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日本薬局方
ジアゼパム錠
向精神薬
処方箋医薬品注)
症状が悪化するおそれがある。
作用が強くあらわれる。
排泄が遅延するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
授乳を避けさせること。ヒト母乳中ヘ移行し、新生児に嗜眠、体重減少等を起こすことがあり、また、黄疸を増強する可能性がある。
乳児、幼児において作用が強くあらわれる。
少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。運動失調等の副作用が発現しやすい。
過度の鎮静や呼吸抑制を起こすおそれがある。
チトクロームP450に対する競合的阻害作用による。
眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が増強することがある。
相互に中枢神経抑制作用が増強することが考えられている。
本剤のクリアランスがシメチジンとの併用により27~51%、オメプラゾールとの併用により27~55%減少することが報告されている。
本剤の代謝、排泄を遷延させるおそれがある。
本剤のクリアランスがシプロフロキサシンとの併用により低下することが報告されている。
本剤の代謝が阻害されることにより本剤のクリアランスが低下することが報告されている。
本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
これら薬剤のCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が阻害されるため。
本剤又はこれらの薬剤の作用が増強されるおそれがある。
本剤とこれらの薬剤がCYP3A4を競合的に阻害することにより、相互のクリアランスが低下すると考えられる。
エトラビリンのCYP2C9、CYP2C19阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。
(1)眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が増強することがある。
(2)併用中の本剤を急速に減量又は中止すると痙攣発作が起こる可能性がある。
(1)相互に中枢神経抑制作用が増強することが考えられている。
(2)本剤の抗痙攣作用により抑制されたマプロチリン塩酸塩の痙攣作用が本剤の減量・中止によりあらわれることがある。
鎮静作用が増強されるおそれがある。また、ミルタザピンとの併用により精神運動機能及び学習獲得能力が減退するとの報告がある。
相加的な鎮静作用を示すことが考えられる。
本剤の作用が増強することがある。
本剤の非結合型の血中濃度を上昇させる。
筋弛緩作用を増強する可能性がある。
相互に筋弛緩作用が増強することが考えられている。
本剤の血中濃度が低下し、作用が減弱するおそれがある。
リファンピシンのCYP3A4誘導作用により、本剤の代謝が誘導され、血中濃度が低下する可能性がある。
アパルタミドのCYP2C19誘導作用により、本剤の代謝が誘導され、血中濃度が低下する可能性がある。
これら薬剤の血中濃度に影響を与えるおそれがある。
血漿蛋白結合率が高いことによる。
本剤の血中濃度が減少することがある。
不明
連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、痙攣発作、せん妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
慢性気管支炎等の呼吸器疾患に用いた場合、呼吸抑制があらわれることがある。
頻度不明
精神神経系
眠気、ふらつき、眩暈、歩行失調、頭痛、失禁、言語障害、振戦、霧視、複視、多幸症
肝臓
黄疸
血液
顆粒球減少、白血球減少
循環器
頻脈、血圧低下
消化器
悪心、嘔吐、食欲不振、便秘、口渇
過敏症
発疹
その他
倦怠感、脱力感、浮腫
本剤の過量投与が明白又は疑われた場合の処置としてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与する場合には、使用前にフルマゼニルの使用上の注意を必ず読むこと。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
投与した薬剤が特定されないままにフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与された患者で、新たに本剤を投与する場合、本剤の鎮静・抗痙攣作用が変化、遅延するおそれがある。
ヒトにジアゼパム10mgを経口投与したとき、投与後1時間に最高血中濃度に達し、その濃度は0.18~0.22µg/mLであった。また、血中濃度は投与後6時間以内に減少しつつ、0.04~0.05µg/mLで定常状態に達し、12~24時間持続した1) (外国人データ)。
3Hで標識したジアゼパム10mgをヒトに経口投与したとき、尿中総排泄率は71%であった。また、経口投与時の尿中未変化体排泄率は1~2%であり、尿中には未変化体以外に代謝物として、テマゼパム、デスメチルジアゼパム及びオキサゼパムが排泄された2),3),4),5),6) 。
ジアゼパムは、ベンゾジアゼピン受容体に高い親和性を有する。ベンゾジアゼピン受容体は、GABAA受容体と複合体を形成しており機能的にも共役していることから、本薬がベンゾジアゼピン受容体に結合すると、ベンゾジアゼピン受容体とGABAA受容体との相互作用により、GABAのGABAA受容体への親和性が増加し、間接的にGABAの作用が増強すると考えられている。GABAは脳内抑制性神経伝達物質の一つであり、GABAA受容体を活性化させることにより、クロルイオンチャネルを介してクロルイオンを細胞内に流入させ、神経細胞の興奮を抑制する7),8),9),10),11) 。ムスカリン受容体作動薬により誘発された痙攣における本薬の抗痙攣作用の機序の一つとして、本薬が上記のように間接的にGABAの作用を増強させる結果、神経細胞の興奮を抑制し、脳内グルタミン酸等興奮性伝達物質遊離を抑制することが考えられる12) 。
ジアゼパムは、各種動物において他のベンゾジアゼピン系薬剤と同様に鎮静作用、抗不安作用、抗痙攣作用及び筋弛緩作用を示すことが認められている。
マウス、ラット及びサル13) において自発運動減少作用を示す。また、イヌ14) 及びサル15) において自発脳波の抑制作用を示す。
マウスの明暗箱試験16) 、ラットの高架式十字迷路試験17) 及びラットのコンフリクト試験18) において抗不安作用を示す。
マウスのペンテトラゾール誘発痙攣及び電撃誘発痙攣19) 並びにラットのペンテトラゾール誘発キンドリング20),21) 及び扁桃体キンドリング22),23) に対して抗痙攣作用を示す。また、モルモットの有機リン誘発痙攣24) に対して抗痙攣作用を示す。
マウス及びラットにおいて筋弛緩作用を示す19) 。
ジアゼパム(Diazepam)
7-Chloro-1-methyl-5-phenyl-1,3-dihydro-2H -1,4-benzodiazepin-2-one
C16H13ClN2O
284.74
白色~淡黄色の結晶性の粉末で、においはなく、味は僅かに苦い。アセトンに溶けやすく、無水酢酸又はエタノール(95)にやや溶けやすく、ジエチルエーテルにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。
130~134℃
100錠[10錠(PTP)×10]、1000錠[10錠(PTP)×100]、1000錠[バラ]
500g[缶]
1) De Silva, J. A. F. et al.:J. Pharm. Sci.,1966;55(7):692-702[HR0660003]
2) Hvidberg, E. F. et al.:Clin. Pharmacokinet.,1976;1:161-188[HR0760001]
3) 島田英世 他:薬物の体内動態と薬物療法2刷,1996;39-43
4) Mandelli, M. et al.:Clin. Pharmacokinet.,1978;3:72-91[HR0780026]
5) Schwartz, M. A. et al.:J. Pharmacol. Exp. Ther.,1965;149(3):423-435[HR0650005]
6) Zingales, I. A.:J. Chromatogr.,1973;75:55-78[HR0730018]
7) Upton, N. et al.:The GABA Receptors 2nd Ed.,1997;83-120[HR0970161]
8) 髙折修二 他監訳:グッドマン・ギルマン薬理書(上) 薬物治療の基礎と臨床 第12版(廣川書店)2013;568-569
9) Eghbali, M. et al.:Nature,1997;388(6637):71-75[HR0970108]
10) Williams, D. B. et al.:Mol. Pharmacol.,2000;58(5):1129-1136[HR2000035]
11) Tanelian, D. L. et al.:Anesthesiology,1993;78(4):757-776[HR0930016]
12) Khan, G. M. et al.:Eur. J. Pharmacol.,2000;407(1):139-144[HR2000038]
13) Dubinsky, B. et al.:J. Pharmacol. Exp. Ther.,2002;303(2):777-790[HR2020022]
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16) 今西泰一郎 他:日薬理誌,2001;118(6):403-410[HR2010140]
17) Mechan, A. O. et al.:Psychopharmacology,2002;159(2):188-195[HR2020025]
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本剤は厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、1回90日分を超える投薬は認められていない。
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