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日本薬局方
シロップ用ファロペネムナトリウム
処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
ファロペネムに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、プロテウス・ミラビリス、インフルエンザ菌、百日咳菌
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、膀胱炎、腎盂腎炎、中耳炎、副鼻腔炎、歯周組織炎、猩紅熱、百日咳
「抗微生物薬適正使用の手引き」1)を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。
通常、小児に対してファロペネムナトリウム水和物として1回5mg(力価)/kgを1日3回、用時溶解して経口投与する。なお、年齢、体重及び症状に応じて適宜増減する。増量の場合は1回10mg(力価)/kgを上限とする。
ビタミンK欠乏症状があらわれることがある。
下痢症状を悪化させる可能性がある。
投与量を減量するか投与間隔をあけて使用すること。本剤の主たる排泄経路は腎臓であり、血中濃度半減期が延長し、血中濃度が持続する。
低出生体重児、新生児を対象とした臨床試験は実施していない。
イミペネム・シラスタチンナトリウム
動物実験(ラット)で、本剤の血中濃度が上昇することが報告されている2)。
シラスタチンにより代謝酵素が阻害されることによる。
フロセミド
動物実験(イヌ)で、本剤の腎毒性が増強されることが報告されている3)。
機序は不明。
バルプロ酸ナトリウム
カルバペネム系薬剤(メロペネム、パニペネム・ベタミプロン、イミペネム・シラスタチンナトリウム)との併用によりバルプロ酸の血中濃度が低下し、てんかんの発作が再発することが報告されている。
不快感、口内異常感、喘鳴、呼吸困難、眩暈、便意、耳鳴、発汗、全身潮紅、血管浮腫、血圧低下等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
急性腎障害等の重篤な腎機能障害があらわれることがある。
腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、PIE症候群があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
AST・ALT・Al-P等の上昇、黄疸があらわれることがある。
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等を特徴とする横紋筋融解症があらわれ、これに伴って急性腎障害等の重篤な腎機能障害があらわれることがある。
5%以上
5%未満
頻度不明
過敏症
発疹、蕁麻疹
そう痒、発熱、発赤、紅斑
血液
好酸球増多
白血球分画の異常等、顆粒球数の変動、血小板数の変動
肝臓
AST・ALT・γ-GTP・Al-P・LDHの上昇
ビリルビンの上昇
腎臓
BUNの上昇
クレアチニンの上昇
消化器
下痢注1)
軟便注1)
嘔気、嘔吐、腹痛、食欲不振、腹部膨満感、口角炎、口唇炎、胃腸障害、消化不良、胃炎、便秘
菌交代症
カンジダ症注2)
口内炎
ビタミン欠乏症
ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)
その他
しびれ、ほてり、頭痛、めまい、眠気、浮腫、口唇乾燥、眼痛、爪変色、倦怠感
イヌに2,000mg/kg以上を単回経口投与、又は250mg/kg以上を単回静脈内投与した結果、血中の尿素窒素及びクレアチニンが上昇し、腎毒性が認められた4)。この変化は、イヌに2,000mg/kgを4週間反復経口投与した際には4週間投与後の方が投与初期に比べて軽度であり5)、26週間反復経口投与した後の腎臓には認められなかった6)。
小児患者に5及び10mg(力価)/kgを食後に経口投与すると、約1時間後にそれぞれ1.3、2.1μg/mLの最高血漿中濃度に到達し、その半減期は約1時間であった7)。
投与量(mg/kg)
例
Cmax(μg/mL)
Tmax(hr)
T1/2(hr)
AUC(0-24hr)(μg・hr/mL)
5
12
1.32±0.72
1.17±0.39
1.66±1.12
4.10±2.32
10
11
2.08±1.28
1.27±0.65
1.14±0.53
5.89±3.76
平均±標準偏差
小児における平均吸収率は成人の1/2程度(10%)と推定された8)。
患者喀痰9)、抜歯創浸出液10)、皮膚組織11)、扁桃組織12)、上顎洞粘膜組織12)及び前立腺組織13)等への移行が認められた(ファロム錠 成人の場合)。
吸収されたファロペネムは代謝を受けずに尿中に排泄される他に、腎に存在するDehydropeptidase-Ⅰ(DHP-Ⅰ)により代謝された後に尿中に排泄される。ヒトの血漿及び尿中には抗菌活性を有する代謝物は認められていない14)(ファロム錠 成人の場合)。
主として腎より排泄され、小児(食後)における5及び10mg(力価)/kg経口投与時の尿中排泄率(0~6時間)はそれぞれ3.7及び3.1%で、最高尿中濃度は5mg(力価)/kg投与では2~4時間で27μg/mL、10mg(力価)/kgでは0~2時間で41μg/mLであった7)。
血漿中濃度の上昇及び半減期の延長が認められている15)(ファロム錠 成人の場合)。
半減期の延長が認められている16)(ファロム錠 成人の場合)。
小児の各種細菌感染患者615例を対象に、本剤を1回3~10mg(力価)/kg1日3回、3~14日間経口投与した一般臨床試験17)の有効性解析対象494例の有効率は、次のとおりであった。副作用は安全性解析対象548例中36例(6.6%)に認められ、下痢又は軟便32例(5.8%)、臀部カンジダ症、蕁麻疹、下痢・臀部カンジダ症、下痢・発疹各1例(各0.2%)であった。
感染症名
有効率(%)
皮膚感染症
表在性皮膚感染症
39/48
(81.3)
61/72(84.7)
深在性皮膚感染症
4/4
(100)
リンパ管・リンパ節炎
16/17
(94.1)
慢性膿皮症
2/3
(66.7)
呼吸器感染症
肺炎
33/37
(89.2)
234/246(95.1)
咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎
201/209
(96.2)
尿路感染症
腎盂腎炎、膀胱炎
51/51(100)
猩紅熱
46/46(100)
百日咳
14/16(87.5)
耳鼻咽喉科感染症
中耳炎
25/35
(71.4)
26/36(72.2)
副鼻腔炎
1/1
歯科・口腔外科感染症
歯周組織炎
1/1(100)
小児の各種細菌感染患者40例を対象に、本剤を1回5mg(力価)/kg1日3回、3~14日間経口投与した一般臨床試験18)の有効性解析対象37例の有効率は、次のとおりであった。副作用は安全性解析対象39例中12例(30.8%)に認められ、下痢又は軟便10例(25.6%)、発疹の増強、蕁麻疹様発疹各1例(2.6%)であった。
8/8
30/31(96.8)
22/23
(95.7)
5/6(83.3)
ファロペネムナトリウム水和物は基本骨格にペネム環を有するペネム系経口抗生物質であり、細菌の細胞壁合成阻害により殺菌作用を示す。各種ペニシリン結合蛋白質(PBPs)との親和性は高く、特に細菌の増殖に必須である高分子PBPとの親和性が高い19),20),21)。
ファロペネムナトリウム水和物(Faropenem Sodium Hydrate)(JAN)
Monosodium(5R,6S)-6-[(1R)-1-hydroxyethyl]-7-oxo-3-[(2R)-tetrahydrofuran-2-yl]-4-thia-1-azabicyclo[3.2.0]hept-2-ene-2-carboxylate hemipentahydrate
C12H14NNaO5S・21/2H2O
352.34
白色~淡黄色の結晶又は結晶性の粉末である。水又はメタノールに溶けやすく、エタノール(95)に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
FRPM
本剤は吸湿しやすいので、調剤後その都度密栓すること(香料の減少や吸湿による主成分の分解により特異臭や、吸湿により塊が発生することがある)。
分包:0.5g×120瓶(乾燥剤入り):50g×1、100g×1
1) 厚生労働省健康局結核感染症課編:抗微生物薬適正使用の手引き[20200928-1001]
2) 金井 靖ら:薬理と治療 1997; 25(9): 2343-2346[11111112-3519]
3) 藤谷朝通ら:薬理と治療 1997; 25(7): 1781-1799[11111112-3390]
4) 杉山和志ら:Chemotherapy 1994; 42(S-1): 101-114[11111112-3392]
5) 岡本雅春ら:薬理と治療 1998; 26(1): 13-21[11111112-3391]
6) 釜田 悟ら:Chemotherapy 1994; 42(S-1): 131-160[11111112-3393]
7) 藤井良知ら:日本化学療法学会雑誌 1997; 45(10): 872-890[11111112-3388]
8) 社内資料:薬物動態試験(1999年9月22日承認、申請資料へ.2.3)(1))[20201028-1001]
9) 岩垣明隆ら:Chemotherapy 1994; 42(S-1): 389-399[11111112-3422]
10) 佐々木次郎ら:Chemotherapy 1994; 42(S-1): 642-655[11111112-3398]
11) 荒田次郎ら:Chemotherapy 1994; 42(S-1): 503-522[11111112-3399]
12) 馬場駿吉ら:耳鼻と臨床 1994; 40(3): 479-487[11111112-3400]
13) 斎藤 功ら:Chemotherapy 1994; 42(S-1): 427-436[11111112-3402]
14) 中島光好ら:Chemotherapy 1993; 41(12): 1277-1292[11111112-3394]
15) 松本文夫ら:Chemotherapy 1994; 42(S-1): 339-344[11111112-3395]
16) 高本正祇ら:Chemotherapy 1994; 42(S-1): 375-380[11111112-3396]
17) 社内資料:国内一般臨床試験(1999年9月22日承認、申請資料ト.2.1))[20201028-1002]
18) 砂川慶介ら:Jpn. J. Antibiot. 1997; 50(9): 739-755[11111112-3389]
19) 横田 健ら:Chemotherapy 1994; 42(S-1): 13-24[11111112-3408]
20) 西野武志ら:Chemotherapy 1994; 42(S-1): 51-71[11111112-3411]
21) 那須孝昭ら:Chemotherapy 1994; 42(S-1): 72-81[11111112-3413]
22) 井上栄子ら:Chemotherapy 1994; 42(S-1): 1-12[11111112-3407]
23) 那須孝昭ら:Chemotherapy 1994; 42(S-1): 25-37[11111112-3397]
24) 永平和広ら:Chemotherapy 1994; 42(S-1): 38-50[11111112-3410]
25) 岡本清美ら:Pharma medica 1997; 15(10): 135-142[11111112-3414]
26) 那須孝昭ら:Pharma medica 1997; 15(10): 143-146[11111112-3415]
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