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日本薬局方
セボフルラン
劇薬
処方箋医薬品注)
全身麻酔
セボフルランと酸素もしくは酸素・亜酸化窒素混合ガスとで導入する。また、睡眠量の静脈麻酔剤を投与し、セボフルランと酸素もしくは酸素・亜酸化窒素混合ガスでも導入できる。本剤による導入は、通常、0.5~5.0%で行うことができる。
患者の臨床徴候を観察しながら、通常、酸素・亜酸化窒素と併用し、最小有効濃度で外科的麻酔状態を維持する。通常、4.0%以下の濃度で維持できる。
胆道疾患が増悪するおそれがある。
悪性高熱があらわれることがある。
痙攣があらわれるおそれがある。
心停止、完全房室ブロック、高度徐脈、心室性期外収縮、心室頻拍(Torsade de pointesを含む)、心室細動があらわれるおそれがある。
悪性高熱があらわれるおそれがある。
悪性高熱、横紋筋融解症があらわれるおそれがある。,
腎機能がさらに悪化するおそれがある。
肝疾患が増悪するおそれがある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
アドレナリン製剤
(アドレナリン、ノルアドレナリン等)
頻脈、不整脈、場合によっては心停止を起こすことがある。本剤麻酔中、5μg/kg未満のアドレナリンを粘膜下に投与しても3回以上持続する心室性期外収縮は誘発されなかったが、5μg/kg~14.9μg/kgのアドレナリンを投与した場合、1/3の症例に3回以上持続する心室性期外収縮が誘発された1)。アドレナリン5μg/kgは、60kgのヒトの場合、20万倍希釈アドレナリン含有溶液60mLに相当する。
本剤が心筋のアドレナリンに対する感受性を亢進することが知られている。
非脱分極性筋弛緩剤
(ロクロニウム臭化物)
非脱分極性筋弛緩剤の作用を増強するので、本剤による麻酔中、この種の筋弛緩剤を投与する場合には減量すること。
本剤は筋弛緩作用を持つため、これらの薬剤と相乗的に働く。
β遮断剤
(エスモロール塩酸塩等)
過剰の交感神経抑制を来すおそれがあるので、注意すること。
相互に作用(交感神経抑制作用)を増強する。
降圧剤
(ニトロプルシドナトリウム水和物等)
血圧低下が増強されることがあるので、注意すること。
相互に作用(降圧作用)を増強する。
α2受容体刺激薬
(デクスメデトミジン塩酸塩等)
鎮静、麻酔作用が増強し、血圧低下などの症状があらわれるおそれがあるので、注意すること。
相互に作用(鎮静、麻酔、循環動態への作用)を増強する。
Ca拮抗剤
(ジルチアゼム塩酸塩等)
徐脈、房室ブロック、心停止等があらわれることがある。
相加的に作用(心刺激生成・伝導抑制作用)を増強させると考えられる。
中枢神経系抑制剤
(モルヒネ塩酸塩、フェンタニルクエン酸塩等)
中枢神経抑制作用が増強されるおそれがあるので、注意すること。
相加的に作用(中枢神経抑制作用)を増強させると考えられる。
原因不明の終末呼気二酸化炭素濃度上昇・頻脈・不整脈・血圧変動、過呼吸、二酸化炭素吸収剤の異常過熱・急激な変色などの初期症状、急激な体温上昇、筋強直、血液の暗赤色化(チアノーゼ)、発汗、アシドーシス、高カリウム血症、心停止、ミオグロビン尿(ポートワイン色尿)等を伴う重篤な悪性高熱があらわれることがある。本剤を使用中、悪性高熱に伴うこれらの症状を認めた場合は、直ちに投与を中止し、ダントロレンナトリウム水和物の静脈内投与、全身冷却、純酸素での過換気、酸塩基平衡の是正など適切な処置を行うこと。なお、本症については麻酔後にもみられることがあるので、患者の状態に注意すること。また、本症は腎不全を続発することがあるので、尿量の維持を図ること。,,,
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれ、これに伴って高カリウム血症、心停止、また急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがある。
血圧低下、頻脈、皮膚発赤、蕁麻疹、気管支喘息様発作、全身紅潮、顔面浮腫等異常があらわれた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
周術期に痙攣、不随意運動(主としてミオクロヌス様)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の減量又は中止、あるいは他剤を併用するなど適切な処置を行うこと。
AST、ALT等の著しい上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
心停止、完全房室ブロック、高度徐脈、心室性期外収縮、心室頻拍(Torsade de pointesを含む)、心室細動があらわれることがあるので、異常が認められた場合には本剤の減量又は中止、除細動、心肺蘇生等の適切な処置を行うこと。
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
精神・神経
頭痛、興奮
筋硬直
異常脳波(棘波、棘徐波結合等)
自律神経
瞳孔散大
呼吸器
咳
気管支痙攣、呼吸抑制
循環器
不整脈、血圧変動、心電図異常
心拍出量の低下
消化器
悪心・嘔吐
肝臓
肝機能検査値異常
泌尿器
乏尿、多尿、ミオグロビン尿
BUN上昇、クレアチニン上昇
皮膚
紅斑
その他
悪寒、発熱
健常成人6人を対象とし、セボフルラン吸入剤2〜4%で麻酔導入し、3%で1時間維持したときの動脈血中濃度は、吸入後15分で最高値359.8μmol/Lを示し、その後、吸入中の血中濃度はほぼ一定であった。吸入停止後5分の値は、90.5μmol/Lで、吸入中の約1/3以下となり、60分後には14.5μmol/Lで速やかに約1/20に減少した2),3),4)。
吸入濃度に対する肺胞内濃度の割合(FA/FI)はエンフルランやハロタンに比べて高い。体内摂取量は手術患者を亜酸化窒素・酸素・窒素混合ガス(5:3:2)中、1.1MACで1時間麻酔を行ったとき703mLで、ハロタンの797mLやエンフルランの1345mLに比べて少なかった5)。
吸入中止後はほとんどが呼気中に速やかに排泄され、吸入中止後の肺胞内濃度は速やかに低下した。手術患者を亜酸化窒素・酸素・窒素混合ガス(5:3:2)中、1.1MACで1時間麻酔を行ったとき3.3%が有機及び無機フッ素化合物として尿中に排泄され、代謝率は低かった4),5)。
中枢神経系を可逆的に抑制して、意識の喪失や鎮痛、筋弛緩などを起こす。吸入麻酔薬の作用機序は確定していないが、最近では、グルタミン酸受容体機能抑制やGABAA受容体機能促進が麻酔効果と関連すると考えられている4)。
セボフルラン吸入剤のヒトでのMAC(minimum alveolar concentration:最小肺胞内濃度)は以下の通りである。
平均年齢
MAC( )内亜酸化窒素60~70%併用
4.3歳46.0歳71.4歳
2.49%1.71(0.66)%1.48%
気道刺激性は少なく、麻酔の導入及び覚醒は円滑かつ速やかで、麻酔深度は容易に調節できる2),6),7),8),9),10)。
麻酔中の脳波変化は急速導入時、急速に徐波パターンとなり、ついで大徐波があらわれ、その後は紡錘波主体に徐波が混在する脳波像へ移行する。緩徐導入時では、麻酔が深くなるにつれて速波があらわれ、ついで紡錘波群発主体の脳波像からこれに徐波が混じり急速導入時の最終パターンと同様になる11)。
呼吸数は麻酔導入とともに増加し、1回換気量は減少する。分時換気量はほぼ一定している。麻酔の深度にほぼ平行して呼吸抑制傾向を示すが、適当な補助もしくは調節呼吸により換気を適正に保つことができる。麻酔後の呼吸抑制はハロタンに比し軽微である。心拍数は不変ないし減少の傾向を示す。収縮期血圧は麻酔導入によって低下するが、その後安定する。不整脈の発現も少ない。イヌでの実験ではアドレナリンに対する心筋の感受性を高めるが、ハロタンに比し軽度であった。また、イヌでの実験で、AV伝導、特にヒスプルキンエ伝導系にはほとんど影響を与えなかった1),2),11),12),13),14),15)。
セボフルラン(Sevoflurane)
1,1,1,3,3,3-Hexafluoro-2-(fluoromethoxy)propane
C4H3F7O
200.05
無色澄明の流動しやすい液である。エタノール(99.5)と混和する。水に極めて溶けにくい。揮発性で、引火性はない。
1.2745~1.2760
約58.6℃
1.510~1.530
250mL[瓶]
1) Navarro R,et al.:Anesthesiology. 1994;80(3):545-549
2) 池田和之ほか:麻酔. 1986;35(9増):S91
3) 藤井宏融ほか:麻酔. 1986;35(9増):S373
4) 第十八改正 日本薬局方解説書. 廣川書店. 2021:C-2958-2963
5) Shiraishi Y,et al.:J Clin Anesth. 1990;2(6):381-386
6) Katoh T,et al.:Anesthesiology. 1987;66(3):301-303
7) Katoh T,et al.:Br J Anaesth. 1992;68:139-141
8) Nakajima R,et al.:Br J Anaesth. 1993;70:273-275
9) 稲田豊ほか:麻酔. 1987;36(6):875-889
10) Doi M,et al.:Can J Anaesth. 1993;40:122
11) Avramov MN,et al.:J Anesth. 1987;1(1):1-7
12) Doi M,et al.:Anesth Analg. 1987;66(3):241-244
13) 太城力良ほか:新薬と臨床. 1987;36(2):194-198
14) Imamura S,et al.:J Anesth. 1987;1(1):62-68
15) 今村聡ほか:静岡県立総合病院医学雑誌. 1988;4(1):19-22
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