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コルスバ静注透析用シリンジ17.5μg/コルスバ静注透析用シリンジ25.0μg/コルスバ静注透析用シリンジ35.0μg

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.2その他の副作用
13.過量投与
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.3分布
16.4代謝
16.5排泄
16.6特定の背景を有する患者
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2オピオイド受容体に対する作用
18.3抗そう痒作用
18.4抗炎症作用
18.5依存性
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
21.承認条件
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

コルスバ静注透析用シリンジ17.5μg/コルスバ静注透析用シリンジ25.0μg/コルスバ静注透析用シリンジ35.0μg

添付文書番号

1290402G1026_1_02

企業コード

730119

作成又は改訂年月

2023年12月改訂(第2版)
2023年9月作成(第1版)

日本標準商品分類番号

87129

薬効分類名

静注透析そう痒症改善剤

承認等

コルスバ静注透析用シリンジ17.5μg

販売名コード

YJコード

1290402G1026

販売名英語表記

KORSUVA IV Injection Syringe for Dialysis

販売名ひらがな

こるすばじょうちゅうとうせきようしりんじ17.5µg

承認番号等

承認番号

30500AMX00248

販売開始年月

2023年12月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

*36ヵ月

コルスバ静注透析用シリンジ25.0μg

販売名コード

YJコード

1290402G2022

販売名英語表記

KORSUVA IV Injection Syringe for Dialysis

販売名ひらがな

こるすばじょうちゅうとうせきようしりんじ25.0µg

承認番号等

承認番号

30500AMX00249

販売開始年月

2023年12月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

*36ヵ月

コルスバ静注透析用シリンジ35.0μg

販売名コード

YJコード

1290402G3029

販売名英語表記

KORSUVA IV Injection Syringe for Dialysis

販売名ひらがな

こるすばじょうちゅうとうせきようしりんじ35.0µg

承認番号等

承認番号

30500AMX00250

販売開始年月

2023年12月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

*36ヵ月

一般的名称

ジフェリケファリン酢酸塩注射液

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

コルスバ静注透析用シリンジ17.5μg

有効成分1シリンジ(0.7mL)中
ジフェリケファリン酢酸塩(ジフェリケファリンとして17.5μg)  
添加剤1 シリンジ(0.7mL)中
氷酢酸 0.91mg、酢酸ナトリウム水和物 1.75mg、等張化剤、pH 調節剤

コルスバ静注透析用シリンジ25.0μg

有効成分1シリンジ(0.7mL)中
ジフェリケファリン酢酸塩(ジフェリケファリンとして25.0μg)  
添加剤1 シリンジ(0.7mL)中
氷酢酸 0.91mg、酢酸ナトリウム水和物 1.75mg、等張化剤、pH 調節剤

コルスバ静注透析用シリンジ35.0μg

有効成分1シリンジ(0.7mL)中
ジフェリケファリン酢酸塩(ジフェリケファリンとして35.0μg)  
添加剤1 シリンジ(0.7mL)中
氷酢酸 0.91mg、酢酸ナトリウム水和物 1.75mg、等張化剤、pH 調節剤

3.2 製剤の性状

コルスバ静注透析用シリンジ17.5μg

性状 無色澄明の液
剤形注射剤(シリンジ)
pH4.0~5.0
浸透圧比0.9~1.2(生理食塩液に対する比)

コルスバ静注透析用シリンジ25.0μg

性状 無色澄明の液
剤形注射剤(シリンジ)
pH4.0~5.0
浸透圧比0.9~1.2(生理食塩液に対する比)

コルスバ静注透析用シリンジ35.0μg

性状 無色澄明の液
剤形注射剤(シリンジ)
pH4.0~5.0
浸透圧比0.9~1.2(生理食塩液に対する比)

4. 効能又は効果

血液透析患者におけるそう痒症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る)

6. 用法及び用量

通常、成人にはジフェリケファリンとして、下表に示す用量を週3回、透析終了時の返血時に透析回路静脈側に注入する。

ドライウェイト

投与量

45kg未満

17.5μg

45kg以上65kg未満

25.0μg

65kg以上85kg未満

35.0μg

85kg以上

42.5μg

8. 重要な基本的注意

眠気、めまい等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)において、胎盤通過が報告されている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)において、乳汁中へ移行することが報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    オピオイド系薬剤

    本剤の作用が増強あるいは減弱されるおそれがある。

    両剤の薬理学的な相互作用(増強又は拮抗)が考えられる。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.2 その他の副作用

    2~5%未満

    1~2%未満

    1%未満

    頻度不明

    精神障害

    精神状態変化

    神経系障害

    浮動性めまい、傾眠

    頭痛

    血管障害

    ほてり

    胃腸障害

    便秘

    下痢

    悪心

    一般・全身障害および投与部位の状態

    倦怠感

    臨床検査

    血圧低下

    甲状腺ホルモン減少、血中甲状腺刺激ホルモン減少、血中プロラクチン増加

    血中カリウム増加

    13. 過量投与

    1. 13.1 処置

      本剤は血液透析により除去される。

    14. 適用上の注意

    14.1 全般的な注意

    使用時には、以下の点に注意すること。

    • シリンジが破損するおそれがあるので、シリンジを鉗子等で叩くなど、強い衝撃を与えないこと。特に低温下ではシリンジが破損しやすいので注意すること。
    • 押子(プランジャー)が外れたり、ガスケットが変形し薬液が漏出したりするおそれがあるので押子のみを持たないこと。
    • 押子を反時計回りに回転させると接続に緩みが生じ、ガスケットから押子が外れるおそれがあるので、押子を反時計回りに回転させないこと。
    • 押子を引かないこと。

    14.2 薬剤調製時の注意

    他剤との混注を行わないこと。

    14.3 薬剤投与時の注意

    1. 14.3.1 使用に際しては、ブリスター包装を開封口からゆっくり開け、外筒(バレル)を持って取り出すこと。
    2. 14.3.2 押子の緩みがないか確認すること。緩みが認められた場合は、押子を時計回りに回転させ締め直すこと。
    3. 14.3.3 筒先のキャップをゆっくり回転させながら外して、アクセスポートに確実に接続すること。キャップを外した後は、筒先に触れないこと。
    4. 14.3.4 注射針等を接続する場合は誤刺に注意し、しっかりと固定すること。
    5. 14.3.5 本剤は透析回路静脈側に注入し、皮下、筋肉内には投与しないこと。

    14.4 薬剤投与後の注意

    シリンジの再滅菌・再使用はしないこと。開封後の使用は1回限りとし、使用後の残液はシリンジとともに速やかに廃棄すること。

    15. その他の注意

    15.1 臨床使用に基づく情報

    1. 15.1.1 そう痒症を有する血液透析患者を対象とした海外第III相プラセボ対照臨床試験の統合解析において、心房細動の既往歴有無別の「心臓障害(MedDRA/Jの器官別大分類)」の有害事象の発現割合は、心房細動の既往歴のある患者で本剤0.5μg/kg群17.0%(8/47例)及びプラセボ群8.2%(5/61例)、心房細動の既往歴のない患者で本剤0.5μg/kg群6.6%(25/377例)及びプラセボ群6.1%(22/363例)であり、相対リスク比は1.90であった。
    2. 15.1.2 そう痒症を有する血液透析患者を対象とした国内臨床試験(前期第II相臨床試験、後期第II相臨床試験、第III相臨床試験)で本剤0.5μg/kgが投与された計254例において、血圧低下の有害事象が15例に計16件発現し、発現時期は、投与当日が7件、投与翌日以降が9件であった。このうち、本剤との因果関係が否定されなかった血圧低下は5件であり、発現時期は、投与当日が1件、投与翌日以降が4件であった。なお、投与当日の血圧低下の発現と本剤投与との前後関係は明らかではない。

    16. 薬物動態

    16.1 血中濃度

    1. 16.1.1 反復投与(1週間)

      日本人血液透析患者を対象に、本剤0.5及び1μg/kg1)を週3回、透析終了時の返血時に透析回路静脈側から1週間投与したときの1回目及び3回目投与における血漿中ジフェリケファリン濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。透析後の血漿中ジフェリケファリン濃度は透析前の値から76%低下した1)。 

      反復投与時の血漿中ジフェリケファリン濃度推移
      血液透析患者における薬物動態パラメータ

      投与量

      例数

      Cmax
      (ng/mL)

      AUC0-inf
      (ng·h/mL)

      t1/2
      (h)

      0.5μg/kg

      5

      1回目

      4.38
      ±1.31

      97.38
      ±35.02

      34.1
      ±7.2

      3回目

      5.38
      ±1.84

      151.34
      ±48.55

      40.0
      ±10.1

      1μg/kg

      4

      1回目

      8.95
      ±2.24

      240.05
      ±87.23

      39.0
      ±14.5

      3回目

      8.69
      ±2.45

      316.85
      ±106.67

      49.3
      ±28.1

      平均値±標準偏差

    2. 16.1.2 反復投与(8週間)

      日本人血液透析患者を対象に、本剤0.5μg/kgをベースとしたドライウェイトに基づく体重区分ごとの投与量を週3回、透析終了時の返血時に透析回路静脈側から8週間投与したとき、週はじめの透析前の血漿中トラフ濃度は以下のとおりであった2)
      ※45.0kg未満:17.5μg、45.0kg以上65.0kg未満:25.0μg、65.0kg以上85.0kg未満:35.0μg、85.0kg以上:42.5μg 

      週はじめの透析前の血漿中トラフ濃度(ng/mL)

      ドライウェイト

      1週時

      4週時

      7週時

      45kg未満

      0.43±0.17(5)

      0.46±0.23(4)

      0.61±0.19(4)

      45kg以上
      65kg未満

      0.55±0.22(36)

      0.66±0.25(32)

      0.63±0.24(32)

      65kg以上
      85kg未満

      0.52±0.20(15)

      0.59±0.21(15)

      0.56±0.20(15)

      85kg以上

      0.69、
      0.79(2)a)

      0.75、
      0.85(2)a)

      0.75(1)a)

      平均値±標準偏差(例数)
      a)個別値(例数)

    16.3 分布

    1. 16.3.1 ヒト血漿蛋白結合率は、14C-ジフェリケファリン1及び10μmol/Lの濃度において18.3%及び16.7%であった3)in vitro)。
    2. 16.3.2 血液透析患者に本剤1、3及び6μg/kg1)を投与したときの血漿蛋白結合率は23.3%~27.5%であった4)(外国人データ)。
    3. 16.3.3 雄性ラット(2例/時点)に本剤3mg/kgを単回静脈内投与したときの投与0.5、1及び3時間後の血漿中及び脳中の本剤濃度が検討された結果、各測定時点における血漿中に対する脳中の本剤濃度の比は、それぞれ0.0221、0.0187及び0.253であった5)

    16.4 代謝

    1. 16.4.1 本剤は、ヒト凍結肝細胞中では代謝されなかった6)in vitro)。
    2. 16.4.2 血液透析患者6例に14C-ジフェリケファリン230μg(1.7~3.0μg/kg)1)を単回静脈内投与したとき、血漿中放射能の99%超が未変化体として存在していた。また、尿中及び糞中に認められた代謝物のうち、最も多いものは総放射能の2.44%であった7)(外国人データ)。

    16.5 排泄

    血液透析患者6例に14C-ジフェリケファリン230μg(1.7~3.0μg/kg)1)を単回静脈内投与したとき、投与した放射能の58.8%が糞中、19.5%が透析液中及び11.2%が尿中に排泄された7)(外国人データ)。

    16.6 特定の背景を有する患者

    1. 16.6.1 腎機能障害患者

      腎機能正常(eGFR 90mL/min/1.73m2以上)被験者又は軽度(eGFR 60~89mL/min/1.73m2)、中等度(eGFR 30~59mL/min/1.73m2)若しくは重度(eGFR 15~29mL/min/1.73m2)腎機能障害を有する被験者(腎機能正常被験者12例、軽度、中等度又は重度腎機能障害被験者各8例)を対象に、本剤3μg/kg1)を単回静脈内投与したときの血漿中ジフェリケファリンの薬物動態パラメータは以下のとおりであった8)(外国人データ)。 

      腎機能正常及び腎機能障害被験者に本剤を単回静脈内投与したときの薬物動態パラメータ

      腎機能

      評価
      例数

      Cmax
      (ng/mL)

      t1/2
      (h)

      AUC0-inf
      (ng·h/mL)

      CLa)
      (mL/min)

      正常

      12

      40.5±15.4

      3.11±0.805

      61.5±10.2

      70.0±11.2

      軽度
      障害

      8

      47.0±19.8

      3.67±0.741

      76.6±15.9

      63.2±12.9

      中等度
      障害

      8

      32.9±7.08

      5.96±1.22

      121±28.7

      36.6±10.4

      重度
      障害

      8

      41.1±16.8

      10.7±1.84

      234±48.4

      19.6±4.15

      平均値±標準偏差
      a)実投与量(投与前後のシリンジの重量差×投与された溶液の濃度)に基づき算出

      1) 承認用量は本剤0.5μg/kgをベースとしたドライウェイトに基づく体重区分ごとの投与量 45.0kg未満:17.5μg、45.0kg以上65.0kg未満:25.0μg、65.0kg以上85.0kg未満:35.0μg、85.0kg以上:42.5μgである。

    17. 臨床成績

    17.1 有効性及び安全性に関する試験

    1. 17.1.1 国内第III相臨床試験(二重盲検期)

      保湿剤、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬等の既存治療で効果不十分なそう痒症2)を有する血液透析患者178例を対象に、既存治療に加え、本剤0.5μg/kgをベースとしたドライウェイトに基づく体重区分ごとの投与量3)又はプラセボを週3回、透析終了時の返血時に透析回路静脈側から6週間投与した。4週時の平均かゆみNRSスコアのベースラインからの変化量は以下のとおりであり、本剤のプラセボに対する優越性が検証された。

      2) かゆみNumerical Rating Scale(NRS)スコア(0~10)が4.0超、白取の重症度基準に基づくかゆみスコアが3(中等度)以上
      3) 45.0kg未満:17.5μg、45.0kg以上65.0kg未満:25.0μg、65.0kg以上85.0kg未満:35.0μg、85.0kg以上:42.5μg
       

      平均かゆみNRSスコアのベースラインからの変化量

      投与群

      例数

      平均かゆみNRSスコア

      群間差a)
      [95%信頼区間]

      P値a)b)

      ベースライン

      4週時の変化量

      平均値
      ±標準偏差

      調整済み平均値
      ±標準誤差a)

      プラセボ群

      88

      6.40±1.28

      -1.09±0.20

      本剤群

      85

      6.57±1.29

      -2.06±0.20

      -0.97
      [-1.52,
      -0.42]

      <0.001

      a)平均かゆみNRSスコアのベースラインからの変化量を目的変数、投与群、観測時点及び投与群と観測時点の交互作用を固定効果、ベースラインの平均かゆみNRSスコア及び割付因子(ナルフラフィン塩酸塩による治療歴の有無)を共変量、被験者を変量効果としたMixed effects model for repeated measures(MMRM)解析に基づく
      b)有意水準両側5%

      副作用発現割合は、本剤群14.6%(13/89例)及びプラセボ群3.4%(3/89例)であった。本剤群における主な副作用は、便秘(4.5%)及び血圧低下(2.2%)であった9)

    2. 17.1.2 国内第III相臨床試験(非盲検継続投与期)

      6週間の二重盲検期を完了した血液透析患者168例を対象に、本剤0.5μg/kgをベースとしたドライウェイトに基づく体重区分ごとの投与量4)を週3回、透析終了時の返血時に透析回路静脈側から52週間(二重盲検期開始から58週間)投与した。平均かゆみNRSスコアは、二重盲検期にプラセボ群であったプラセボ-本剤群及び二重盲検期に本剤群であった本剤-本剤群いずれも、非盲検継続投与期に移行後さらに低下し、投与58週時まで維持された。

      4) 45.0kg未満:17.5μg、45.0kg以上65.0kg未満:25.0μg、65.0kg以上85.0kg未満:35.0μg、85.0kg以上:42.5μg

      平均かゆみNRSスコアの推移

      二重盲検期を含む58週間の副作用発現割合は、プラセボ-本剤群で13.3%(11/83例)、本剤-本剤群で18.8%(16/85例)であった。いずれかの投与群で2%以上に認められた副作用は、浮動性めまい(プラセボ-本剤群2.4%及び本剤-本剤群1.2%、以下同順)、傾眠(2.4%及び2.4%)及び便秘(0.0%及び4.7%)であった。
      本剤の投与により明らかな精神依存性、身体依存性及び耐性を示す症例は認められなかった9)

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    ジフェリケファリンは、κオピオイド受容体選択的な作動薬であり、κオピオイド受容体に作用することにより抗そう痒作用を示す。

    18.2 オピオイド受容体に対する作用

    ヒトκ、μ及びδオピオイド受容体におけるリガンド結合に対する阻害率は、ジフェリケファリン10μmol/Lの濃度で、それぞれ95%、14%及び<10%であった。また、ヒトκ、μ及びδオピオイド受容体を発現させた細胞における50%作用濃度は、それぞれ、0.16、>10000及び>10000nmol/Lであった10)11)in vitro)。

    18.3 抗そう痒作用

    マウスを用いたヒスタミン、サブスタンスP、Compound 48/80及び5'-Guanidinonaltrindole(GNTI)誘発そう痒モデルにおいて抗そう痒作用を示した12)

    18.4 抗炎症作用

    マウスへのLPS投与により誘発されたTNFα、IL-1β、IL-2、MIP-1β及びIL-12(p40/p70)の放出を減少させた。また、ラットを用いたカラゲニン誘発足浮腫モデルにおける足浮腫を減少させた13)

    18.5 依存性

    ラットを用いた依存性試験において報酬及び強化効果は認められず、自覚効果は低レベルであった。また、長期投与による退薬症状及び身体依存性は認められなかった14)

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    一般的名称

    ジフェリケファリン酢酸塩
    (Difelikefalin Acetate)(JAN)

    化学名

    4-Amino-1-(D-phenylalanyl-D-phenylalanyl-D-leucyl-D-lysyl)piperidine-4-carboxylic acid acetate

    分子式

    C36H53N7O6xC2H4O2

    性状

    白色~灰白色の粉末

    化学構造式

    20. 取扱い上の注意

    1. 20.1 ブリスター包装は使用時まで開封しないこと。また、以下の場合には使用しないこと。
      • ブリスター包装が破損している場合
      • シリンジから薬液が漏れている場合
      • 性状その他薬液に異状が認められる場合
      • シリンジに破損等の異状が認められる場合
      • キャップが外れている場合
    2. 20.2 外箱開封後は遮光して保存すること。

    21. 承認条件

    医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

    22. 包装

    〈コルスバ静注透析用シリンジ17.5μg〉
    0.7mL×10シリンジ
    〈コルスバ静注透析用シリンジ25.0μg〉
    0.7mL×10シリンジ
    〈コルスバ静注透析用シリンジ35.0μg〉
    0.7mL×10シリンジ

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    キッセイ薬品工業株式会社 くすり相談センター

    〒112-0002 東京都文京区小石川3丁目1番3号

    フリーダイヤル:0120-007-622

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    丸石製薬株式会社

    大阪市鶴見区今津中2-4-2

    26.2 販売元

    キッセイ薬品工業株式会社

    松本市芳野19番48号

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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