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ウエルパス手指消毒液0.2%

添付文書番号

261670GQ1206_2_06

企業コード

730119

作成又は改訂年月

2024年2月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

872619

薬効分類名

速乾性擦式手指消毒剤

承認等

ウエルパス手指消毒液0.2%

販売名コード

YJコード

261670GQ1206

販売名英語表記

WELPAS Antiseptic Solution for Hand 0.2%

販売名ひらがな

うえるぱすしゅししょうどくえき0.2%

承認番号等

承認番号

22100AMX01378

販売開始年月

1985年6月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

ベンザルコニウム塩化物製剤

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

損傷皮膚及び粘膜には使用しないこと[刺激作用を有する。]

3. 組成・性状

3.1 組成

ウエルパス手指消毒液0.2%

有効成分100mL中 日局濃ベンザルコニウム塩化物液50 0.38g
(ベンザルコニウム塩化物として0.2g)  
添加剤プロピレングリコール、ミリスチン酸イソプロピル、エタノール、その他4成分

3.2 製剤の性状

ウエルパス手指消毒液0.2%

性状無色澄明の液で、特異なにおいがある。

4. 効能又は効果

医療施設における医師、看護師等の医療従事者の手指消毒

6. 用法及び用量

  • 〈医療従事者の通常の手指消毒の場合〉

    本剤約3mLを1回手掌にとり、乾燥するまで摩擦する。ただし、血清、膿汁等の有機物が付着している場合は、十分に洗い落した後、本剤による消毒を行う。

  • 〈術前・術後の術者の手指消毒の場合〉

    手指及び前腕部を石けんで十分洗浄し、水で石けん分を十分洗い落した後、本剤約3mLを手掌にとり、乾燥するまで摩擦し、更にこの本剤による消毒を2回繰り返す。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

頻度不明

過敏症

紅斑、そう痒感、浮腫等

皮膚

刺激症状

14. 適用上の注意

14.1 薬剤使用時の注意

  1. 14.1.1 手指消毒以外の目的には使用しないこと。
  2. 14.1.2 本剤は希釈せず、原液のまま使用すること。
  3. 14.1.3 眼に入らないよう注意すること。入った場合には水でよく洗い流すこと。
  4. 14.1.4 反復使用した場合には脱脂等による皮膚荒れを起こすことがあるので注意すること。
  5. 14.1.5 血清、膿汁等の有機性物質は殺菌作用を減弱させるので、これらが付着している場合は十分に洗い落としてから使用すること。
  6. 14.1.6 石けん類は本剤の殺菌作用を弱めるので、予備洗浄に用いた石けん分を十分に洗い落としてから使用すること。
  7. 14.1.7 引火性があり、爆発の危険性もあるため、火気には十分注意すること。
  8. 14.1.8 本剤で消毒した手指で2.5kg以下の低出生体重児を取扱う場合、低出生体重児の皮膚がかぶれることがあるので十分注意すること。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

ベンザルコニウム塩化物はタンパク質変性及び酵素の切断、糖の分解と乳酸の酸化など代謝への作用、膜透過性障害による溶菌、リン及びカリウムの漏出、解糖の促進、原形質膜の活動を支える酵素に対する作用などが考えられている1)

18.2 殺菌・ウイルス不活性化効果

  1. 18.2.1 グラム陽性、陰性菌のみならず、芽胞のない細菌やカビ類といった真菌類に対しても殺菌作用を有する。結核菌及び大部分のウイルスに対する殺菌効果は期待できない。エタノール液は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を含むグラム陽性菌6株及びグラム陰性菌8株の院内感染起因菌に対し殺菌効果、ウイルスの一部(アデノウイルス5型、ポリオウイルス2型、インフルエンザウイルスA香港型、ムンプスウイルス、単純ヘルペスウイルス1型)に対し不活化効果を示すが、炭疽菌、破傷風菌などの芽胞形成細菌に対する殺菌効果は期待できない1)
  2. 18.2.2 殺菌効力試験(in vitro

    US-TFMで医療関連感染症の代表菌株として指定されている23株の細菌に対する殺菌効力をin vitroで検討したところ、15秒で5Log10 reduction(99.999%)を超える殺菌効果が得られることを確認した。試験は日本環境感染学会「生体消毒薬の有効性評価指針:手指衛生2011」で示された米国材料試験協会の標準試験法ASTM E2315-03(Time kill試験)に準じて実施した2)

    供試菌種

    Log10 reduction
    (作用時間:15秒)

    グラム
    陽性菌

    Enterococcus faecalis ATCC 29212

    >5.00

    Enterococcus faecium NBRC 100485

    >5.00

    Micrococcus luteus ATCC 7468

    >5.00

    Staphylococcus aureus ATCC 6538

    >5.00

    Staphylococcus aureus ATCC 29213

    >5.00

    Staphylococcus epidermidis ATCC 12228

    >5.00

    Staphylococcus haemolyticus ATCC 29970

    >5.00

    Staphylococcus hominis GTC 485

    >5.00

    Staphylococcus saprophyticus ATCC 15305

    >5.00

    Streptococcus pneumoniae NBRC 102642

    >5.00

    Streptococcus pyogenes ATCC 19615

    >5.00

    グラム
    陰性菌

    Acinetobacter baumannii ATCC 19606

    >5.00

    Bacteroides fragilis ATCC 25285

    >5.00

    Enterobacter aerogenes ATCC 13048

    >5.00

    Escherichia coli ATCC 11229

    >5.00

    Escherichia coli ATCC 25922

    >5.00

    Haemophilus influenzae ATCC 19418

    >5.00

    Klebsiella oxytoca ATCC 43165

    >5.00

    Klebsiella pneumonia ATCC 4352

    >5.00

    Proteus mirabilis ATCC 7002

    >5.00

    Pseudomonas aeruginosa ATCC 15442

    >5.00

    Pseudomonas aeruginosa ATCC 27853

    >5.00

    Serratia marcescens ATCC 14756

    >5.00

  3. 18.2.3 ウイルス不活性化試験(in vitro

    ウエルパス手指消毒液0.2%の各種ウイルスに対する不活化効果3)4)5)

    供試ウイルス株

    ウイルス不活化時間
    (※1 >99.9%,
    ※2 >99.99%)

    エンベロープ有

    単純ヘルペスウイルス1型 HF

    ≦30秒※1

    A型インフルエンザウイルス H5N1 NIBRG-14

    ≦15秒※2

    コロナウイルス SARS-CoV-2

    ≦15秒※2

    エンベロープ無

    アデノウイルス1型 SP-628-86

    ≦30秒※1

    エンテロウイルス 70型 J670/71

    ≦30秒※1

    ヒトロタウイルス Odelia

    ≦30秒※1

  4. 18.2.4 殺真菌効力試験(in vitro

    欧州の標準規格であるEN 13624:2013を参考に、真菌に対する即時的な殺真菌効果を評価した6)

    ウエルパス手指消毒液0.2%の殺真菌効力

    被験真菌

    試験条件

    Log10 reduction

    15秒

    30秒

    60秒

    Aspergillus brasiliensis ATCC 16404

    Clean

    Not tested

    3.82

    ≧4.00

    Dirty

    Not tested

    3.85

    ≧4.00

    Candida albicans ATCC 10231

    Clean

    ≧4.00

    ≧4.00

    Not tested

    Dirty

    ≧4.00

    ≧4.00

    Not tested

    判定基準:30秒から60秒の間で4Log10 reduction以上の対数減少値を示すこと。
    Clean:0.3g/L ウシ血清アルブミン(BSA)存在下
    Dirty:3g/L BSA+3mL/L ヒツジ赤血球下

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

ベンザルコニウム塩化物(Benzalkonium Chloride)

化学名

Ammonium,alkyldimethyl(phenylmethyl)-,chloride

分子式

[C6H5CH2N(CH3)2R]Cl
R:C8H17〜C18H37で主としてC12H25及びC14H29からなる

分子量

354.01(C22H40ClNとして)

化学構造式

  • R:C8H17〜C18H37で主としてC12H25及びC14H29からなる

性 状

白色~黄白色の粉末又は無色~淡黄色のゼラチン状の小片、ゼリー様の流動体若しくは塊で、特異なにおいがある。
水又はエタノール(95)に極めて溶けやすく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
水溶液は振ると強く泡立つ。

20. 取扱い上の注意

火気を避けて保存すること。

22. 包装

300mL[ポリ容器]、500mL[ポリ容器]、
1L[ポリ容器]、5L[ポリ容器]

24. 文献請求先及び問い合わせ先

アルフレッサ ファーマ株式会社 製品情報部

〒540-8575 大阪市中央区石町二丁目2番9号

TEL 06-6941-0306 FAX 06-6943-8212

25. 保険給付上の注意

本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

丸石製薬株式会社

大阪市鶴見区今津中2-4-2

26.2 販売元

アルフレッサ ファーマ株式会社

大阪市中央区石町二丁目2番9号

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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