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処方箋医薬品注)
生物由来製品
血友病B(先天性血液凝固第Ⅸ因子欠乏症)患者における出血傾向の抑制
本剤は製剤に添付された溶解液を全量用いて溶解し、数分かけて緩徐に静脈内に注射する。初回用量は通常、本剤50国際単位/kgとするが、患者の状態に応じて適宜増減できる。また、次回以降は患者の状態、血液凝固第Ⅸ因子の上昇値[(国際単位/dL)/(国際単位/kg)]に応じて適宜増減する。
必要な第Ⅸ因子単位=体重(kg)×血液凝固第Ⅸ因子の目標上昇値(%又は国際単位/dL)×血液凝固第Ⅸ因子の上昇値の逆数(国際単位/dLあたりの国際単位/kg)血液凝固第Ⅸ因子の上昇値[(国際単位/dL)/(国際単位/kg)]:本剤投与前から本剤投与30分後の第Ⅸ因子の増加量を体重あたりの投与量(国際単位/kg)で除した値として求める。
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血液凝固第Ⅸ因子に対するインヒビターの有無を確認すること。,,,
アレルギー反応の発現の可能性を考慮して、投与初期(約10~20実投与日)はアレルギー反応に対する適切な処置が可能な医師のもとで投与すること。血液凝固第Ⅸ因子投与によりアナフィラキシーのリスクが増加する可能性がある。,,
投与に際しては、本剤の治療上の有益性と血栓塞栓性合併症のリスクを勘案すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。生殖発生毒性試験は実施していない。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
蕁麻疹、悪寒、血管浮腫、呼吸困難、血圧低下、頻脈等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。,,,,
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2%以上
1~2%未満
1%未満
眼
霧視
消化管
嘔気
嘔吐
投与部位
注射部位反応、注射部位疼痛
精神神経系
頭痛、浮動性めまい
味覚異常
振戦
呼吸器
呼吸困難、咳嗽、低酸素症、胸部不快感
皮膚
発疹、蕁麻疹
蜂巣炎
その他
潮紅
発熱、悪寒、静脈炎
患者集団(投与量)
年齢
回収率[%]
血液凝固第Ⅸ因子活性の上昇値[国際単位/dL/(国際単位/kg)]
消失半減期(hr)
AUC[国際単位・hr/dL]
AUC/投与量[国際単位・hr/dL/(国際単位/kg)]
日本人(50国際単位/kg)
15歳未満(n=3)
28.1±4.7
0.62±0.11
20.2±6.8
422±77
8.5±1.6
外国人(75国際単位/kg)
15歳未満(n=33)
32.7±7.3
0.61±0.15
19.8±3.6注)
649±194
8.7±2.6
15歳以上(n=37)
35.3±8.5
0.76±0.18
24.5±5.4
999±233
13.3±3.1
平均値±標準偏差注)n=10AUC:血漿中血液凝固第Ⅸ因子濃度−時間推移曲線下面積
本剤の回収率はヒト血漿由来の血液凝固第Ⅸ因子よりも28%低かった(海外データ)。この回収率の違いはヒト血漿由来血液凝固第Ⅸ因子と遺伝子組換え血液凝固第Ⅸ因子の分子構造上の違いが関係していると考えられる。
国内臨床試験の評価対象3例において、6ヵ月間の治療期間中に認められた合計49件の出血エピソードに対し、本剤の止血効果が検討された。計49件の出血エピソードのうち、46件(93.9%)では、本剤の1回又は2回の投与で止血し得た(それぞれ73.5%及び20.4%)。治療的投与(合計67回)の有効性(止血に要した2回目以降の投与回数も対象)は、関節内出血の92.6%及び軟部組織/筋肉内出血の77.5%で「著効」又は「有効」と判定された。「無効」と判定された投与はなかった4)。
症例数
有効性評価
評価せず
計
著効/有効
やや有効
無効
日本人
3例
関節内
25(92.6)
2(7.4)
0
27
軟部組織/筋肉内
31(77.5)
8(20.0)
1(2.5)
40
副作用を発現した被験者はいなかった。
6歳未満の外国人小児血友病B患者において、16例に認められた合計60件の関節内及び軟部組織/筋肉内の出血エピソードに対し、本剤の止血効果が検討された。計60件の出血エピソードのうち、53件(88.3%)では、本剤の1回又は2回の投与で止血し得た(それぞれ68.3%及び20.0%)。治療的投与の有効性(最初の投与に対する評価のみ)は、関節内出血の81.3%及び軟部組織/筋肉内出血の88.6%で「著効」又は「有効」と判定された。また「無効」と判定された投与はなかった4)。
301試験
外国人
16例
13(81.3)
3(18.8)
16
39(88.6)
4(9.1)
1(2.3)
44
副作用の発現率は16.0%(4/25例)であった。主な副作用は、一般的全身障害の臨床検査異常8.0%(2/25例)、アレルギー反応4.0%(1/25例)、皮膚及び付属器障害の発疹8.0%(2/25例)及び蕁麻疹4.0%(1/25例)、血液及びリンパ系障害の第Ⅸ因子抑制4.0%(1/25例)、呼吸器系障害の咳嗽増加4.0%(1/25例)、処置に至った局所反応4.0%(1/25例)であった。
外国人の血友病B患者において、18例に認められた合計100件の出血エピソードに対し、本剤の止血効果が検討された。計100件の出血エピソードのうち、81件(81.0%)では、本剤の1回又は2回の投与で止血し得た(それぞれ53.0%及び28.0%)。治療的投与の有効性(最初の投与に対する評価のみ)は、関節内出血の87.3%及び軟部組織/筋肉内出血の79.3%で「著効」又は「有効」と判定された。また関節内出血の4.2%(3件)の投与が「無効」と判定された。軟部組織/筋肉内出血では「無効」と判断された投与はなかった4)。
302試験
18例
62(87.3)
6(8.5)
3(4.2)
71
23(79.3)
5(17.2)
1(3.4)
29
副作用の発現率は17.4%(4/23例)であった。主な副作用は、一般的全身障害の注射部位反応8.7%(2/23例)、臨床検査異常8.7%(2/23例)及び注射部位疼痛4.3%(1/23例)、その他のカテーテル関連事象4.3%(1/23例)、神経系障害の浮動性めまい4.3%(1/23例)であった。
外国人血友病B患者において、15例に認められた合計84件の出血エピソードに対し、本剤の止血効果が検討された。計84件の関節内及び軟部組織/筋肉内の出血エピソードのうち、78件(92.9%)では、本剤の1回又は2回の投与で止血し得た(それぞれ82.1%及び10.7%)。治療的投与の有効性(最初の投与に対する評価のみ)は、関節内出血の85.4%及び軟部組織/筋肉内出血の86.1%で「著効」又は「有効」と判定された。また「無効」と判定された投与はなかった4)。
304試験
15例
41(85.4)
6(12.5)
1(2.1)
48
31(86.1)
5(13.9)
36
副作用の発現率は8.8%(3/34例)であった。主な副作用は、一般的全身障害の頭痛2.9%(1/34例)、消化管系障害の悪心2.9%(1/34例)、神経系障害の浮動性めまい2.9%(1/34例)、特殊感覚器障害の味覚倒錯2.9%(1/34例)であった。
本剤は、遺伝子組換え血液凝固第Ⅸ因子を有効成分とし、その構造及び機能的特性は内因性血液凝固第Ⅸ因子と類似している。血液凝固第Ⅸ因子は内因性凝固系で血液凝固第Ⅺa因子により活性化されるのと同時に、外因性凝固系で血液凝固第Ⅶ因子/組織因子複合体によって活性化される。活性化された血液凝固第Ⅸ因子は、活性化血液凝固第Ⅷ因子と共に血液凝固第Ⅹ因子を活性化する。この結果、最終的にプロトロンビンをトロンビンに変換する。トロンビンはフィブリノーゲンをフィブリンに変換し、血餅が生じる。本剤による補充療法により血液凝固第Ⅸ因子の血漿中レベルを増加し、その結果、血液凝固第Ⅸ因子欠乏状態を一時的に矯正し、出血のコントロールを可能とする。
ノナコグアルファ(遺伝子組換え)Nonacog Alfa(Genetical Recombination)〔JAN〕
ヒト血液凝固第Ⅸ因子のAla 148対立遺伝子をコードするcDNAとPACEプロテアーゼcDNAの2種の発現プラスミドを組み込んだチャイニーズハムスターの卵巣細胞で産生される415個のアミノ酸残基(C2053H3114N558O665S25,分子量:47,053.70)からなる糖たん白質(分子量:約55,000)
〔プレフィルドシリンジ(0.234%塩化ナトリウム溶液5mL)×1シリンジ付き〕
1) Ewenstein BM, et al.:Blood.1997;89(3):1115-1116[L70010001801]
2) Douvas MG, et al.:J Pediatr Hematol Oncol.2004;26(4):258-263[L70010001802]
3) 社内資料:薬物動態のまとめ(承認年月日:2009.10.16、CTD2.7.2.2.1.1、2.7.2.3.5.4)[L70010001809]
4) 社内資料:臨床成績のまとめ(承認年月日:2009.10.16、CTD2.7.6.1.0-2.7.6.4.0)[L70010001807]
5) Roberts HR, et al.:Hematol Oncol Clin North Am.1993;7(6):1269-1280[L70010001803]
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〒151-8589 東京都渋谷区代々木3-22-7
TEL 0120-664-467
ファイザー株式会社
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(参考)海外における出血エピソード及び外科手術における用量は以下のとおりである5) 。
出血の種類
必要な循環血中血液凝固第Ⅸ因子活性値(%又は国際単位/dL)
投与間隔(時間)
治療期間(日)
軽度
20~30
12~24
1~2
中等度
25~50
出血が止まり、治癒が始まるまで:約2~7日
重度
50~100
7~10
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