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処方箋医薬品注)
敗血症、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、精巣上体炎(副睾丸炎)、尿道炎、子宮頸管炎、骨盤内炎症性疾患、直腸炎、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、胆管炎、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎、化膿性髄膜炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、中耳炎、副鼻腔炎、顎骨周辺の蜂巣炎、顎炎
「抗微生物薬適正使用の手引き」1)を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。
通常、1g(力価)を単回静脈内注射又は単回点滴静注する。
通常、1日1回1g(力価)を静脈内注射又は点滴静注する。
高度の腎機能障害患者は、血中濃度を頻回に測定できない場合には投与量が1g/日を超えないようにすること。,,
観察を十分に行うこと。ビタミンK欠乏症状があらわれることがある。
本剤が過剰に蓄積する可能性がある。,,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
授乳しないことが望ましい。ヒト母乳中へ低濃度移行することが報告されている。
高ビリルビン血症の低出生体重児、新生児には投与しないこと。セフトリアキソンは他のセファロスポリン系薬剤と同様に血清アルブミンと結合しているビリルビンを遊離させることが報告されている(in vitro)。さらに低出生体重児、新生児は血液脳関門が未熟なため遊離ビリルビンが脳内へ移行し核黄疸をおこすおそれがある。,
次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
利尿剤
類似化合物(他のセフェム系抗生物質)で併用による腎障害増強作用が報告されている。腎機能に注意すること。
機序は不明であるが、利尿時の脱水による血中濃度の上昇等が考えられる。
不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗、呼吸困難、顔面浮腫等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
劇症肝炎等の重篤な肝炎、AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがあるので、腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多を伴う間質性肺炎、肺好酸球増多症(PIE症候群)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
セフトリアキソンを成分とする胆石、胆嚢内沈殿物が投与中あるいは投与後にあらわれ、胆嚢炎、胆管炎、膵炎等を起こすことがあるので、腹痛等の症状があらわれた場合には投与を中止し、速やかに腹部超音波検査等を行い、適切な処置を行うこと。なお、多くの症例は小児の重症感染症への大量投与例でみられている。
セフトリアキソンを成分とする腎・尿路結石が投与中あるいは投与後にあらわれ、尿量減少、排尿障害、血尿、結晶尿等の症状や腎後性急性腎不全が起きたとの国外報告がある。
意識障害(意識消失、意識レベルの低下等)、痙攣、不随意運動(舞踏病アテトーゼ、ミオクローヌス等)があらわれることがある。これらの症状は、高度腎障害患者での発現が多数報告されている。,,
1%以上
0.1~1%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
発疹
蕁麻疹、発熱、瘙痒
発赤、紅斑
血液
好酸球増多
顆粒球減少、貧血、血小板増多
異常プロトロンビン
好塩基球増多
消化器
下痢
嘔気、嘔吐、腹痛
食欲不振
軟便
菌交代症
口内炎、カンジダ症
ビタミン欠乏症
ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎)
その他
頭痛、浮腫、心室性期外収縮
注射部位反応(紅斑、疼痛、腫脹等)
腹膜透析や血液透析では除去されない。
健康成人男子に静注あるいは点滴静注した際の血中濃度の半減期は、以下のとおりであった8),9)。
0.5g静注(19例)
半減期7.5時間
1g静注(18例)
半減期8.1時間
1g1時間点滴静注(5例)
半減期7.1時間
出生28日以内の新生児に注射用セフトリアキソンナトリウム10mg/kg(37例)、または20mg/kg(68例)を単回静注した際の血中半減期は約10.9時間であった10)。
注射用セフトリアキソンナトリウムは病巣においても有効濃度が長時間持続する11)。1g静注約24時間後の平均値は、胆管胆汁中131μg/mL12)、腹腔内浸出液中11.8μg/mL13)、子宮・卵巣中4~7μg/g14)、骨盤死腔浸出液中22μg/mL15)であった。また、扁桃16)、喀痰17)、胆嚢組織12)、虫垂壁18)、羊水19)、乳突洞粘膜20)、上顎洞粘膜21)、口腔組織22)、精巣上体23)への移行も認められ、わずかながら乳汁19)への移行も認められた。小児化膿性髄膜炎患者での髄液中濃度24)は約50mg/kg静注あるいは点滴静注で、平均7.7μg/mL(投与0~6時間後)、平均6.8μg/mL(投与6~12時間後)であった。
注射用セフトリアキソンナトリウムの蛋白結合率は血中濃度依存的であり、血中濃度が0.5~300μg/mLの範囲の時、蛋白結合率は96.3~83.3%である9),12)。
尿中には抗菌活性を有する代謝物は認められていない25)。
注射用セフトリアキソンナトリウムは未変化体で尿中、胆汁中に排泄される。腎機能正常男子42例に0.5、1gを静注あるいは点滴静注したとき、投与後24時間の尿中排泄率は約50%であった8),9)。
高齢患者4例及び腎機能障害(Ccr16.4,19.8mL/分)のある高齢患者2例に1g静注した際の血中半減期は各々13.5時間、21.3時間であり延長が認められた26)。,,
急性中耳炎及び慢性中耳炎患者117例を対象に、注射用セフトリアキソンナトリウム1g(力価)を1日1回静脈内投与したときの有効率は下表のとおりであった27)。なお、副作用の発現割合は4.3%(5/117例)であり、副作用は発疹・発赤2.6%(3/117例)、嘔気1.7%(2/117例)、蕁麻疹、気分不良、腹部不快感及び冷汗がそれぞれ0.9%(1/117例)であった。
感染症
例数
有効率(%)
耳鼻咽喉科
急性中耳炎
17
70.6
慢性中耳炎
88
62.5
作用機序は細胞壁合成阻害である。大腸菌ではペニシリン結合蛋白質の3に最も親和性が高く、次いで1a、1b、2の順であり、細菌細胞壁ペプチドグリカン架橋形成を阻害して殺菌的に作用する37),38),39),40)。
セフトリアキソンナトリウム水和物(Ceftriaxone Sodium Hydrate)
CTRX
Disodium(6R,7R)-7-[(Z)-2-(2-aminothiazol-4-yl)-2-(methoxyimino)acetylamino]-3-(6-hydroxy-2-methyl-5-oxo-2,5-dihydro-1,2,4-triazin-3-ylsulfanylmethyl)-8-oxo-5-thia-1-azabicyclo[4.2.0]oct-2-ene-2-carboxylate hemiheptahydrate
C18H16N8Na2O7S3・3½H2O
661.60
白色~淡黄白色の結晶性の粉末である。水又はジメチルスルホキシドに溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくく、アセトニトリルにほとんど溶けない。
外箱開封後は遮光して保存すること。
1) 厚生労働省健康局結核感染症課編:抗微生物薬適正使用の手引き
2) 幸保文治:新薬と臨牀. 1999;48(2):133-145
3) 幸保文治ほか:医薬ジャーナル. 1987;23(1):157-163
4) 幸保文治ほか:医薬ジャーナル. 1986;22(10):129-144
5) 幸保文治:新薬と臨牀. 2001;50(1):55-75
6) 幸保文治:新薬と臨牀. 2005;54(7):42-49
7) 幸保文治:新薬と臨牀. 2006;55(6):44-60
8) 第29回日本化学療法学会東日本支部総会:日本化学療法学会雑誌. 1983;31(3):383-384
9) 角田良孝ほか:化学療法の領域. 1989;5(8):1510-1515
10) 藤井良知ほか:Jpn J Antibiot. 1988;41(9):1237-1250
11) 小林宏行ほか:Jpn J Antibiot. 1986;34(12):3129-3139
12) 谷村弘ほか:Chemotherapy. 1984;32(S-7):518-543
13) 鈴木啓一郎ほか:Chemotherapy. 1984;32(S-7):500-505
14) 本郷基弘ほか:Jpn J Antibiot. 1984;37(12):2391-2396
15) 土光文夫ほか:Jpn J Antibiot. 1984;37(12):2377-2383
16) 木下治二ほか:Chemotherapy. 1984;32(S-7):722-739
17) 石岡伸一ほか:Jpn J Antibiot. 1991;44(6):605-613
18) 中村孝ほか:Chemotherapy. 1984;32(S-7):463-480
19) 高瀬善次郎ほか:Chemotherapy. 1984;32(S-7):697-707
20) 河村正三ほか:耳鼻と臨床. 1988;34(1):77-86
21) 中川千尋ほか:Jpn J Antibiot. 1995;48(3):427-431
22) 山下敏康ほか:日本口腔外科学会雑誌. 1988;34(11):2343-2350
23) Florence G,et al.:Biopharm Drug Dispos. 1993;14(2):161-169
24) 目黒英典ほか:小児科臨床. 1985;38(2):261-268
25) 中島光好ほか:Chemotherapy. 1984;32(S-7):178-196
26) 島田馨ほか:Chemotherapy. 1984;32(S-7):306-311
27) 馬場駿吉ほか:Jpn J Antibiot. 1989;42(1):212-247
28) 単純性肛門性器淋菌感染症に対する用量範囲検討試験(ロセフィン静注用/ロセフィン点滴静注用バッグ:2004.6.22承認、審査報告書)
29) 単純性肛門性器淋菌感染症に対するSPCMを対照薬とした非盲検無作為比較試験(ロセフィン静注用/ロセフィン点滴静注用バッグ:2004.6.22承認、審査報告書)
30) 女性単純性淋菌感染症に対するPCGを対照薬とした非盲検無作為比較試験(ロセフィン静注用/ロセフィン点滴静注用バッグ:2004.6.22承認、審査報告書)
31) Ronald MR,et al.:Am J Obstet Gynecol. 2001;185(3):629-632
32) Portilla I,et al.:Sex Transm Dis. 1992;19(2):94-98
33) 占部愼二ほか:Jpn J Antibiot. 1984;37(11):2169-2173
34) 市木康久ほか:Chemotherapy. 1990;38(1):68-73
35) 女性骨盤内炎症性疾患に対するCFXを対照薬とした非盲検無作為比較試験(ロセフィン静注用/ロセフィン点滴静注用バッグ:2004.6.22承認、審査報告書)
36) 男性単純性淋菌感染症に対するPCGを対照薬とした非盲検無作為比較試験(ロセフィン静注用/ロセフィン点滴静注用バッグ:2004.6.22承認、審査報告書)
37) 関根譲ほか:Chemotherapy. 1984;32(S-7):1-15
38) 西野武志ほか:Chemotherapy. 1984;32(S-7):62-76
39) 横田健ほか:Chemotherapy. 1984;32(S-7):16-21
40) 第十八改正 日本薬局方解説書. 廣川書店. 2021:C-2889-2897
41) 五島瑳智子ほか:Chemotherapy. 1984;32(S-7):39-61
42) Tanaka M,et al.:J Infect Chemother. 2002;8(1):81-86
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