当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
劇薬
処方箋医薬品注)
本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)
本剤は強い悪心・嘔吐が生じる抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)の投与の場合に限り使用すること。
通常、成人にはオンダンセトロンとして1回4mg、1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。また、効果不十分な場合には、同用量の注射液を投与できる。
投与後観察を十分に行うこと。消化管運動の低下があらわれることがある。
本剤は主として肝臓で代謝されるので、血中濃度が上昇するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)において乳汁への移行が報告されている。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
血漿クリアランスの減少及び半減期の延長が認められているが、安全性、有効性に65歳以下の患者と差がないことから、高齢者で用法及び用量の調整は必要ないとの報告がある1)。なお、副作用が発現した場合には、副作用の程度と有効性を勘案し減量するなど適切な処置を行うこと。生理機能が低下していることがある。
本剤の作用が減弱するおそれがある。
併用薬剤のCYP3A4誘導作用により、本剤のクリアランスが増大し血中濃度が低下する可能性がある。
本剤がトラマドールの鎮痛作用を減弱させるおそれがある。
本剤との併用によりトラマドールの鎮痛作用が減弱するとの報告がある。
セロトニン症候群(不安、焦燥、興奮、錯乱、発熱、発汗、頻脈、振戦、ミオクローヌス等)があらわれるおそれがある。
セロトニン作用が増強するおそれがある。
海外において、5-HT3受容体拮抗剤との併用により、重度の血圧低下、失神/意識消失、徐脈、けいれん発作が発現したとの報告がある。
機序は明らかではないが、アポモルヒネの副作用が増強されるおそれがある。
1%以上
1%未満
頻度不明
過敏症
発疹
そう痒
精神神経系
ふるえ感、眠気、頭痛、頭重感
消化器
下痢、便秘
循環器
動悸
胸痛、徐脈、不整脈、低血圧
肝臓
AST、ALT、LDH、γ-GTP、総ビリルビン値等の上昇
その他
全身けん怠感、発汗、しゃっくり、顔面紅潮、発熱
熱感、不随意運動(眼球回転発作、ジストニー反応等の錐体外路様症状)、一過性の視覚障害(霧視、一過性盲等)
海外臨床試験において、オンダンセトロン32mgを15分かけて単回静脈内投与したとき、QTcF間隔の延長が認められ、最大平均変化量(90%信頼区間上限)は投与終了5分後に19.6(21.5)msecであった2)。また、海外において、小児が誤って過量服用し、セロトニン症候群が認められたとの報告がある。
n
AUC24(ng・hr/mL)
Cmax(ng/mL)
Tmax(hr)
T1/2(hr)
水なし
オンダンセトロンODフィルム4mg「GFP」
19
98.9±39.7
13.8±4.5
2.3±0.7
4.8±1.3
標準製剤(錠剤、4mg)
102.5±44.0
14.5±5.2
2.1±0.6
4.9±1.3
水あり
20
93.2±26.9
12.9±3.4
5.2±0.5
95.8±29.6
13.5±4.2
2.2±0.7
5.3±0.4
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数、時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
オンダンセトロンODフィルム2mg「GFP」は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性ガイドライン」(平成24年2月29日 薬食審査発0229第10号)に基づき、オンダンセトロンODフィルム4mg「GFP」を標準製剤としたとき、溶出挙動が等しく、生物学的に同等とみなされた。
本剤は、肝チトクロームP-450(CYP3A4、CYP2D6及びCYP1A2)で代謝される8),9)。
オンダンセトロンは、延髄の最後野にあるCTZ(chemoreceptor trigger zone)や求心性迷走神経の5-HT3受容体に作用し、嘔吐を抑制すると考えられている10)。
フェレットにオンダンセトロンを静脈内あるいは経口投与した後、抗悪性腫瘍剤であるシスプラチン10mg/kgを静脈内又は腹腔内投与した場合、誘発される嘔吐に対してオンダンセトロン静脈内投与では0.01mg/kg以上、経口投与では5.0mg/kg以上で有意に嘔吐回数を減少させ、嘔吐発現時間を延長させる11),12)。また、フェレットにオンダンセトロンを経口投与し、30分後に抗悪性腫瘍剤であるシクロホスファミド200mg/kgを腹腔内投与した場合、誘発される嘔吐に対してオンダンセトロンは0.1mg/kgで有意に嘔吐回数を減少させ、嘔吐発現時間を延長させる12)。
オンダンセトロンはin vitroにおいて、5-HT3受容体を介した5-HTによるラット迷走神経の脱分極を強力かつ競合的に抑制する13)。
麻酔ラットにおける5-HT3受容体を介した5-HTによる反射性の徐脈に対し、オンダンセトロンは静脈内又は経口投与により用量依存的に抑制する13)。
オンダンセトロンはラット最後野及び迷走神経のホモジネートを用いた放射性リガンド結合試験において、5-HT3受容体に対して高い親和性を示す14)。
In vitro(ネコ、イヌ、ウサギ、ラット、モルモット)において5-HT1like、5-HT2受容体、並びにアドレナリン、ムスカリン及びヒスタミン等の5-HT以外の各種受容体が介在する反応に対して、オンダンセトロンは5-HT3受容体拮抗作用を示す濃度の1,000倍以上を用いてもほとんど作用を示さない13)。
オンダンセトロン塩酸塩水和物(Ondansetron Hydrochloride Hydrate)
(±)-2,3-dihydro-9-methyl-3-[(2-methylimidazol-1-yl)methyl]carbazol-4(1H)-one monohydrochloride dihydrate
C18H19N3O・HCl・2H2O
365.85
本品は白色の結晶性の粉末である。本品はジメチルスルホキシドに溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、水又はエタノール(99.5)にやや溶けにくく、アセトニトリルに溶けにくい。本品の水溶液(1→50)は旋光性を示さない。
10錠[1錠(アルミ包装)×10]
1) 矢島忠孝ほか:臨床医薬. 1998; 14 (14): 2589-2601.
2) Zuo, P. et al.: J Clin Pharmacol. 2014; 54 (11): 1221-1229.
3) Huybrechts KF et al.: JAMA. 2018; 320 (23): 2429-2437.
4) Zambelli-Weiner A et al.: Reprod Toxicol. 2019; 83: 14-20.
5) Huybrechts KF et al.: JAMA. 2020; 323 (4): 372- 374.
6) MS Fejzo, et al: Reprod Toxicol. 2016; 62: 87-91.
7) 社内資料:生物学的同等性試験.
8) Dixon CM, et al.:Drug Metab. Dispos., 1995;23(11):1225-1230.
9) Ashforth EIL, et al.:Br. J. Clin. Pharmacol., 1994;37(4):389-391.
10) グッドマン・ギルマン薬理書(下) 薬物治療の基礎と臨床 第12版(廣川書店)2013.
11) Stables R, et al.:Cancer Treat Rev. 1987; 14 (3,4): 333-336.
12) 南 勝ほか:基礎と臨床 1992; 26 (4): 1323-1335.
13) Butler A, et al.: Br J Pharmacol. 1988; 94 (2): 397-412.
14) Kilpatrick GJ, et al.: Eur J Pharmacol. 1989; 159 (2): 157-164.
*ミヤリサン製薬(株)サイエンス情報戦略室
〒114-0016 東京都北区上中里1丁目10番3号
電話(03)3917-1191
FAX(03)3940-1140
*ミヤリサン製薬株式会社
*長野県埴科郡坂城町中之条102番地15
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.