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モメタゾンフランカルボン酸エステル軟膏0.1%「MYK」/モメタゾンフランカルボン酸エステルクリーム0.1%「MYK」/モメタゾンフランカルボン酸エステルローション0.1%「MYK」

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能・効果
5.効能・効果に関連する注意
6.用法・用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.1血中濃度
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

モメタゾンフランカルボン酸エステル軟膏0.1%「MYK」/モメタゾンフランカルボン酸エステルクリーム0.1%「MYK」/モメタゾンフランカルボン酸エステルローション0.1%「MYK」

添付文書番号

2646731M1053_1_03

企業コード

730012

作成又は改訂年月

2024年6月改訂(第2版)
2024年2月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

872646

薬効分類名

皮膚外用合成副腎皮質ホルモン剤

承認等

モメタゾンフランカルボン酸エステル軟膏0.1%「MYK」

販売名コード

YJコード

2646731M1053

販売名英語表記

Mometasone Furoate Ointment 0.1% “MYK”

承認番号等

承認番号

23100AMX00098000

販売開始年月

2007年7月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

規制区分

劇薬

モメタゾンフランカルボン酸エステルクリーム0.1%「MYK」

販売名コード

YJコード

2646731N1059

販売名英語表記

Mometasone Furoate Cream 0.1% “MYK”

承認番号等

承認番号

23100AMX00099000

販売開始年月

2007年7月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

規制区分

劇薬

モメタゾンフランカルボン酸エステルローション0.1%「MYK」

販売名コード

YJコード

2646731Q1055

販売名英語表記

Mometasone Furoate Lotion 0.1% “MYK”

承認番号等

承認番号

23100AMX00100000

販売開始年月

2007年7月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

規制区分

劇薬

一般的名称

モメタゾンフランカルボン酸エステル

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 細菌・真菌・スピロヘータ・ウイルス皮膚感染症及び動物性皮膚疾患(疥癬、けじらみ等)[これらの疾患が増悪するおそれがある。]
  2. 2.2 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  3. 2.3 鼓膜に穿孔のある湿疹性外耳道炎[穿孔部位の治癒の遅延及び感染のおそれがある。]
  4. 2.4 潰瘍(ベーチェット病は除く)、第2度深在性以上の熱傷・凍傷[皮膚の再生が抑制され、治癒が遅延するおそれがある。]

3. 組成・性状

3.1 組成

モメタゾンフランカルボン酸エステル軟膏0.1%「MYK」

有効成分(1g中)
モメタゾンフランカルボン酸エステル   1mg(0.1%)
添加剤*炭酸プロピレン、乳酸、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、サラシミツロウ、白色ワセリン(抗酸化剤としてジブチルヒドロキシトルエンを含む)

モメタゾンフランカルボン酸エステルクリーム0.1%「MYK」

有効成分(1g中)
モメタゾンフランカルボン酸エステル   1mg(0.1%)
添加剤*白色ワセリン(抗酸化剤としてジブチルヒドロキシトルエンを含む)、セタノール、モノステアリン酸グリセリン、ポリオキシエチレンセチルエーテル、モノステアリン酸ソルビタン、セバシン酸ジエチル、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、エデト酸ナトリウム水和物、乳酸

モメタゾンフランカルボン酸エステルローション0.1%「MYK」

有効成分(1g中)
モメタゾンフランカルボン酸エステル   1mg(0.1%)
添加剤プロピレングリコール、イソプロパノール、ヒドロキシプロピルセルロース、乳酸

3.2 製剤の性状

モメタゾンフランカルボン酸エステル軟膏0.1%「MYK」

識別コードMY1029 O
剤形
色調
におい
微黄白色のなめらかな半固体で、わずかに特異なにおいがある。

モメタゾンフランカルボン酸エステルクリーム0.1%「MYK」

識別コードMY1029 C
剤形
色調
におい
白色~微黄白色のなめらかな半固体で、わずかに特異なにおいがある。

モメタゾンフランカルボン酸エステルローション0.1%「MYK」

識別コードMY1029 L
剤形
色調
におい
無色澄明の液で、特異なにおいがある。

4. 効能・効果

湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症を含む)、乾癬、掌蹠膿疱症、紅皮症、薬疹・中毒疹、虫さされ、痒疹群(蕁麻疹様苔癬、ストロフルス、固定蕁麻疹を含む)、多形滲出性紅斑、慢性円板状エリテマトーデス、扁平紅色苔癬、ジベル薔薇色粃糠疹、シャンバーグ病、肥厚性瘢痕・ケロイド、天疱瘡群、類天疱瘡、円形脱毛症

5. 効能・効果に関連する注意

皮膚感染を伴う湿疹・皮膚炎には使用しないことを原則とするが、やむを得ず使用する必要がある場合には、あらかじめ適切な抗菌剤(全身適用)、抗真菌剤による治療を行うか、又はこれらとの併用を考慮すること。

6. 用法・用量

通常、1日1~数回、適量を患部に塗布する。
なお、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 大量又は長期にわたる広範囲の密封法(ODT)等の使用により、副腎皮質ホルモン剤を全身投与した場合と同様な症状があらわれることがあるので、特別な場合を除き長期大量使用や密封法(ODT)を極力避けること。,,,
  2. 8.2 長期連用により、局所的副作用が発現しやすいので、症状改善後は速やかに他のより緩和な局所療法に転換すること。
  3. 8.3 本剤の使用により症状の改善がみられない場合又は症状の悪化をみる場合は、使用を中止すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対しては使用しないことが望ましい。また、大量又は長期にわたる広範囲の使用を避けること。動物試験で催奇形作用(ラット:連日皮下投与、ウサギ:連日経皮投与)1),2)及び胎児への移行(ラット:皮下投与)3)が報告されている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物試験(ラット:皮下投与)で乳汁中に移行することが報告されている3)

9.7 小児等

長期・大量使用又は密封法(ODT)は避けること。発育障害を来すおそれがある。
また、おむつは密封法(ODT)と同様の作用があるので注意すること。

9.8 高齢者

大量又は長期にわたる広範囲の密封法(ODT)等の使用に際しては特に注意すること。一般に副作用があらわれやすい。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障(頻度不明)

    眼瞼皮膚への使用に際しては眼圧亢進、緑内障を起こすことがある。
    大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)により、緑内障、後嚢白内障等があらわれることがある。

11.2 その他の副作用

0.1~5%未満

0.1%未満

頻度不明

過敏症

皮膚の刺激感

紅斑

皮膚

接触皮膚炎

そう痒、皮膚乾燥

皮膚の感染症1)

真菌症(カンジダ症、白癬等)

細菌感染症(伝染性膿痂疹、毛嚢炎・せつ等)、ウイルス感染症

その他の皮膚症状2)

ざ瘡様発疹、ステロイド皮膚(皮膚萎縮、ステロイド潮紅・毛細血管拡張、紫斑)、色素脱失

酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎(ほほ、口囲等に潮紅、丘疹、膿疱、毛細血管拡張)、多毛

下垂体・副腎皮質系

下垂体・副腎皮質系機能の抑制3)

1) このような症状があらわれた場合には、適切な抗菌剤、抗真菌剤等を併用し、症状が速やかに改善しない場合には、本剤の使用を中止すること。密封法(ODT)の場合に起こりやすい。
2) 長期連用により、このような症状があらわれた場合にはその使用を差し控え、副腎皮質ホルモンを含有しない薬剤に切り替えること。
3) 大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)により発現した事象。投与中止により急性副腎皮質機能不全に陥る危険性があるため、投与を中止する際は患者の状態を観察しながら徐々に減量すること。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。

  1. 14.1.1 使用時

    化粧下、ひげそり後等に使用することのないよう注意すること。

  2. 14.1.2 使用部位

    眼科用として使用しないこと。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

*健康成人5例にモメタゾンフランカルボン酸エステル軟膏を5日間連続して密封法(ODT)により塗布し、モメタゾンフランカルボン酸エステル及びその主代謝物の血漿中濃度をラジオイムノアッセイにより測定した。
投与15時間後には、血漿中に未変化体が100pg/mL前後検出され、以後ほぼ同じ水準で推移したが投与中止後は急速に検出されなくなった4)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 *国内臨床試験

    承認時において、0.12%ベタメタゾン吉草酸エステル及び0.064%ベタメタゾンジプロピオン酸エステル軟膏・クリームを対照薬とした二重盲検比較試験及び一般臨床試験での有効性評価対象例は1692例であり、有効率は86.2%(1458例)であった5)

    表17-1 臨床成績

    疾患名

    軟膏

    クリーム

    有効例数/有効性評価対象例数

    有効率(%)

    有効例数/有効性評価対象例数

    有効率(%)

    湿疹・皮膚炎群注1

    235/262

    89.7

    167/185

    90.3

    乾癬

    174/192

    90.6

    152/191

    79.6

    掌蹠膿疱症

    23/31

    74.2

    18/28

    64.3

    紅皮症

    27/31

    87.1

    22/26

    84.6

    薬疹・中毒疹

    29/30

    96.7

    26/29

    89.7

    虫さされ

    30/31

    96.8

    32/32

    100

    痒疹群注2

    28/29

    96.6

    28/31

    90.3

    多形滲出性紅斑

    20/20

    100

    15/16

    93.8

    慢性円板状エリテマトーデス

    15/20

    75.0

    17/20

    85.0

    扁平紅色苔癬

    21/22

    95.5

    12/15

    80.0

    ジベル薔薇色粃糠疹

    26/26

    100

    27/27

    100

    シャンバーグ病

    16/20

    80.0

    18/21

    85.7

    肥厚性瘢痕・ケロイド

    13/22

    59.1

    14/28

    50.0

    天疱瘡群

    16/17

    94.1

    7/8

    類天疱瘡

    8/9

    8/11

    72.7

    円形脱毛症

    14/24

    58.3

    12/25

    48.0

    注1:進行性指掌角皮症を含む集計

    注2:蕁麻疹様苔癬、ストロフルス、固定蕁麻疹を含む集計

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

ステロイドは細胞質に存在する熱ショック蛋白質、抑制蛋白質と複合体を形成したステロイド受容体に結合後核内に移行し、ステロイド反応性の遺伝子を活性化させ、その薬理作用を発揮すると考えられている。また、血管内皮細胞やリンパ球等の細胞膜の障害を抑制するような膜の安定性に関与する作用や、フォスフォリパーゼA2と呼ばれる細胞膜リン脂質からロイコトリエンやプロスタグランジンなど種々の炎症惹起物質を誘導する重要な酵素の機能を抑える作用も知られている。
その作用機序としては、単量体のステロイドとその受容体が複合体を形成することで、NFκBやAP-1と呼ばれるサイトカイン産生の誘導や細胞接着分子の発現等を調節している細胞内転写因子の機能を抑制することで、2量体の受容体と結合した場合、リポコルチン等の誘導を介して、炎症を制御すると考えられている。免疫抑制作用に関しては、リンパ球に対する直接的な機能抑制、アポトーシスの誘導によると考えられている6)

18.2 薬理作用

  1. 18.2.1 皮膚血管収縮試験

    健康成人12例を対象とした皮膚蒼白度試験(肉眼的判定)において、モメタゾンフランカルボン酸エステル軟膏及びクリームは、ベタメタゾン吉草酸エステル軟膏及びクリームに比べて強い皮膚血管収縮能を示した7)

    図18-1 皮膚血管収縮比較試験
  2. 18.2.2 各種炎症に対する作用
    1. (1) モメタゾンフランカルボン酸エステル又はモメタゾンフランカルボン酸エステル軟膏は、マウスのクロトン油耳殻浮腫、ラットのカラゲニン足蹠浮腫、paper disk肉芽腫の各炎症モデルに対して、局所投与によりベタメタゾンジプロピオン酸エステル、ベタメタゾン吉草酸エステル及びこれらを含有する軟膏製剤に比較して、強い局所抗炎症作用を示した8)
    2. (2) モメタゾンフランカルボン酸エステルは、臨床での効力がvery strong群の中位以上の各種コルチコステロイドとのマウスでの比較試験において、局所抗炎症作用(クロトン油耳殻浮腫抑制作用)が強く、主作用(局所抗炎症作用)と副作用(皮膚萎縮、全身作用)との乖離性が大きかった9)

18.3 生物学的同等性試験

  1. 18.3.1 皮膚血管収縮試験

    モメタゾンフランカルボン酸エステル軟膏0.1%「MYK」及びフルメタ軟膏を健康成人男子20名の背部皮膚に1時間塗布し、除去24時間後までの皮膚蒼白度を肉眼的に判定し、その経時変化から平均AUECを求め、ノンパラメトリック法により平均AUECの差の90%信頼区間を算出した。その結果、フルメタ軟膏とモメタゾンフランカルボン酸エステル軟膏0.1%「MYK」の平均AUECの差の90%信頼区間は、フルメタ軟膏の平均AUECの±20%の範囲内にあり、両製剤の生物学的同等性が確認された。

    図1. 皮膚蒼白度の経時的推移(軟膏剤)

    モメタゾンフランカルボン酸エステルクリーム0.1%「MYK」についても同様の結果が得られ、フルメタクリームとの生物学的同等性が確認された。

    図2. 皮膚蒼白度の経時的推移(クリーム剤)

    モメタゾンフランカルボン酸エステルローション0.1%「MYK」についても同様の結果が得られ、フルメタローションとの生物学的同等性が確認された10)

    図3. 皮膚蒼白度の経時的推移(ローション剤)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

モメタゾンフランカルボン酸エステル
(Mometasone Furoate)(JAN)

化学名

(+)-9,21-Dichloro-11β,17α-dihydroxy-16α-methyl-1,4-pregnadiene-3,20-dione 17-(2-furoate)

分子式

C27H30Cl2O6

分子量

521.43

性状

白色~微黄白色の結晶性の粉末である。
クロロホルムに溶けやすく、1,4-ジオキサンにやや溶けやすく、メタノール又はエタノール(95)に溶けにくく、ジエチルエーテルに極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。

化学構造式

融点

約218℃(分解)

分配係数

クロロホルム、酢酸エチル又はオクタノールとpH2~10の各pH緩衝液との2層間の平衡状態における分配比(25℃)を測定した結果、すべてのpH領域において水層には分配しない。

20. 取扱い上の注意

  • 〈軟膏〉
    1. 20.1 高温条件下で軟膏基剤中の低融点物質(液体)が滲出すること(Bleeding現象)がある。
  • 〈クリーム〉
    1. 20.2 高温条件下で外観が変化(粒状あるいは分離)することがある。
  • 〈ローション〉
    1. 20.3 火気に近づけないこと。

22. 包装

  • モメタゾンフランカルボン酸エステル軟膏0.1%「MYK」

    アルミニウム製チューブ:5g×10、10g×10
    ポリエチレン製容器:200g

  • モメタゾンフランカルボン酸エステルクリーム0.1%「MYK」

    アルミニウム製チューブ:5g×10、10g×10

  • モメタゾンフランカルボン酸エステルローション0.1%「MYK」

    ポリエチレン製容器:10g×10

24. 文献請求先及び問い合わせ先

日医工株式会社 お客様サポートセンター

〒930-8583 富山県富山市総曲輪1丁目6番21

TEL(0120)517-215
FAX(076)442-8948

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

前田薬品工業株式会社

富山県富山市向新庄町1丁目18番47号

26.2 販売元

日医工株式会社

富山市総曲輪1丁目6番21

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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