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フェルビナクスチック軟膏3%「三笠」

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.5妊婦
9.7小児等
9.8高齢者
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.3分布
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

フェルビナクスチック軟膏3%「三笠」

添付文書番号

2649731M1098_1_05

企業コード

750007

作成又は改訂年月

2024年10月改訂(第2版)
2023年9月改訂

日本標準商品分類番号

872649

薬効分類名

経皮吸収型鎮痛・消炎剤

承認等

フェルビナクスチック軟膏3%「三笠」

販売名コード

YJコード

2649731M1098

販売名英語表記

FELBINAC STICK OINTMENT3%「MIKASA」

承認番号等

承認番号

30200AMX00723000

販売開始年月

2020年12月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

フェルビナクスチック軟膏

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 2.2 アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[喘息発作を誘発するおそれがある。]

3. 組成・性状

3.1 組成

フェルビナクスチック軟膏3%「三笠」

有効成分(1g中)
日本薬局方 フェルビナク   30mg
添加剤プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、マクロゴール、オレイルアルコール、ステアリン酸Na、l-メントール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、スクワラン、イソプロパノール、pH調整剤

3.2 製剤の性状

フェルビナクスチック軟膏3%「三笠」

識別コードMZ-FBS
性状白色~淡黄白色半透明の固形軟膏剤で、特異な芳香がある。

4. 効能又は効果

下記疾患並びに症状の鎮痛・消炎
変形性関節症、筋・筋膜性腰痛症、肩関節周囲炎、腱・腱鞘炎、腱周囲炎、上腕骨上顆炎(テニス肘等)、筋肉痛、外傷後の腫脹・疼痛

6. 用法及び用量

症状により、適量を1日数回患部に塗擦する。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 消炎鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。
  2. 8.2 慢性疾患(変形性関節症等)に対し本剤を用いる場合には薬物療法以外の療法も考慮すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 気管支喘息のある患者(アスピリン喘息又はその既往歴のある患者を除く)

    喘息発作を誘発するおそれがある。

  2. 9.1.2 皮膚感染症のある患者

    感染を伴う炎症に対して用いる場合には適切な抗菌剤又は抗真菌剤を併用し、観察を十分行い慎重に使用すること。皮膚の感染症を不顕性化するおそれがある。

9.5 妊婦

*妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対しては治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある。シクロオキシゲナーゼ阻害剤を妊娠中期以降の妊婦に使用し、胎児の動脈管収縮が起きたとの報告がある。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に使用すること。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)

    ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、血管浮腫、呼吸困難等)があらわれることがある。

11.2 その他の副作用

0.1~1%未満

0.1%未満

皮膚

そう痒、皮膚炎、発赤

接触皮膚炎、刺激感、水疱

14. 適用上の注意

14.1 薬剤使用時の注意

  1. 14.1.1 眼及び粘膜に使用しないこと。
  2. 14.1.2 表皮が欠損している場合に使用すると一時的にしみる、ヒリヒリ感を起こすことがあるので使用に際し注意すること。
  3. 14.1.3 密封包帯法で使用しないこと。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

フェルビナク軟膏3%を10g(フェルビナクとして300mg)、健康成人男子6例の背部に単回塗擦し、塗擦8時間後に薬剤を除去したときのフェルビナクの血清中濃度は、塗擦後24時間目に平均最高血中濃度411ng/mLを示し、48時間目に90ng/mLまで減少した。
フェルビナク軟膏3%を1回3.3g、1日3回(フェルビナクとして297mg/日)、5日間反復して健康成人男子6例の背部(同一部位)に塗擦し、各日の3回目の塗擦4時間後に薬剤を除去したときのフェルビナクの血清中濃度は、2日目以降平均血中濃度約100~300ng/mLを示し、最終塗擦終了後64時間目に48ng/mLまで減少した1)

16.3 分布

関節液の貯留を認める変形性膝関節症患者2例に対して、フェルビナク軟膏3%を3g単回塗擦したとき、塗擦6時間後の血清中フェルビナク濃度は28~37ng/mL、滑液中濃度は10~15ng/mLを示した。当該患者は塗擦6時間後に手術が施行されたが、各組織中のフェルビナク濃度は、塗擦部皮膚、皮下脂肪、筋肉及び滑膜で血清より高値を示した2)

16.5 排泄

血清中濃度測定と同時に測定した尿中排泄では、単回塗擦及び5日間連続塗擦時ともに、代謝物として主にフェルビナク抱合体並びに4’-OH-フェルビナク及びその抱合体が尿中に認められた。単回塗擦後48時間目までのこれらの平均総排泄量は、9.86mg(塗擦量の3.29%)であり、そのうち未変化体フェルビナクの排泄量は0.21mgであった。また、5日間反復塗擦時の塗擦期間中の各日のこれらの平均排泄量は1.88~4.33mg(塗擦1日量の0.63~1.46%)であった1)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国内臨床試験

    本剤において国内5施設で実施された一般臨床試験(有効性解析対象症例数82例)の概要は次のとおりである3),4),5)

    中等度改善以上

    軽度改善以上

    変形性膝関節症

    56.7%(17/30)

    86.7%(26/30)

    肩関節周囲炎

    58.6%(17/29)

    96.6%(28/29)

    外傷性疾患

    95.7%(22/23)

    95.7%(22/23)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

疼痛、急性炎症・慢性炎症に対し、鎮痛・抗炎症作用を示す。

  1. 18.1.1 プロスタグランジン生合成抑制作用

    フェルビナクは、モルモット肺より抽出したプロスタグランジン合成酵素のシクロオキシゲナーゼに対し、阻害作用が認められた(IC50=0.61μg/mL)6)

  2. 18.1.2 抗プロスタグランジン作用

    フェルビナクは、プロスタグランジンE1によるスナネズミ結腸の収縮に対し、抑制作用を示した6)

18.2 鎮痛作用

フェルビナク軟膏3%は、ラットのRandall-Selitto法及び硝酸銀誘発関節炎の炎症性疼痛に対し、1%インドメタシンゲル状軟膏とほぼ同等の鎮痛作用を示した7)

18.3 抗炎症作用

フェルビナク軟膏3%は、ラットのカラゲニン足蹠浮腫、打撲足浮腫及びアジュバント関節炎、また、モルモットの紫外線誘発紅斑法等の急性・慢性炎症反応に対して、1%インドメタシンゲル状軟膏と同等あるいは強い抗炎症作用を示した7)

18.4 生物学的同等性試験

ラットを用いて、打撲浮腫抑制試験、炎症足圧痛刺激抑制試験及び肉芽腫形成抑制試験を実施し、フェルビナクスチック軟膏3%「三笠」とナパゲルン軟膏3%の効力比較を行った結果、両剤は生物学的に同等であると判断された8)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

フェルビナク(Felbinac)[JAN]

化学名

Biphenyl-4-ylacetic acid

分子式

C14H12O2

分子量

212.24

性状

本品は白色~微黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。
本品はメタノール又はアセトンにやや溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。

化学構造式

融点

163~166℃

20. 取扱い上の注意

  1. 20.1 揮発性のために薬剤がもろくなり、使用できなくなることがあるので、使用後は必ずキャップをきちんとしめること。
  2. 20.2 小児の手のとどかない所に保管すること。
  3. 20.3 火気を避けて保存すること。
  4. 20.4 直射日光、高温を避けて保管すること。

22. 包装

ポリプロピレン容器入り:40g×10本
ポリプロピレン容器入り:40g×50本

24. 文献請求先及び問い合わせ先

三笠製薬株式会社 営業本部学術課

〒176-8585
東京都練馬区豊玉北二丁目3番1号

TEL(03)3557-7287
FAX(03)3994-7462

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

三笠製薬株式会社

東京都練馬区豊玉北2-3-1

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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