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K.C.L.エリキシル(10w/v%)

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.1併用禁忌(併用しないこと)
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
13.過量投与
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
18.薬効薬理
18.1作用機序
19.有効成分に関する理化学的知見
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

K.C.L.エリキシル(10w/v%)

添付文書番号

3229002S1026_1_10

企業コード

730119

作成又は改訂年月

2023年11月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

873229

薬効分類名

カリウム補給剤

承認等

K.C.L.エリキシル(10w/v%)

販売名コード

YJコード

3229002S1026

販売名英語表記

K.C.L. ELIXIR(10w/v%)

販売名ひらがな

けーしーえるえりきしる(10w/v%)

承認番号等

承認番号

15000AMZ00550

販売開始年月

1976年9月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

塩化カリウム製剤

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 重篤な腎機能障害(前日の尿量が500mL以下あるいは投与直前の排尿が1時間当たり20mL以下)のある患者
  2. 2.2 副腎機能障害(アジソン病)のある患者[高カリウム血症が悪化する。]
  3. 2.3 高カリウム血症の患者[不整脈や心停止を引き起こすおそれがある。]
  4. 2.4 消化管の通過障害のある患者[消化管の閉塞、潰瘍又は穿孔があらわれることがある。]
    1. 2.4.1 食道狭窄のある患者(心肥大、食道癌、胸部大動脈瘤、逆流性食道炎、心臓手術等による食道圧迫)
    2. 2.4.2 消化管狭窄又は消化管運動機能不全のある患者
  5. 2.5 高カリウム血性周期性四肢麻痺の患者[発作と高カリウム血症が誘発される。]
  6. 2.6 *エプレレノン(高血圧症)、エサキセレノンを投与中の患者
  7. 2.7 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  8. 2.8 ジスルフィラム、シアナミド、カルモフール、プロカルバジン塩酸塩を投与中の患者

3. 組成・性状

3.1 組成

K.C.L.エリキシル(10w/v%)

有効成分1mL中 日局塩化カリウム   0.1g
(カリウム(K)として   1.34mEq(52.45mg) )
添加剤クエン酸水和物、パラオキシ安息香酸エチル、デヒドロ酢酸、D-ソルビトール、サッカリンナトリウム水和物、エタノール、香料

3.2 製剤の性状

K.C.L.エリキシル(10w/v%)

性状無色澄明の液で芳香がある。味は甘くて、えぐい。

4. 効能又は効果

  • 下記疾患又は状態におけるカリウム補給
    • 降圧利尿剤、副腎皮質ホルモン、強心配糖体、インスリン、ある種の抗生物質などの連用時
    • 低カリウム血症型周期性四肢麻痺
    • 重症嘔吐、下痢、カリウム摂取不足及び手術後
  • 低クロール性アルカローシス

6. 用法及び用量

塩化カリウムとして、通常成人1日2~10gを数回に分割し、多量の水とともに経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 1日あたりの製剤量

    1日投与量

    本剤

    20~100mL

8. 重要な基本的注意

本剤の投与に際しては、筋緊張低下、心機能異常が出現することがあり、著明な高カリウム血症では心停止をきたすので、患者の血清電解質及び心電図の変化に注意すること。特に、長期投与する場合には、血中又は尿中カリウム値、腎機能、心電図等を定期的に検査することが望ましい。また、高カリウム血症があらわれた場合には、投与を中止すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 急性脱水症、広範囲の組織損傷(熱傷、外傷等)のある患者

    高カリウム血症があらわれやすい。

  2. 9.1.2 高カリウム血症があらわれやすい疾患(低レニン性低アルドステロン症等)を有する患者

    高カリウム血症があらわれることがある。

  3. 9.1.3 心疾患のある患者

    過剰に投与した場合、症状を悪化させることがある。

  4. 9.1.4 消化性潰瘍の既往歴のある患者

    塩化カリウムの刺激により再発させるおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 重篤な腎機能障害(前日の尿量が500mL以下あるいは投与直前の排尿が1時間当たり20mL以下)のある患者

    投与しないこと。高カリウム血症が悪化する。,

  2. 9.2.2 腎機能低下あるいは腎機能障害のある患者(重篤な腎機能障害のある患者を除く)

    高カリウム血症があらわれやすい。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

    10.1 併用禁忌(併用しないこと)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    *エプレレノン(セララ(高血圧症))

    エサキセレノン(ミネブロ)

    高カリウム血症があらわれることがある。

    これらの薬剤は血中のカリウムを上昇させる可能性があり、併用により高カリウム血症があらわれやすくなると考えられる。
    危険因子:腎機能障害のある患者

    ジスルフィラム(ノックビン)

    シアナミド(シアナマイド)

    カルモフール

    プロカルバジン塩酸塩(塩酸プロカルバジン)

    これらの薬剤とのアルコール反応(顔面潮紅、血圧降下、悪心、頻脈、めまい、呼吸困難、視力低下等)を起こすおそれがある。

    本剤はエタノールを含有しているため。

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    *エプレレノン(慢性心不全)

    フィネレノン

    血清カリウム値が上昇する可能性があるので、血清カリウム値を定期的に観察するなど十分に注意すること。

    カリウム貯留作用が増強するおそれがある。

    *抗アルドステロン剤

    • スピロノラクトン等

    カリウム保持性利尿剤

    • トリアムテレン等

    直接的レニン阻害剤

    • アリスキレン

    アンジオテンシン変換酵素阻害剤

    • ベナゼプリル塩酸塩、カプトプリル、エナラプリル等

    アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤

    • バルサルタン、ロサルタンカリウム、カンデサルタンシレキセチル、テルミサルタン等

    β-遮断剤

    • プロプラノロール、アテノロール、ピンドロール等

    非ステロイド性消炎鎮痛剤

    • インドメタシン等

    シクロスポリン

    ヘパリン

    ジゴキシン

    ドロスピレノン・エチニルエストラジオール ベータデクス

    トルバプタン

    高カリウム血症があらわれやすい。もし、併用が必要な場合は、血中カリウム値をモニターすることが望ましい。

    これらの薬剤は血中のカリウムを上昇させる可能性があり、併用により高カリウム血症があらわれやすくなると考えられる。
    腎機能障害のある患者には特に注意すること。

    N-メチルテトラゾールチオメチル基を有するセフェム系抗生物質

    • セフメノキシム塩酸塩、セフォペラゾンナトリウム、セフミノクスナトリウム水和物、セフメタゾールナトリウム、ラタモキセフナトリウム

    メトロニダゾール

    これらの薬剤とのアルコール反応(顔面潮紅、悪心、頻脈、多汗、頭痛等)を起こすおそれがある。

    本剤はエタノールを含有しているため。

    *筋弛緩剤

    • ロクロニウム臭化物等

    筋弛緩剤の作用が減弱することがある。

    カリウムイオンは骨格筋の収縮に関与している。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 消化管の閉塞、潰瘍又は穿孔(いずれも頻度不明)

      腹痛、嘔気、消化管出血等があらわれた場合には、投与を中止すること。

    2. 11.1.2 心臓伝導障害(頻度不明)

      一時に大量を投与するとあらわれることがある。

    11.2 その他の副作用

    頻度不明

    消化器

    悪心・嘔吐、腹部不快感、下痢

    過敏症

    蕁麻疹、発疹、そう痒感

    13. 過量投与

    1. 13.1 症状

      過量投与により、高カリウム血症があらわれることがある。一般に高カリウム血症は初期には無症状のことが多いので、血清カリウム値及び特有な心電図変化(T波の尖鋭化、QRS幅の延長、ST部の短縮、P波の平坦化ないしは消失)に十分注意すること。なお、筋肉及び中枢神経系の症状として、錯感覚、痙攣、反射消失があらわれ、また、横紋筋の弛緩性麻痺は、呼吸麻痺に至るおそれがある。

    2. 13.2 処置

      高カリウム血症が認められた場合には血清カリウム値、臨床症状に応じて下記のうち適切と思われる処置を行う。

      • カリウムを含む食物や薬剤の制限又は排除。カリウム保持性利尿剤の投与が行われている場合にはその投与中止。
      • グルコン酸カルシウムの静注
      • ブドウ糖-インスリン療法
      • 高張ナトリウム液の静注
      • 炭酸水素ナトリウムの静注
      • 陽イオン交換樹脂(ポリスチレンスルホン酸ナトリウム等)の投与
      • 透析療法

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤投与時の注意

    薄めずにそのまま投与すると胃腸障害を起こすおそれがあるので、多量の水(10~20倍量の水)で薄めて使用すること。

    15. その他の注意

    15.1 臨床使用に基づく情報

    代謝性アシドーシスの場合、低カリウム血症の治療は塩基性塩によって行われることが望ましい。

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    体内のカリウム欠乏により生じる症状に対して、本剤によりカリウムを補給することにより症状を改善させると考えられる1),2),3),4)

    18.2 カリウムイオン(K+)の作用

    カリウムイオン(K+)の主な作用は以下のとおりである5),6)

    • 主として細胞内にあって細胞浸透圧の維持に役立ち、細胞外液中のナトリウムイオン(Na+)と拮抗的に作用する。
    • グリコーゲン、たん白質の生合成及び分解機構に不可欠の要素である。
    • 骨格筋、心筋及び胃腸平滑筋等の筋肉活動の生理に影響を与える。
    • 酵素作用の増強、細胞の代謝調整及び機能調整に関与する。
    • カルシウムと拮抗して神経系統の興奮と緊張に大きな影響を与える。

    18.3 カリウム欠乏症状に対する作用

    ステロイドホルモン、サイアザイド系利尿剤及びジギタリス製剤等の投与によりカリウム欠乏が生じた場合、本剤によりカリウムを補給することで速やかに改善する。また、低クロール性アルカローシスの場合、同時に低カリウム血症を伴うことがあり、本剤によってクロールをカリウムと同時に投与することで、低クロール性アルカローシスと低カリウム血症が是正される1),2),3),4)

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    一般的名称

    塩化カリウム(Potassium Chloride)

    分子式

    KCl

    分子量

    74.55

    性状

    無色又は白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味は塩辛い。
    水に溶けやすく、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
    本品の水溶液(1→10)は中性である。

    22. 包装

    500mL[瓶]

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    丸石製薬株式会社 学術情報部

    〒538-0042 大阪市鶴見区今津中2-4-2

    TEL. 0120-014-561

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    丸石製薬株式会社

    大阪市鶴見区今津中2-4-2

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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