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アスタットクリーム1%/アスタット外用液1%/アスタット軟膏1%

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能・効果
6.用法・用量
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.5妊婦
11.副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.2吸収
16.3分布
16.4代謝
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2抗真菌作用
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

アスタットクリーム1%/アスタット外用液1%/アスタット軟膏1%

添付文書番号

2655710M1034_1_07

企業コード

730155

作成又は改訂年月

2023年7月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

872655

薬効分類名

抗真菌剤

承認等

アスタットクリーム1%

販売名コード

YJコード

2655710N1030

販売名英語表記

Astat Cream

販売名ひらがな

あすたっとくりーむ1%

承認番号等

承認番号

22000AMX02086000

販売開始年月

1994年9月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

36箇月

基準名

日本薬局方

ラノコナゾールクリーム

アスタット外用液1%

販売名コード

YJコード

2655710Q1036

販売名英語表記

Astat Solution

販売名ひらがな

あすたっとがいようえき1%

承認番号等

承認番号

22000AMX02084000

販売開始年月

1994年9月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

36箇月

基準名

日本薬局方

ラノコナゾール外用液

アスタット軟膏1%

販売名コード

YJコード

2655710M1034

販売名英語表記

Astat Ointment

販売名ひらがな

あすたっとなんこう1%

承認番号等

承認番号

22000AMX02085000

販売開始年月

1996年6月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

36箇月

基準名

日本薬局方

ラノコナゾール軟膏

一般的名称

ラノコナゾール製剤

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

アスタットクリーム1%

有効成分1g中 日局ラノコナゾール   10.0mg
添加剤セタノール、ステアリルアルコール、セバシン酸ジエチル、中鎖脂肪酸トリグリセリド、ポリソルベート60、モノステアリン酸ソルビタン、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、ジブチルヒドロキシトルエン

アスタット外用液1%

有効成分1mL中 日局ラノコナゾール   10.0mg
添加剤マクロゴール400、メチルエチルケトン、エタノール

アスタット軟膏1%

有効成分1g中 日局ラノコナゾール   10.0mg
添加剤白色ワセリン

3.2 製剤の性状

アスタットクリーム1%

性状白色の均一なクリーム剤

アスタット外用液1%

性状無色澄明の液剤

アスタット軟膏1%

性状白色の軟膏剤

4. 効能・効果

  • 下記の皮膚真菌症の治療
    • 白癬:足白癬、体部白癬、股部白癬
    • カンジダ症:間擦疹、指間びらん症、爪囲炎
    • 癜風

6. 用法・用量

1日1回患部に塗布する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

0.1~5%未満

0.1%未満

皮膚

皮膚炎(接触皮膚炎等)、刺激感、発赤

小水疱、そう痒感、亀裂、乾燥、腫脹

14. 適用上の注意

14.1 薬剤使用時の注意

  • 〈製剤共通〉
    1. 14.1.1 著しいびらん面には使用しないこと。
    2. 14.1.2 眼科用として角膜、結膜には使用しないこと。
  • 〈外用液〉
    1. 14.1.3 亀裂、びらん面には注意して使用すること。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

ラノコナゾール1%クリーム1)5g又はラノコナゾール1%外用液2)5mLを健康成人各6例の背部に8時間単回塗布し血漿中未変化体濃度を測定した。その結果、ラノコナゾール1%クリームでは2例で塗布8時間~12時間後に0.35~0.44ng/mL検出したが、それ以外は検出限界(0.3ng/mL)以下であった。ラノコナゾール1%外用液では4例で塗布24時間後に0.38~1.25(平均0.45)ng/mL検出したが、48時間後には全例検出限界以下となった。
また、健康成人6例の背部に、ラノコナゾール1%クリーム1)5gを1日あたり8時間、7日間反復塗布した結果、7日目の塗布後8時間目に0.31~0.76(平均0.45)ng/mLを検出したが、24時間後には全例検出限界以下となった。

16.2 吸収

健康成人にラノコナゾール1%クリーム1)を単回あるいは7日間反復塗布、また、ラノコナゾール1%外用液2)を単回塗布した結果、塗布部位からの回収率はいずれも高く、皮膚からの吸収率は低いと考えられた。

16.3 分布

ラノコナゾールを0.01~1.0μg/mLの濃度範囲でヒト血漿に添加したときの蛋白結合率は、いずれの添加濃度でも99%以上であった3)in vitro、平衡透析法)。

16.4 代謝

ヒト尿中の代謝物から、ジチオラン環の開裂が代謝経路の一つであると考えられた1),2)

16.5 排泄

健康成人によるラノコナゾール1%クリームの単回及び反復塗布試験時の尿からジチオラン環開裂型の代謝物が検出され、未変化体はほとんど検出されなかった1)。また、健康成人によるラノコナゾール1%及び2%1)クリームの単回塗布試験時の糞中から未変化体が12例中7例に検出された。その排泄率は投与量の0.27%以下であった4)

1) 本剤の承認規格は1%クリームである。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  • 〈クリーム〉
    1. 17.1.1 国内二重盲検比較試験

      皮膚真菌症患者を対象に、ラノコナゾール1%クリーム、ビホナゾール1%クリームのいずれかを入浴後又は就寝前に1日1回、足白癬では4週間、その他の疾患では2週間塗布した二重盲検比較試験5)を実施した。本剤群の有効性評価対象395例の有効率は次のとおりであった。
      副作用発現頻度は本剤群で0.9%(4/442例)であった。その内訳は「接触皮膚炎の疑い」、「発赤、びらん、二次感染」、「ジーンと熱い感じ」及び「AST、ALT、BUNの上昇」が各1例であった。

      対象疾患名

      有効率(%)(有効以上)

      白癬

      足白癬

      78.9(101/128)

      体部白癬

      84.3(70/83)

      股部白癬

      90.6(48/53)

      カンジダ症

      間擦疹

      90.7(39/43)

      指間びらん症

      92.6(25/27)

      癜風

      96.7(59/61)

  • 〈外用液〉
    1. 17.1.2 国内第Ⅱ相臨床試験

      皮膚真菌症患者を対象に、ラノコナゾール1%外用液を入浴後又は就寝前に1日1回、足白癬及びカンジダ性爪囲炎では4週間、その他の疾患では2週間塗布した非盲検試験6)を実施した。有効性評価対象390例の有効率は次のとおりであった。
      副作用発現頻度は2.4%(11/465例)であった。その内訳は外用初期の刺激感6例、接触皮膚炎2例、塗布部の発赤とそう痒感1例、病変部の角化の悪化1例及びASTの軽度上昇1例であった。

      対象疾患名

      有効率(%)(有効以上)

      白癬

      足白癬

      80.0(120/150)

      体部白癬

      84.8(56/66)

      股部白癬

      92.0(46/50)

      カンジダ症

      間擦疹

      81.8(36/44)

      指間びらん症

      88.5(23/26)

      爪囲炎

      75.0(3/4)

      癜風

      90.0(45/50)

  • 〈軟膏〉
    1. 17.1.3 国内第Ⅲ相臨床試験

      皮膚真菌症患者を対象に、ラノコナゾール1%軟膏を入浴後又は就寝前に1日1回、足白癬及びカンジダ性爪囲炎では4週間、その他の疾患では2週間塗布した非盲検試験7)を実施した。有効性評価対象210例の有効率は次のとおりであった。
      副作用発現頻度は1.6%(4/245例)であった。その内訳は接触皮膚炎3例及び刺激感1例であった。

      対象疾患名

      有効率(%)(有効以上)

      白癬

      足白癬

      71.4(40/56)

      体部白癬

      77.1(27/35)

      股部白癬

      87.5(28/32)

      カンジダ症

      間擦疹

      87.5(21/24)

      指間びらん症

      100(17/17)

      爪囲炎

      76.9(10/13)

      癜風

      97.0(32/33)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

ラノコナゾールは真菌の細胞膜の構成成分であるエルゴステロールの合成阻害作用により抗真菌作用を示す8),9)in vitro)。

18.2 抗真菌作用

  1. 18.2.1 ラノコナゾールは、皮膚糸状菌(Trichophyton属、Microsporum属、Epidermophyton属)、Candida属及びMalassezia属真菌に対して高い抗真菌活性を有する。特に皮膚糸状菌に対するMICはすべて0.04μg/mL以下であり、殺菌活性も低濃度で発現した10),11),12)in vitro)。
  2. 18.2.2 ラノコナゾールは種々の病原性真菌保存株(酵母状真菌、黒色真菌、二形性真菌、Aspergillus属及びPenicillium属)に対し、広い抗真菌スペクトルを示す10)in vitro)。
  3. 18.2.3 モルモット足白癬モデルに対し、ラノコナゾール1%クリーム、外用液及び軟膏は1日1回、10日間塗布により、完全に菌を陰性化した。また、モルモット体部白癬モデルにおいても1日1回、11~14日間の塗布で同様の作用を示すとともに感染症状の改善が認められた13),14),15),16)
  4. 18.2.4 モルモット背部にラノコナゾール1%クリームを0.1g前塗布した後、Trichophyton mentagrophytesを接種した実験では、菌接種1~4日前の1回塗布でも感染は成立せず、良好な角質内貯留性を有することが示唆された17)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

ラノコナゾール(Lanoconazole)(JAN)

化学名

(2E)-2-[(4RS)-4-(2-Chlorophenyl)-1,3-dithiolan-2-ylidene]-2-(1H-imidazol-1-yl)acetonitrile

分子式

C14H10ClN3S2

分子量

319.83

性状

白色~微黄色の結晶又は結晶性の粉末である。
アセトンにやや溶けやすく、メタノール又はエタノール(99.5)にやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。

化学構造式


20. 取扱い上の注意

  • 〈外用液〉
    1. 20.1 合成樹脂を軟化したり、塗料を溶かすことがあるので注意すること。
    2. 20.2 火気を避けて保存すること。

22. 包装

  • 〈クリーム〉

    チューブ:10g×10

  • 〈外用液〉

    ボトル:10mL×10

  • 〈軟膏〉

    チューブ:10g×10

23. 主要文献

1) 大西明弘ら:臨床医薬 1992; 8(4): 799-811[11111111-0961]

2) 社内資料:外用抗真菌剤ラトコナゾール液剤の安全性ならびに薬物動態に関する検討[11111111-0974]

3) 社内資料:ラトコナゾールのヒト血漿蛋白結合[11111111-0975]

4) 社内資料:ヒトにおけるラトコナゾールの代謝および排泄[11111111-0981]

5) TJN-318クリーム研究班:西日本皮膚科 1992; 54(5): 977-992[11111111-0957]

6) TJN-318液剤研究班:西日本皮膚科 1992; 54(5): 944-953[11111111-0958]

7) ラノコナゾール軟膏剤研究会:西日本皮膚科 1995; 57(4): 829-840[11111111-0960]

8) 近江哲人ら:日本医真菌学会雑誌 1992; 33(3): 339-348[11111111-0963]

9) 近江哲人ら:日本医真菌学会雑誌 1992; 33(3): 349-354[11111111-0962]

10) 平谷民雄ら:日本医真菌学会雑誌 1992; 33(3): 321-328[11111111-0964]

11) 内田勝久ら:日本医真菌学会雑誌 1992; 33(2): 217-220[11111111-0968]

12) 内田勝久ら:日本医真菌学会雑誌 1992; 33(3): 361-366[11111111-0965]

13) Ohmi T., et al.:Arzneim.-Forsch./Drug Res. 1991; 41(Ⅱ)(8): 847-851[11111111-0970]

14) Oka H., et al.:Arzneim.-Forsch./Drug Res. 1992; 42(Ⅰ)(3): 345-349[11111111-0971]

15) 庭野吉己ら:Jpn. J. Antibiot. 1994; 47(9): 1192-1195[11111111-1004]

16) 庭野吉己ら:Jpn. J. Antibiot. 1995; 48(1): 150-154[11111111-1005]

17) 岡 秀紀ら:日本医真菌学会雑誌 1992; 33(3): 313-319[11111111-0972]

24. 文献請求先及び問い合わせ先

マルホ株式会社  製品情報センター

〒531-0071 大阪市北区中津1-11-1

TEL:0120-12-2834

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売

マルホ株式会社

大阪市北区中津1-5-22

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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