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マスキンスクラブ4%

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
16.薬物動態
16.2吸収
16.5排泄
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2殺菌効果
18.3殺菌効力試験(invitro
18.4消毒効力試験(invivo
18.5生物学的同等性
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
25.保険給付上の注意
26.製造販売業者等

マスキンスクラブ4%

添付文書番号

261970BQ2147_1_08

企業コード

730119

作成又は改訂年月

2024年3月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

872619

薬効分類名

手指用殺菌消毒剤

承認等

マスキンスクラブ4%

販売名コード

YJコード

261970BQ2147

販売名英語表記

MASKIN SCRUB 4%

販売名ひらがな

ますきんすくらぶ4%

承認番号等

承認番号

22100AMX01493

販売開始年月

1990年12月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

クロルヘキシジン製剤

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

クロルヘキシジン製剤に対し過敏症の既往歴のある者

3. 組成・性状

3.1 組成

マスキンスクラブ4%

有効成分100mL中 日局クロルヘキシジングルコン酸塩液   20mL
(クロルヘキシジングルコン酸塩として   4w/v% )
添加剤マクロゴール400、赤色102号、pH調節剤、その他6成分

3.2 製剤の性状

マスキンスクラブ4%

pH5.5~7.0
性状赤色澄明の粘稠性のある液で、わずかに特異なにおいがある。
比重d 20 20:1.030~1.050

4. 効能又は効果

医療施設における医師、看護師等の医療従事者の手指消毒

6. 用法及び用量

  • 〈術前、術後の術者の手指消毒〉

    手指及び前腕部を水でぬらし、本剤約5mLを手掌にとり、1分間洗浄後、流水で洗い流し、更に本剤約5mLで2分間洗浄をくりかえし、同様に洗い流す。

  • 〈術前、術後の術者以外の医療従事者の手指消毒〉
  • 手指を水でぬらし、本剤約2.5mLを手掌にとり、1分間洗浄後、流水で洗い流す。

8. 重要な基本的注意

ショック、アナフィラキシー等の反応を予測するため、使用に際してはクロルヘキシジン製剤に対する過敏症の既往歴、薬物過敏体質の有無について十分な問診を行うこと。,,

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 薬物過敏体質の者(クロルヘキシジン製剤に対し過敏症の既往歴のある者を除く)

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 ショック(0.1%未満)、アナフィラキシー(頻度不明)

    血圧低下、じん麻疹、呼吸困難等があらわれた場合は、直ちに使用を中止し、適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

0.1~5%未満

過敏症

発疹

14. 適用上の注意

14.1 薬剤使用時の注意

  1. 14.1.1 本剤は希釈せず、原液のまま使用すること。
  2. 14.1.2 経口投与しないこと。誤飲した場合には、牛乳、生卵、ゼラチン等を用いて、胃洗浄を行うなど適切な処置を行う。
  3. 14.1.3 手指消毒以外の目的には使用しないこと。
  4. 14.1.4 眼に入らないように注意すること。眼に入った場合には、直ちによく水洗すること。
  5. 14.1.5 溶液の状態で長時間皮膚と接触させた場合に皮膚化学熱傷を起こしたとの報告があるので、注意すること。

14.2 薬剤使用後の注意

本剤の付着した白布を次亜塩素酸ナトリウム等の塩素系漂白剤で漂白すると、褐色のシミができることがある。漂白には過炭酸ナトリウム等の酸素系漂白剤が適当である。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

クロルヘキシジングルコン酸塩製剤の使用によりショック症状を起こした患者のうち数例について、血清中にクロルヘキシジンに特異的なIgE抗体が検出されたとの報告がある1)

16. 薬物動態

16.2 吸収

  1. 16.2.1 5例の健康成人男性の上腕皮膚面50cm2に、5%又は4%の標識されたクロルヘキシジングルコン酸塩液(18μCiの14Cを含有)を塗布し3時間放置した。14C標識物質は塗布後6時間及び24時間後の血中から検出されなかった2) (外国人データ)。
  2. 16.2.2 15例の健康成人が4%のクロルヘキシジングルコン酸塩液10mLで手指と腕の消毒を3週間(1日5回、週5日)行ったが、消毒30分後の血中からクロルヘキシジン及びその誘導体は検出されなかった2) (外国人データ)。

16.5 排泄

5例の健康成人男性の上腕皮膚面50cm2に、5%又は4%の標識されたクロルヘキシジングルコン酸塩液(18μCiの14Cを含有)を塗布し3時間放置した。塗布後10日間の糞尿中の14C標識物質の総量の測定では、尿中から検出されず、2例の糞便中から塗布量の0.009%以下の14C標識物質が検出された2) (外国人データ)。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

低濃度では細菌の細胞膜に障害を与え、細胞質成分の不可逆的漏出や酵素阻害を起こし、抗菌作用(殺菌作用)を示す。高濃度では細胞内のタンパク質や核酸の沈着を起こすことにより、抗菌作用を示す3)

18.2 殺菌効果

広範囲の微生物に作用するが、特にグラム陽性菌には低濃度でも有効である。グラム陰性菌にも比較的低濃度で殺菌作用を示すが、グラム陽性菌に比べて抗菌力に幅がある。グラム陰性菌のうちAlcaligenesPseudomonasAchromobacterFlavobacterium属などにはまれに抵抗菌株もある。芽胞形成菌の芽胞には無効である。結核菌に対し水溶液では静菌作用、アルコール溶液では迅速な殺菌作用がある。真菌類の多くに対し抗菌力を示すが細菌類より弱い。ウイルスに対する効力は確定していない3)

18.3 殺菌効力試験(in vitro

マスキンスクラブ4%(処方変更前製剤)の細菌および真菌に対する殺菌時間は次の通りであった4)

菌種

殺菌時間

細菌

グラム
陽性菌

Staphylococcus aureus (MRSA 89-27)

30秒以内

Streptococcus faecalis IFO 3971

30秒以内

グラム
陰性菌

Acinetobacter calcoaceticus RIMD 0102002

30秒以内

Achromobacter xylosoxidans RIMD 0101001

30秒以内

Burkholderia cepacia IID 1340

30秒以内

Enterobacter aerogenes IFO 13534

30秒以内

Enterobacter cloacae IID 977

30秒以内

Escherichia coli NIHJC

30秒以内

Flavobacterium meningosepticum RIMD 0614002

30秒以内

Proteus mirabilis IFO 3849

30秒以内

Proteus vulgaris IFO 3045

30秒以内

Providencia rettgeri IFO 13501

30秒以内

Pseudomonas aeruginosa IFO 13275

30秒以内

Serratia marcescens IFO 12648

30秒以内

真菌(酵母)

Candida albicans IFO 1061

120秒以内

18.4 消毒効力試験(in vivo

術者以外に対する、マスキンスクラブ4%(処方変更前製剤)を2.5mL使用した手洗い前後の菌数を測定したところ、平均指数減少値は1.49±0.70であり、90%以上の菌を減少させた5)

18.5 生物学的同等性

  1. 18.5.1 殺菌効力同等性試験(in vitro
    マスキンスクラブ4%の現行処方製剤と処方変更前製剤について5種の菌株に対する最小殺菌濃度(MBC)試験を実施したところ、いずれの菌株においても最小殺菌濃度に有意な差は認められず、両製剤は生物学的に同等と判断された6)

    試験に用いた菌種

    菌種

    細菌

    グラム陽性菌

    Staphylococcus aureus IFO 13276

    グラム陰性菌

    Escherichia coli NIHJC

    Pseudomonas aeruginosa IFO 13275

    Serratia marcescens IFO 12648

    真菌(酵母)

    Candida albicans IFO 1061

  2. 18.5.2 殺菌効力同等性試験(in vivo
    マスキンスクラブ4%の現行処方製剤と処方変更前製剤について、FDAのグローブジュース法に準じた試験をクロスオーバー法にて実施した。手指消毒後の残存菌数に対して分散分析(有意水準5%)した結果、両製剤の殺菌効力は、消毒直後、消毒1時間後のいずれにおいても差は認められず、両製剤は生物学的に同等と判断された6)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

クロルヘキシジングルコン酸塩(Chlorhexidine Gluconate)

化学名

1,1′-Hexamethylenebis[5-(4-chlorophenyl)biguanide],di-D-gluconate

分子式

C22H30Cl2N10・2C6H12O7

分子量

897.76

性状

通常、水溶液として存在し、その20w/v%液は、無色~微黄色の澄明な液で、においはなく、味は苦い。

水又は酢酸(100)と混和する。20w/v%液1mLはエタノール(99.5)5mL以下又はアセトン3mL以下と混和するが、溶媒の量を増加するとき白濁する。

光によって徐々に着色する。

比重d 20 20:1.06~1.07

化学構造式

20. 取扱い上の注意

使用期限内であっても容器開封後はなるべく速やかに使用すること。

22. 包装

500mL[ポリ容器]、500mL×10[ポリ容器]、1L[ポリ容器]

24. 文献請求先及び問い合わせ先

丸石製薬株式会社 学術情報部

〒538-0042 大阪市鶴見区今津中2-4-2

TEL.0120-014-561

25. 保険給付上の注意

本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

丸石製薬株式会社

大阪市鶴見区今津中2-4-2

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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