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日本薬局方
注射用セフタジジム
処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
「抗微生物薬適正使用の手引き」1)を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。
通常、成人には1日1~2g(力価)を2回に分割し静脈内に注射する。なお、難治性又は重症感染症には症状に応じて1日量を4g(力価)まで増量し、2~4回に分割投与する。通常、小児には1日40~100mg(力価)/kgを2~4回に分割し静脈内に注射する。なお、難治性又は重症感染症には症状に応じて1日量を150mg(力価)/kgまで増量し、2~4回に分割投与する。通常、未熟児・新生児の生後0から3日齢には1回20mg(力価)/kgを1日2~3回、また、生後4日齢以降には1回20mg(力価)/kgを1日3~4回静脈内に注射する。なお、難治性又は重症感染症には、症状に応じて1日量を150mg(力価)/kgまで増量し、2~4回に分割投与する。静脈内注射に際しては、日局注射用水、日局生理食塩液、又は日局ブドウ糖注射液に溶解し、緩徐に投与する。なお、本剤は糖液、電解質液又はアミノ酸製剤などの補液に加えて30分~2時間かけて点滴静注することもできる。
腎機能障害患者では、血中濃度半減期の延長及び尿中排泄率の低下が認められ、血中濃度が増大するので、腎機能障害の程度に応じて投与量、投与間隔の調節が必要である。,,,下表に投与法の一例を示す2)(外国人データ)。
腎機能検査値
投与法
クレアチニンクリアランス(mL/min)
血清クレアチニン(mg/dL)
1回投与量[g(力価)]
投与間隔(時間)
50~31
1.7~2.3
1.0
12
30~16
2.3~4.0
24
15~6
4.0~5.6
0.5
<5
>5.6
48
,
観察を十分に行うこと。ビタミンK欠乏症状があらわれることがある。
投与量を減ずるか、投与間隔をあけて使用すること。血中濃度が持続する。,,,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中への移行が報告されている。
次の点に注意し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
利尿剤
動物実験(ラット)でフロセミド等の利尿剤との併用により腎障害が増強されることが報告されている。腎機能に注意する。
機序は不明であるが、フロセミド投与による利尿のためレニン-アンジオテンシン系の賦活又は利尿剤による脱水等で尿細管細胞へのセフェム系抗生物質の取り込みが亢進し、腎毒性を発揮すると考えられている。危険因子:高度の腎障害
経口避妊薬
経口避妊薬の効果が減弱するおそれがある。
腸内細菌叢を変化させ、経口避妊薬の腸肝循環による再吸収を抑制すると考えられている。
不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗、気管支痙攣、呼吸困難、顔面潮紅、血管性浮腫等があらわれた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。,
,,
腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、PIE症候群等があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
AST、ALT、γ-GTP等の著しい上昇を伴う急性肝炎、肝機能障害や黄疸があらわれることがある。
脳症、昏睡、意識障害、痙攣、振戦、ミオクローヌス等の精神・神経症状があらわれることがある。特に、腎機能障害患者で減量を行わなかった場合にあらわれやすい。,
0.1%~1.8%
0.1%未満
頻度不明
過敏症
発疹、発熱
蕁麻疹、紅斑、そう痒
血液
顆粒球減少、好酸球増多
貧血、血小板増多
リンパ球増多
肝臓
AST、ALT、Al-P、LDH、γ-GTP等の上昇
黄疸、ビリルビン等の上昇
腎臓
BUN等の上昇
クレアチニン等の上昇
消化器
下痢
悪心、嘔吐、腹痛、食欲不振
菌交代症
口内炎、カンジダ症
ビタミン欠乏症
ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)
その他
めまい、頭痛、味覚障害、口渇感
しびれ
大脳刺激により、痙攣、意識障害等の精神・神経症状を起こすことがある。
本剤の血中濃度は透析により下げることができる。
本剤には溶解補助剤として日局乾燥炭酸ナトリウムが配合されているため溶解時に炭酸ガスが発生しバイアル内が陽圧となるので、次のように2段階で調製する。下記溶解液量をバイアルに注入溶解し静脈内投与に際しては下記投与液量に希釈し投与する。溶解にあたっては溶解方法についての説明書を読んで行うこと。
本剤
溶解液
溶解液量
投与液量
0.5g
日局注射用水日局生理食塩液5%日局ブドウ糖注射液
3mL
10mL
1g
5mL
20mL
配合変化データを参照すること。次の注射剤と混合後、配合変化を起こすことが確認されているので注意すること。
調製後は速やかに使用すること。なお、やむをえず保存を必要とする場合でも室温保存で6時間、冷蔵庫保存で72時間以内に使用すること。
静脈内大量投与により血管痛、血栓性静脈炎等を起こすことがあるので、これを予防するため注射液の調製、注射部位、注射方法等について十分に注意し、その注射速度はできるだけ遅くすること。
静注あるいは点滴静注して得られた血中濃度は表1、2のとおりである3)。
投与量
パラメータ
静注(日齢)
点滴静注(日齢)
0-3
4-7
8-31
11
10(mg/kg)注)
T1/2(hr)
3.21
3.08
2.79
-
Cmax(μg/mL)
42.9
51.2
39.2
AUC(hr・μg/mL)
184
167
138
20(mg/kg)
4.10
3.72
2.75
4.20
3.20
72.1
115.1
80.4
346
265
229
-:データなし
8-30
8-27
3.17
2.52
2.22
34.9
42.2
36.7
148
120
119
3.32
2.70
2.65
2.96(30min)3.99(60min)
2.98(30min)2.49(60min)
2.25(30min)1.71(60min)
68.1
109.6
120.0
256
222
226
-:データなし注)本剤の未熟児・新生児に対する承認用量は、「通常、未熟児・新生児の生後0~3日齢には1回20mg(力価)/kgを1日2~3回、また、生後4日齢以降には1回20mg(力価)/kgを1日3~4回静脈内に注射する。なお、難治性又は重症感染症には、症状に応じて1日量を150mg(力価)/kgまで増量し、2~4回に分割投与する。」である。
胆石症患者に1g静注した場合の胆汁中濃度は、投与後約2.5時間で平均47.6μg/mL、胆のう壁内濃度は約3時間で平均17.3μg/gであった4)。また扁桃組織5)、喀痰6)、腹水7)、腹腔内滲出液8)、髄液9)、骨盤死腔液10)、乳癌術後滲出液11)、前立腺12)、子宮、卵巣・卵管10)、羊水、臍帯血13)、中耳粘膜組織・中耳分泌物14)、上顎洞粘膜組織15)等への移行は良好であった。なお乳汁中へもわずかに移行することが認められている16)。
主として腎より排泄され、未変化体のまま大部分が尿中へ排出される。健康成人に1回0.5g、1g静注あるいは1g、2g点滴静注後の尿中排泄率は6時間までに82~85%であった17)。
2種の二重盲検比較試験(呼吸器感染症、耳鼻科領域感染症)を含む90施設で実施された。効果判定が行われ、かつ注射用セフタジジムの承認適応症である267例の臨床成績は表1のとおりである5),14),15),18)。なお、二重盲検比較試験はセフォチアムを対照薬とし、注射用セフタジジム1回1g、1日2回を投与する試験であった。
疾患名
有効例/症例数
有効率(%)
呼吸器
扁桃炎扁桃周囲炎扁桃周囲膿瘍
32/4212/1223/24
92.910095.8
耳鼻科
中耳炎副鼻腔炎
106/15029/39
70.774.4
中耳炎〈耳鼻科領域感染症)を対象とした二重盲検比較試験の副作用発現頻度は、注射用セフタジジム群は4.3%(4/94例)であり、発疹2例、下痢、頭痛各1例、セフォチアム群は2.1%(2/94例)であり、ふらつき、全身の熱感、冷汗各1例であった。
ペニシリン結合蛋白分画1A、1B、3に対し、高い親和性を示し、細菌の細胞壁合成(細胞壁ペプチドグリカン架橋形成)を阻害する19),20)。
セフタジジム水和物(Ceftazidime Hydrate)
(6R,7R)-7-[(Z)-2-(2-Aminothiazol-4-yl)-2-(1-carboxy-1-methylethoxyimino)acetylamino]-3-(pyridinium-1-ylmethyl)-8-oxo-5-thia-1-azabicyclo[4.2.0]oct-2-ene-2-carboxylate pentahydrate
C22H22N6O7S2・5H2O
636.65
白色~淡黄白色の結晶性の粉末である。水に溶けにくく、アセトニトリル又はエタノール(95)に極めて溶けにくい。
外箱開封後は遮光して保存すること。
0.5g×10バイアル
1g×10バイアル
1) 厚生労働省健康局結核感染症課編:抗微生物薬適正使用の手引き
2) Richards DM,et al.:Drugs. 1985;29:105-161
3) 藤井良知ほか:Jpn J Antibiot. 1986;39:2048-2067
4) 花谷勇治ほか:Chemotherapy. 1983;31(S-3):683-690
5) 馬場駿吉ほか:耳鼻と臨床. 1988;34:1520-1534
6) 山口恵三ほか:Chemotherapy. 1983;31(S-3):423-433
7) 中村孝ほか:Chemotherapy. 1983;31(S-3):156-164
8) 奥沢星二郎ほか:Chemotherapy. 1983;31(S-3):673-679
9) 金保洙ほか:Jpn J Antibiot. 1984;37:363-376
10) 高瀬善次郎ほか:産婦人科の世界. 1984;36:249-263
11) 花谷勇治ほか:Chemotherapy. 1983;31:952-956
12) 片山泰弘:西日本泌尿器科. 1983;45:743-749
13) 張南薫ほか:Chemotherapy. 1983;31(S-3):772-782
14) 馬場駿吉ほか:耳鼻と臨床. 1989;35:563-579
15) 馬場駿吉ほか:耳鼻と臨床. 1989;35:580-596
16) 高瀬善次郎ほか:Chemotherapy. 1983;31(S-3):802-810
17) 小山優ほか:Chemotherapy. 1983;31(S-3):146-155
18) 馬場駿吉ほか:耳鼻と臨床. 1990;36:56-77
19) 横田健ほか:Chemotherapy. 1983;31(S-3):17-21
20) 杉中秀寿ほか:Chemotherapy. 1983;31(S-3):119-124
21) 武田憲三ほか:Chemotherapy. 1983;31(S-3):136-145
22) 小酒井望ほか:Chemotherapy. 1983;31(S-3):31-45
23) 上野一恵ほか:Chemotherapy. 1983;31(S-3):69-79
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