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ゼビアックスローション2%/*ゼビアックス油性クリーム2%

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能・効果
5.効能・効果に関連する注意
6.用法・用量
7.用法・用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
11.副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.2吸収
16.3分布
16.4代謝
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
17.3その他
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2抗菌作用
18.3耐性獲得
19.有効成分に関する理化学的知見
21.承認条件
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

ゼビアックスローション2%/*ゼビアックス油性クリーム2%

添付文書番号

2639701N1029_1_02

企業コード

730155

作成又は改訂年月

**2024年1月改訂(第2版)
2021年1月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

872639

薬効分類名

キノロン系外用抗菌剤

承認等

ゼビアックスローション2%

販売名コード

YJコード

2639701Q1025

販売名英語表記

Zebiax Lotion

販売名ひらがな

ぜびあっくすろーしょん2%

承認番号等

承認番号

22700AMX01000000

販売開始年月

2016年1月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

36箇月

*ゼビアックス油性クリーム2%

販売名コード

YJコード

2639701N1029

販売名英語表記

Zebiax Oily Cream

販売名ひらがな

ぜびあっくすゆせいくりーむ2%

承認番号等

承認番号

30300AMX00002000

販売開始年月

2021年6月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

36箇月

一般的名称

オゼノキサシン製剤

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

ゼビアックスローション2%

有効成分1g中 オゼノキサシン   20mg
添加剤チオ硫酸ナトリウム水和物、エデト酸ナトリウム水和物、ヒドロキシエチルセルロース、エタノール、1,3-ブチレングリコール、pH調節剤

*ゼビアックス油性クリーム2%

有効成分*1g中 オゼノキサシン   20mg
添加剤*白色ワセリン、オレイルアルコール、ステアリン酸、pH調節剤

3.2 製剤の性状

ゼビアックスローション2%

性状無色~黄色澄明のローション剤

*ゼビアックス油性クリーム2%

性状*白色~淡黄白色のクリーム剤

4. 効能・効果

  • 〈適応菌種〉
    • オゼノキサシンに感性のブドウ球菌属、アクネ菌
  • 〈適応症〉
    • 表在性皮膚感染症、ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの)

5. 効能・効果に関連する注意

結節及び嚢腫には、他の適切な治療を行うこと。

6. 用法・用量

本剤の適量を1日1回、患部に塗布する。なお、ざ瘡に対しては洗顔後、患部に塗布する。

7. 用法・用量に関連する注意

  • 〈表在性皮膚感染症〉
    1. 7.1 1週間で効果が認められない場合は使用を中止すること。
  • 〈ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの)〉
    1. 7.2 4週間で効果が認められない場合は使用を中止すること。また、炎症性皮疹が消失した場合には継続使用しないこと。

8. 重要な基本的注意

本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、疾病の治療上必要な最小限の期間の使用にとどめること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には使用しないことが望ましい。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットにオゼノキサシンを皮下投与した時、乳汁中に移行することが認められている。

9.7 小児等

  • 〈ゼビアックスローション〉
    • 13歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
  • 〈ゼビアックス油性クリーム〉
    • *低出生体重児、新生児、乳児を対象とした臨床試験は実施していない。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

1%以上

1%未満

頻度不明

**皮膚

乾燥

刺激感、鱗屑・落屑、紅斑、そう痒、ほてり、乾皮症

接触皮膚炎、違和感

その他

血中ビリルビン増加

AST増加、ALT増加、γ-GTP増加、好酸球増加

14. 適用上の注意

14.1 薬剤使用時の注意

  1. 14.1.1 眼には使用しないこと。眼に入った場合は速やかに水でよく洗い流すこと。
  2. 14.1.2 **本剤は過酸化ベンゾイル製剤と重ねて塗布すると黄色に変色することがあるため、皮膚や衣服等への着色に注意すること。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

キノロン系合成抗菌薬の経口剤で光線過敏症が報告されている1)

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 単回投与

    健康成人(8例)の背部皮膚にゼビアックスローション10gを単回塗布した際、オゼノキサシンの最高血漿中濃度は平均89.6pg/mLであった2)

  2. 16.1.2 反復投与
    1. (1) 健康成人(8例)の背部皮膚にゼビアックスローション5gを1日2回7日間(計13回)反復塗布した際1)、オゼノキサシンの最高血漿中濃度は平均28.6pg/mLであった3)
    2. (2) 尋常性ざ瘡患者(8例)の全顔にゼビアックスローションを1日1回4週間反復塗布した際、全投与期間を通じた血漿中オゼノキサシン濃度は31.90~2189pg/mLであった4)

16.2 吸収

ヒト摘出皮膚を用いて14Cで標識したゼビアックスローションの皮膚透過性を検討した結果、塗布後24時間の累積透過量は、塗布量の0.35%以下であり、ゼビアックスローションを経皮投与したときの全身への移行は少ないことが示唆された5)in vitro)。

16.3 分布

  1. 16.3.1 膿疱中薬物濃度

    尋常性ざ瘡患者(8例)の全顔にゼビアックスローションを1日1回4週間反復塗布した際、全投与期間を通じた膿疱中薬物濃度は0.5778~343.8μg/gであった4)

  2. 16.3.2 *ヒト角層内薬物濃度

    健康成人(72例)の背部皮膚にゼビアックス油性クリーム及びゼビアックスローションを単回塗布し、塗布12時間後及び24時間後の角層中オゼノキサシン量を測定した。その結果は次のとおりであり、油性クリームのローションに対する生物学的同等性が確認された6)

    表 角層中薬物量の要約統計量

    塗布時間

    角層中薬物量(µg/2.01cm2

    油性クリーム

    12時間

    7.846±4.459

    24時間

    6.619±4.738

    ローション

    12時間

    7.149±4.333

    24時間

    5.745±3.256

    平均値±標準偏差、n=72

  3. 16.3.3 血漿蛋白結合率

    オゼノキサシンのヒト血漿蛋白結合率は89.7%~90.5%であった7)in vitro)。

16.4 代謝

オゼノキサシンは主にCYP3A4により代謝された8)in vitro)。

16.5 排泄

  1. 16.5.1 健康成人(8例)の背部皮膚にゼビアックスローション10gを単回塗布した際、オゼノキサシン及びその代謝物の尿中排泄率は0.0135%であった2)
  2. 16.5.2 健康成人(8例)の背部皮膚にゼビアックスローション5gを1日2回7日間(計13回)反復塗布した際1)、オゼノキサシン及びその代謝物の尿中排泄率は、0.00217%であった3)
  3. 16.5.3 オゼノキサシンをラットに皮下投与及びイヌに静脈投与した後の体循環移行後の排泄は主として糞中であった9)

    1) ゼビアックスローションの承認された用法・用量は、「本剤の適量を1日1回、患部に塗布する。」である。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  • 〈表在性皮膚感染症〉
    1. 17.1.1 国内第Ⅲ相試験

      13歳以上の表在性皮膚感染症(毛包炎、毛瘡)患者を対象に、ゼビアックスローション(1日1回夜)を7日間塗布した時の有効性及び安全性を検討することを目的として実施した非盲検非対照試験10)における有効率は70.0%(28/40例)であった。
      副作用発現頻度は7.5%(3/40例)であった。副作用は、血中ビリルビン増加、乾皮症及びほてりでそれぞれ2.5%(1/40例)であった。

    2. 17.1.2 *国内第Ⅲ相試験

      1歳以上の伝染性膿痂疹患者を対象に、ゼビアックス油性クリーム(1日1回)を7日間塗布した時の有効性及び安全性を検討することを目的として実施した非盲検非対照試験における有効率は97.6%(40/41例)であった11)
      副作用は認められなかった。

  • 〈ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの)〉
    1. 17.1.3 国内第Ⅲ相試験

      13歳以上の尋常性ざ瘡患者を対象に、ゼビアックスローション(1日1回夜)、プラセボ(1日2回朝夜)及びナジフロキサシンローション(1日2回朝夜)を洗顔後、顔面に12週間塗布した時の有効性及び安全性を検討することを目的として実施した無作為化評価者単盲検並行群間比較試験12),13)の結果は次のとおりであった。
      ゼビアックスローション群に発現した副作用は、血中ビリルビン増加0.5%(1/204例)のみであった。

      表 最終評価時の炎症性皮疹数の減少率(%)(FAS)

      ゼビアックス
      ローション群

      プラセボ群

      ナジフロ
      キサシン群

      例数

      204

      97

      198

      ベースライン

      17.8±6.6

      16.7±5.4

      17.6±6.5

      最終評価時

      8.8±7.0

      12.0±9.7

      9.0±7.7

      減少率(%)

      49.15±38.74

      29.08±51.89

      49.05±38.84

      プラセボ群との群間差
      [95%信頼区間]a)

      15.85
      [6.67,25.00]

      p値b)

      p=0.0007

      ナジフロキサシン群との群間差
      [95%信頼区間]a)

      0.00
      [-7.14,6.35]

      平均値±標準偏差

      a)Hodges-Lehmann推定(中央値の差)

      b)Wilcoxonの順位和検定

17.3 その他

  1. 17.3.1 皮膚刺激性
    1. (1) ゼビアックスローション

      本邦パッチテスト研究班の基準に基づき、健康成人(30例)の上背傍脊椎部無傷皮膚表面にゼビアックスローション及びプラセボを用いた48時間密封パッチテスト、光パッチテストを実施した結果、皮膚刺激性の低いこと、また光過敏反応を示さないことが確認された14)

    2. (2) ゼビアックス油性クリーム

      *本邦パッチテスト研究班の基準に基づき、健康成人(30例)の上背傍脊椎部無傷皮膚表面にゼビアックス油性クリーム及びプラセボを用いた48時間密封パッチテスト、光パッチテストを実施した結果、皮膚刺激性の低いこと、また光過敏反応を示さないことが確認された15)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

オゼノキサシンは細菌のDNAジャイレース及びトポイソメラーゼⅣに作用してDNAの複製を阻害することにより抗菌作用を示す16)

18.2 抗菌作用

  1. 18.2.1 オゼノキサシンは、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を含む黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、アクネ菌等の好気性グラム陽性菌、陰性菌及び嫌気性菌に対して、殺菌的な抗菌作用を示した17),18)in vitro)。
  2. 18.2.2 オゼノキサシンは、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を含む黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌及びアクネ菌を用いた実験的マウス皮膚感染症モデルにおいて、治療効果を示した19)

18.3 耐性獲得

  1. 18.3.1 黄色ブドウ球菌及びアクネ菌の耐性獲得試験において、オゼノキサシン存在下で28回継代培養後のMIC上昇は2倍であり、オゼノキサシンに対する耐性は獲得されにくかった20)in vitro)。
  2. 18.3.2 オゼノキサシンに対する黄色ブドウ球菌及びアクネ菌の自然耐性菌出現頻度は10-8未満と低率であった20)in vitro)。

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

オゼノキサシン(Ozenoxacin)(JAN)

化学名

1-Cyclopropyl-8-methyl-7-[5-methyl-6-(methylamino)pyridin-3-yl]-4-oxo-1,4-dihydroquinoline-3-carboxylic acid

分子式

C21H21N3O3

分子量

363.41

性状

白色~淡黄色の結晶性の粉末である。
ジメチルスルホキシド又はN,N-ジメチルホルムアミドに溶けにくく、アセトニトリル、メタノール又はテトラヒドロフランに極めて溶けにくく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。
希水酸化ナトリウム試液又は0.1mol/L塩酸試液に溶ける。

化学構造式

略号

OZNX

21. 承認条件

医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

22. 包装

  • 〈ゼビアックスローション2%〉
    • ボトル:10g×10
  • 〈ゼビアックス油性クリーム2%〉
    • *チューブ:10g×10

23. 主要文献

1) 上出良一:皮膚科の臨床 1992; 34(9)(特32): 1369-1377[11111111-7524]

2) 藤村昭夫ら:臨床医薬 2015; 31(3): 261-268[11111111-7521]

3) 藤村昭夫ら:臨床医薬 2015; 31(3): 269-278[11111111-7522]

4) 川島 眞ら:臨床医薬 2015; 31(2): 135-141[11111111-7517]

5) 社内資料:皮膚透過性試験(in vitro)(ゼビアックスローション2%:2015年9月28日承認、CTD2.6.4.3.1)[11111111-7488]

6) 社内資料:ゼビアックス油性クリーム2%の第Ⅰ相試験(生物学的同等性試験)[20210113-1001]

7) 社内資料:血漿蛋白結合性(in vitro)(ゼビアックスローション2%:2015年9月28日承認、CTD2.6.4.4.3.1.1)[11111111-7489]

8) 社内資料:薬物動態試験(in vitro)(ゼビアックスローション2%:2015年9月28日承認、CTD2.6.4.5.3)[11111111-7492]

9) 社内資料:薬物動態試験(in vivo)(ゼビアックスローション2%:2015年9月28日承認、CTD2.6.4.6.1)[11111111-7516]

10) 川島 眞ら:臨床医薬 2015; 31(3): 279-287[11111111-7523]

11) 社内資料:伝染性膿痂疹患者を対象としたゼビアックス油性クリーム2%の第Ⅲ相試験[20210113-1003]

12) 社内資料:尋常性ざ瘡を対象とした第Ⅲ相比較臨床試験(ゼビアックスローション2%:2015年9月28日承認、CTD2.7.6.8)[11111111-7477]

13) 川島 眞ら:臨床医薬 2015; 31(2): 155-171[11111111-7518]

14) 川島 眞ら:臨床医薬 2015; 31(3): 253-259[11111111-7520]

15) 社内資料:健康成人男性及び女性を対象としたゼビアックス油性クリーム2%の第Ⅰ相試験(皮膚安全性試験)[20210113-1002]

16) 社内資料:抗菌作用機序(in vitro)(ゼビアックスローション2%:2015年9月28日承認、CTD2.6.2.2.2)[11111111-7486]

17) 社内資料:各菌種に対する抗菌作用(in vitro)(ゼビアックスローション2%:2015年9月28日承認、CTD2.6.2.2.1、2.6.2.2.3)[11111111-7508]

18) 社内資料:各菌種に対する殺菌作用(in vitro)(ゼビアックスローション2%:2015年9月28日承認、CTD2.6.2.2.5)[11111111-7509]

19) 社内資料:マウス皮膚感染症モデルにおける治療効果(in vivo)(ゼビアックスローション2%:2015年9月28日承認、CTD2.6.2.2.7)[11111111-7494]

20) 社内資料:耐性獲得試験(in vitro)(ゼビアックスローション2%:2015年9月28日承認、CTD2.6.2.2.6)[11111111-7493]

24. 文献請求先及び問い合わせ先

マルホ株式会社  製品情報センター

〒531-0071 大阪市北区中津1-11-1

TEL:0120-12-2834

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売

マルホ株式会社

大阪市北区中津1-5-22

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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