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ヒルドイドクリーム0.3%/ヒルドイドソフト軟膏0.3%/ヒルドイドローション0.3%/ヒルドイドフォーム0.3%

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能・効果
6.用法・用量
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.5妊婦
11.副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.3分布
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
17.3その他
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2血液凝固抑制作用
18.3血流量増加作用
18.4血腫消退促進作用
18.5角質水分保持増強作用
18.6線維芽細胞増殖抑制作用
18.7抗炎症作用
18.8臨床薬理試験
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

ヒルドイドクリーム0.3%/ヒルドイドソフト軟膏0.3%/ヒルドイドローション0.3%/ヒルドイドフォーム0.3%

添付文書番号

3339950M1137_1_12

企業コード

730155

作成又は改訂年月

**2025年4月改訂(第3版)
2024年6月改訂(第2版)

日本標準商品分類番号

873339

薬効分類名

血行促進・皮膚保湿剤

承認等

ヒルドイドクリーム0.3%

販売名コード

YJコード

3339950N1035

販売名英語表記

Hirudoid Cream

販売名ひらがな

ひるどいどくりーむ0.3%

承認番号等

承認番号

22000AMX02389000

販売開始年月

1954年10月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

42箇月

ヒルドイドソフト軟膏0.3%

販売名コード

YJコード

3339950M1137

販売名英語表記

Hirudoid Soft Ointment

販売名ひらがな

ひるどいどそふとなんこう0.3%

承認番号等

承認番号

22000AMX02390000

販売開始年月

1996年7月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

42箇月

ヒルドイドローション0.3%

販売名コード

YJコード

3339950Q1074

販売名英語表記

Hirudoid Lotion

販売名ひらがな

ひるどいどろーしょん0.3%

承認番号等

承認番号

22000AMX02391000

販売開始年月

2001年7月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

36箇月

ヒルドイドフォーム0.3%

販売名コード

YJコード

3339950R1177

販売名英語表記

Hirudoid Foam

販売名ひらがな

ひるどいどふぉーむ0.3%

承認番号等

承認番号

23000AMX00232000

販売開始年月

2018年9月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

36箇月

一般的名称

ヘパリン類似物質製剤

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 出血性血液疾患(血友病、血小板減少症、紫斑病等)の患者[血液凝固抑制作用を有し、出血を助長するおそれがある]
  2. 2.2 僅少な出血でも重大な結果を来すことが予想される患者[血液凝固抑制作用を有し、出血を助長するおそれがある]

3. 組成・性状

3.1 組成

ヒルドイドクリーム0.3%

有効成分1g中 ヘパリン類似物質   3.0mg
添加剤グリセリン、ステアリン酸、水酸化カリウム、白色ワセリン、ラノリンアルコール、セトステアリルアルコール、セトステアリルアルコール・セトステアリル硫酸ナトリウム混合物、ミリスチルアルコール、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、イソプロパノール

ヒルドイドソフト軟膏0.3%

有効成分1g中 ヘパリン類似物質   3.0mg
添加剤グリセリン、スクワラン、軽質流動パラフィン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、白色ワセリン、サラシミツロウ、グリセリン脂肪酸エステル、ジブチルヒドロキシトルエン、エデト酸ナトリウム水和物、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル

ヒルドイドローション0.3%

有効成分1g中 ヘパリン類似物質   3.0mg
添加剤*グリセリン、セタノール、ミリスチルアルコール、白色ワセリン、スクワラン、セトマクロゴール1000、モノステアリン酸グリセリン、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸メチル、ジイソプロパノールアミン、カルボキシビニルポリマー

ヒルドイドフォーム0.3%

有効成分原液1g中 ヘパリン類似物質   3.0mg
添加剤原 液:グリセリン、マクロゴール、ポリソルベート65、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、pH調節剤
噴射剤:LPG

3.2 製剤の性状

ヒルドイドクリーム0.3%

性状白色のクリーム剤で、わずかに特異なにおいがある
基剤の種類水中油型の乳剤性基剤

ヒルドイドソフト軟膏0.3%

性状白色のクリーム剤で、わずかに特異なにおいがある
基剤の種類油中水型の乳剤性基剤

ヒルドイドローション0.3%

性状白色のローション剤で、わずかに特異なにおいがある
基剤の種類水中油型の乳剤性基剤

ヒルドイドフォーム0.3%

性状噴出するとき、白色のフォーム剤となる

4. 効能・効果

  • 血栓性静脈炎(痔核を含む)、血行障害に基づく疼痛と炎症性疾患(注射後の硬結並びに疼痛)、凍瘡、肥厚性瘢痕・ケロイドの治療と予防、進行性指掌角皮症、皮脂欠乏症、外傷(打撲、捻挫、挫傷)後の腫脹・血腫・腱鞘炎・筋肉痛・関節炎、筋性斜頸(乳児期)

6. 用法・用量

  • 〈クリーム、ソフト軟膏〉

    通常、1日1~数回適量を患部に塗擦又はガーゼ等にのばして貼付する。

  • 〈ローション、フォーム〉

    通常、1日1~数回適量を患部に塗布する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

0.1~5%未満

頻度不明

過敏症

皮膚炎、そう痒、発赤、発疹、潮紅等

皮膚刺激感

皮膚

(投与部位)

紫斑

14. 適用上の注意

14.1 薬剤使用時の注意

  • 〈製剤共通〉
    1. 14.1.1 潰瘍、びらん面への直接塗擦又は塗布を避けること。
  • 〈フォーム〉
    1. 14.1.2 よく振ってから、使用すること。
    1. 14.1.3 横向きや逆さまで使用しないこと。

16. 薬物動態

16.3 分布

  • 〈フォーム〉
    1. 16.3.1 生物学的同等性試験

      健康成人男性10例を対象に、前腕部にヒルドイドフォーム0.3%と標準製剤(ヒルドイドクリーム0.3%)を単回塗布し、塗布4時間後における角層中薬物量を測定した。両剤の角層中薬物量の対数値の平均値の差の90%信頼区間はlog(0.70)~log(1.43)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された1)

      表 角層中薬物量の要約統計量

      角層中薬物量

      (μg/2.54cm2

      ヒルドイドフォーム0.3%

      5.159±1.864

      標準製剤(ヒルドイドクリーム0.3%)

      5.261±1.166

      (平均値±標準偏差)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  • 〈クリーム〉
    1. 17.1.1 国内臨床試験

      ヒルドイドクリーム0.3%の効能追加時までに実施された国内総計2192例を対象とした、二重盲検比較試験2)を含む臨床試験における有効率は、次のとおりであった。

      表 対象疾患別の有効率

      対象疾患名

      有効率(%)(有効以上)

      皮脂欠乏症

      91.2(259/284)

      進行性指掌角皮症

      71.6(68/95)

      凍瘡

      90.8(129/142)

      肥厚性瘢痕・ケロイド

      75.5(369/489)

      血行障害に基づく疼痛と炎症性疾患

      100(8/8)

      血栓性静脈炎

      78.0(71/91)

      外傷後の腫脹・血腫・腱鞘炎・筋肉痛・関節炎

      75.5(508/673)

      筋性斜頸

      88.3(362/410)

  • 〈ソフト軟膏〉
    1. 17.1.2 国内一般臨床試験

      皮脂欠乏症患者30例、進行性指掌角皮症患者29例を対象にヒルドイドソフト軟膏0.3%の適量を1日2~3回、皮脂欠乏症は2週間、進行性指掌角皮症は4週間単純塗擦した一般臨床試験3)における改善率は、次のとおりであった。

      副作用は認められなかった。

      表 対象疾患別の改善率

      対象疾患名

      改善率(%)(改善以上)

      皮脂欠乏症

      96.7(29/30)

      進行性指掌角皮症

      72.4(21/29)

    1. 17.1.3 国内一般臨床試験

      皮脂欠乏症患者30例、進行性指掌角皮症患者30例を対象にヒルドイドソフト軟膏0.3%の適量を1日2~3回、皮脂欠乏症は2週間、進行性指掌角皮症は4週間単純塗擦した一般臨床試験4)における改善率は、次のとおりであった。

      副作用は認められなかった。

      表 対象疾患別の改善率

      対象疾患名

      改善率(%)(改善以上)

      皮脂欠乏症

      93.3(28/30)

      進行性指掌角皮症

      70.0(21/30)

  • 〈ローション〉
    1. 17.1.4 国内一般臨床試験

      皮脂欠乏症患者54例、進行性指掌角皮症患者27例を対象にヒルドイドローション0.3%の適量を1日2~3回、皮脂欠乏症は2週間、進行性指掌角皮症は4週間単純塗擦した一般臨床試験5)における改善率は、次のとおりであった。

      副作用は認められなかった。

      表 対象疾患別の改善率

      対象疾患名

      改善率(%)(改善以上)

      皮脂欠乏症

      98.1(53/54)

      進行性指掌角皮症

      85.2(23/27)

    1. 17.1.5 国内一般臨床試験

      肥厚性瘢痕・ケロイド患者20例を対象にヒルドイドローション0.3%の適量を1日1~数回、8週間単純塗擦又はガーゼ等にのばして貼付した一般臨床試験6)における改善率(改善以上)は、66.7%(10/15例)であった。

      副作用は認められなかった。

    1. 17.1.6 国内一般臨床試験

      外傷(捻挫、挫傷)患者20例を対象にヒルドイドローション0.3%の適量を1日数回、10日間塗擦した一般臨床試験7)における改善率(改善以上)は、100%(18/18例)であった。

      副作用は認められなかった。

  • 〈フォーム〉
    1. 17.1.7 国内一般臨床試験

      皮脂欠乏症患者男女60例を対象に、ヒルドイドソフト軟膏0.3%を1日2~3回、2週間塗布した後、ヒルドイドフォーム0.3%を1日2~3回、2週間塗布した一般臨床試験8)において、薬剤切り替え後も治療効果は維持されることが確認された。1回あたりの塗布量はfingertip unit(FTU)に基づき算出した。

      副作用は1例2件認められ、その内訳は、そう痒症及び紅斑が各1.7%(1/60例)であった。

17.3 その他

  • 〈フォーム〉
    1. 17.3.1 皮膚刺激性

      健康成人男女30例を対象に、ヒルドイドフォーム0.3%の皮膚安全性の確認を目的に48時間密封パッチテスト及び光パッチテストを実施した。その結果、皮膚刺激性に忍容性があることが確認された9)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

作用機序は明確ではない。

18.2 血液凝固抑制作用

血液凝固時間を延長し、血液凝固抑制作用を示す(ヒト10),11)、イヌ10)、ウサギ11))。

18.3 血流量増加作用

水素クリアランス法による実験で、皮膚組織血流量の増加を認めた12),13),14)(ウサギ)。

18.4 血腫消退促進作用

実験的血腫の消退促進を認めた13)(ウサギ)。

18.5 角質水分保持増強作用

皮膚に対する保湿効果を有し(ヒト)15)、実験的乾燥性皮膚において角質水分保持増強作用を認めた14),16)(モルモット)。

18.6 線維芽細胞増殖抑制作用

組織癒着防止に関する実験で、線維芽細胞増殖の抑制を認めた10),17)(ウサギ)。

18.7 抗炎症作用

紫外線紅斑抑制作用を有する18)(モルモット)。

18.8 臨床薬理試験

  • 〈フォーム〉
    1. 18.8.1 健康成人男性20例を対象に、前腕部にヒルドイドフォーム0.3%とヒルドイドクリーム0.3%を単回塗布し、角層水分量を経時的に測定した。両剤で角層水分量の変化量の曲線下面積(AUC0h-10h)を算出し、統計解析を行った結果、角層水分量を指標とした臨床薬理試験において、両剤は同等であることが確認された19)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

ヘパリン類似物質(Heparinoid)

性状

帯黄白色の無晶性の粉末である。
水に溶けやすく、メタノール、エタノール(95)、アセトン又は1-ブタノールにほとんど溶けない。

20. 取扱い上の注意

  • 〈クリーム〉
    1. 20.1 瓶包装品は製剤中の水分が蒸発することがあるので、未使用時はキャップをすること。
  • 〈フォーム〉
    1. 20.2 高圧ガス(LPG)を使用した可燃性の製品であり、危険なため、次の注意を守ること。
      • 炎や火気の近くで使用しないこと。
      • 火気を使用している室内で大量に使用しないこと。
      • 高温にすると破裂の危険があるため、直射日光の当たる所や火気等の近くなど温度が40℃以上となる所に置かないこと。
      • 火の中に入れないこと。
      • 使い切って捨てること。

22. 包装

  • 〈クリーム〉

    チューブ:25g×10、50g×10
    瓶:100g×1、500g×1

  • 〈ソフト軟膏〉

    チューブ:25g×10、25g×50、50g×10、50g×50
    瓶:100g×1、500g×1

  • 〈ローション〉

    ボトル:25g×10、25g×50、50g×10、50g×50

    **ボトル(ポンプ付):150g×1

  • 〈フォーム〉

    缶:原液92g×10

23. 主要文献

1) 藤村昭夫ら:臨床医薬 2018; 34(2): 109-114[11111111-9277]

2) ヒルドイド研究班:臨床医薬 1988; 4(10): 1903-1911[11111111-9037]

3) 長島正治ら:臨床医薬 1994; 10(7): 1671-1682[11111111-9068]

4) 原田昭太郎ら:臨床医薬 1994; 10(7): 1683-1693[11111111-9069]

5) 原田昭太郎ら:臨床医薬 2001; 17(7): 1051-1062[11111111-9079]

6) 大島良夫ら:臨床医薬 2001; 17(7): 1079-1087[11111111-9082]

7) 山崎 誠ら:臨床医薬 2001; 17(7): 1071-1078[11111111-9081]

8) 川島 眞ら:皮膚の科学 2017; 16(5): 356-365[20191028-1005]

9) 川島 眞ら:皮膚の科学 2017; 16(5): 366-371[11111111-9280]

10) 中安国裕:東京慈恵会医科大学雑誌 1961; 76(2): 494-514[11111111-9034]

11) 石川浩一ら:外科 1955; 17(12): 849-854[11111111-9036]

12) 社内資料:血流量増加作用[11111111-9055]

13) 木戸裕子ら:基礎と臨床 1996; 30(3): 463-469[11111111-9067]

14) 土肥孝彰ら:薬理と治療 2001; 29(2): 127-134[11111111-9098]

15) 安藤隆夫ら:日本香粧品科学会誌 1984; 8(3): 246-250[11111111-9021]

16) 難波和彦:久留米医学会雑誌 1988; 51(6): 407-415[11111111-9027]

17) 間狩 孝:日本外科宝函 1959; 28(9): 3757-3776[11111111-9035]

18) Raake W.:Arzneim.-Forsch./Drug Res. 1984; 34(4): 449-451[11111111-9057]

19) 藤村昭夫ら:臨床医薬 2018; 34(2): 115-121[11111111-9278]

24. 文献請求先及び問い合わせ先

マルホ株式会社  製品情報センター

〒531-0071 大阪市北区中津1-11-1

TEL:0120-12-2834

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売

マルホ株式会社

大阪市北区中津1-5-22

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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