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エリスロシンドライシロップ10%/エリスロシンドライシロップW20%/エリスロシンW顆粒20%

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
5.効能又は効果に関連する注意
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.3肝機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.1併用禁忌(併用しないこと)
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
13.過量投与
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.3分布
16.4代謝
16.5排泄
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2抗菌作用
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

エリスロシンドライシロップ10%/エリスロシンドライシロップW20%/エリスロシンW顆粒20%

添付文書番号

6141001R1120_3_07

企業コード

730869

作成又は改訂年月

**2024年7月改訂(第4版)
2023年11月改訂(第3版)

日本標準商品分類番号

876141

薬効分類名

マクロライド系抗生物質製剤

承認等

エリスロシンドライシロップ10%

販売名コード

YJコード

6141001R1120

販売名英語表記

Erythrocin Dry Syrup

販売名ひらがな

えりすろしんどらいしろっぷ10%

承認番号等

承認番号

21600AMZ00139

販売開始年月

1966年10月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

4年8ヵ月

エリスロシンドライシロップW20%

販売名コード

YJコード

6141001R2053

販売名英語表記

Erythrocin Dry Syrup

販売名ひらがな

えりすろしんどらいしろっぷだぶる20%

承認番号等

承認番号

21600AMZ00140

販売開始年月

1981年10月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

エリスロシンW顆粒20%

販売名コード

YJコード

6141001D1033

販売名英語表記

Erythrocin W Granules

販売名ひらがな

えりすろしんだぶるかりゅう20%

承認番号等

承認番号

21500AMZ00089

販売開始年月

1981年9月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年6ヵ月

一般的名称

エリスロマイシンエチルコハク酸エステル

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 2.2 **エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩、ピモジド、ロミタピドメシル酸塩、クリンダマイシン(注射剤、経口剤)、リンコマイシン塩酸塩水和物を投与中の患者

3. 組成・性状

3.1 組成

エリスロシンドライシロップ10%

有効成分1g中 日局 エリスロマイシンエチルコハク酸エステル   100mg(力価)
添加剤クエン酸ナトリウム水和物、白糖、カルメロースナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、軽質無水ケイ酸、香料

エリスロシンドライシロップW20%

有効成分1g中 日局 エリスロマイシンエチルコハク酸エステル   200mg(力価)
添加剤クエン酸ナトリウム水和物、白糖、カルメロースナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、軽質無水ケイ酸、香料

エリスロシンW顆粒20%

有効成分1g中 日局 エリスロマイシンエチルコハク酸エステル   200mg(力価)
添加剤クエン酸ナトリウム水和物、D-マンニトール、ヒドロキシプロピルセルロース、軽質無水ケイ酸、香料

3.2 製剤の性状

エリスロシンドライシロップ10%

色調等白色の顆粒

エリスロシンドライシロップW20%

色調等白色の顆粒

エリスロシンW顆粒20%

色調等白色の顆粒

4. 効能又は効果

  • <適応菌種>

    エリスロマイシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、淋菌、髄膜炎菌、ジフテリア菌、百日咳菌、梅毒トレポネーマ、トラコーマクラミジア(クラミジア・トラコマティス)、マイコプラズマ属

  • <適応症>

    表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、乳腺炎、骨髄炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染、腎盂腎炎、尿道炎、淋菌感染症、梅毒、子宮内感染、中耳炎、猩紅熱、ジフテリア、百日咳

5. 効能又は効果に関連する注意

  • 〈咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、中耳炎〉

    「抗微生物薬適正使用の手引き」1)を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。

6. 用法及び用量

通常、成人にはエリスロマイシンとして1日800~1200mg(力価)を4~6回に分割経口投与する。
小児には1日体重1kgあたり25~50mg(力価)を4~6回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、小児用量は成人量を上限とする。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
  2. 8.2 急性腎障害(急性間質性腎炎)があらわれることがあるので、定期的に検査を行うこと。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 心疾患のある患者

    QT延長、心室頻拍(Torsade de pointesを含む)を起こすことがある。

9.3 肝機能障害患者

血中濃度が上昇するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することが報告されている2)

9.7 小児等

嘔吐等の症状に注意すること。新生児、乳児で、肥厚性幽門狭窄があらわれたとの報告がある3)

9.8 高齢者

用量に留意するなど慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

10. 相互作用

  • 本剤はCYP3Aで代謝される。また、本剤はCYP3A、P-糖蛋白質を阻害する。

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

**エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン
(クリアミン)

ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩

四肢の虚血、血管攣縮等が報告されている。

本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。

**ピモジド

QT延長、心室性不整脈(Torsade de pointesを含む)等が発現するおそれがある。

本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。

**ロミタピドメシル酸塩
(ジャクスタピッド)

ロミタピドメシル酸塩の血中濃度が著しく上昇するおそれがある。

本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。

**クリンダマイシン(注射剤、経口剤)
(ダラシンS注射液、ダラシンカプセル)

リンコマイシン塩酸塩水和物
(リンコシン)

併用してもこれらの薬剤の効果があらわれないと考えられる。

本剤の細菌のリボゾーム50S Subunitへの親和性がこれらの薬剤より高いと考えられる。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

ジソピラミド

キニジン硫酸塩水和物

QT延長、心室性不整脈(Torsade de pointesを含む)等が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。

本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。

テオフィリン4),5)

アミノフィリン水和物

悪心・嘔吐、不整脈、痙攣等が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。

本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。

シクロスポリン

タクロリムス水和物

腎障害等が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。

本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。

ワルファリンカリウム

出血傾向、プロトロンビン時間延長等が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。

本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。

イリノテカン塩酸塩水和物

骨髄機能抑制、下痢等の副作用を増強するおそれがあるため、減量するなど慎重に投与すること。

本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。

  • **ビンカアルカロイド
    • ビンブラスチン硫酸塩
    • ビノレルビン酒石酸塩等

好中球減少、筋肉痛等が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。

本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。

バルプロ酸ナトリウム

傾眠、運動失調等が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。

本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。

フェロジピン

降圧作用の増強が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。

本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。

ベラパミル塩酸塩

血圧低下、徐脈性不整脈、乳酸アシドーシス等が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。

本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。

ミダゾラム6)

トリアゾラム7)

鎮静作用の増強が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。

本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。

カルバマゼピン

めまい、運動失調等が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。

本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。

コルヒチン

下痢、腹痛、発熱、筋肉痛、汎血球減少、呼吸困難等が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。

本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。

シンバスタチン8)

アトルバスタチンカルシウム水和物9)

シンバスタチン、アトルバスタチンカルシウム水和物との併用により、筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれたとの報告がある。

本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。

ピタバスタチンカルシウム水和物

シンバスタチン、アトルバスタチンカルシウム水和物との併用により、筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれたとの報告がある。

本剤がピタバスタチンの肝臓への取り込みを阻害するためと考えられる。

ブロモクリプチンメシル酸塩10)

ドセタキセル水和物

パクリタキセル

セレギリン塩酸塩

シルデナフィルクエン酸塩11)

バルデナフィル塩酸塩水和物

タダラフィル

シロスタゾール

減量するなど慎重に投与すること。

本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。

**ブロナンセリン

クロザピン

ゾピクロン

アルプラゾラム

エプレレノン

エレトリプタン臭化水素酸塩

エベロリムス

サキナビルメシル酸塩

これらの薬剤の作用が増強するおそれがある。

本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。

**ドンペリドン

ドンペリドンの血中濃度が上昇する。また、ドンペリドンとの併用により、QT延長が報告されている。

本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。

  • 副腎皮質ホルモン剤
    • メチルプレドニゾロン等

これらの薬剤の消失半減期が延長するとの報告があるので、減量するなど慎重に投与すること。

本剤はこれらの薬剤の代謝を抑制することがある。

エバスチン

エバスチンの代謝物カレバスチンの血中濃度が上昇するとの報告がある。

本剤はこれらの薬剤の代謝を抑制することがある。

エドキサバントシル酸塩水和物

出血のリスクを増大させるおそれがある。併用する場合、エドキサバントシル酸塩水和物の用量は、エドキサバントシル酸塩水和物の電子添文を参照すること。

本剤がP-糖蛋白質を阻害し、エドキサバンの血中濃度を上昇させるためと考えられる。

ジゴキシン

ジゴキシンの作用増強による嘔気、嘔吐、不整脈等の中毒症状が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。

本剤の腸内細菌叢への影響により、ジゴキシンの代謝が抑制される。

ザフィルルカスト

ザフィルルカストの血中濃度が低下するとの報告がある。

機序は不明である。

シメチジン

難聴が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。

これらの薬剤のCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が抑制され、血中濃度が上昇すると考えられる。

リトナビル

本剤のAUCが上昇することが予想される。

これらの薬剤のCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が抑制され、血中濃度が上昇すると考えられる。

**クリンダマイシン(外用剤)

併用してもクリンダマイシンの効果があらわれないと考えられる。

本剤の細菌のリボゾーム50S Subunitへの親和性がクリンダマイシンより高いと考えられる。

**リバーロキサバン

リバーロキサバンの血中濃度が上昇したとの報告がある。

本剤がCYP3A4及びP-糖蛋白質を阻害することによりリバーロキサバンのクリアランスが減少する。

**フェキソフェナジン塩酸塩

フェキソフェナジンの血漿中濃度を上昇させるとの報告がある。

P-糖蛋白質の阻害によるフェキソフェナジンのクリアランスの低下及び吸収率の増加に起因するものと推定される。

  • **CYP3A4誘導作用を有する薬剤
    • リファンピシン、リファブチン、フェニトイン、フェノバルビタール等
  • セイヨウオトギリソウ(St. John’s Wort, セント・ジョーンズ・ワート)含有食品

本剤の作用が減弱するおそれがある。

これらの薬剤のCYP3A誘導作用により、本剤の代謝を促進し、本剤の血中濃度を低下させる。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(頻度不明)

    腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には、直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  2. 11.1.2 心室頻拍(Torsade de pointesを含む)、QT延長(頻度不明)

  3. 11.1.3 ショック、アナフィラキシー(0.03%)

    呼吸困難、胸内苦悶、血圧低下等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  4. 11.1.4 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)
  5. 11.1.5 急性腎障害(急性間質性腎炎)(頻度不明)

  6. 11.1.6 肝機能障害、黄疸(頻度不明)

    AST、ALT、ALPの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがある。

11.2 その他の副作用

0.1~5%未満

0.1%未満

頻度不明

**過敏症

発疹

蕁麻疹、血管性浮腫

消化器

食欲不振、悪心・嘔吐、胃部不快感、下痢

胃痛、腹部痙攣

鼓腸、便秘、膵炎

視力低下、霧視

13. 過量投与

  1. 13.1 症状

    胃腸症状がみられる。また、可逆性の難聴や一過性かつ軽症の急性膵炎があらわれたとの報告がある。

  2. 13.2 処置

    エリスロマイシンは腹膜透析、血液透析では除去されない。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意

  • エリスロシンドライシロップ10%
    1. 14.1.1 本剤10gに20mLの水を加え、よくふりまぜると25mLの懸濁液になる。この懸濁液1mLはエリスロマイシン40mg(力価)に相当する。
  • エリスロシンドライシロップW20%
    1. 14.1.2 本剤10gに12mLの水を加え、よくふりまぜると20mLの懸濁液になる。この懸濁液1mLはエリスロマイシン100mg(力価)に相当する。

14.2 薬剤交付時の注意

  • 〈ドライシロップ共通〉
    1. 14.2.1 懸濁液調製後は冷蔵庫内に保存するよう指導すること。
    2. 14.2.2 調製後の懸濁液は用時、よくふりまぜて服用するよう指導すること。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

外国で重症筋無力症が悪化したとの報告がある。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

  • エリスロシンドライシロップ10%

    健康成人にエリスロシンドライシロップ10% 4g(エリスロマイシンとして400mg(力価))を空腹時単回経口投与した時の血漿中濃度は以下のとおりであった。

    Cmax(μg/mL)

    Tmax(min)

    T1/2(hr)

    1.37

    31

    1.2

  • エリスロシンドライシロップW20%

    健康成人にエリスロシンドライシロップW20% 2g(エリスロマイシンとして400mg(力価))を空腹時単回経口投与した時の血漿中濃度は以下のとおりであった。

    Cmax(μg/mL)

    Tmax(min)

    T1/2(hr)

    1.27

    42

    1.6

  • エリスロシンW顆粒20%

    健康成人にエリスロシンW顆粒20% 2g(エリスロマイシンとして400mg(力価))を空腹時単回経口投与した時の血漿中濃度は以下のとおりであった。

    Cmax(μg/mL)

    Tmax(min)

    T1/2(hr)

    1.12

    27

    1.3

16.3 分布

  1. 16.3.1 組織移行

    扁桃14)、副鼻腔粘膜14)、中耳滲出液15)、唾液16)に移行が認められた(外国人データ)。

  2. 16.3.2 血漿蛋白結合率

    64.5%であった(in vitro、ヒト血漿、0.5μg/mL、平衡透析法)17)

16.4 代謝

CYP3Aによって脱メチル化され、des-N-methyl-erythromycinを生じる(ウサギ)18),19),20)

16.5 排泄

主として胆汁中に排泄され、尿中排泄は経口投与量の5%以下である21)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

細菌の蛋白合成阻害で22)、70S系のリボソームの50Sサブユニットと結合することによる23)

18.2 抗菌作用

  1. 18.2.1 エリスロマイシンエチルコハク酸エステルは体内で加水分解し、エリスロマイシンとして作用する。エリスロマイシンは主としてブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌等のグラム陽性球菌に強い抗菌力を発揮するほか、グラム陰性球菌、一部のグラム陰性桿菌、梅毒トレポネーマ及び肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)にも作用を示す21),24)
  2. 18.2.2 抗菌作用は細菌により静菌的ないし殺菌的である25)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

エリスロマイシンエチルコハク酸エステル(Erythromycin Ethylsuccinate)

化学名

(2R,3S,4S,5R,6R,8R,10R,11R,12S,13R)-5-[3,4,6-Trideoxy-2-O-(3-ethoxycarbonylpropanoyl)-3-dimethylamino-β-D-xylo-hexopyranosyloxy]-3-(2,6-dideoxy-3-C-methyl-3-O-methyl-α-L-ribo-hexopyranosyloxy)-6,11,12-trihydroxy-2,4,6,8,10,12-hexamethyl-9-oxopentadecan-13-olide

分子式

C43H75NO16

分子量

862.05

性状

白色の粉末である。
メタノール又はアセトンに溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。

化学構造式

略号

EM(エリスロマイシン)

20. 取扱い上の注意

アルミピロー包装開封後は、湿気を避けて保存すること。

22. 包装

  • **エリスロシンドライシロップ10%

    100g[瓶]
    500包[1g×500、乾燥剤入り]

  • **エリスロシンドライシロップW20%

    100g[瓶、乾燥剤入り]
    500包[1g×500、乾燥剤入り]

  • エリスロシンW顆粒20%

    500包[1g×500、乾燥剤入り]

23. 主要文献

1) 厚生労働省健康・生活衛生局感染症対策部 感染症対策課編:抗微生物薬適正使用の手引き

2) 森操七郎:日本産科婦人科学会雑誌. 1971;23(7):547-555

3) Honein MA,et al.:Lancet. 1999;354:2101-2105

4) Reisz G,et al.:Am Rev Respir Dis. 1983;127:581-584

5) 前田昇三:Chemotherapy. 1993;41(7):765-769

6) Olkkola KT,et al.:Clin Pharmacol Ther. 1993;53(3):298-305

7) Phillips JP,et al.:J Clin Psychopharmacol. 1986;6(5):297-299

8) Kantola T,et al.:Clin Pharmacol Ther. 1998;64(2):177-182

9) Siedlik PH,et al.:J Clin Pharmacol. 1999;39:501-504

10) Nelson MV,et al.:Clin Pharmacol Ther. 1990;47(6):694-697

11) Zusman RM,et al.:Am J Cardiol. 1999;83(5A):35C-44C

12) Laforce CF,et al.:J Allergy Clin Immunol. 1983;72(1):34-39

13) 長澤紘一ほか:臨床医薬. 1995;11(6):1213-1226

14) Blenk H,et al.:Infection. 1982;10(suppl.2):108-112

15) Sundberg L,et al.:Acta Otolaryngol. 1979;suppl.365:1-17

16) Simon C & Clasen I.:Curr Med Res Opin. 1978;5(suppl.2):19-22

17) Prandota J,et al.:J Int Med Res. 1980;8(suppl.2):1-8

18) Mao JCH,et al.:Biochem Pharmacol. 1965;14:1049-1058

19) Watkins PB,et al.:Proc Natl Acad Sci USA. 1985;82:6310-6314

20) Brian WR,et al.:Biochemistry. 1990;29(51):11280-11292

21) GOODMAN and GILMAN’s The Pharmacological Basis of Therapeutics 8th ed. Pergamon Press. 1990:1130-1134

22) Brock TD,et al.:Biochim Biophys Acta. 1959;33:274-275

23) Mao JCH.:Biochem Pharmacol. 1967;16:2441-2443

24) 日本抗生物質医薬品基準解説. 薬業時報社. 1971:723-728

25) McCall CE,et al.:Am J Med Sci. 1967;254(2):144-155

24. 文献請求先及び問い合わせ先

**,*ヴィアトリス製薬合同会社 メディカルインフォメーション部

〒106-0041 東京都港区麻布台一丁目3番1号

フリーダイヤル 0120-419-043

26. 製造販売業者等

26.1 **,*製造販売元

ヴィアトリス・ヘルスケア合同会社

東京都港区麻布台一丁目3番1号

26.2 **,*販売元

ヴィアトリス製薬合同会社

東京都港区麻布台一丁目3番1号

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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