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日本薬局方
クロルジアゼポキシド錠
向精神薬
処方箋医薬品注)
クロルジアゼポキシドとして、通常成人1日20~60mgを2~3回に、小児1日10~20mgを2~4回にそれぞれ分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
症状が悪化するおそれがある。
作用が強くあらわれる。
排泄が遅延するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
授乳を避けさせること。ヒト母乳中に移行し、新生児に嗜眠、体重減少等を起こすことが他のベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム)で報告されており、また、黄疸を増強する可能性がある。
乳児、幼児において、作用が強くあらわれる。
少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。運動失調等の副作用が発現しやすい。
中枢神経抑制剤
中枢神経抑制作用を増強することがある。
相加的な増強作用を示す可能性がある。
モノアミン酸化酵素阻害剤
モノアミン酸化酵素阻害剤の肝ミクロゾーム酵素阻害等が考えられる。
アルコール(飲酒)
アルコールの中枢神経抑制作用及び肝ミクロゾーム酵素阻害による本剤の血中濃度の上昇が推定される。
マプロチリン塩酸塩
中枢神経抑制作用を増強することがある。また、併用中の本剤を急速に減量又は中止すると痙攣発作が起こることがある。
明らかにされていないが、相加的な中枢神経抑制作用の増強と考えられる。
ダントロレンナトリウム水和物
筋弛緩作用を増強することがある。
相互に筋弛緩作用を増強することがある。
連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、痙攣発作、せん妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には徐々に減量するなど慎重に行うこと。
慢性気管支炎等の呼吸器疾患に用いた場合、呼吸抑制があらわれることがある。
頻度不明
精神神経系
眠気、ふらつき、眩暈、歩行失調、頭痛、多幸症
肝臓
黄疸
血液
顆粒球減少、白血球減少
循環器
血圧低下
消化器
悪心、便秘、口渇
過敏症
発疹、光線過敏症
骨格筋
倦怠感、脱力感等の筋緊張低下症状
その他
浮腫
本剤の過量投与が明白又は疑われる場合の処置としてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与する場合には、使用前にフルマゼニルの使用上の注意を必ず読むこと。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
投与した薬剤が特定されないままにフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与された患者で、新たに本剤を投与する場合、本剤の鎮静・抗痙攣作用が変化、遅延するおそれがある。
健康成人9例に本剤100mgを経口投与注1)したとき、血漿中濃度は投与後3時間で最高に達し、徐々に下降した。投与後24時間でも血漿中にかなりの量が存在し、48時間でも認められた1)。また、成人軽症患者2例に本剤100mgを静脈内投与注1)したとき、血清中濃度は速やかに上昇し、15~30分で最高値(約7μg/mL)となり、以後徐々に減少し4日後に消失した。成人軽症患者3例に本剤100mgを筋肉内投与注1)したとき、血清中濃度は投与1時間後に約1μg/mLとなり、この値が4日前後持続した2)。
14Cで標識した本剤をヒトに投与したとき、ジアゼピン環の2位のメチルアミノ基が脱メチルされ、さらに脱アミノされてラクタム誘導体となる。これは大部分そのままの型で排泄されるが、一部は開環されたラクタムに変化する。このアミノ酸はこの型のまま、あるいはアルカリに不安定な抱合体となって排泄される3)。
健康成人に本剤100mgを経口投与注1)したとき、投与後48時間までの平均尿中排泄率は0.8%であった1)。
ベンゾジアゼピン受容体との結合を介し、大脳辺縁系及び視床下部GABA作動系ニューロンを増強するものと考えられている4)。
各種の実験動物(マウス、ラット、ネコ、イヌ、サル)において大脳辺縁系、特に海馬、扁桃核に作用することで、強力な鎮静・緊張除去作用を示した。また、サルの攻撃的行動及びラットの脳中隔部を破壊して実験的に生じさせた凶暴性行動を鎮静化に要する量よりはるかに低い量で抑制した。正常な意識・行動に影響をほとんど及ぼさずに不安・緊張等の情動異常を改善した5),6),7)。
大脳辺縁系に作用して、視床下部の機能を調整し、自律神経安定化作用を示した7),8)。
経口投与によりマウスでの抗痙攣作用並びにマウス、ネコでの筋弛緩作用が認められた7)。
ネコの餌への接近-回避型の葛藤行動による実験的神経症に対して、著明に餌とり行動の回復を示した9)。また、ラットを拘束して惹起させたストレス胃潰瘍に対し、潰瘍の発生を著しく減少させた10)。
クロルジアゼポキシド(Chlordiazepoxide)
7-Chloro-2-methylamino-5-phenyl-3H-1,4-benzodiazepin-4-oxide
C16H14ClN3O
299.75
白色~淡黄色の結晶又は結晶性の粉末である。酢酸(100)に溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルに極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。希塩酸に溶ける。光によって徐々に変化する。融点:約240℃(分解)
100錠[10錠(PTP)×10]
1) Smyth, D. et al.:Arch. Int. Pharmacodyn. Ther., 1963;145:154-165[M1330033]
2) Whitman, E. N. et al.:J. Newark City Hospital, 1996;3(3):3-10[M1330036]
3) Koechlin, B. A. et al.:J. Pharmacol. Exp. Ther., 1965;148(3):399-411[M1330042]
4) 田中 千賀子 他 編:NEW薬理学(南江堂)改訂第4版, 2002;331-335
5) Schallek, W. et al.:Ann. N. Y. Acad. Sci., 1962;96:303-314[M1330018]
6) Requin, S. et al.:C. R. Seances. Soc. Biol. Fil., 1963;157:2015-2019[M1330019]
7) Randall, L. O.:Dis. Nerv. Syst., 1960;21(Suppl.3):7-10[M1330020]
8) Schallek, W. et al.:Arch. Int. Pharmacodyn. Ther., 1964;149:467-483[M1330026]
9) Jacobsen, E.:2nd Int. Pharmacol. Meeting, 1965;1:181-193[M1330028]
10) Haot, J. et al.:Arch. Int. Pharmacodyn. Ther., 1964;148:557-559[M1330029]
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本剤は厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、1回30日分を超える投薬は認められていない。
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