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劇薬
向精神薬
習慣性医薬品注)
処方箋医薬品注)
本剤を注射しないこと。本剤にはナロキソンが添加されているため、水に溶解して注射投与しても効果なく、麻薬依存患者では禁断症状を誘発し、また肺塞栓、血管閉塞、潰瘍、膿瘍を引き起こすなど、重度で致死的な事態を生じることがある。
各種癌における鎮痛
通常、成人には、1回ペンタゾシンとして25~50mgを経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。必要に応じ追加投与する場合には、3~5時間の間隔をおく。
軽度の麻薬拮抗作用が認められているので、ときとして禁断症状を呈することがある。
大量投与した場合Oddi氏筋を収縮する。
肺動脈圧及び血管抵抗を上昇させる。
本剤の作用が増強するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
低用量から投与を開始するとともに、投与間隔を延長するなど慎重に投与すること。高い血中濃度が持続する傾向等が認められている。
ナルメフェン塩酸塩水和物
本剤の離脱症状を起こすおそれがある。また、本剤の鎮痛作用を減弱させるため、効果を得るために必要な用量が通常用量より多くなるおそれがある。
μオピオイド受容体拮抗作用により、本剤の作用が競合的に阻害される。
モルヒネ製剤
本剤の作用が増強されることがある。併用が必要な場合には、一方又は両方の投与量を必要に応じて減らすこと。また、本剤は高用量において、モルヒネの作用に拮抗することがあるので、通常、モルヒネとの併用は避けること。
ペンタゾシンの作用は、脳内オピオイドレセプターの飽和濃度に左右される。
中枢性鎮痛剤
ベンゾジアゼピン誘導体・その他の鎮静剤
中枢性薬剤(睡眠剤等)
アルコール
本剤の作用が増強されることがある。併用が必要な場合には、一方又は両方の投与量を必要に応じて減らすこと。
中枢神経系が抑制されることによると考えられる。
セロトニン神経系賦活作用を有する抗うつ剤
抗うつ剤の作用が増強され不安感、悪心、発汗、潮紅等が起こるおそれがある。併用が必要な場合には、一方又は両方の投与量を必要に応じて減らすこと。
中枢のセロトニン作動活性を増強すると考えられる。外国において、セロトニン神経系賦活を作用機序とする抗うつ剤(フルオキセチン)投与患者でセロトニン神経系賦活作用の増強に由来すると考えられる症状(不安感、悪心、発汗、潮紅等)が認められたとの報告がある。
メサドン塩酸塩
メサドン塩酸塩の鎮痛作用を減弱させることがある。また、退薬症候を起こすおそれがある。
本剤はメサドン塩酸塩の作用するμ受容体の部分アゴニストである。
顔面蒼白、呼吸困難、チアノーゼ、血圧下降、頻脈、全身発赤、血管浮腫、蕁麻疹等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
酸素吸入(必要に応じて人工呼吸)か、又はドキサプラムの投与が有効であるが、麻薬拮抗剤(レバロルファン)は無効である。
連用により薬物依存を生ずることがある。特に薬物依存の既往歴のある患者には注意すること。また、連用後、投与を急に中止すると、振戦、不安、興奮、悪心、動悸、冷感、不眠等の禁断症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には徐々に減量すること。,
5%以上
1%~5%未満
1%未満
頻度不明
精神神経系
めまい、ふらつき、発汗、傾眠
幻覚、興奮、頭痛、頭重、不安、もうろう状態、酩酊感、冷汗、浮遊感、不眠、振戦、意識障害
循環器
熱感、顔面潮紅、動悸、血圧上昇、血圧低下、顔面蒼白
消化器
悪心
嘔吐
口渇、食欲不振、腹部膨満感、胃部不快感、腹痛、便秘
過敏症
発疹
多形紅斑
血液
貧血、赤血球減少、白血球減少
肝臓
肝機能異常
泌尿器
排尿障害、尿閉
その他
倦怠感、不快感、発熱、悪寒、脱力感
疲労感
外国において薬物嗜癖の病歴を有する患者が、術後疼痛のため処方された本剤を過量服用(ペンタゾシンとして1g)し、死亡(肝不全)したとの報告がある。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人男性6例に本剤(ペンタゾシンとして50mg含有)を経口投与した時、ペンタゾシンの最高血漿中濃度(Cmax)とその到達時間(Tmax)及び半減期は下記のとおりであった1)。
Tmax(h)
Cmax(ng/mL)
t1/2(min)
2
19~86
98~192
健康成人(20例)及び脳神経外科手術後の患者(22例)でのペンタゾシンの血漿蛋白結合率を検討した結果、それぞれ61.1%及び65.8%であった2)。
健康成人男性6例に本剤(ペンタゾシンとして50mg含有)を経口投与し、経時的に24時間、尿中のペンタゾシン及びその代謝物濃度を検討した。経口投与後の吸収は良く、尿中には主としてペンタゾシンと代謝物の抱合型として排泄され、投与後24時間までの総排泄率は投与量の70.4%であった1)。
肝硬変患者と健康成人において、ペンタゾシン0.4mg/kgを経口投与した結果、肝硬変患者では健康成人と比較してペンタゾシンの血中クリアランスは約1/2に低下して半減期は約1.7倍に延長し、生物学的利用率は約3.8倍に増加した3)。肝障害患者に本剤を投与するときは、投与量、投与間隔の適切な調節が必要である。
若年(22~48歳)の健康成人(8例)、術後患者(1例)及び高齢(60~90歳)の術後患者(5例)、疼痛患者(3例)にペンタゾシンをそれぞれ30mg、80mg、30~60mgを静脈内投与注1)した結果、高齢層では若年層と比較して総クリアランスは約1/2に低下し、半減期は約1.6倍に延長した4)。高齢者に本剤を投与するときは、投与量、投与間隔の適切な調節が必要である。
癌性疼痛患者を対象とした二重盲検比較試験における本剤の有効率(「有効」以上)は25mg群で46.7%(7/15例)、50mg群で71.4%(10/14例)、筋肉内投与15mg群で75.0%(12/16例)であった。副作用は25mg群で悪心、嘔吐が1例に認められた5)。
癌性疼痛患者を対象とした二重盲検比較試験における本剤の有効率(「有効」以上)は25mg群で60.0%(9/15例)、50mg群で81.8%(9/11例)、非オピオイド経口鎮痛剤群で58.3%(7/12例)であった。副作用は25mg群で弱い頭痛が1例、50mg群で嘔気、嘔吐が1例、ボンヤリ感が2例に認められた6)。
癌性疼痛患者を対象とした二重盲検比較試験における有効率(「有効」以上)は、本剤25mg群で79.4%(50/63例)、筋肉内投与15mg群で87.3%(55/63例)であった。副作用は58.7%(37/63例)に認められ、主な副作用は睡眠24例、ねむけ6例、発汗6例、めまい3例、悪心3例であった7)。
中枢神経における刺激伝導系を抑制することにより、鎮痛効果を発現する8)。
化学刺激(マウス酢酸writhing法9)、ラットアセチルコリン動注法10))及び電気刺激(ラット尾部電気刺激9)、ネコ屈曲反射10)、ウサギ歯髄刺激10))による疼痛反応に対する鎮痛効果試験において、ペンタゾシン(20~200mg/kg p.o.)の効力は、コデインリン酸塩水和物の約1/3~1倍、アスピリンの約3.5倍であった。経口投与した場合15分以内に鎮痛効果が発現し、その後約60分持続する(ラットアセチルコリン動注法10))。本剤中に添加されているナロキソン量(1錠あたり0.25mg)では、経口投与により全量が肝初回通過効果による速やかな代謝を受け11),12)、作用を発現せず、ペンタゾシンの薬理作用を阻害することはない。しかし、本剤を注射投与した場合、ナロキソンはペンタゾシンの薬理作用に拮抗する。
塩酸ペンタゾシン(Pentazocine Hydrochloride)
(±)-(2RS,6RS,11RS)-1,2,3,4,5,6-Hexahydro-6,11-dimethyl-3-(3-methyl-2-butenyl)-2,6-methano-3-benzazocin-8-ol monohydrochloride
C19H27NO・HCl
321.88
白色~微黄白色の結晶性の粉末である。クロロホルムに溶けやすく、エタノール(95)又は酢酸(100)にやや溶けやすく、水にやや溶けにくく、無水酢酸に溶けにくい。
約248℃(分解)
100錠[10錠(PTP)×10]
1) 社内資料:健康成人の薬物動態(D199702115-01.00, 1997)
2) Ehrnebo, M.et al.:Clin. Pharmacol. Ther., 1974;16(3):424-429[SO0740005]
3) Neal, E.A.et al.:Gastroenterology, 1979;77:96-102[SO0790001]
4) Ritschel, W.A.et al.:Methods Find. Exp. Clin.Pharmacol., 1986;8(8):497-503
5) 榎本尚美 他:治療, 1976;58(9):1835-1841[SO0760022]
6) 坪井慶孝 他:治療, 1977;59(1):178-182[SO0770034]
7) 古江尚 他:医学のあゆみ, 1975;93(7):292-298[SO0750053]
8) Lim, R.K.S.et al.:Bull. Drug Addiction and Narcotics, 1964:3983
9) 社内資料:薬理作用(マウス及びラット)(D199701868-01.00, 1997)
10) 社内資料:薬理作用(ラット、ネコ及びウサギ)(D199701869-01.00, 1997)
11) Berkowitz, B.A.:Clin. Pharmacokinet., 1976;1(3):219-230[SO0760002]
12) Weinstein, S.H.et al.:J. Pharm. Sci., 1973;62(9):1416-1419[SO0730004]
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本剤は厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、1回14日分を超える投薬は認められていない。
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