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劇薬
処方箋医薬品注)
治療的流産
通常1~2mLを静脈内に点滴または持続注入する。
本剤1mLに5%ブドウ糖注射液または糖液を加えて500mLに希釈し、通常ジノプロストとして0.1μg/kg/分の割合で点滴静注する。なお、希釈する輸液の量及び種類は患者の状態に応じて適切に選択する。
本剤1mLに生理食塩液を加えて50mLに希釈し、通常ジノプロストとして0.1μg/kg/分(0.05~0.15μg/kg/分)の割合で静注する。
本剤1mLに生理食塩液を加え4mLに希釈し、この液を子宮壁と卵膜の間に数回に分け注入投与する。
通常フォーリーカテーテルを用いる。カテーテルを子宮頸管を通じ挿入、カテーテルのバルーン部が子宮口を通過して、子宮下部まで到達した後、バルーン部に生理食塩液を充満、内子宮口を閉鎖し、カテーテルの脱出と腟への薬液漏出を防止する。次にカテーテルを大腿部内側ヘテープで固定する。
希釈液(ジノプロスト250μg/mL)1mLを注入し、薬液がカテーテル内に残らないように引き続きカテーテルの内腔量を若干上回る生理食塩液を注入する(通例、16号カテーテルでは約3.5mL)。
本剤の2回目以降の注入投与は、原則として2時間ごとに希釈液3~4mL(750~1,000μg)を反復投与するが、初回投与による子宮収縮、その他の反応が強すぎる場合には、次回の投与量を2mL(500μg)に減量または4時間後に投与する。
胞状奇胎、合併症で全身麻酔が困難な症例、頸管拡張の困難な症例又はその場合の除去術の前処置に使用する。その際本剤の注入は、硫酸アトロピン、鎮痛剤の投与後、前麻酔効果があらわれてから行うことが望ましい。
通常F4~5号の合成樹脂製の細いチューブを用い、使用前にチューブ内腔に生理食塩液を満たしておく。チューブを鉗子ではさみ、外子宮口より子宮腔内にゆっくりと約7cm位まで挿入する。直視下で薬液の注入を行う以外は、チューブの排出をふせぐためチューブをとりかこむようにガーゼを腟腔内につめる。注射器をチューブに接続し、また、チューブを大腿部内側にテープで固定する。
妊娠12週以降の場合に準じ、本剤1mLに生理食塩液を加え4mLに希釈した液を用い分割注入する。
動物実験(ウサギ)で眼圧上昇が報告されている1)。
血管収縮作用により心機能を悪化させるおそれがある。
血圧上昇作用がある。
子宮が脆弱になっていることがあり、過強陣痛が生じると子宮破裂の危険がある。,
胎位胎勢異常のことがある。
子宮収縮により胎児の症状を悪化させるおそれがある。,
母体の状態等により、緊急な胎児娩出が要求される。
経腟分娩が困難で過強陣痛が起こりやすい。
腸管蠕動を亢進させ、腸管に癒着がある場合、症状を悪化させるおそれがある。
炎症、感染を増悪させるおそれがある。
子宮が脆弱になっていることがあり、過強陣痛が生じると子宮破裂の危険がある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。子宮収縮を起こす可能性がある。また、動物実験(ラット)で催奇形作用が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
減量するなど注意すること。一般に心機能等生理機能が低下している。
オキシトシン
(アトニン-O注)
ジノプロストン(PGE2)
(プロスタグランジンE2錠、プロウペス腟用剤)
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これらの薬剤と同時併用することにより過強陣痛を起こしやすい。
本剤及びこれらの薬剤の有する子宮収縮作用が併用により増強される。
ジノプロストン(腟用剤)
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過強陣痛を起こしやすいので、ジノプロストン(腟用剤)の投与終了後1時間以上の間隔をあけ、十分な分娩監視を行い、慎重に投与すること。
本剤及びこれらの薬剤の有する子宮収縮作用が前後して使用することにより増強される。
陣痛誘発・促進剤
これらの薬剤と前後して使用する場合も、過強陣痛を起こしやすいので、十分な分娩監視を行い、慎重に投与すること。特に、ジノプロストン(PGE2(経口剤))を前後して投与する場合は、前の薬剤の投与が終了した後1時間以上経過してから次の薬剤の投与を開始すること。
これらの薬剤と前後して使用する場合は、異常収縮に注意し、観察を十分に行い慎重に投与すること。
喘鳴、呼吸困難等があらわれることがある。
過強陣痛があらわれることがある。また、それに伴い子宮破裂、頸管裂傷をきたしたとの報告がある。,,,,,,,,,
胎児機能不全徴候(児切迫仮死徴候、徐脈、頻脈)、羊水の混濁をきたすことがある。本剤の投与を中止してもこのような症状があらわれた場合には、急速遂娩等の適切な処置を行うこと。,,
1~5%未満
1%未満
頻度不明
循環器
顔面潮紅
頻脈、血圧上昇、血圧下降、動悸
消化器
嘔気・嘔吐
下痢
注射部注)
血管痛、静脈炎、発赤
その他
頭痛・頭重、発汗、悪寒、発熱、手指のしびれ
5%以上
心悸亢進、顔面潮紅
血圧上昇、血圧下降、胸内苦悶、不整脈
頻脈
過敏症
発疹等
嘔気(15.4%)、腹痛(9.4%)、腹部膨満感
嘔吐、下痢
腹部不快感、鼓腸
血管痛
静脈炎、発赤
口渇、頭痛
発汗、冷汗
しびれ感、発熱
5%未満
血圧上昇、血圧下降、動悸
胸内苦悶、四肢冷感
嘔気・嘔吐(32.1%)
皮膚
発疹
頭痛・頭重、発熱
全身倦怠感、耳鳴
本剤は、用法・用量にしたがって、静脈内に点滴又は持続注入にのみ使用すること。
本剤投与により副作用があらわれた場合には、速やかに投与速度を遅くするか、あるいは投与を中止すること。
適応外であるが、分娩後の弛緩出血の治療あるいは帝王切開時の出血防止の目的で本剤を子宮筋注した症例において、心停止、心室性頻拍、心室性期外収縮、肺水腫があらわれたとの報告がある。
ラットに3H-PGF2αを静脈内投与したとき、3Hは血中から速やかに肝・腎等、各臓器に移行し、その後速やかに各組織から消失する3)。
ラットに3H-PGF2αを静脈内投与したとき、60分後に尿中へ投与量の47.0%、糞中へ1.5%、24時間後で尿中へ55.7%、糞中へ35.4%排泄される3)。
分娩誘発を目的とする妊娠週数38週以上42週以内の妊婦を対象とした比較臨床試験における本剤の陣痛誘発、陣痛促進の有効率は87.5%(35/40例)、分娩促進効果の有効率は82.5%(33/40例)であった4),5)。副作用は、母体及び胎児に対して、それぞれ40例中4例(10%)及び40例中12例(30%)に認められ、母体における副作用は、嘔気・嘔吐2例(5%)及び顔面潮紅2例(5%)、胎児における副作用は、羊水混濁6例(15%)、切迫仮死徴候6例(15%)、胎児徐脈6例(15%)、胎児頻脈4例(10%)であった5)。
陣痛誘発、分娩促進を目的とする在胎38週以上又は予定日超過(在胎42週以後)等の妊婦を対象とした一般臨床試験における陣痛誘発、陣痛促進の有効率は87.1%(230/264例)、分娩促進の有効率は67.4%(178/264例)であった5)。副作用は、母体及び胎児に対して、それぞれ264例中13例(4.9%)及び264例中4例(1.5%)に認められ、母体における副作用は、嘔気・嘔吐10例(3.8%)、過強収縮2例(0.8%)、下痢1例(0.4%)、胎児における副作用は、胎児頻脈4例(1.5%)であった5)。
開腹術を行った患者を対象として二重盲検比較試験を行い、本剤の術後腸管麻痺改善効果が報告されている6)。
二重盲検比較試験を含む臨床試験において、腸管蠕動促進の有効率は77.2%(179/232例)であった7)。
母体保護法にもとづき人工妊娠中絶を行う妊娠12週以降177例、12週未満107例の妊婦を対象とした臨床試験において、本剤の流産効果の有効率はそれぞれ80.2%(142/177例)、99.1%(106/107例)であった8)。また、妊娠12週以降を対象とした臨床試験において、対象となった184例中70例(38.0%)に113件の副作用が認められた。主な副作用は、嘔気33件(17.9%)、嘔吐17件(9.2%)、顔面潮紅12件(6.5%)、頭痛・頭重9件(4.9%)、悪心9件(4.9%)、下痢7件(3.8%)であった8)。
PGF2αは生理的な子宮収縮作用を有し、妊娠各期において効果的な子宮収縮を起こすため、妊娠末期には点滴静注により陣痛誘発・分娩促進に、妊娠初期・中期には卵膜外注入により治療的流産に有用であることが認められている。また、PGF2αは消化管の縦走筋・輪状筋に作用し、蠕動運動亢進作用をもたらすことが認められ、臨床的にも排ガス時間の短縮、術後腸管麻痺の改善に効果が認められている。
ラット摘出子宮平滑筋に対し0.6ng/mL以上の濃度で収縮作用を示す(in vitro)1)。
妊娠中期のラットに羊膜外投与(0.25~1.0mg/kg)すると、子宮収縮作用を示し、流産が認められる。また血中プロゲステロン濃度は減少する11)。
モルモット摘出胃・回腸・結腸平滑筋に対し1ng/mLの濃度で収縮作用を示す(in vitro)12)。
腸管運動麻痺ラットに静脈内持続注入(10~20μg/kg/分)したとき、腸管運動麻痺を緩解し、腸管輸送能の有意の亢進が認められる12)。
麻酔下の絶食犬の空腸、回腸、結腸のバルーンによる内圧測定及び筋電図所見では静脈内持続注入(5~10μg/kg/分)で内圧の上昇、蠕動運動の誘発が認められる12)。
筋電図所見によれば、消化管術後患者の胃、十二指腸、空腸、回腸、結腸に運動抑制がみられるが、PGF2αの静脈内持続注入(0.3~0.5μg/kg/分)により、消化管各部位に用量依存性の著明な運動亢進を認め、この作用は投与中止後5~10分で消失する13)。
ジノプロスト(Dinoprost)
(5Z)-7-{(1R,2R,3R,5S)-3,5-Dihydroxy-2-[(1E,3S)-3-hydroxyoct-1-en-1-yl]cyclopentyl}hept-5-enoic acid
C20H34O5
354.48
白色のろう状の塊又は粉末、若しくは無色~淡黄色澄明の粘稠性のある液で、においはない。N,N-ジメチルホルムアミドに極めて溶けやすく、メタノール、エタノール(99.5)又はジエチルエーテルに溶けやすく、水に極めて溶けにくい。
外箱開封後は遮光して保存すること。
1) 川崎晃義 他:応用薬理, 1971;5(6):955-971[PGF0710003]
2) 松岡康夫 他:医薬品研究, 1971;2(4):403-413[PGF0710001]
3) 西堀 勉 他:医薬品研究, 1971;2(4):397-402[PGF0710006]
4) 澤崎千秋 他:産科と婦人科, 1972;39(5):595-618[PGF0720005]
5) 社内資料:〈妊娠末期における陣痛誘発・陣痛促進・分娩促進〉臨床成績集計
6) 草間 悟 他:臨床評価, 1980;8(1):215-234[PGF0800014]
7) 社内資料:〈腸管蠕動亢進〉臨床成績集計
8) 社内資料:〈治療的流産〉臨床成績集計
9) 松本公一郎 他:応用薬理, 1971;5(6):941-956[PGF0710002]
10) 坂元正一 他:産科と婦人科, 1971;38(8):120-128[PGF0710008]
11) 松本公一郎 他:応用薬理, 1975;10(5):753-760[PGF0750001]
12) 無量林堯 他:現代医療, 1979;11:1651-1661[PGF0790001]
13) 福西茂二 他:日本平滑筋学会雑誌, 1977;13(3):141-152[PGF0770009]
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