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毒薬
処方箋医薬品注)
通常、成人には1分間に体重1kg当たりニトロプルシドナトリウム水和物として0.5µg/kg/分の投与速度で投与を開始し、過度の血圧低下に注意しながら徐々に増量して目的値まで血圧を下げ、以後血圧をモニターしながら投与速度を調節する。通常、2.5µg/kg/分以下の投与速度で目的とする血圧が得られ、それを維持することができる。なお、最高投与速度は3µg/kg/分を限度とする。また、開始投与速度は年齢、症状により適宜減量する。
通常、成人には1分間に体重1kg当たりニトロプルシドナトリウム水和物として0.5µg/kg/分の投与速度で投与を開始し、過度の血圧低下に注意しながら徐々に増量して目的値まで血圧を下げ、以後血圧をモニターしながら投与速度を調節する。通常、2.0µg/kg/分以下の投与速度で目的とする血圧が得られ、それを維持することができる。なお、最高投与速度は3µg/kg/分を限度とする。また、開始投与速度は年齢、症状により適宜減量する。
通常、小児には1分間に体重1kg当たりニトロプルシドナトリウム水和物として0.5µg/kg/分の投与速度で投与を開始し、過度の血圧低下に注意しながら徐々に増量して目的とする血行動態を得るまで循環動態をモニターしながら投与速度を調節する。通常、3.0µg/kg/分以下の投与速度で目的とする血行動態が得られ、それを維持することができる。なお、最高投与速度は10µg/kg/分を限度とする。また、開始投与速度は年齢、症状により適宜減量する。
頭蓋内圧を上昇させる。
代謝物のチオシアンにより甲状腺機能が低下する場合がある。
冠循環が抑制されるおそれがある。
血圧低下をさらに悪化させるおそれがある。
血中シアン濃度が上昇するおそれがある。,,,,
投与しないこと。腎循環が抑制されるおそれがある。
腎循環が抑制されるおそれがある。
投与しないこと。肝循環が抑制されるおそれがある。
肝循環が抑制されるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で、乳汁中に移行することが報告されている。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
75歳以上の高齢者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
手術患者を対象にして行われた臨床試験において、手術時の低血圧維持における主投与速度の平均は高齢者(65歳以上)で1.14µg/kg/分、非高齢者で1.45µg/kg/分と高齢者で遅かった。また、手術時の異常高血圧の救急処置においても、主投与速度の平均は高齢者で0.65µg/kg/分、非高齢者で1.36µg/kg/分と高齢者で遅かった。このように、高齢者では降圧維持に必要な投与速度が非高齢者に比べて遅く、本剤の血圧低下作用が強くあらわれやすいと考えられるので、低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。また、手術時の低血圧維持の臨床試験において、高齢者にPaO2低下等の副作用発現率が高い傾向が認められているので注意すること。
ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤
併用により、降圧作用が増強することがあるため、本剤投与前、投与中及び投与後においてこれらの薬剤を服用しないよう十分に注意すること。
本剤はcGMPの産生を促進し、一方、ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。
グアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤
本剤とグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤は、ともにcGMPの産生を促進することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。
吸入麻酔剤(セボフルラン等)
血圧低下が増強されることがあるので、本剤の用量を調節するなど注意すること。
吸入麻酔剤の降圧作用及び圧反射機能の抑制作用によると考えられる。
降圧作用を有する薬剤(ニカルジピン塩酸塩、プラゾシン塩酸塩、エスモロール塩酸塩等)
他の降圧作用を有する薬剤との相乗・相加作用によるものと考えられる。
速やかに血圧を回復させたい場合には昇圧剤を投与すること。,,,
必要に応じて降圧剤を投与するなど適切な処置を行うこと。特に、手術時の異常高血圧の救急処置に用いる場合に起こりやすいので注意すること。
シアン中毒の徴候として、耐薬性の出現、代謝性アシドーシスの進行、静脈血酸素含量の上昇及び心電図ST-T波変化などがあらわれる。症状が発現した場合は、直ちに本剤の投与を中止し、シアン中毒に対する治療を行うこと。シアン中毒の治療には日局 チオ硫酸ナトリウム水和物の静脈内投与、日局 亜硝酸アミルの吸入又は亜硝酸ナトリウム注2)の静脈内投与等が有効であり、特に亜硝酸剤投与後にチオ硫酸ナトリウム水和物を投与する併用療法の効果が高い。,,,,,
5%以上
0.1~5%未満
頻度不明
循環器
頻脈、不整脈、心電図異常
呼吸器
PaO2低下注3)
肝臓
肝機能検査値異常(ビリルビン上昇、AST上昇、ALT上昇 等)
*血液
一酸化炭素ヘモグロビン増加
その他
代謝性アシドーシス
外国において、過度の低血圧が強くあらわれたりシアン中毒が発現することが報告されている。,,,,,,,
健常人6例に0.5、1.0及び2.0µg/kg/分を各20分間ずつ投与し、1時間静脈内持続投与した時、未変化体の血漿中濃度は投与速度の増加に伴って上昇し、投与終了後は速やかに減少した。半減期は約1分であった1)。
0.5µg/kg/分終了時の濃度(µg/mL)
1.0µg/kg/分終了時の濃度(µg/mL)
2.0µg/kg/分終了時の濃度(µg/mL)
T1/2(min.sec)
AUC0→∞(µg・min/mL)
0.0068±0.0011
0.0168±0.0032
0.0376±0.0082
1m02s±0m15s
1.278±0.200
平均値±標準偏差
血漿蛋白結合率:ヒト血清 83.1~84.7%2)
代謝物としてシアンが生成されたが、更に速やかに生体内に存在するチオシアンに代謝され、シアンの半減期は約12分であった1)。
未変化体及びシアンの尿中排泄は認められず、チオシアンの尿中排泄量の増加が認められた1)。
全身吸入麻酔による手術施行患者173例を対象に、ニトロプルシドナトリウム水和物(SNP、87例)あるいはニトログリセリン(NTG、86例)の静脈内持続投与を行った。SNPは0.5µg/kg/分の投与速度で開始し、原則として3.0µg/kg/分を超えない範囲で血圧を調節した。降圧効果(「下降」以上)はSNPで98.9%、NTGで89.3%、血圧調節性(「良い」以上)はSNPで86.0%、NTGで53.6%であり、いずれもSNPが統計的に有意に優れていた。SNPの副作用は、87例中2例(2.3%)にみられ、PaO2低下及びECG異常が各1例であった3)。
低血圧麻酔施行患者120例を対象に、0.5~2.5µg/kg/分で投与を開始し、原則として3.0µg/kg/分を超えない範囲で静脈内持続投与を行い、血圧を維持した。降圧効果(「下降」以上)は96.6%、血圧調節性(「良い」以上)は84.0%であった。副作用は120例中10例(8.3%)にみられ、すべてPaO2低下であった4)。
ニューロレプト麻酔による手術中に血圧が上昇した患者152例を対象に、SNP(77例)あるいはNTG(75例)の静脈内持続投与を行った。SNPは0.5µg/kg/分の投与速度で開始し、投与速度を調節し目標血圧を維持した。降圧効果(「下降」以上)はSNPで98.7%、NTGで94.6%であり、同等であった。また、血圧安定度(「良好」以上)はSNPで83.1%、NTGで79.7%であり、差はなかった。SNPの副作用は、77例中17例(22.1%)にみられ、PaO2低下が15例、リバウンドが3例であった5)。
手術中に血圧が上昇した患者104例を対象に、0.3~2.0µg/kg/分で静脈内持続投与を開始し、投与速度を調節し目標血圧を維持した。降圧効果(「下降」以上)は95.2%、血圧安定度(「良好」以上)は77.9%であった。副作用は、104例中5例(4.8%)にみられ、PaO2低下が4例、リバウンドが1例であった6)。
ニトロプルシドナトリウム水和物(SNP)の降圧作用は直接血管平滑筋を弛緩させることで得られ、血管内皮の有無に依存せず、容量血管と抵抗血管の両方に作用する。SNPの血管平滑筋弛緩の機序はSNPより遊離した一酸化窒素(NO)がcyclic GMPの生合成酵素であるグアニル酸シクラーゼを活性化させてcyclic GMPを産生し、これが筋小胞体のCa2+ポンプを活性化して細胞内のCa2+濃度を低下させていると考えられる7),8)。
エンフルラン麻酔下のイヌにSNPを0.75~10µg/kg/分の投与速度で1時間静脈内持続投与すると、SNP投与直後より血圧は速やかに低下し、投与量に応じた降圧効果が得られ、投与終了後は投与前血圧に速やかに回復した。また、セボフルラン麻酔下のラット、ウサギ並びにニューロレプト(NLA)麻酔下のウサギを用いた試験においても同様の効果が認められた9),10),11),12)。
セボフルラン麻酔下の高血圧自然発症ラット(SHR)にSNPを1.5~6.0µg/kg/分の投与速度で1時間静脈内持続投与すると、SNP投与直後より血圧は速やかに低下し、投与量に応じた降圧効果が得られた13)。
エンフルラン麻酔下のイヌにSNPを1~10µg/kg/分の投与速度で30分~2時間静脈内持続投与した時、脳、心、腎、肝の各主要臓器循環に問題となる影響は認められなかった12),14)。
ニトロプルシドナトリウム水和物(sodium nitroprusside hydrate)
ペンタシアノニトロシル鉄酸(2-)ナトリウム二水和物(sodium pentacyanonitrosylferrate(2-)dihydrate)
C5FeN6Na2O・2H2O
297.95
暗赤色の粒状の結晶である。水又はメタノールに溶けやすく、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
Na2[Fe(CN)5NO]・2H2O
外箱開封後は、遮光して保存すること。
2mL[10アンプル]
10mL[10アンプル]
1) 池田和之 他:薬理と治療 1994;22(7):3183-3195[A0940021]
2) 長 敏夫 他:薬理と治療 1994;22(Suppl.8):S2227-S2230[A0940042]
3) 池田和之 他:麻酔と蘇生 1994;30(3):205-215[A0940024]
4) 山本 亨 他:麻酔と蘇生 1994;30(3):185-193[A0940035]
5) 清水禮壽 他:麻酔と蘇生 1994;30(3):169-183[A0940023]
6) 坂部武史 他:麻酔と蘇生 1994;30(3):195-203[A0940033]
7) M.Inoue et al.:Arch. Int. Pharmacodyn. 1991;311(1):104-121[A0910026]
8) 濱口政巳 他:薬理と治療 1994;22(Suppl.8):S2089-S2102[A0940038]
9) 古謝武志 他:薬理と治療 1994;22(Suppl.8):S2115-S2122[A0940039]
10) 馬越史歩 他:薬理と治療 1996;24(3):537-547[A0960025]
11) 馬越史歩 他:薬理と治療 1994;22(Suppl.8):S2133-S2140[A0940040]
12) 濱口政巳 他:薬理と治療 1995;23(10):2501-2521[A0950024]
13) 馬越史歩 他:薬理と治療 1996;24(3):549-561[A0960026]
14) 高田文行 他:薬理と治療 1994;22(11):4635-4641[A0940041]
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