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通常、成人には1回2~3錠、小児には1錠を1日3回食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
甘草を含有する製剤との併用は本剤に含まれるグリチルリチン酸が重複し、偽アルドステロン症があらわれやすくなるので注意すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。グリチルリチン酸一アンモニウムを大量投与したときの動物実験(ラット)において腎奇形等が認められている1) 。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。グリチルリチン酸一アンモニウムを投与した時の動物実験(ラット)において乳汁移行が認められている2) 。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。臨床での使用経験において、高齢者に低カリウム血症等の副作用の発現率が高い傾向が認められる。
ループ利尿剤
低カリウム血症(脱力感、筋力低下等)があらわれるおそれがあるので、観察(血清カリウム値の測定等)を行うなど十分に注意すること。
これらの利尿作用が本剤に含まれるグリチルリチン酸のカリウム排泄作用を増強し、血清カリウム値の低下があらわれやすくなる。
チアジド系及びその類似降圧利尿剤
モキシフロキサシン塩酸塩
心室性頻拍(Torsade de pointesを含む)、QT延長を起こすおそれがある。
本剤が有するカリウム排泄作用により血清カリウム濃度が低下すると、モキシフロキサシン塩酸塩による心室性頻拍(Torsade de pointesを含む)、QT延長が発現するおそれがある。
低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、尿量減少、体重増加等があらわれることがある。
脱力感、筋力低下、筋肉痛、四肢痙攣・麻痺等の横紋筋融解症の症状があらわれることがあるので、CK上昇、血中及び尿中のミオグロビン上昇が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
0.1~5%未満
体液・電解質
血清カリウム値の低下
循環器
血圧上昇
その他
腹痛、頭痛
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人に本剤4錠(グリチルリチン酸100mg含有)注1) を経口投与した場合、血中グリチルリチン酸濃度は誤差範囲で明確にできなかったが、グリチルリチン酸の加水分解物グリチルレチン酸は、濃度のピークが2回あらわれ、第1のピークは1~4時間、第2のピークは10~24時間であらわれた3) 。
マウスに3H-グリチルリチン酸を用いて調製した本剤を経口投与した場合、血中濃度は1時間後に最高値に達し、以後ゆるやかに減少し6時間後最高値の59%を示した。投与12時間後に血中濃度の再上昇が認められた後は、徐々に減少した4) 。
マウスに3H-グリチルリチン酸を経口投与した場合、10分後には採取した臓器すべてに分布が認められた。最も分布の多い臓器は肝臓で、投与後2時間で最高となり、この時点で投与3H-グリチルリチン酸の2.8%を示し、以下、肺、腎、心臓、副腎の順であった4) 。
健康成人に本剤を経口投与した場合、10時間までの尿中にはグリチルリチン酸、グリチルレチン酸のいずれもほとんど検出されなかった3) 。
国内19施設における慢性肝炎224例に対して本剤1日9錠、連日12週間経口投与を行った二重盲検比較試験の成績は、次のとおりで、本剤投与群はプラセボ群に比し有意に肝機能の改善が認められた5) 。
薬剤/有効率(%)
有効以上
やや有効以上
本剤投与群
22.3%(23/103)
46.6%(48/103)
プラセボ群
11.8%(12/102)
27.5%(28/102)
各種アレルギー性疾患・炎症性疾患に対する臨床試験の有効率は次のとおりである。
疾患名/有効率(%)
湿疹
60.2%(133/221)
83.7%(185/221)
皮膚炎
72.0%(77/107)
89.7%(96/107)
小児ストロフルス
58.3%(28/48)
81.3%(39/48)
円形脱毛症
56.7%(131/231)
73.6%(170/231)
口内炎
82.3%(107/130)
86.9%(113/130)
グリチルリチン酸は、ウサギにおけるアルツス反応抑制6),7) 及びシュワルツマン反応抑制7) 等の抗アレルギー作用を有する。また、コルチゾンの作用に対し、ストレス反応抑制作用を増強、抗肉芽作用及び胸腺萎縮作用に拮抗的に作用し、抗浸出作用に対しては影響を及ぼさなかった8) 。
グリチルリチン酸は、アラキドン酸代謝系の初発酵素であるホスホリパーゼA29),10) とアラキドン酸から炎症性ケミカルメディエーターを産生するリポキシゲナーゼ11) に直接結合する。グリチルリチン酸は、これらの酵素のリン酸化を介する活性化を選択的に阻害する10),11) 。
グリチルリチン酸は、in vitroの実験系において、(1)T細胞活性化調節作用12) 、(2)インターフェロン-γ誘起作用13) 、(3)NK細胞活性化作用14) 、(4)胸腺外Tリンパ球分化増強作用15) 等の作用が示されている。
グリチルリチン酸は、ラットの初代培養肝細胞を用いたin vitroの実験系で、四塩化炭素による肝細胞障害を抑制することが示されている16) 。
グリチルリチン酸、ならびにグリチルレチン酸は、ラットの初代培養肝細胞を用いたin vitroの実験系において、肝細胞の増殖促進作用を有することが示されている17) 。
マウスでのMHV(マウス肝炎ウイルス)の感染実験で、グリチルリチン酸投与により生存日数の延長が認められ、また、ウサギにおけるワクシニアウイルス発痘の阻止実験で発痘を抑制した18) 。また、in vitroの実験系で、ヘルペスウイルス等の増殖抑制・不活化作用が示されている19),20) 。
グリシン及びDL-メチオニンは、ラットのグリチルリチン酸経口投与によりみられた尿量及びナトリウム排泄量の減少を抑制することが報告されている21) 。
グリチルリチン酸一アンモニウム(Monoammonium glycyrrhizinate)(JAN)
Monoammonium of 20β-carboxy-11-oxo-30-norolean-12-en-3β-yl-2-O-β-D-glucopyranuronosyl-β-D-glucopyranosiduronic acid
C42H65NO16
839.96
白色~淡黄白色の結晶又は結晶性の粉末で、特有の甘味を有する。熱水、熱希エタノール、アンモニア試液には溶けやすく、熱氷酢酸にはやや溶けにくく、冷水には溶けにくく、クロロホルム、無水エタノールには極めて溶けにくい。吸湿性である。
グリシン(JAN)(別名アミノ酢酸)(Glycine, Aminoacetic acid)
C2H5NO2
75.07
白色の結晶又は結晶性の粉末で、味は甘い。水又はギ酸に溶けやすく、エタノール(95)にほとんど溶けない。結晶多形が認められる。
DL-メチオニン(DL-Methionine)(JAN)
2-Amino-4-(methylthio)butyric acid
C5H11NO2S
149.21
白色の結晶又は結晶性の粉末で、特異なにおいがあり、わずかに甘味がある。ギ酸に溶けやすく、水にやや溶けやすく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくい。希塩酸に溶ける。
PTP:乾燥剤入り 100錠(10錠×10)、500錠(10錠×50)、2,100錠(21錠×100)ボトル:乾燥剤入り 1,000錠バラ
1) Mantovani, A., et al.:Food Chem. Toxicol., 1988; 26: 435-440.
2) Yoshida, T., et al.:薬理と治療, 2011; 39: 309-327.
3) 中野直子 ほか:薬理と治療, 1980; 8: 4171-4174.
4) 三宅輝明 ほか:Minophagen Med. Rev., 1979; 24: 263-272.
5) 矢野右人 ほか:臨牀と研究, 1989; 66: 2629-2644.
6) 市川 收 ほか:ミノファーゲン研究部報告, 1950; 160号: 1-36.
7) 畔柳武雄:Minophagen Med. Rev., 1967; 12: 29-40.
8) 熊谷 朗:代謝, 1973; 10(臨時増刊号): 632-645.
9) 沖増英治 ほか:医学のあゆみ, 1982; 122: 174-177.
10) Ohtsuki, K., et al.:Biol. Pharm. Bull., 1998; 21: 574-578.
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12) Zhang, Y., et al.:Immunol. Lett., 1992; 32: 147-152.
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18) 飯島 登 ほか:Minophagen Med. Rev., 1970; 15: 121-122.
19) Pompei, R., et al.:Nature, 1979; 281: 689-690.
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