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劇薬
習慣性医薬品注)
処方箋医薬品注)
通常、成人には本剤を0.05mL/kg/10秒(プロポフォールとして0.5mg/kg/10秒)の速度で、患者の全身状態を観察しながら、就眠が得られるまで静脈内に投与する。なお、ASAⅢ及びⅣの患者には、より緩徐に投与する。通常、成人には本剤0.20~0.25mL/kg(プロポフォールとして2.0~2.5mg/kg)で就眠が得られる。高齢者においては、より少量で就眠が得られる場合がある。就眠後は必要に応じて適宜追加投与する。
通常、酸素もしくは酸素・亜酸化窒素混合ガスと併用し、本剤を静脈内に投与する。適切な麻酔深度が得られるよう患者の全身状態を観察しながら、投与速度を調節する。通常、成人には、本剤0.4~1.0mL/kg/時(プロポフォールとして4~10mg/kg/時)の投与速度で適切な麻酔深度が得られる。また、鎮痛剤(麻薬性鎮痛剤、局所麻酔剤等)を併用すること。なお、局所麻酔剤併用時には通常より低用量で適切な麻酔深度が得られる。
成人(高齢者を含む)には本剤を0.03mL/kg/時(プロポフォールとして0.3mg/kg/時)の投与速度で、持続注入にて静脈内に投与を開始し、適切な鎮静深度が得られるよう患者の全身状態を観察しながら、投与速度を調節する。通常、成人には本剤0.03~0.30mL/kg/時(プロポフォールとして0.3~3.0mg/kg/時)の投与速度で適切な鎮静深度が得られる。なお、疾患の種類、症状の程度を考慮し、必要とする鎮静深度に応じて投与速度を増減すること。また、必要に応じて鎮痛剤を併用すること。
導入後の時間
0~10分
10~20分
20~30分
30分~
投与速度
1.0mL/kg/時(プロポフォールとして10mg/kg/時)
0.8mL/kg/時(プロポフォールとして8mg/kg/時)
0.6mL/kg/時(プロポフォールとして6mg/kg/時)
全身状態をみながら調節する。
時間
0~5分
5分~
0.03mL/kg/時
0.03~0.30mL/kg/時(全身状態を観察しながら適宜増減)
投与速度を減速(例えば、導入時の投与速度を約1/2、すなわち本剤約0.025mL/kg/10秒に減速)すること。無呼吸、低血圧等の呼吸循環抑制が起こるおそれがある。
患者の全身状態を慎重に観察しながら、投与量や投与速度に注意すること。無呼吸、低血圧等の呼吸循環抑制や覚醒遅延が起こるおそれがある。
痙攣があらわれることがある。
血中脂質が過剰になるおそれのある患者については、血中脂質をモニターし本剤又は併用中の脂肪乳剤の投与量を調節すること。本剤1.0mLあたり約0.1gの脂質を含有するため、血中脂質濃度が上昇する可能性がある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤は胎児へ移行するため、新生児の呼吸抑制等があらわれることがある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することが報告されている。
投与速度を減速(例えば、導入時の投与速度を約1/2すなわち本剤約0.025mL/kg/10秒に減速)するなど患者の全身状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤は主に肝臓で代謝され、尿中に排泄される。一般に、肝、腎機能及び圧受容体反射機能が低下していることが多く、循環器系等への副作用があらわれやすい。
ベンゾジアゼピン系薬物
バルビツール酸系薬物
全身麻酔剤
局所麻酔剤
中枢神経系抑制剤
アルコール
降圧剤
抗不整脈剤(β1遮断剤)
麻酔・鎮静作用が増強されたり、収縮期血圧、拡張期血圧、平均動脈圧、心拍出量及び心拍数が低下することがあるので、併用する場合には、投与速度を減速するなど慎重に投与すること。
相互に作用(麻酔・鎮静作用、血圧低下作用、徐脈化)を増強させる。
異常が認められた場合には、患者の頭部を下げ、重篤な場合には血漿増量剤、昇圧剤の使用等適切な処置を行うこと。
血管浮腫、気管支痙攣、紅斑、低血圧を伴うアナフィラキシーがあらわれることがある。
異常が認められた場合には、気道を確保し、人工呼吸等適切な処置を行うこと。
痙攣・反弓緊張等のてんかん様体動があらわれることがある。
本剤には迷走神経抑制作用がないので、迷走神経が亢進した状態あるいは徐脈等を生じる可能性のある薬剤を併用する場合には、麻酔導入前又は維持中、抗コリン剤(例えばアトロピン)の静脈内投与を行う等適切な処置を行うこと。
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、このような場合には直ちに本剤の投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
原因不明の頻脈、不整脈・血圧変動、急激な体温上昇、筋硬直、血液の暗赤色化(チアノーゼ)、過呼吸、ソーダライムの異常加熱・急激な変色、発汗、アシドーシス、高カリウム血症、ミオグロビン尿等を伴う重篤な悪性高熱類似の臨床症状を呈することがあるので十分な観察をし、使用中、これら類似症状を認めた場合は、直ちに適切な処置等を行うこと。
5%以上
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
循環器
徐脈、ST低下
中枢神経系
振戦
頭痛
呼吸器
吃逆
咳嗽
消化器
悪心、嘔吐、口腔内分泌物増加
膵炎
皮膚
発赤、紅斑
肝臓
AST上昇、ALT上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇、ビリルビン上昇
Al-P上昇
泌尿器
変色尿(白濁、緑尿等)
腎機能障害
精神神経系
多幸症
性欲抑制不能、譫妄
血液
白血球増加、低アルブミン血症
低蛋白血症
注射部位
注射時疼痛(血管痛)
静脈炎・血栓症
しびれ感
その他
術後発熱
戦慄
急速投与又は過量投与により、循環器・呼吸器系の抑制が起こる可能性がある。
呼吸器系が抑制された場合には、酸素による人工換気を行うこと。また、循環器系が抑制された場合には患者の頭部を下げ、重篤な場合には血漿増量剤、昇圧剤を使用すること。
日本人健康成人男子6例に1.0、2.0及び2.5mg/kgを単回静脈内ボーラス投与したとき、プロポフォールの体内動態は3-コンパートメントモデルに適合し、全血中濃度は3相性に減衰した。各相の半減期は2.6分(t1/2α)、51.0分(t1/2β)及び365分(t1/2γ)であった。中央コンパートメントにおける分布容積及び定常状態時の分布容積はそれぞれ26L及び317Lであった。全身クリアランス(CLTB)値は1.62L/分であった3),4)。1~2.5mg/kgの用量範囲で、血漿中薬物濃度-時間曲線下面積(AUC0-∞)が用量に比例して増加することが示された。また、薬物動態パラメータに明らかな性差はみられなかった(外国人データ)。
患者にプロポフォールを2.5mg/kg用量で単回静脈内ボーラス投与したとき、投与後10及び120分後の蛋白結合率は約97~99%であった5)(外国人データ)。
成人患者8例に平均2.6mg/kgを単回静脈内ボーラス投与したとき、投与後24時間までに尿中に認められた代謝物及びその割合は、プロポフォールのグルクロン酸抱合体が75%、1,4キノール体の1-キノールグルクロン酸抱合体が12%、4-キノールグルクロン酸抱合体が8%、4キノール体の硫酸抱合体が5%であった6)。
成人患者8例に平均2.6mg/kgを単回静脈内ボーラス投与したとき、投与後24時間までにプロポフォール及び1,4キノール体のグルクロン酸抱合体ならびに1,4キノール体の硫酸抱合体として投与量の68.3%が尿中に排泄された6)。
プロポフォールのクリアランスは肝血流量に依存するため、心拍出量が減少した場合には、肝血流量が減少し、プロポフォールのCLTBが影響を受ける可能性がある7)(外国人データ)。
腎障害患者群及び正常な腎機能を有す患者群にプロポフォールを単回静脈内ボーラス投与あるいは静脈内持続投与したとき、薬物動態パラメータに統計的有意差は認められなかった8),9)(外国人データ)。
肝硬変患者群及び正常な肝機能を有す患者群にプロポフォールを単回静脈内ボーラス投与あるいは静脈内持続投与したとき、薬物動態パラメータに両群間で統計的有意差は認められなかった10),11)(外国人データ)。
プロポフォールの体内動態について、高齢者のV1及びCLTBが若齢者に比して僅かに(20~25%)低くなることが報告されている。一方、高齢者では薬力学的な変化よりもむしろ、上記の体内動態の差により、必要とされる用量が低くなることが報告されている5),12)(外国人データ)。
手術患者138例を対象に、前投薬なし群、前投薬群(プロポフォールによる麻酔導入前に、ジアゼパム及びアトロピンを投与)、高齢者群(前投薬なし)における全身麻酔導入の至適用量を検討した。プロポフォールを0.5mg/kg/10秒で投与したとき、平均就眠量は前投薬なし群2.1±0.3mg/kg、前投薬群2.0±0.3mg/kg、高齢者群1.5±0.1mg/kgで、就眠までの時間は前投薬なし群44.1±9.2秒、前投薬群41.3±9.4秒、高齢者群46.3±11.2秒であった。副作用発現率は前投薬なし群18.5%(10/54例)、前投薬群18.4%(9/49例)、高齢者群20.0%(7/35例)であった。主な副作用は前投薬なし群では発赤・紅斑11.1%(6/54例)、注射時疼痛5.6%(3/54例)、前投薬群では発赤・紅斑12.2%(6/49例)、注射時疼痛6.1%(3/49例)、高齢者群では注射時疼痛5.7%(2/35例)であった13)。
手術患者467例にプロポフォールを0.5mg/kg/10秒で投与したとき、平均就眠量は2.21±0.39mg/kgで、平均46秒で意識の消失が得られた。副作用発現率は23.6%(110/467例)で、主な副作用は注射時疼痛15.4%(72/467例)、発赤・紅斑7.3%(34/467例)であった14)。
手術患者259例を対象にプロポフォール注射剤(131例)とチオペンタール(128例)を比較した試験において、プロポフォール注射剤の有用率は有用以上で99.2%(124/125)であった。プロポフォール注射剤投与群の副作用発現率は20.2%(26/129例)で、主な副作用は注射時疼痛15.5%(20/129例)、発赤・紅斑2.3%(3/129例)であった15)。
手術患者110例を対象に、局所麻酔併用下で、鎮静状態(Ⅰ群)、自発呼吸を伴う麻酔(Ⅱ群)、自発呼吸を伴わない麻酔(Ⅲ群)の麻酔維持における至適用量を検討した。その結果、至適投与速度はⅠ群3.0±1.4mg/kg/時、Ⅱ群4.4±1.8mg/kg/時、Ⅲ群4.5±1.8mg/kg/時であった注)。副作用発現率は27.3%(30/110例)で、主な副作用は注射時疼痛21.0%(23/110例)であった16)。
手術患者252例を対象に、亜酸化窒素併用群、亜酸化窒素非使用群の麻酔維持における至適用量を検討した。その結果、至適投与速度は亜酸化窒素併用群5.7±1.8mg/kg/時、亜酸化窒素非使用群7.0±2.3mg/kg/時であり、麻酔終了後、開眼までに要した時間は平均で7.6分であった。副作用発現率は亜酸化窒素併用群16.3%(21/129例)、亜酸化窒素非使用群17.1%(21/123例)であった。主な副作用は亜酸化窒素併用群では注射時疼痛7.8%(10/129例)、亜酸化窒素非使用群では注射時疼痛7.3%(9/123例)であった17)。
全身麻酔下にて手術を受ける患者145例を対象にプロポフォール注射剤(72例)とチオペンタール・セボフルラン(73例)を比較した試験において、プロポフォール注射剤の有用率は有用以上で97.2%(69/71)であった。プロポフォール注射剤投与群の副作用発現率は8.5%(6/71例)で、主な副作用は注射時疼痛4.2%(3/71例)であった18)。
国内の成人を対象とした臨床試験で行われた麻酔方法は次の通りである。
プロポフォール注射剤を0.05mL/kg/10秒(プロポフォールとして0.5mg/kg/10秒)の速さで静脈内に投与し、患者には“1,2,3・・・”と数を読ませ、就眠した時点でプロポフォール注射剤の投与を中止した。プロポフォール注射剤0.20~0.25mL/kg(プロポフォールとして2.0~2.5mg/kg)の用量で就眠した。導入後は直ちにプロポフォール注射剤による麻酔維持を開始した13),14),15),17)。
就眠後、筋弛緩を得て、気管挿管し、酸素(約30~100%)又は酸素・亜酸化窒素混合ガスで調節呼吸を行った。麻酔維持では、シリンジポンプを用いてプロポフォール注射剤を静脈内に投与した。投与速度は最初の10分間は1.0mL/kg/時(10mg/kg/時)とし、その後は10分毎に0.8mL/kg/時(8mg/kg/時)、0.6mL/kg/時(6mg/kg/時)と漸次減量し、その後は患者の臨床兆候に合わせ、投与量(投与速度)を増減し、最小有効量で手術に適した麻酔状態を維持するよう調節した。手術に適した麻酔状態は、プロポフォール注射剤0.4~1.0mL/kg/時(プロポフォールとして4~10mg/kg/時)の用量で得られた。プロポフォール注射剤は鎮痛作用がないので麻薬性鎮痛剤、脊椎麻酔、又は硬膜外麻酔等を併用した。また、必要に応じ筋弛緩剤を併用した16),17),18),19)。
集中治療中の鎮静を必要とする患者96例を対象とした用量設定試験において、プロポフォール注射剤の至適投与速度は1.27±0.62mg/kg/時であり、90%の患者が0.5~2.5mg/kg/時の範囲であった。副作用発現率は9.4%(9/96例)で、主な副作用は低血圧6.3%(6/96例)であった20)。
集中治療中の鎮静を必要とする患者56例を対象にプロポフォール注射剤(25例)とジアゼパム(31例)を比較した試験において、プロポフォール注射剤の有用率は100%(25/25)であった。プロポフォール注射剤投与群の副作用発現率は4.0%(1/25例)で、低血圧4.0%(1/25例)であった21)。
国内の成人を対象とした臨床試験で行われた集中治療中の鎮静の投与方法は次の通りである。プロポフォール注射剤を0.03mL/kg/時(プロポフォールとして0.3mg/kg/時)の速さで静脈内に持続注入し、5分間持続した。その後は患者の状態を観察しながら、最小有効量で[Ramsay score 3](言葉による指示に反応)を目標とし、鎮静レベルをプロポフォール投与速度で調節した。鎮静レベルは、プロポフォール注射剤0.03~0.3mL/kg/時(プロポフォールとして0.3~3.0mg/kg/時)の用量で得られた。プロポフォール注射剤は鎮痛作用がないので、非麻薬性鎮痛剤又は硬膜外麻酔を併用した19),20),21)。注) 全身麻酔の維持において、通常、成人にはプロポフォールとして4~10mg/kg/時の投与速度で適切な麻酔深度が得られる。
プロポフォールの作用は脳において発揮される19)。プロポフォールの投与によって麻酔状態が得られるが、この作用がどのような機序によって起こるかは解明されていない。
プロポフォール注射剤は用量依存的に脳波を低振幅速波から、平坦脳波へ変化させた(ネコ)24)。
プロポフォール(Propofol)
2,6-Diisopropylphenol
C12H18O
178.27
無色~微黄色澄明の液である。エタノール(99.5)、2-プロパノール、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル又はヘキサンに極めて溶けやすく、水にほとんど溶けない。
本剤(アンプル、バイアル)は、ディプリフューザーTCI機能を用いる投与方法に使用することはできない。
20mL×5アンプル
50mL×1バイアル
100mL×1バイアル
1) Parke TJ,et al.:BMJ. 1992;305(6854):613-616
2) Bennett SN,et al.:N Engl J Med. 1995;333(3):147-154
3) 新宮興ほか:麻酔. 1990;39:219および685
4) Kay NH,et al.:Br J Anaesth. 1986;58:1075-1079
5) Kirkpatrick T,et al.:Br J Anaesth. 1988;60:146-150
6) 中尾正和ほか:麻酔と蘇生. 1993;29(1):77-81
7) Servin F,et al.:Anesthesiology. 1993;78:657-665
8) Morcos WE,et al.:Postgrad Med J. 1985;61(Suppl.3):62-63
9) Ickx B,et al.:Br J Anaesth. 1998;81:854-860
10) Servin F,et al.:Anesthesiology. 1988;69:887-891
11) Servin F,et al.:Br J Anaesth. 1990;65:177-183
12) Dyck BJ,et al.:Semin Anesth. 1992;11:2-4
13) 釘宮豊城ほか:麻酔と蘇生. 1993;29(1):3-10
14) 風間富栄ほか:麻酔と蘇生. 1993;29(1):11-21
15) 村川雅洋ほか:麻酔と蘇生. 1993;29(1):23-32
16) 釘宮豊城ほか:麻酔と蘇生. 1993;29(1):33-43
17) 盛生倫夫ほか:麻酔と蘇生. 1993;29(1):45-56
18) 真下節ほか:麻酔と蘇生. 1993;29(1):57-67
19) 小板橋俊哉:日臨麻会誌. 2016;36(4):441-447
20) 磨田裕ほか:麻酔と蘇生. 1996;32(2):95-103
21) 妙中信之ほか:麻酔と蘇生. 1996;32(2):105-114
22) Glen JB,et al.:Br J Anaesth. 1984;56:617-626
23) Glen JB.:Br J Anaesth. 1980;52:731-742
24) Tomoda K,et al.:Br J Anaesth. 1993;71:383-387
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