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劇薬
向精神薬
習慣性医薬品注)
処方箋医薬品注)
通常、成人にはペンタゾシンとして1回15mgを筋肉内または皮下に注射し、その後必要に応じて、3~4時間毎に反復注射する。なお、症状により適宜増減する。
通常、ペンタゾシンとして30~60mgを筋肉内、皮下または静脈内に注射するが、症例により適宜増減する。
軽度の麻薬拮抗作用が認められているので、ときとして禁断症状を呈することがある。
大量投与した場合Oddi氏筋を収縮する。
特に静脈内投与の場合、急性心筋梗塞患者の動脈圧、血管抵抗を上昇させる。
本剤の作用が増強するおそれがある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等には投与しないことが望ましい。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
低用量から投与を開始するとともに、投与間隔を延長するなど慎重に投与すること。高い血中濃度が持続する傾向等が認められている。
ナルメフェン塩酸塩水和物
本剤の離脱症状を起こすおそれがある。また、本剤の鎮痛作用を減弱させるため、効果を得るために必要な用量が通常用量より多くなるおそれがある。緊急の手術等によりやむを得ず本剤を投与する場合、患者毎に用量を漸増し、呼吸抑制等の中枢神経抑制症状を注意深く観察すること。また、手術等において本剤を投与することが事前にわかる場合には、少なくとも1週間前にナルメフェン塩酸塩水和物の投与を中断すること。
μオピオイド受容体拮抗作用により、本剤の作用が競合的に阻害される。
モルヒネ製剤
本剤の作用が増強されることがある。併用が必要な場合には、一方又は両方の投与量を必要に応じて減らすこと。また、本剤は高用量において、モルヒネの作用に拮抗することがあるので、通常、モルヒネとの併用は避けること。
ペンタゾシンの作用は、脳内オピオイドレセプターの飽和濃度に左右される。
中枢性鎮痛剤
ベンゾジアゼピン誘導体・その他の鎮静剤
中枢性薬剤(睡眠剤等)
アルコール
本剤の作用が増強されることがある。併用が必要な場合には、一方又は両方の投与量を必要に応じて減らすこと。
中枢神経系が抑制されることによると考えられる。
セロトニン神経系賦活作用を有する抗うつ剤
抗うつ剤の作用が増強され不安感、悪心、発汗、潮紅等が起こるおそれがある。併用が必要な場合には、一方又は両方の投与量を必要に応じて減らすこと。
中枢のセロトニン作動活性を増強すると考えられる。外国において、セロトニン神経系賦活を作用機序とする抗うつ剤(フルオキセチン)投与患者でセロトニン神経系賦活作用の増強に由来すると考えられる症状(不安感、悪心、発汗、潮紅等)が認められたとの報告がある。
メサドン塩酸塩
メサドン塩酸塩の鎮痛作用を減弱させることがある。また、退薬症候を起こすおそれがある。
本剤はメサドン塩酸塩の作用するμ受容体の部分アゴニストである。
顔面蒼白、呼吸困難、チアノーゼ、血圧下降、頻脈、全身発赤、血管浮腫、蕁麻疹等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
酸素吸入(必要に応じて人工呼吸)か、又はドキサプラムの投与が有効であるが、麻薬拮抗剤(レバロルファン)は無効である。
連用により薬物依存を生ずることがある。特に薬物依存の既往歴のある患者には注意すること。また、連用後、投与を急に中止すると、振戦、不安、興奮、悪心、動悸、冷感、不眠等の禁断症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には徐々に減量すること。,
大量連用により、神経原性の四肢の筋萎縮が起こり、脱力、歩行困難があらわれることがある。
強直性痙攣又は間代性痙攣があらわれることがある。
1%~5%未満
1%未満
頻度不明
精神神経系
傾眠、めまい、ふらつき、発汗
幻覚注1)、しびれ感、多幸感、不安、頭痛、頭重、複視、振戦
錯乱注1)、鎮静、意識障害、浮遊感、興奮、痙攣
循環器
血圧上昇、血圧低下、皮膚潮紅、熱感
消化器
悪心
嘔吐、口渇
便秘
過敏症
顔面浮腫、発赤、発疹、多形紅斑
血液
白血球減少、貧血
肝臓
肝機能異常
泌尿器
排尿障害、尿閉
その他
胸内苦悶、疲労感、不快感、悪寒
発熱、脱力感、倦怠感
傾眠、呼吸抑制、血圧低下等を起こすことがあり、重症の場合には、循環不全、昏睡、痙攣等を起こすことがある。
痙攣に対する治療は必須であり、中枢神経抑制作用に対してはナロキソン投与を行う。
バルビタール系薬剤(注射液)と同じ注射筒で使用すると沈殿を生ずるので、同じ注射筒で混ぜないこと。
連続注射により、まれに注射部位に潰瘍等の障害があらわれることがある。
組織・神経等への影響を避けるため、以下の点に配慮すること。
16~63歳の整形外科もしくは婦人科の手術患者30名に、ペンタゾシン0.5mg/kg、1mg/kgを筋注(臀筋内)注2)もしくは0.5mg/kgを静注注2)した場合の最高血中濃度及び半減期、AUCは以下のとおりである1)。
投与経路
用量(mg/kg)
Cmax※(μg/mL)
Tmax(min)
t1/2※(h)
AUC※(μg・h/mL)
筋肉内投与
0.5
0.15±0.04
約10
1.28±0.71
0.23±0.13
1.0
0.28±0.09
30
2.02±0.50
0.87±0.47
静脈内投与
2.07±1.20
投与直後
0.73±0.60
0.28±0.16
※平均±標準偏差
健康成人(20例)及び脳神経外科手術後の患者(22例)でのペンタゾシンの血漿蛋白結合率を検討した結果、それぞれ61.1%及び65.8%であった2)。
海外における検討によれば、ペンタゾシンを人に投与後の尿中には未変化体と代謝産物としてcis-アルコール体及びtrans-カルボン酸体とその抱合体が認められる3)。
健康成人男子にペンタゾシンを静注して、その生体内代謝を検討した成績によれば、投与後32時間尿中に投与量の8.4~24.0%が未変化体で排泄されることが認められている4)。
若年(22~48歳)の健康成人(8例)、術後患者(1例)及び高齢(60~90歳)の術後患者(5例)、疼痛患者(3例)にペンタゾシンをそれぞれ30mg、80mg注2)、45~60mg、30mgを静脈内投与した時、高齢者では健康成人と比較して総クリアランスが約1/2に低下し、消失半減期は約1.6倍に延長した5)。高齢者に本剤を投与する場合には、投与量、投与間隔の適切な調節が必要である。
本剤の臨床試験は、各科領域における各種疼痛の緩解を目的として、総症例数2,493例について実施された。その結果、癌性疼痛96.9%(1,275/1,316例)、術後疼痛88.2%(484/549例)、胸腹部臓器疾患に伴う疼痛94.4%(321/340例)、検査器具使用時の疼痛79.5%(159/200例)等の有効率が得られた6)。
癌性疼痛、術後疼痛を対象としたプラセボ(生理食塩液)との二重盲検比較試験により、本剤の鎮痛効果は投与後20分から2~3時間において、対照群に比し有意差をもって認められた7),8),9),10),11)。
本剤の麻酔前投薬及び麻酔補助としての臨床効果は、手術予定の成人患者61例を対象に検討されており、30~60mg投与により77.0%(47/61例)の有効率が得られた6),12)。
中枢神経における刺激伝導系を抑制することにより、鎮痛効果を発現する13)。
術後患者を対象に、ペンタゾシンの鎮痛効果をモルヒネ、ペチジンと比較した成績によれば、ペンタゾシン30mgの非経口投与は、モルヒネ10mg14),15)、ペチジン75~100mg16)にほぼ匹敵する鎮痛効果を有する。皮下注、筋注では15~20分で鎮痛効果が発現し、約3~4時間持続する15),16)。
ペンタゾシン(Pentazocine)
(2RS,6RS,11RS)-6,11-Dimethyl-3-(3-methylbut-2-en-1-yl)-1,2,3,4,5,6-hexahydro-2,6-methano-3-benzoazocin-8-ol
C19H27NO
285.42
白色~微黄白色の結晶性の粉末で、においはない。酢酸(100)又はクロロホルムに溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすく、ジエチルエーテルにやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。
1mL×10アンプル、1mL×50アンプル
1) 荒川佳子 他:麻酔, 1981;30(4):356-361[SO0810033]
2) Ehrnebo, M.et al:Clin. Pharmacol. Ther., 1974;16(3):424-429[SO0740005]
3) Berkowitz, B.:Ann. N.Y.Acad. Sci., 1971;179:269-281[SO0710031]
4) Beckett, A.H.et al.:J. Pharm. Pharmacol., 1970;22:123-128[SO0700028]
5) Ritchel, W.A.et al.:Methods Find. Exp. Clin. Pharmacol., 1986;8(8):497-503
6) 社内資料:臨床効果
7) 葛西洋一 他:診断と治療, 1969;57:2288-2292[SO0690037]
8) 村瀬正雄 他:新歯潮, 1969;3:187-196
9) 古江尚 他:診療と保険, 1969;11:830-834
10) 竹内弘幸:泌尿紀要, 1969;15:658-662[SO0690012]
11) 美馬昂 他:麻酔, 1969;18:299-304[SO0690002]
12) 岩月賢一 他:麻酔, 1969;18(4):292-298[SO0690041]
13) Lim, R.K.S.et al.:Bull. Drug Addiction and Narcotics., 1964;3983
14) Stoelting, V.K.:Anesth. Analg., 1965;44(6):769-772[SO0650003]
15) 美馬昂 他:医学のあゆみ, 1970;73(6):307-312[SO0700023]
16) Sadove, M.S.et al.:JAMA., 1965;193(11):887-892[SO0650006]
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