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ウエルアップハンドローション1%

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2殺菌作用
18.3殺菌・ウイルス不活化効果
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
25.保険給付上の注意
26.製造販売業者等

ウエルアップハンドローション1%

添付文書番号

261970BQ5049_2_06

企業コード

730119

作成又は改訂年月

2024年3月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

872619

薬効分類名

速乾性擦式手指消毒剤

承認等

ウエルアップハンドローション1%

販売名コード

YJコード

261970BQ5049

販売名英語表記

Wellup Hand Lotion 1%

販売名ひらがな

うえるあっぷはんどろーしょん1%

承認番号等

承認番号

22200AMX00910

販売開始年月

2011年1月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

クロルヘキシジン製剤

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 クロルヘキシジン製剤に対し過敏症の既往歴のある者
  2. 2.2 脳、脊髄、耳(内耳、中耳、外耳)には使用しないこと[聴神経及び中枢神経に対して直接使用した場合は、難聴、神経障害を来すことがある。]
  3. 2.3 腟、膀胱、口腔等の粘膜面には使用しないこと[クロルヘキシジン製剤の左記部位への使用により、ショック、アナフィラキシーの症状の発現が報告されている。]
  4. 2.4 損傷皮膚及び粘膜には使用しないこと[刺激作用を有する。]
  5. 2.5 眼には使用しないこと[角膜障害等の眼障害を来すおそれがある。]

3. 組成・性状

3.1 組成

ウエルアップハンドローション1%

有効成分100mL中 日局クロルヘキシジングルコン酸塩液   5mL
(クロルヘキシジングルコン酸塩として   1.0g )
添加剤濃グリセリン、グリチルリチン酸二カリウム、中鎖脂肪酸トリグリセリド、エタノール、pH調節剤

3.2 製剤の性状

ウエルアップハンドローション1%

性状無色澄明の液で、特異なにおいがある。

4. 効能又は効果

手指・皮膚の消毒

6. 用法及び用量

手指・皮膚の消毒には、洗浄後、1日数回適量を塗布する。

8. 重要な基本的注意

ショック、アナフィラキシー等の反応を予測するため、使用に際してはクロルヘキシジン製剤に対する過敏症の既往歴、薬物過敏体質の有無について十分な問診を行うこと。,,

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 薬物過敏症の既往歴のある者(クロルヘキシジン製剤に対し過敏症の既往歴のある者を除く)

  2. 9.1.2 喘息等のアレルギー疾患の既往歴、家族歴のある者

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 ショック(0.1%未満)、アナフィラキシー(頻度不明)

    血圧低下、じん麻疹、呼吸困難等があらわれた場合は、直ちに使用を中止し、適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

 0.1%未満

頻度不明

過敏症

発疹、じん麻疹

皮 膚

刺激症状

14. 適用上の注意

14.1 薬剤使用前の注意

  1. 14.1.1 血清・膿汁等の有機性物質は殺菌作用を減弱させるので、これらが付着している場合は十分に洗い落としてから使用すること。
  2. 14.1.2 石鹸類は本剤の殺菌作用を弱めるので、石鹸分を洗い落としてから使用すること。

14.2 薬剤使用時の注意

  1. 14.2.1 本剤は希釈せず、原液のまま使用すること。
  2. 14.2.2 産婦人科用(腟・外陰部の消毒等)、泌尿器科用(膀胱・外性器の消毒等)には使用しないこと。
  3. 14.2.3 眼に入らないように注意すること。眼に入った場合は直ちによく水洗すること。
  4. 14.2.4 溶液の状態で長時間皮膚と接触させた場合に皮膚化学熱傷を起こしたとの報告があるので、注意すること。
  5. 14.2.5 エタノール蒸気に大量に又は繰り返しさらされた場合、粘膜への刺激、頭痛等を起こすことがあるので、広範囲又は長期間使用する場合には、蒸気の吸入に注意すること。
  6. 14.2.6 同一部位に反復使用した場合には、脱脂等による皮膚荒れを起こすことがあるので注意すること。
  7. 14.2.7 引火性があり、爆発の危険性もあるため、火気(電気メス使用等も含む)には十分注意すること。
  8. 14.2.8 電気メス等を使用する場合には本剤を乾燥させ、アルコール蒸気の拡散を確認してから使用すること。電気メスによる発火事故が報告されている。

14.3 薬剤使用後の注意

本剤の付着した白布を次亜塩素酸ナトリウム等の塩素系漂白剤で漂白すると、褐色のシミができることがある。漂白には過炭酸ナトリウム等の酸素系漂白剤が適当である。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

クロルヘキシジングルコン酸塩製剤の使用によりショック症状を起こした患者のうち数例について、血清中にクロルヘキシジンに特異的なIgE抗体が検出されたとの報告がある1)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

低濃度では細菌の細胞膜に障害を与え、細胞質成分の不可逆的漏出や酵素阻害を起こし、抗菌作用(殺菌作用)を示す。高濃度では細胞内のタンパク質や核酸の沈着を起こすことにより、抗菌作用を示す2)

18.2 殺菌作用

広範囲の微生物に作用するが、特にグラム陽性菌には低濃度でも有効である。グラム陰性菌にも比較的低濃度で殺菌作用を示すが、グラム陽性菌に比べて抗菌力に幅がある。グラム陰性菌のうち、AlcaligenesPseudomonasAchromobacterFlavobacterium属などにはまれに抵抗菌株もある。芽胞形成菌の芽胞には無効である。結核菌に対し水溶液では静菌作用、アルコール溶液では迅速な殺菌作用がある。真菌類の多くに対し抗菌力を示すが細菌類より弱い。ウイルスに対する効力は確定していない2)

18.3 殺菌・ウイルス不活化効果

  1. 18.3.1 殺菌効力試験(in vitro

    細菌に対して本剤を15秒作用させた際の菌減少率は次の通りであった3)

    菌種

    菌減少率(%)
    (作用時間:15秒)

    グラム陽性菌

    Enterococcus faecalis ATCC 29212

    >99.999

    Vancomycin-resistant Enterococcus faecalis ATCC 51299

    >99.999

    Staphylococcus aureus ATCC 6538

    >99.999

    Methicillin-resistant Staphylococcus aureus ATCC 33591

    >99.999

    Staphylococcus epidermidis ATCC 12228

    >99.999

    Streptococcus pyogenes IID 698

    >99.999

    グラム陰性菌

    Achromobacter (Alcaligenes) xylosoxidans RIMD 0101001

    >99.999

    Acinetobacter baumannii JCM 6841

    >99.999

    Burkholderia cepacia NBRC 15124

    >99.999

    Citrobacter freundii NBRC 12681

    >99.999

    Enterobacter cloacae IID 977

    >99.999

    Escherichia coli ATCC 25922

    >99.999

    Klebsiella pneumoniae NBRC 3512

    >99.999

    Proteus mirabilis NBRC 3849

    >99.999

    Pseudomonas aeruginosa ATCC 27853

    >99.999

    Multidrug-resistant Pseudomonas aeruginosa GTC 2017

    >99.999

    Salmonella typhimurium NBRC 12529

    >99.999

    Serratia marcescens ATCC 14756

    >99.999

    Stenotrophomonas maltophilia NBRC 14161

    >99.999

  2. 18.3.2 殺抗酸菌・殺真菌効力試験(in vitro

    本剤の抗酸菌および真菌に対する殺菌時間は次の通りであった4)

    菌種

    殺菌時間

    (>99.999%殺菌,
    *>99.99%殺菌)

    細菌

    抗酸菌

    Mycobacterium avium ATCC 15769

    ≦1分

    Mycobacterium terrae ATCC 15755

    ≦30秒

    真菌

    酵母

    Candida albicans ATCC 10231

    ≦15秒

    Candida parapsilosis JCM 1785

    ≦15秒

    Saccharomyces cerevisiae JCM 7255

    ≦15秒

    糸状菌

    Aspergillus fumigatus JCM 10253

    ≦15秒

    Aspergillus brasiliensis ATCC 16404

    ≦30秒*

  3. 18.3.3 ウイルス不活化試験(in vitro

    本剤のウイルスに対する不活化作用は次の通りであった5)

    ウイルス種

    ウイルス不活化(%)

    0.5分

    1分

    2分

    Influenza A virus (H1N1) ATCC VR-1469 (IFV-A)

    >99.9

    >99.9

    >99.9

    Herpes Simplex virus type 1 ATCC VR-260(HSV-1)

    >99.9

    >99.9

    >99.9

    Coxsackievirus B type 4 JVB (CB4)

    >99.9

    >99.9

    >99.9

    Adenovirus type 5 ATCC VR-5(Adv-5)

    98.1

    99.7

    >99.9

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

クロルヘキシジングルコン酸塩
(Chlorhexidine Gluconate)

化学名

1,1′-Hexamethylenebis[5-(4-chlorophenyl)biguanide],di-D-gluconate

分子式

C22H30Cl2N10・2C6H12O7

分子量

897.76

性状

通常、水溶液として存在し、その20w/v%液は、無色~微黄色の澄明な液で、においはなく、味は苦い。

水又は酢酸(100)と混和する。20w/v%液1mLはエタノール(99.5)5mL以下又はアセトン3mL以下と混和するが、溶媒の量を増加するとき白濁する。

光によって徐々に着色する。

比重d 20 20:1.06~1.07

化学構造式

20. 取扱い上の注意

火気を避けて保存すること。

22. 包装

500mL[ポリ容器]、1L[ポリ容器]

24. 文献請求先及び問い合わせ先

吉田製薬株式会社 学術部

〒164-0011 東京都中野区中央5-1-10

TEL 03-3381-2004

FAX 03-3381-7728

25. 保険給付上の注意

本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

丸石製薬株式会社

大阪市鶴見区今津中2-4-2

26.2 発売・技術提携

吉田製薬株式会社

東京都中野区中央5-1-10

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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