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処方箋医薬品注)
原発性腋窩多汗症
1日1回、1包に封入されている不織布1枚を用いて薬液を両腋窩に塗布する。
抗コリン作用により、尿閉を誘発するおそれがある。当該患者は臨床試験で除外されている。
創傷や湿疹、皮膚炎等がある部位への使用は避けること。体内移行量が増加し、抗コリン作用に基づく副作用があらわれやすくなる可能性がある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット:皮下投与)で胎盤通過性が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット:皮下投与)で乳汁中移行が報告されている。
9歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
1%以上
1%未満
頻度不明
眼
羞明、散瞳、霧視、ドライアイ
視力低下
泌尿器
排尿困難、頻尿
尿量減少、排尿回数減少、膀胱炎
消化器
口渇
悪心、口唇乾燥
**適用部位
接触皮膚炎、湿疹
皮膚炎、紅斑、色素沈着、皮脂欠乏性湿疹
そう痒感
**その他
代償性発汗、鼻乾燥、ALT増加、めまい、血圧上昇、倦怠感、湿疹、鉄欠乏性貧血、皮膚乾燥
無汗症、ほてり
成人の原発性腋窩多汗症患者11例を対象に、本剤と同一有効成分を3.75%注1)含有するワイプ製剤1枚を用いて左右の腋窩に単回塗布し、24時間後まで経時的に血漿中グリコピロニウム濃度を測定したところ、2.55時間後に最高血漿中濃度に達し、0.139ng/mLであった1)(外国人データ)。
原発性腋窩多汗症患者を対象に、本剤を1日1回(夜就寝前又は朝起床後)左右の腋窩に最大52週間反復塗布したときの血漿中グリコピロニウム濃度は次のとおりであった2)。
例数a)(n/N)
中央値(pg/mL)
最小値-最大値(pg/mL)
ベースラインb)
30/182
24.45
10.2-201.0
2週後
54/182
18.15
10.1-170.0
4週後
52/180
19.95
10.5-154.0
12週後
53/179
23.60
10.1-1510.0
28週後
49/167
20.10
10.2-197.0
52週後
40/149
21.15
10.0-585.0
a)n/N=血漿中グリコピロニウム濃度が定量下限値(10pg/mL)以上であった被験者数/各時点の被験者数b)182例中90例がベースライン時点で本剤を1日1回左右の腋窩に4週間塗布していた。
[14C]グリコピロニウムトシル酸塩水和物をグリコピロニウムとして10~1000ng/mLの濃度でヒト血漿に添加したときの血漿蛋白結合率は55.7%~57.8%であり、主にα1-酸性糖蛋白と結合した3)(in vitro)。
グリコピロニウムの主要な代謝経路はシクロペンタン環又はベンゼン環の酸化であり4)、この酸化的代謝にはCYP2D6及びCYP3A4の関与が示唆された5)。また、エステル結合の加水分解により生じるカルボン酸化合物を認めた4)(in vitro)。原発性腋窩多汗症患者に本剤を1日1回左右の腋窩に4週間反復塗布したとき、血漿中にはカルボン酸化合物を、尿中にはカルボン酸化合物のほか、ベンゼン環又はシクロペンタン環の水酸化体を代謝物として認めた6)。
[14C]グリコピロニウムトシル酸塩水和物をラット及びミニブタに単回皮下投与した7),8)。ラットでは、投与後168時間までに投与放射能量の70.3%が尿中に、30.0%が糞中に排泄された。投与後48時間までの尿中放射能の34.8%が未変化体であった。ミニブタでは、投与後168時間までに投与放射能量の80.6%が尿中に、19.1%が糞中に排泄された。投与後72時間までの尿中放射能の13.4%が未変化体であった。
HDSS注2)が3又は4かつ左右の腋窩共に5分間の発汗重量が50mg以上である9歳以上の原発性腋窩多汗症患者333例(14~71歳)を対象に、本剤又はプラセボを1日1回(夜就寝前)左右の腋窩に4週間塗布する無作為化二重盲検並行群間比較試験9)を実施した。投与4週後のHDSSがベースラインから2段階以上改善かつ両腋窩の平均発汗重量が50%以上改善した被験者の割合は、次のとおりであった。本剤群での副作用発現頻度は、15.5%(26/168例)であった。主な副作用は散瞳3.6%(6/168例)、排尿困難3.0%(5/168例)及び羞明2.4%(4/168例)であった。
有効性評価項目
投与群
被験者の割合(例数)
プラセボ群との群間差a)
群間差[両側95%信頼区間]
P値
HDSSがベースラインから2段階以上改善かつ両腋窩の平均発汗重量がベースラインから50%以上改善した割合
本剤群
41.1%(69/168)
24.7%[14.0%~34.8%]
<0.0001
プラセボ群
16.4%(27/165)
-
a)ピアソンのカイ二乗検定
HDSSが2以上かつ左右の腋窩共に5分間の発汗重量が30mg以上の原発性腋窩多汗症患者183例(15~65歳)を対象に、本剤を1日1回(夜就寝前又は朝起床後)左右の腋窩に最大52週間塗布する長期投与試験2)を実施した。HDSSがベースラインから2段階以上改善した被験者の割合は、52週時点で64.3%(83/129例)であった。両腋窩の平均発汗重量がベースラインから50%以上改善した被験者の割合は、52週時点で85.3%(110/129例)であった。副作用発現頻度は20.8%(38/183例)であった。主な副作用は羞明、口渇が各3.8%(7/183例)、散瞳、霧視、接触皮膚炎が各2.7%(5/183例)、排尿困難が2.2%(4/183例)であった。
グリコピロニウムは、汗腺細胞のムスカリンM3受容体に結合し、アセチルコリンの作用を阻害することで制汗作用を発揮する10)。
グリコピロニウムトシル酸水和物は、ピロカルピン誘発による発汗反応を用量依存的に抑制した11)(マウス)。
グリコピロニウムトシル酸塩水和物(Glycopyrronium Tosilate Hydrate)(JAN)
(3RS)-3-[(2SR)-(2-Cyclopentyl-2-hydroxy-2-phenylacetyl)oxy]-1,1-dimethylpyrrolidin-1-ium mono(4-methylbenzenesulfonate) monohydrate
C19H28NO3・C7H7O3S・H2O
507.64
白色の粉末である。メタノール、エタノール(96)に溶けやすく、アセトニトリルにやや溶けやすく、水にやや溶けにくい。
子供の手のとどかない所に保管すること。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
アルミパウチ:1包×28
1) 社内資料:原発性腋窩多汗症患者を対象とした第Ⅰ相試験(海外臨床薬理試験)(2022年1月20日承認、CTD2.7.6.2)[20211126-1001]
2) 社内資料:原発性腋窩多汗症患者を対象とした第Ⅲ相試験(長期投与試験)(2022年1月20日承認、CTD2.7.6.8)[20211126-1002]
3) 社内資料:血漿蛋白結合(2022年1月20日承認、CTD2.6.4.4.3)[20211126-1003]
4) 社内資料:In vitro代謝(2022年1月20日承認、CTD2.6.4.5.2)[20211126-1004]
5) グリコピロニウム代謝に関与するCYP分子種の同定(2022年1月20日承認、CTD2.6.4.5.3)[20211126-1005]
6) 社内資料:In vivo代謝(ヒト)(2022年1月20日承認、CTD2.7.2.2.1.3)[20211126-1006]
7) 社内資料:尿及び糞中排泄(2022年1月20日承認、CTD2.6.4.6.1)[20211126-1007]
8) 社内資料:In vivo代謝(ラット、ミニブタ)(2022年1月20日承認、CTD2.6.4.5.1.1)[20211126-1020]
9) 社内資料:原発性腋窩多汗症患者を対象とした第Ⅱ/Ⅲ相試験(プラセボ対照試験)(2022年1月20日承認、CTD2.7.6.5)[20211126-1008]
10) 社内資料:ムスカリン受容体に対する親和性(2022年1月20日承認、CTD2.6.2.2.1)[20211126-1009]
11) 社内資料:マウス足蹠における発汗反応に対する作用(2022年1月20日承認、CTD2.6.2.2.2)[20211126-1010]
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