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劇薬
処方箋医薬品注)
通常成人には本品1バイアル(アルプロスタジルとして500μg)を輸液100mLに溶解し毎分5~10μg(0.1~0.2μg/kg/分)の注入速度で点滴静注を開始する。血圧の下降に注意しながら目的とする血圧まで下げ、以後それを維持できる点滴速度に調節する。低血圧を維持するためには通常毎分2.5~10μg(0.05~0.2μg/kg/分)を必要とする。
心不全の増強傾向があらわれるとの報告があるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。
動物実験(ウサギ)で眼圧上昇が報告されている1)。
急性副腎不全を起こすおそれがある。
状態が悪化するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。アルプロスタジルには子宮収縮作用が認められている2)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
5~10%未満
5%未満
頻度不明
循環器
心電図異常(ST上昇・低下、T波逆転・平低化)、頻脈、不整脈
低血圧
注射部
静脈炎
肝臓
AST・ALTの上昇等
その他
タキフィラキシー
尿量減少、PaO2低下
本剤は輸液以外の薬剤とは別経路で投与すること。患者の血圧の変化に応じて本剤の投与速度を適宜調節する必要がある。
手術患者6例に平均0.116μg/kg/分注1)を静脈内持続投与し、動脈血を採取してRIA法により血漿中濃度を測定すると、PGE濃度は投与前値214±25pg/mLから投与開始2.5分後には408±55pg/mLと有意に上昇し、その後平均400pg/mLを維持し、投与終了2.5分後には277±125pg/mLと急速に低下した3)。
ICUへ入室しSwan-Ganzカテーテルを挿入した正常肺動脈圧患者(平均肺動脈圧25mmHg以下、5例)にPGE1を20~40ng/kg/分注1)で持続投与し、1時間後肺動脈血と末梢動脈血を同時に採取して、血中PGE1濃度をRIA(ラジオイムノアッセイ法)にて測定すると、肺動脈血は916pg/mL、末梢動脈血は172pg/mLであった。また、PGE1肺内代謝率を100×(1-末梢動脈血濃度/肺動脈血濃度)%として表現したとき、肺内代謝率は77.6%であった4)。
健康成人にPGE1 60μg注1)を2時間静脈内持続注入したとき、注入後5分以内に血漿中PGE1濃度は4.5pg/mLに増加し、持続注入終了時まで持続した。終了後血漿レベルは速やかに減少し、投与終了10分後の血漿中PGE1濃度は2.5pg/mL、2時間後には1.3pg/mLであった。また、半減期は0.2分(α相)と8.2分(β相)であった5)。(外国人データ)
雄性ラットに3H-PGE1・14C-CDを静脈内投与したとき、投与5分後の3Hの臓器内放射能分布は、肝臓16.8%、小腸6.0%、腎臓5.6%、大腸1.7%であり、14Cの臓器内放射能分布は、肝臓3.7%、腎臓3.1%、小腸3.0%、大腸2.1%であった。また、雄性ラットに3H-PGE1・14C-CDを1日1回7日間静脈内投与した場合、PGE1及びCDとも各臓器への蓄積は認められない6)。
雄性ラットに3H-PGE1・14C-CDを静脈内投与したとき、投与後数分間でPGE1の大部分は代謝物の13,14-dihydro 15-keto PGElとして血液中に存在し、CDはほとんど代謝を受けることなくそのまま血液中に存在する6)。
雄性ラットに3H-PGE1・14C-CDを静脈内投与したとき、投与24時間以内に3H-PGE1は投与量の30~40%が尿中に、25~30%が糞中に排泄され、14C-CDは代謝を受けずに、そのままの形で92~98%が尿中に排泄され、糞中への排泄は0.4%以下であった6)。
高血圧症又は虚血性心疾患合併患者の低血圧麻酔及び術中異常高血圧患者322例を対象に、トリメタファン及び非投与群を対照として比較臨床試験を行った。本剤は、0.05~0.4μg/kg/分の速度で点滴静注を行った注2)。有効性として血圧下降・出血量減少、調節性として調節のしやすさ及び安全性として心電図所見・尿量維持、特に高血圧性心疾患又は虚血性心疾患を合併する患者については心電図所見を中心に安全性が確認され、これらを総合評価した本剤の有用率は、高血圧合併例では61%(40/66例)、虚血性心疾患合併例では63%(25/40例)、術中異常高血圧例では63%(36/57例)であった。副作用は、7.4%(12/163例)にみられ、発現した副作用は血管炎11例、タキフィラキシー1例であった7)。
低血圧麻酔を必要とし、虚血性心疾患又は高血圧性心疾患合併患者86例を対象に、非投与群を対照として比較臨床試験を行った。本剤は、0.1~0.2μg/kg/分の速度で点滴静注を開始し、0.05~0.4μg /kg/分の範囲で調節した。その結果、有効性、安全性及び調節性などを総合評価した本剤の有用率は78.0%(32/41例)であった。副作用は、7.3%(3/41例)にみられ、発現した副作用は、投与部位の発赤、接合部調律及びST低下/上昇が各1例であった8)。
比較臨床試験を含む臨床試験350例において、低血圧麻酔における血圧下降の有効率は80%(187/234例)、出血量減少の有効率は70%(160/230例)、術中異常高血圧における血圧下降度の有効率は83%(96/116例)であった。副作用は10.8%(38/352例)にみられ、主な副作用は血管炎23件、ST低下4件、頻脈4件及び不整脈4件であった9)。
血管平滑筋及び血小板のプロスタノイド受容体に作用し、細胞内のcAMPを増加させることで血管弛緩作用及び血小板凝集抑制作用を示す10),11)。
麻酔下のイヌにPGE1を静脈内持続投与(7.9μg/kg/分及び0.2~1.0μg/kg/分)すると、全末梢血管抵抗が減少し、血流量は増加した12),17)。
麻酔下のイヌにPGE1を静脈内持続投与(3~4μg/kg/分)し低血圧麻酔とした時、全肝血流量に大きな変化は認められなかった13)。
麻酔下の成人にPGE1を静脈内持続投与(0.13μg/kg/分)し低血圧麻酔とした時、肺動脈圧及び肺動脈楔入圧は有意に低下した16)。
麻酔下の成人にPGE1を大腿静脈より持続投与(0.19±0.05μg/kg/分)し低血圧麻酔とした時、血小板凝集抑制作用は認められたが、投与終了後速やかに回復し、凝固・線溶系への影響は認められなかった20)。
アルプロスタジル アルファデクス(Alprostadil Alfadex)
7-{(1R,2R,3R)-3-Hydroxy-2-[(1E,3S)-3-hydroxyoct-1-en-1-yl]-5-oxocyclopentyl}heptanoic acid-α-cyclodextrin
C20H34O5・xC36H60O30
354.48(アルプロスタジルとして)
白色の粉末である。水に溶けやすく、エタノール(95)、酢酸エチル又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。吸湿性である。
114~118℃(アルプロスタジルとして)
外箱開封後は、遮光して保存すること。
5バイアル
1) Chiang T.S. et al.:Arch.Ophthal., 1972;88(4):418-420[PGE0720025]
2) 川崎晃義 他:応用薬理, 1979;17(5):859-880[PGE0790046]
3) 大谷英祥 他:臨床麻酔, 1982;6(6):667-672[PGE0820238]
4) 荒井賢一:麻酔, 1995;44(4):536-541[PGE0950305]
5) Cawello W. et al.:Eur.J.Clin.Pharmacol., 1994;46(3):275-277[PGE0940067]
6) 宮本 積 他:現代医療, 1978;10(5):589-604[PGE0780002]
7) 後藤文夫 他:麻酔, 1983;32(2):199-212[PGE0830095]
8) 山村秀夫 他:麻酔, 1987;36(4):527-541[PGE0870080]
9) 社内資料:臨床成績集計
10) 福田 悟:日本臨床麻酔学会誌, 1992;12(4):528-533[PGE0920157]
11) 山本尚三 他:プロスタグランジン研究法(上), 1986;35
12) 福崎 誠 他:麻酔, 1982;31(4):364-372[PGE0820003]
13) 後藤敏子 他:麻酔, 1982;31(5):452-457[PGE0820002]
14) 吉嶺孝和 他:麻酔, 1981;30(7):664-671[PGE0810067]
15) 渡辺 仁 他:麻酔, 1982;31(8):820-824[PGE0820064]
16) 大谷英祥 他:臨床麻酔, 1981;5:1291-1298[PGE0810192]
17) 川崎晃義 他:応用薬理, 1979;17(6):1043-1060[PGE0790079]
18) 松前孝幸 他:麻酔, 1984;33(8):832-836[PGE0840040]
19) 斎藤重行 他:麻酔, 1984;33(9):947-952[PGE0840027]
20) 岡本一聖 他:現代医療, 1982;14:2204-2208[PGE0820238]
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外科手術時の低血圧維持・外科手術時の異常高血圧の救急処置においては、既に他の薬剤が用いられており一般的に特に本剤を用いる必然性はないが、本剤の作用上の特徴等を踏まえ、保険診療上は、術前から、高血圧症を合併する場合であって腎機能障害若しくは肝機能障害を有する場合、又は軽度の虚血性心疾患を合併する場合における外科手術時の低血圧維持に限り本剤の使用を認めるものであること。(昭和62年8月28日保険発第58号厚生省保険局医療課長通知)
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