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処方箋医薬品注)
通常、成人には1日1回5~20mLを静脈内に注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
慢性肝疾患に対しては1日1回40~60mLを静脈内に注射または点滴静注する。年齢、症状により適宜増減する。なお、増量する場合は1日100mLを限度とする。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。グリチルリチン酸一アンモニウムを大量投与したときの動物実験(ラット)において腎奇形等が認められている1) 。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。グリチルリチン酸一アンモニウムを投与したときの動物実験(ラット)において乳汁移行が認められている2) 。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。臨床での使用経験において、低カリウム血症等の副作用の発現率が高い傾向が認められている。
低カリウム血症(脱力感、筋力低下等)があらわれるおそれがあるので、観察(血清カリウム値の測定等)を行うなど十分に注意すること。
これらの利尿作用が、本剤に含まれるグリチルリチン酸のカリウム排泄作用を増強し、血清カリウム値の低下があらわれやすくなる。
心室性頻拍(Torsade de pointesを含む)、QT延長を起こすおそれがある。
本剤が有するカリウム排泄作用により血清カリウム濃度が低下すると、モキシフロキサシン塩酸塩による心室性頻拍(Torsade de pointesを含む)、QT延長が発現するおそれがある。
血圧低下、意識消失、呼吸困難、心肺停止、潮紅、顔面浮腫等があらわれることがある。
呼吸困難、潮紅、顔面浮腫等があらわれることがある。
増量又は長期連用により高度の低カリウム血症、低カリウム血症の発現頻度の上昇、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重増加等があらわれるおそれがある。また、低カリウム血症の結果として、脱力感、筋力低下などがあらわれるおそれがある。
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
発疹
蕁麻疹、そう痒
体液・電解質
血清カリウム値の低下注1)
浮腫
循環器
血圧上昇注1)
消化器
上腹部不快感
嘔気・嘔吐
呼吸器
咳嗽
眼
一過性の視覚異常(目のかすみ、目のチカチカ等)
その他
全身倦怠感、筋肉痛、異常感覚(しびれ感、ピリピリ感等)、発熱、過呼吸症状(肩の熱感、四肢冷感、冷汗、口渇、動悸)、尿糖陽性
頭痛、熱感、気分不良
静脈内投与は、患者の状態を観察しながらできるだけ投与速度を緩徐にすること。
グリチルリチン酸又は甘草を含有する製剤の経口投与により、横紋筋融解症があらわれたとの報告がある。
健康成人に本剤40mL(グリチルリチン酸80mg含有)を静注した場合、血中グリチルリチン酸は投与10時間後までは速やかに減少し、以後徐々に減少した。また、グリチルリチン酸の加水分解物グリチルレチン酸は投与6時間後よりあらわれ24時間後ピークに達し、48時間後にはほとんど消失した3) 。
マウスに3H-グリチルリチン酸を静注した場合、注射10分後には採取した臓器すべてに分布が認められた。最も分布の多い臓器は肝臓で、投与3H-グリチルリチン酸の62%を示し、以下、腎、肺、心臓、副腎の順であった4) 。
健康成人に本剤を静注した場合、尿中グリチルリチン酸は時間の経過とともに減少し、27時間後までの排泄量は投与量の1.2%であった。グリチルレチン酸は6時間後よりあらわれ、22~27時間後ピークに達した3) 。
国内36施設における慢性肝炎133例に対して本剤1日40mL、連日1カ月間静注投与を行った二重盲検比較試験の成績は、次のとおりである。本剤投与群はプラセボ群に比し有効であることが認められ、肝機能検査項目別ではAST、ALT及びγ-GTP値の改善が有意の差をもって認められた5) 。
薬剤/有効率(%)
有効以上
やや有効以上
本剤投与群
25.4%(17/67)
68.7%(46/67)
プラセボ群
9.1%(6/66)
27.3%(18/66)
国内11施設における慢性肝炎、肝硬変178症例を対象に、本剤40mL/日3週間連日静注投与を行い、2週目のALT値が正常上限値の1.5倍以下に改善しなかった症例93例を対象に、40mL/日継続投与群と100mL/日増量投与群との用量別比較試験を行った。その結果、本剤100mL/日増量投与群が40mL/日継続投与群に比し、有意にALT値を改善することが認められた。このことより、40mL/日でALT値改善不十分な症例に100mL/日増量投与は有用であることが認められた6) 。
投与量/有効率(%)
40mL投与群
25.5%(12/47)
100mL投与群
50.0%(23/46)
慢性肝炎59例に本剤60mLを4週間投与した成績7) 及び各種アレルギー性疾患・炎症性疾患に対する臨床試験の有効率は次のとおりである。また、慢性肝炎に対し、本剤100mLを8週間投与した試験において、肝機能の改善と肝組織像の改善に相関が認められた8),9) 。
疾患名/有効率(%)
慢性肝炎
81.4%(48/59)
蕁麻疹
61.4%(264/430)
湿疹
62.6%(1,512/2,417)
皮膚炎
67.6%(635/940)
薬疹・中毒疹
87.3%(48/55)
ストロフルス
76.4%(136/178)
口内炎
56.8%(83/146)
ウサギにおけるアルツス反応抑制10),11) 及びシュワルツマン反応抑制10) 等の抗アレルギー作用を有する。また、本剤はコルチゾンの作用に対し、ストレス反応抑制作用を増強、抗肉芽作用及び胸腺萎縮作用に拮抗的に作用し、抗浸出作用に対しては影響を及ぼさなかった12) 。
グリチルリチン酸は、アラキドン酸代謝系の初発酵素であるホスホリパーゼA213),14) とアラキドン酸から炎症性ケミカルメディエーターを産生するリポキシゲナーゼ15) に直接結合する。グリチルリチン酸は、これらの酵素のリン酸化を介する活性化を選択的に阻害する14),15) 。
グリチルリチン酸は、in vitroの実験系において、(1)T細胞活性化調節作用16) 、(2)インターフェロン-γ誘起作用17) 、(3)NK細胞活性化作用18) 、(4)胸腺外Tリンパ球分化増強作用19) 等の作用が示されている。
グリチルリチン酸はラットの初代培養肝細胞を用いたin vitroの実験系で、四塩化炭素による肝細胞障害を抑制することが示されている20) 。
グリチルリチン酸、並びにグリチルレチン酸は、ラットの初代培養肝細胞を用いたin vitroの実験系において、肝細胞の増殖促進作用を有することが示されている21) 。
マウスでのMHV(マウス肝炎ウイルス)の感染実験で、本剤投与により生存日数の延長が認められ、また、ウサギにおけるワクシニアウイルス発痘の阻止実験で発痘を抑制した22) 。また、in vitroの実験系でヘルペスウイルス等の増殖抑制・不活化作用が示されている23),24) 。
グリシン及びL-システイン塩酸塩は、グリチルリチン酸の大量長期投与による電解質代謝異常に基づく偽アルドステロン症の発症を抑制ないし軽減する等の作用を有する25) 。
グリチルリチン酸一アンモニウム(JAN)(Monoammonium glycyrrhizinate)
Monoammonium of 20β-carboxy-11-oxo-30-norolean-12-en-3β-yl-2-O-β-D-glucopyranuronosyl-β-D-glucopyranosiduronic acid
C42H65NO16
839.96
白色の結晶又は結晶性の粉末で強い甘味を有する。アンモニア試液に溶けやすく、希エタノールにやや溶けにくく、水、酢酸(100)には溶けにくく、エタノール(99.5)には極めて溶けにくい。吸湿性である。
208~214℃(分解)
グリシン(JAN)(別名アミノ酢酸)(Glycine, Aminoacetic acid)
Aminoacetic acid
C2H5NO2
75.07
白色の結晶又は結晶性の粉末で、味は甘い。水又はギ酸に溶けやすく、エタノール(95)にほとんど溶けない。結晶多形が認められる。
L-システイン塩酸塩水和物(JAN)(L-Cysteine Hydrochloride Hydrate)
(2R)-2-Amino-3-sulfanylpropanoic acid monohydrochloride monohydrate
C3H7NO2S・HCl・H2O
175.63
白色の結晶又は結晶性の粉末で、特異なにおい及び強い酸味がある。水に極めて溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けやすい。6mol/L塩酸試液に溶ける。
20mL×10管、20mL×30管(ガラスアンプル)
5mL×5管、5mL×50管(ガラスアンプル)
1) Mantovani, A., et al.:Food Chem. Toxicol., 1988; 26: 435-440.
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