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ボアラ軟膏0.12%/ボアラクリーム0.12%

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能・効果
5.効能・効果に関連する注意
6.用法・用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.5妊婦
9.7小児等
9.8高齢者
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.2吸収
16.3分布
16.4代謝
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
17.3その他
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2抗炎症作用
18.3血管収縮作用
19.有効成分に関する理化学的知見
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

ボアラ軟膏0.12%/ボアラクリーム0.12%

添付文書番号

2646724M1045_1_09

企業コード

730155

作成又は改訂年月

2023年8月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

872646

薬効分類名

合成副腎皮質ホルモン外用剤

承認等

ボアラ軟膏0.12%

販売名コード

YJコード

2646724M1045

販売名英語表記

Voalla Ointment

販売名ひらがな

ぼあらなんこう0.12%

承認番号等

承認番号

22000AMX01452000

販売開始年月

1986年6月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

36箇月

ボアラクリーム0.12%

販売名コード

YJコード

2646724N1040

販売名英語表記

Voalla Cream

販売名ひらがな

ぼあらくりーむ0.12%

承認番号等

承認番号

22000AMX01451000

販売開始年月

1986年6月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

36箇月

一般的名称

デキサメタゾン吉草酸エステル 製剤

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 細菌、真菌、ウイルス皮膚感染症[感染症を悪化させるおそれがある]
  2. 2.2 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
  3. 2.3 鼓膜に穿孔のある湿疹性外耳道炎[穿孔部位の治癒の遅延及び感染のおそれがある]
  4. 2.4 潰瘍、第2度深在性以上の熱傷・凍傷[皮膚の再生を抑制し、治癒を遅延させるおそれがある]

3. 組成・性状

3.1 組成

ボアラ軟膏0.12%

有効成分1g中 デキサメタゾン吉草酸エステル   1.2mg
添加剤流動パラフィン、白色ワセリン

ボアラクリーム0.12%

有効成分1g中 デキサメタゾン吉草酸エステル   1.2mg
添加剤白色ワセリン、ステアリルアルコール、オクチルドデカノール、クロタミトン、セトマクロゴール1000、モノステアリン酸グリセリン、乳酸、グリセリン、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル

3.2 製剤の性状

ボアラ軟膏0.12%

性状白色~微黄色半透明の軟膏剤で、においはない

ボアラクリーム0.12%

性状白色のクリーム剤で、においはないか、又はわずかに特異なにおいがある

4. 効能・効果

湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、ビダール苔癬を含む)、乾癬、痒疹群(蕁麻疹様苔癬、固定蕁麻疹を含む)、掌蹠膿疱症、虫刺症、慢性円板状エリテマトーデス、扁平苔癬

5. 効能・効果に関連する注意

皮膚感染を伴う湿疹・皮膚炎には使用しないことを原則とするが、やむを得ず使用する必要がある場合には、あらかじめ適切な抗菌剤、抗真菌剤による治療を行うか、又はこれらとの併用を考慮すること。

6. 用法・用量

通常1日1~数回適量を患部に塗布する。
なお、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 大量又は長期にわたる広範囲の密封法(ODT)等の使用により、副腎皮質ステロイド剤を全身的投与した場合と同様な症状があらわれることがある。,,,

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には大量又は長期にわたる広範囲の使用を避けること。

9.7 小児等

長期・大量使用又は密封法(ODT)により発育障害を来すおそれがある。また、おむつは密封法(ODT)と同様の作用があるので注意すること。

9.8 高齢者

大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)の使用に際しては特に注意すること。一般に副作用があらわれやすい。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障(いずれも頻度不明)

    眼瞼皮膚への使用に際しては、眼圧亢進、緑内障を起こすおそれがある。大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)により、後嚢白内障、緑内障等があらわれることがある。

11.2 その他の副作用

0.1~5%未満

0.1%未満

頻度不明

過敏症

皮膚の刺激感、そう痒感、発赤

皮膚

細菌性感染症(伝染性膿痂疹、毛嚢炎等)1)、ステロイドざ瘡2)

真菌性感染症(カンジダ症、白癬等)1)、酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎(ほほ、口囲等に潮紅、丘疹、膿疱、毛細血管拡張を生じる)、ステロイド皮膚(皮膚萎縮、毛細血管拡張、紫斑)、魚鱗癬様皮膚変化以上2)

多毛、色素脱失2)

内分泌系

下垂体・副腎皮質系機能の抑制3)

発現頻度は使用成績調査の結果を含む。
1) 密封法(ODT)の場合、起こりやすい。このような症状があらわれた場合には、適切な抗真菌剤、抗菌剤等を併用し、症状が速やかに改善しない場合には、使用を中止すること。
2) 長期連用により、あらわれることがある。このような症状があらわれた場合には徐々にその使用を差し控え、副腎皮質ステロイドを含有しない薬剤に切り換えること。
3) 大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)により、来すことがある。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤使用時の注意

眼には使用しないこと。

16. 薬物動態

16.2 吸収

ラットの正常皮膚に3H-デキサメタゾン吉草酸エステル軟膏を塗布した結果、皮膚中へ速やかに移行し、比較的長く皮膚中に存在した1),2)

16.3 分布

ラットの正常皮膚に3H-デキサメタゾン吉草酸エステル軟膏を塗布した結果、主に小腸内容物、肝臓等に分布した1)

16.4 代謝

ラットに3H-デキサメタゾン吉草酸エステルを皮下投与した結果、尿糞中の主代謝物として、6β-ヒドロキシデキサメタゾン21-グルタレート、20-ジヒドロデキサメタゾン等が確認された3)

16.5 排泄

ラットの正常皮膚に3H-デキサメタゾン吉草酸エステル軟膏を塗布した結果、主として糞中に排泄された2)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国内臨床試験

    国内総計2,046例を対象とした、二重盲検比較試験4),5)を含む臨床試験における改善率は、次のとおりであった。

    対象疾患名

    改善率(%)(改善以上)

    軟膏

    クリーム

    湿疹・皮膚炎群

    90.7(731/806)

    92.1(360/391)

    乾癬

    80.7(222/275)

    73.9(119/161)

    痒疹群

    81.7(58/71)

    76.7(23/30)

    掌蹠膿疱症

    76.5(65/85)

    63.6(7/11)

    虫刺症

    98.4(61/62)

    87.0(20/23)

    慢性円板状エリテマトーデス

    81.8(27/33)

    76.7(23/30)

    扁平(紅色)苔癬

    86.7(26/30)

    92.1(35/38)

17.3 その他

  1. 17.3.1 皮膚局所への影響

    健康成人男子を対象とした試験の結果、皮膚の厚さ及び皮膚所見より、本剤の皮膚局所への影響は少なかった6)

  2. 17.3.2 全身的影響

    乾癬患者を対象とした試験の結果、血漿コルチゾール値の低下は比較的少なく、末梢血好酸球数及び血糖値には有意な変動は認められなかった7)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

デキサメタゾン吉草酸エステルは、標的細胞のグルココルチコイド受容体と結合し、炎症・免疫反応に関わる標的遺伝子の転写の活性化やNF-κB等の転写調節因子の活性化を直接阻害することで、炎症性サイトカインの産生抑制やT細胞等の増殖抑制などの作用が総合的に作用して抗炎症効果を発揮するものと考えられている8)。また、合成副腎皮質ステロイドの血管収縮作用は抗炎症作用と相関することから、その作用機序も同じと考えられている9),10)

18.2 抗炎症作用

本剤の血管透過性亢進抑制作用及び浮腫抑制作用は0.12%ベタメタゾン吉草酸エステル製剤と同等あるいはそれ以上であり、肉芽増殖抑制作用、アジュバント関節炎抑制作用及び遅延型アレルギー性皮膚炎症抑制作用は0.12%ベタメタゾン吉草酸エステル製剤よりも強い11),12)(ラット、マウス)。

18.3 血管収縮作用

健康成人男子を対象とした皮膚血管収縮試験において、本剤の血管収縮作用は、0.12%ベタメタゾン吉草酸エステル製剤よりも強かった13)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

デキサメタゾン吉草酸エステル(Dexamethasone Valerate)(JAN)

化学名

9-Fluoro-11β,17,21-trihydroxy-16α-methylpregna-1,4-diene-3,20-dione 17-valerate

分子式

C27H37FO6

分子量

476.58

性状

白色の結晶性の粉末である。
クロロホルムに極めて溶けやすく、アセトニトリル、メタノール又はエタノール(99.5)に溶けやすく、1-ブタノールにやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。

化学構造式


22. 包装

  • 〈ボアラ軟膏0.12%〉

    チューブ:5g×10、5g×50
         10g×10、10g×50

    瓶:100g×1

  • 〈ボアラクリーム0.12%〉

    チューブ:5g×10、5g×50
         10g×10、10g×50

24. 文献請求先及び問い合わせ先

マルホ株式会社  製品情報センター

〒531-0071 大阪市北区中津1-11-1

TEL:0120-12-2834

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売

マルホ株式会社

大阪市北区中津1-5-22

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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