及び安全性を検討した。99例を対象に、主要な免疫原性評価項目である3回目接種後1ヵ月時の抗体陽性率を評価した結果、表1のとおり事前に規定された、主要な免疫原性評価項目の達成基準(抗体陽性率の95%信頼区間の下限が90%を上回る)を満たした。
%(n/N)
95%信頼区間c)
98.0(97/99)
(92.9, 99.8)
a)抗体陽性は中和抗体価が1:10以上(ダニ媒介性脳炎ウイルスNeudoerfl株)と定義した1)。b)3回目接種後21~35日後に採血した。c)Clopper-Pearson法に基づく正確な両側検定による信頼区間を算出した。
安全性は、1回目、2回目を接種した100例及び3回目を接種した99例を対象に、本剤接種後7日間の事前に規定した局所反応及び全身性反応を電子日誌で収集し評価した。主な局所反応は注射部位疼痛であり、それぞれ1回目接種後59例(59.0%)、2回目接種後44例(44.0%)、3回目接種後36例(36.4%)が報告された。全ての局所反応の重症度は軽度又は中等度であり、持続期間は1~2日(中央値)であった。全身性反応について、1回目接種後には筋肉痛19例(19.0%)、疲労16例(16.0%)及び頭痛13例(13.0%)が主に報告され、2回目接種後には頭痛10例(10.0%)が主に報告され、3回目接種後には頭痛11例(11.1%)と疲労11例(11.1%)が主に報告された。全身性反応の多くは軽度又は中等度であり、持続期間は発熱(1回目接種後6.5日;2例、2回目接種後5日;1例、3回目接種後1日;1例、いずれも中央値)を除き1~2.5日(中央値)であった2)。
690601試験では、ダニ媒介性脳炎ウイルスに対する感染歴がなく、通常のスケジュールよりも短い接種間隔(1回目及び2回目接種は14日の間隔)で本剤を2回接種した16歳以上の健康成人を対象に、1回目接種から6ヵ月後に本剤を1回接種(3回目接種)したときの免疫原性及び各回接種の安全性を検討した。297例を対象に、有効性評価項目である3回目接種後3週時の抗体陽性率を評価した結果、表2のとおりであった。
年齢層
16~49歳
100.0(144/144)
(97.5, 100.0)
50歳以上
98.7(151/153)
(95.4, 99.8)
a)抗体陽性は中和抗体価が1:10以上(ダニ媒介性脳炎ウイルスNeudoerfl株)と定義した1)。b)3回目接種21日後に採血した。c)Clopper-Pearson法に基づく正確な両側検定による信頼区間を算出した。
安全性は、340例(16~49歳群は1回目接種170例、2回目接種167例、3回目接種158例、50歳以上群は1回目接種170例、2回目接種168例、3回目接種164例)を対象に、本剤接種後4日間の事前に規定した局所反応及び全身性反応を収集し評価した。主な局所反応は、注射部位疼痛[いずれかの接種回後に16~49歳群で19~25例(11.2~15.8%)、50歳以上群で12~15例(7.1~8.9%)]及び圧痛[いずれかの接種回後に16~49歳群で13~20例(8.2~12.0%)、50歳以上群で9~20例(5.5~11.9%)]が報告された。主な全身性反応は、1回目接種後及び2回目接種後に16~49歳群で頭痛、リンパ節腫脹、倦怠感及び疲労が、50歳以上群では頭痛、リンパ節腫脹及び倦怠感が報告された[それぞれいずれかの接種回後で6~8例(3.6~4.7%)]。3回目接種後の主な全身性反応は16~49歳群で頭痛[5例(3.2%)]及び倦怠感[4例(2.5%)]が、50歳以上群でリンパ節腫脹、関節痛及び筋肉痛[各2例(1.2%)]が報告された3)。
223試験では、本剤の海外臨床試験において通常の接種スケジュールにより3回目接種(初回免疫)を完了した18~67歳の健康成人を対象に、本剤の3回目接種から3年後に本剤を4回目接種(1回目の追加免疫)したときの免疫原性及び安全性を検討した。240例を対象に、有効性評価項目である4回目接種後1ヵ月時の抗体陽性率を評価した結果、表3のとおりであった。
100(240/240)
(98.5, 100.0)
a)抗体陽性は中和抗体価が1:10以上(ダニ媒介性脳炎ウイルスNeudoerfl株)と定義した1)。b)1回目追加免疫後21~35日後に採血した。c)Clopper-Pearson法に基づく正確な両側検定による信頼区間を算出した。
安全性は、328例を対象に、本剤接種後4日間の事前に規定した局所反応及び全身性反応を収集し評価した。局所反応は、計22例に発現し、圧痛[16例(4.9%)]、注射部位疼痛[13例(4.0%)]が報告された。全身反応は計2例に発現し、倦怠感及び筋肉痛[各1例(0.3%)]が報告された3)。
223試験では、本剤の海外臨床試験において通常の接種スケジュールにより3回目接種(初回免疫)を完了した18~67歳の健康成人を対象に、3回目接種から2年後及び3年後の抗体価を検討した。690701及び691101試験では、223試験で4回目接種(1回目の追加免疫)を完了した健康成人を対象に、本剤の4回目接種から27、34、46、58ヵ月後(690701試験)、82、94、106及び118ヵ月後(691101試験)の免疫持続性を検討した。初回免疫後の抗体持続性については、表4のとおり、18~50歳及び51~67歳のいずれの年齢層においても抗体陽性率が3年間にわたり高い値を維持した。1回目の追加免疫完了後の抗体持続性については、表5のとおり223試験参加時18~49歳、50~60歳、60歳超のいずれの年齢層においても抗体陽性率が34ヵ月後(約3年間)まで高い値を維持した。さらに、18~49歳及び50~60歳においては58ヵ月後(約5年間)まで高い値を維持した3)。
3回目接種後測定時期
18~50歳
51~67歳
95%信頼区間b)
2年後
97.6(206/211)
(94.6, 99.2)
87.8(36/41)
(73.8, 95.9)
3年後
96.5(192/199)
(92.9, 98.6)
82.9(34/41)
(67.9, 92.8)
a)抗体陽性は中和抗体価が1:10以上(ダニ媒介性脳炎ウイルスNeudoerfl株)と定義した1)。b)Clopper-Pearson法に基づく正確な両側検定による信頼区間を算出した。
来院時期
18~49歳b)
50~60歳b)
60歳超b)
34ヵ月後
100.0(245/245)
100.0(51/51)
(93.0, 100.0)
100.0(9/9)
(66.4, 100.0)
46ヵ月後
97.6(239/245)
(94.7, 99.1)
92.2(47/51)
(81.1, 97.8)
77.8(7/9)
(40.0, 97.2)
58ヵ月後
96.7(237/245)
(93.7, 98.6)
75.0(6/8)
(34.9, 96.8)
a)抗体陽性は中和抗体価が1:10以上(ダニ媒介性脳炎ウイルスNeudoerfl株)と定義した1)。b)223試験参加時の年齢で年齢層を区分した。c)Clopper-Pearson法に基づく正確な両側検定による信頼区間を算出した。
本剤接種により、ダニ媒介性脳炎ウイルスに対する中和抗体の産生が誘導されることで、ダニ媒介性脳炎ウイルスによる感染症の予防に寄与すると考えられている。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
1シリンジ0.5mL 1本
1) Adner N, et al.:Scand J Infect Dis. 2001;33(11):843-847
2) 国内第Ⅲ相試験(B9371039試験)(2024年3月26日承認、CTD2.7.3.1.1.1、CTD2.7.3.2.1、CTD2.7.4.2.1.1.1、CTD2.7.6.17)
3) 海外臨床試験(690601試験、223試験、690701試験、691101試験)(2024年3月26日承認、CTD2.7.3.1.1.2、CTD2.7.3.2.2、CTD2.7.4.2.1.1.2、CTD2.7.6)
ファイザー株式会社Pfizer Connect/メディカル・インフォメーション
〒151-8589 東京都渋谷区代々木3-22-7
TEL 0120-664-467
本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。
ファイザー株式会社
東京都渋谷区代々木3-22-7
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