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日本薬局方
D-ソルビトール液
処方箋医薬品注)
D-ソルビトール
本剤
硫酸バリウム100g
10~20g
12~24mL
ポリスチレンスルホン酸ナトリウムのソルビトール懸濁液を経口投与し、小腸の穿孔、腸粘膜壊死、大腸潰瘍、結腸壊死等を起こした症例が報告されているので、激しい腹痛又は下痢、嘔吐等があらわれた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
頻度不明
消化器注1)
腹痛、下痢、腹部膨満、放屁
動物実験(ラット)で、ソルビトールの注腸投与により腸壁壊死を起こすことが報告されている。また、外国においてポリスチレンスルホン酸型陽イオン交換樹脂のソルビトール懸濁液を注腸し、結腸壊死を起こした症例が報告されているので、本剤を注腸しないこと1),2),3) 。
ポリスチレンスルホン酸カルシウムのソルビトール懸濁液を経口投与し、結腸狭窄、結腸潰瘍等を起こした症例が報告されている。
健康成人6名、糖尿病軽症患者8名に一夜絶食後それぞれソルビトール35gを投与したとき、ソルビトールの血中濃度はわずかで、2~3mg/dL以下で測定困難であった4) (外国人データ)。
便通異常・腹痛を訴える胃腸疾患患者70例にソルビトール添加バリウム造影剤(硫酸バリウム150gにソルビトールを10、15又は20%の割合で配合)を、対照として正常成人10例にソルビトール無添加バリウム造影剤を服用させたときの服用時の諸反応を比較した。6時間以内に排便を認めた症例はソルビトール無添加群(0%)に比較してソルビトール添加群で多かった(10%群:0%、15%群:16.3%、20%群:26.7%)。また、正常成人対照と3日以上の便秘例各5例を対象に、ソルビトール添加(10%、15%)及び無添加バリウム造影剤を服用させたときの胃腸管内通過時間をX線造影法により評価した結果、ソルビトール添加群は無添加群に比し、全胃腸管内の通過時間が30分~2時間短く、少なくとも4時間以内に全域の動態観察が可能であった5) 。
吸収されると速やかに肝グリコーゲンへ変換され体内のエネルギー源として用いられる6) 。また、脂肪酸の代謝によるケトン体の生成を抑制する7),8) 。さらに、腸から吸収されにくく浸透圧活性を有するため、便塊の中に水分を引き込んで膨張させ、便意を催させる9) 。
40時間絶食させたラットにソルビトール溶液を経口投与すると、速やかに肝グリコーゲンに変換された6) 。
48時間絶食させたラットの肝切片を用いたin vitroの実験にて、ソルビトールを投与した群は無添加の対照群に対して有意にケトン体の生成を抑制し、その抑制は果糖より有意であった7) 。また、24時間絶食させたラットの肝切片においても、ブドウ糖より大きなケトン体の抑制率を示した8) 。
健康人12名に、シロップ状のソルビトールあるいは結晶状のソルビトールをそれぞれ経口投与したときの軟便あるいは水様便を起こす最小投与量は、シロップ状のソルビトールでは20~30g、結晶状のソルビトールでは約50gであった10) 。
D-ソルビトール(D-Sorbitol)
D-Glucitol
C6H14O6
182.17
白色の粒、粉末又は結晶性の塊で、においはなく、味は甘く、冷感がある。
水に極めて溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
吸湿性である。
500mL[ポリ容器]
1) Lillemoe,K.D. et al.:Surgery,1987;101(3):267-272[M0770093]
2) Wootton,F.T. et al.:Ann. Intern. Med.,1989;111(11):947-949[M0770094]
3) Scott,T.R.et al.:Dis. Colon Rectum,1993;36(6):607-609[M0770095]
4) Adcock,L.H. et al.:Biochem. J.,1957;65(3):554-560[M0770096]
5) 和田武雄 他:臨床内科小児科,1963;18(11):1337-1344[M0770101]
6) Todd,W.R. et al.:J. Biol. Chem.,1939;127(1):275-284[M0770097]
7) Steinke,J. et al.:Diabetes,1961;10(3):218–227[M0770098]
8) 山形敞一 他:診断と治療,1967;55(2):394-399[M0770099]
9) 渡邊有三:日本透析医会雑誌,2006;21(2):207-213[M0770102]
10) Ellis,F.W. et al.:J. Biol. Chem.,1941;141(1):147-154[M0770100]
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