当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
劇薬
処方箋医薬品注)
尋常性ざ瘡
1日1回、洗顔後、患部に適量を塗布する。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には使用しないこと。妊娠した場合、あるいは妊娠が予想される場合には医師に知らせるよう指導すること。動物実験において、アダパレンの経皮投与(ラット、ウサギ)で奇形の発生は認められていないが、過剰肋骨の発生頻度増加が報告されている。アダパレンの経口投与(ラット、ウサギ)で催奇形作用が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。皮膚外用時のヒト母乳中への移行は不明である。動物実験において、アダパレンの経口又は静脈内投与(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。
12歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
5%以上
0.1~5%未満
頻度不明
皮膚及び皮下組織障害
皮膚刺激
皮膚疼痛、アレルギー性皮膚炎、紅斑、そう痒症、日光皮膚炎、皮膚びらん、皮膚剥脱
顔面腫脹、水疱、皮膚乾燥、皮膚灼熱感、皮膚不快感、刺激感、湿疹、ざ瘡、接触皮膚炎、皮脂欠乏症、皮膚炎、皮脂欠乏性湿疹、発疹、そう痒性皮疹、脂漏性皮膚炎、皮膚浮腫、蕁麻疹、乾皮症、間擦疹、脂腺機能亢進、顔面浮腫、丘疹、皮膚の炎症、紅斑性皮疹、皮膚反応、アレルギー性接触皮膚炎、汗疹
眼障害
眼瞼炎、眼瞼浮腫
眼瞼刺激、眼瞼紅斑、眼瞼そう痒症、眼瞼腫脹
傷害、中毒及び処置合併症
サンバーン
呼吸器、胸郭及び縦隔障害
咽喉絞扼感
感染症及び寄生虫症
単純ヘルペス
肝臓
血中ビリルビン増加、AST増加、ALT増加、γ-GTP増加
その他
血中コレステロール増加、腫脹、ピリピリ感、灼熱感、口角炎、白血球数減少、白血球数増加、血小板数増加、違和感、ほてり、血中コレステロール減少、血中尿素減少
日本人健康成人男性に本剤1gを1日1回、5日間反復塗布した時、10例中2例でアダパレンは5日目に定量限界(0.10ng/mL)を上回り、そのうち最高血中濃度は0.16ng/mLであった。過酸化ベンゾイルは皮膚において速やかに安息香酸に分解される。10例中8例で反復塗布により定量可能な安息香酸が検出され(定量限界:20ng/mL)、そのうち最高血中濃度は27ng/mLであった。全身への蓄積は認められず、アダパレンは安息香酸の全身曝露量に影響を及ぼさなかった1)。
オープンガラス拡散セルに装着した全層ヒト皮膚に本剤、アダパレン0.1%ゲル、ディフェリン®(アダパレン)ゲル、過酸化ベンゾイル2.5%ゲル又はCutacnyl®(過酸化ベンゾイル)ゲルを10mg/cm2の用量で非閉塞で16時間塗布した。アダパレンは主として表皮に分布し、わずかながら真皮にも到達した。皮膚を介してレセプター液に吸収されたアダパレン濃度は定量限界未満(1ng/mL未満)であった。過酸化ベンゾイルの透過性の検討では安息香酸の濃度を測定した。すべての皮膚コンパートメントで定量可能な過酸化ベンゾイルが検出された2)(in vitro)。
ラットに14C標識体を単回塗布後の皮膚組織内放射能分布は角質層で最高レベルであり、次に毛包周囲の表皮層に検出された。真皮及び皮下組織への分布は認められなかった3)。ラットに14C標識体を単回塗布後の組織内放射能濃度は、投与部位皮膚、非投与部位皮膚及び消化管を除き、ほとんどの組織、測定時点において検出限界未満であった4)。ラットに14C標識体を21日間反復塗布した時、投与部位及び非投与部位の皮膚、消化管並びに副腎(特に皮質部)で雌雄とも高く、雌では胸腺及び卵巣でも高かった。投与後、大部分の組織では放射能は時間と共に減少したが、卵巣と胸腺における減少は緩徐であった4)。
ヒト正常皮膚を用いて皮膚内分布を検討した結果、表皮及び真皮中には過酸化ベンゾイル及び安息香酸が検出されたが、透過後はすべて安息香酸であることが確認された5)(in vitro)。
ラットの皮膚では代謝されなかった3)。
塗布後、生体内(皮膚中及び血漿中)で速やかに安息香酸に変換される。安息香酸は、更に馬尿酸へ代謝される6),7)(in vitro)。
マウス8)、ラット9)、ウサギ10)、イヌ11)に14C標識体の塗布後、放射能の大部分が糞中排泄により消失した。ラットにおいて腸肝循環が認められた12)。
安息香酸は、ヒト及び主要な動物種において、ほぼすべてが尿中に排泄される13)。
日本人の尋常性ざ瘡患者417例を対象に、本剤を1日1回(夕方から就寝前)、12週間、顔面に塗布時の有効性及び安全性を検討することを目的とした無作為化二重盲検並行群間比較試験14)(対照:アダパレン0.1%ゲル、過酸化ベンゾイル2.5%ゲル)を実施した。本剤群では、アダパレン0.1%ゲル群に対し、総皮疹数の減少率において統計的有意差(p<0.001)が認められ、過酸化ベンゾイル2.5%ゲル群に対して数値的に高かった。副作用発現頻度は、本剤群で12.7%(27/212例)、アダパレン0.1%ゲル群で3.0%(3/101例)、過酸化ベンゾイル2.5%ゲル群で6.7%(7/104例)であった。最も多かったものは皮膚刺激(本剤群10.4%(22/212例)、アダパレン0.1%ゲル群3.0%(3/101例)、過酸化ベンゾイル2.5%ゲル群2.9%(3/104例))であった。有害事象とは別に各来院時に局所刺激性評価の指標(紅斑、落屑、皮膚乾燥、そう痒感、刺痛感/灼熱感)を4段階で評価した。本剤群では、アダパレン0.1%ゲル群及び過酸化ベンゾイル2.5%ゲル群と比べて、徴候・症状がベースラインより悪化した被験者が多かったが、本剤の局所刺激性の徴候・症状は、重症度はほとんどが軽度ないし中等度であった。
本剤群(212例)
アダパレン0.1%ゲル群(101例)
過酸化ベンゾイル2.5%ゲル群(104例)
総皮疹数減少率(%)
82.7(77.3)
68.6(62.7)
81.6(73.5)
群間差[95%信頼区間]
-
[-16.1;-7.3]
[-5.1;1.7]
中央値(平均値)
本剤群と各単剤群との差の95%信頼性区間、Wilcoxon rank sum test
日本人の尋常性ざ瘡患者436例を対象に、本剤を1日1回、12ヵ月間、顔面に塗布時の安全性及び有効性を検討することを目的とした非対照一般臨床試験15)を実施した。塗布開始後1週間時点において総皮疹数の減少が認められ、効果は12ヵ月間を通じて維持された。副作用発現頻度は、9.9%(43/436例)であった。最も多かったものは皮膚刺激で6.9%(30/436例)に認められた。有害事象とは別に各来院時に局所刺激性評価の指標(紅斑、落屑、皮膚乾燥、そう痒感、刺痛感/灼熱感)を4段階で評価した。局所刺激性の徴候の多くは軽度ないし中等度で、平均スコアは1週目に最高値に達し、経時的に低下した。
外国において尋常性ざ瘡患者を対象に本剤を1日1回(夕方から就寝前)、12週間、顔面及び他の患部に塗布することにより実施された二つの第Ⅲ相臨床試験16)(総症例数2185例)について、本剤のアダパレン0.1%ゲル、過酸化ベンゾイル2.5%ゲル及び基剤に対する有効性を検討した。本剤群は、全般改善度(IGAスコアが2段階改善し、IGAスコアが「皮疹消失」又は「ほぼ皮疹消失」と判定された患者の割合)において、各単剤群及びゲル基剤群に対してより有効であることが示された。また、本剤群とゲル基剤群との差は、各単剤群とゲル基剤群との差の合計を上回り、配合剤として使用することによる相乗作用が示された(外国人データ)。
本剤群(564例)
アダパレン0.1%ゲル群(568例)
過酸化ベンゾイル2.5%ゲル群(564例)
ゲル基剤群(489例)
改善度(皮疹消失、ほぼ皮疹消失、%)
166(29.4)
106(18.7)
115(20.4)
54(11.1)
炎症性皮疹減少数、中央値(減少率、%)
16.0(62.1)
14.0(50.0)
15.0(54.0)
10.0(35.0)
非炎症性皮疹減少数、中央値(減少率、%)
23.5(52.8)
21.0(45.0)
19.0(42.5)
14.0(30.7)
総皮疹減少数、中央値(減少率、%)
41.0(54.8)
34.0(44.0)
33.0(44.9)
23.0(29.1)
本剤は作用機序が異なり、それぞれ相補的に作用する二つの有効成分17)を含有する配合剤である。
アダパレンはレチノイン酸受容体に結合し、遺伝子転写促進化を誘導することによりレチノイド様作用を示す18),19)。
過酸化ベンゾイルは強力な酸化剤であり、分解により生じたフリーラジカル(酸化ベンゾイルラジカルやフェニルラジカルなど)が細菌の膜構造、DNA・代謝などを直接障害して20),21),22),23)、アクネ菌や黄色ブドウ球菌などに対する抗菌作用を示す。
閉塞した毛漏斗部において、過酸化ベンゾイルが、角層中デスモソームの増加を是正することにより、角質細胞同士の結合が弛み、角層剥離が促進される21),24)。
アダパレンは表皮角化細胞の分化を抑制した25)(in vitro)。
過酸化ベンゾイルはその酸化作用による広い抗菌活性を有し、特にアクネ菌に対して高い抗菌作用を示す26)(in vitro)。
実験的ウサギ面皰モデルにおいて、過酸化ベンゾイルは角質細胞同士の結合を弛めて角層剥離を促し、毛漏斗部の角層肥厚を改善する24)。
アダパレン(Adapalene)(JAN)
6-[4-Methoxy-3-(tricyclo[3.3.1.13,7]dec-1-yl)phenyl]naphthalene-2-carboxylic acid
C28H28O3
412.52
白色~微黄白色の粉末である。テトラヒドロフランにやや溶けにくく、水又はエタノール(99.5)にほとんど溶けない。
過酸化ベンゾイル(Benzoyl Peroxide)(JAN)
Dibenzoyl peroxide
C14H10O4
242.23
白色の粉末である。クロロホルムに溶けやすく、ジエチルエーテルに溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
チューブ:15g×10
1) 社内資料:局所忍容性及び薬物動態試験(2016年7月4日承認、CTD2.7.6.1)[11111111-2214]
2) 社内資料:全層ヒト皮膚における皮膚透過性(in vitro)(2016年7月4日承認、CTD2.7.1.2.1)[11111111-2222]
3) 社内資料:ラット皮膚への分布及び代謝(ディフェリンゲル0.1%:2008年7月16日承認、CTD2.6.4.4.1、2.6.4.5.1.2)[11111111-7639]
4) 社内資料:ラット単回及び反復塗布による組織分布(ディフェリンゲル0.1%:2008年7月16日承認、CTD2.6.4.4.2.1.1)[11111111-7640]
5) 社内資料:ヒト皮膚内分布(in vitro)(ベピオゲル2.5%:2014年12月26日承認、CTD2.6.4.4.1.1)[11111112-8569]
6) Morsches B., et al.:Arzneim. -Forsch. (Drug Res.)1982; 32((Ⅰ)3): 298-300[11111112-8529]
7) 社内資料:ヒト血漿中代謝安定性(in vitro)(ベピオゲル2.5%:2014年12月26日承認、CTD2.6.4.5.1.2.1)[11111112-8534]
8) 社内資料:マウス単回塗布による排泄(ディフェリンゲル0.1%:2008年7月16日承認、CTD2.6.4.6.1.1.1)[11111111-7644]
9) 社内資料:ラット単回塗布による排泄(ディフェリンゲル0.1%:2008年7月16日承認、CTD2.6.4.6.1.2.1)[11111111-7645]
10) 社内資料:ウサギ反復塗布による排泄(ディフェリンゲル0.1%:2008年7月16日承認、CTD2.6.4.6.1.3.1)[11111111-7646]
11) 社内資料:イヌ単回塗布による吸収及び排泄(ディフェリンゲル0.1%:2008年7月16日承認、CTD2.6.4.3.2.4.1)[11111111-7637]
12) 社内資料:ラット腸肝循環(ディフェリンゲル0.1%:2008年7月16日承認、CTD2.6.4.6.1.2.4)[11111111-7647]
13) Bridges J.W., et al.:Biochem. J. 1970; 118: 47-51[11111112-8533]
14) 宮地良樹ら:皮膚の科学 2016;15(4):278-293[11111111-2223]
15) 宮地良樹ら:皮膚の科学 2016;15(4):294-307[11111111-2224]
16) 社内資料:海外第Ⅲ相試験、統合解析(2016年7月4日承認、CTD1.6)[11111111-2202]
17) Gollnick H.:Drugs 2003; 63(15): 1579-1596[11111111-2188]
18) 社内資料:細胞核内レチノイン酸受容体結合(ディフェリンゲル0.1%:2008年7月16日承認、CTD2.6.2.2.1.1)[11111111-7648]
19) 社内資料:RARサブタイプ別遺伝子転写促進化活性(ディフェリンゲル0.1%:2008年7月16日承認、CTD2.6.2.2.1.2)[11111111-7649]
20) Burkhart C.N., et al.:Skin Pharmacol. Appl. Skin Physiol. 2000; 13(5): 292-296[11111112-8531]
21) Sagransky M., et al.:Expert Opin. Pharmacother. 2009; 10(16): 2555-2562[11111112-8527]
22) Burkhart C.G., et al.:J. Cutan. Med .Surg. 2000; 4(3): 138-141[11111112-8559]
23) 吉川敏一:フリーラジカル 1988;5-7[11111112-8553]
24) Oh C.W., et al.:J. Dermatol. 1996; 23: 169-180[20200312-0026]
25) 社内資料:表皮トランスグルタミナーゼ発現(ディフェリンゲル0.1%:2008年7月16日承認、CTD2.6.2.2.2)[11111111-7651]
26) Gollnick H., et al.:J. Am. Acad. Dermatol. 2003; 49(1): S1-S37[11111112-8567]
マルホ株式会社 製品情報センター
〒531-0071 大阪市北区中津1-11-1
TEL:0120-12-2834
マルホ株式会社
大阪市北区中津1-5-22
GALDERMA
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.