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劇薬
処方箋医薬品注)
通常、成人にはベキサロテンとして1日1回300mg/m2(体表面積)を食後経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
体表面積(m2)
カプセル数
0.88-1.12
4
1.13-1.37
5
1.38-1.62
6
1.63-1.87
7
1.88-2.12
8
2.13-2.37
9
2.38-2.62
10
0.88-0.93
2
0.94-1.31
3
1.32-1.68
1.69-2.06
2.07-2.43
2.44-2.62
1
1.13-1.87
1.88-2.62
Grade3以上の副作用が発現した場合(高トリグリセリド血症が発現した場合は以下の〈高トリグリセリド血症への対応〉に従うこと。)
発現時の1日投与量が300mg/m2(体表面積)の場合には、副作用が消失又はGrade1以下に改善するまで休薬し、200mg/m2(体表面積)で投与を再開する。4週間休薬しても、副作用が消失、又はGrade1以下に回復しない場合には、投与を中止する。
発現時の1日投与量が200mg/m2(体表面積)の場合には、副作用が消失又はGrade1以下に改善するまで休薬し、100mg/m2(体表面積)で投与を再開する。4週間休薬しても、副作用が消失、又はGrade1以下に回復しない場合には、投与を中止する。
発現時の1日投与量が100mg/m2(体表面積)の場合には、副作用が消失又はGrade1以下に改善するまで休薬し、100mg/m2(体表面積)で投与を再開する。4週間休薬しても、副作用が消失、又はGrade1以下に回復しない場合には、投与を中止する。
〈高トリグリセリド血症への対応〉血清トリグリセリド値が200mg/dLを超えた場合には、脂質異常症治療薬の処方を考慮する。脂質異常症治療薬による治療を行っても血清トリグリセリド値が400mg/dLを超えている場合には、脂質異常症治療薬の処方を調整する。脂質異常症治療薬の処方を調整しても、血清トリグリセリド値が500mg/dLを超えている場合には投与量を減量する(1日投与量が300mg/m2(体表面積)の場合、順次200mg/m2(体表面積)、100mg/m2(体表面積)へと減量する)。また、血清トリグリセリド値が1,000mg/dLを超えた場合には、本剤を休薬する。休薬後、血清トリグリセリド値が400mg/dL未満で安定した場合には、休薬前より1段階低用量で投与を再開する。4週間休薬しても回復しない場合には、投与を中止する。
GradeはNCI-CTCAE version 4.0による。
膵炎が発現するおそれがある。また、本剤投与による高トリグリセリド血症とともに急性膵炎を発現した例が報告されている。,
投与しないこと。副作用が強くあらわれるおそれがある。
本剤は肝臓で代謝されるため、血中濃度が上昇するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。ラットの胚・胎児発生に関する試験で、外表異常(口蓋裂、眼球膨隆部の陥凹、小耳、耳介低位及び舌突出)、内臓異常(小眼球)、骨格異常・変異(頭蓋骨、椎骨及び胸骨)並びに骨化遅延が認められている。また、ベキサロテンは合成レチノイドであることから、ビタミンA過剰誘発催奇形性のおそれがある。,,
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト乳汁中に移行する可能性がある。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
ビタミンA過剰症と類似した副作用症状を発現するおそれがある。
本剤はビタミンAと同じレチノイドである。
ゲムフィブロジルとの併用により本剤の血中トラフ濃度が約4倍上昇した。本剤の作用が増強するおそれがあるので、CYP2C8阻害作用のない薬剤への代替を考慮すること。やむを得ず併用する際には、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。
CYP2C8の阻害により本剤の代謝が阻害されると考えられる。
本剤との併用によりアトルバスタチンのAUCが約50%低下した。
本剤のCYP3A誘導作用により、併用薬剤の代謝が促進されると考えられる。
糖尿病用薬との併用により、低血糖を発現した例が認められている。
本剤が血糖降下作用を増強する可能性がある。
NB-UVB療法との併用により、光線過敏症を発現した例が認められている。
本剤はin vitro試験(光溶血性試験及びヒスチジン光酸化反応)において光毒性が認められている。
*高トリグリセリド血症(60.4%)、高コレステロール血症(47.9%)、脂質異常症(12.5%)があらわれることがある。
膵炎があらわれることがあり、高トリグリセリド血症とともに急性膵炎を発現した例が報告されている。腹痛等の膵炎を示唆する症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。,
*下垂体性甲状腺機能低下症(83.3%)、低血糖(頻度不明)等の内分泌障害があらわれることがある。内分泌障害により異常が認められた場合には、必要に応じて、内分泌障害の治療に十分な知識と経験を有する医師との連携のもとで適切な処置を行うこと。,
*肝不全(頻度不明)、AST、ALT、総ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害(20.8%)があらわれることがある。
肺炎(頻度不明)、敗血症(頻度不明)等の重篤な感染症があらわれることがある。
肺塞栓症(頻度不明)、心筋梗塞(頻度不明)、脳血管発作(頻度不明)等があらわれることがある。
筋力低下、筋肉痛、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には投与を中止する等、適切な処置を行うこと。
*皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(2.1%)、薬疹(2.1%)等の重度の皮膚障害があらわれることがある。
10%以上
10%未満
頻度不明
*代謝
低HDLコレステロール血症、高カリウム血症、食欲減退、血中コレステロール増加、高尿酸血症、低アルブミン血症、高脂血症、低比重リポ蛋白増加
食欲不振、低蛋白血症
*血液
リンパ球数減少、血小板数増加、血小板増加症、活性化部分トロンボプラスチン時間延長
末梢性浮腫、骨髄機能不全、リンパ節症、白血球増加症、好酸球増加症
内分泌
血中甲状腺刺激ホルモン減少、サイロキシン減少、遊離サイロキシン減少
甲状腺機能低下症
*循環器
洞性不整脈、深部静脈血栓症、心電図QT延長
*胃腸障害
悪心、嘔吐、腹痛、便秘、上腹部痛、下痢、血便排泄、口内炎、口腔粘膜剥脱、歯の異常感覚
*皮膚
そう痒症、ざ瘡、脱毛症、皮膚炎、皮膚乾燥、爪甲剥離症、光線過敏症注1) 、皮脂欠乏症
発疹、皮膚障害、剥脱性皮膚炎、皮膚剥脱
腎臓
腎機能障害、血中クレアチニン増加
血中尿素窒素増加
*その他
倦怠感
頭痛、味覚障害、片耳難聴、咳嗽、筋痙縮、不安、無感情、不眠症、白内障注2) 、緑内障、虹彩毛様体炎、耳管開放、発声障害、鼻漏、喀痰増加、脂肪肝、背部痛、胸部不快感、状態悪化、顔面浮腫、浮腫、発熱、非心臓性胸痛、疾患前駆期、凍瘡
無力症、ホルモン値変動/ホルモン値異常、疼痛、感染/細菌感染、悪寒
海外臨床試験において、1日300mg/m2(体表面積)を超える用量を反復投与した際に、高コレステロール血症、白血球減少症、下痢等の発現率が高くなったとの報告がある。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
海外において本剤投与後に有棘細胞癌及び基底細胞癌の発現が報告されている。
投与量(mg/m2/day)
150
300
例数
AUC0-24(ng・h/mL)
7767±3071
20476±7603
Cmax(ng/mL)
1512±547
3628±1370
Tmax(h)
3.3±1.1
3.7±0.8
t1/2(h)
2.7±0.2
3.2±0.7
平均値±標準偏差
CTCL患者に本剤150又は300mg/m2(体表面積)を食後に単回又は反復投与した時、単回投与時と比較して反復投与時の曝露量は低下し、AUC0-24に基づく累積係数は開始用量に係らず0.5であった。
3831±2105
10815±3541
777±545
2475±799
4.1±0.1
2.5±0.9
3.7±0.9
4.2±1.1
健康成人(12例)に本剤75mgを絶食下に単回投与、健康成人(24例)に本剤400mg/m2注3) を食事中又は食直後に単回投与、及びCTCL患者(9例)に本剤150又は300mg/m2を食後に単回投与した際の薬物動態データを比較した結果、実投与量により補正した本剤のCmax及びAUCinfは、絶食下投与と比較して、食事中又は食直後投与でそれぞれ6.1及び7.5倍、並びに食後投与でそれぞれ7.0及び9.0倍高値を示した。
食事条件
実投与量により補正したCmax(ng/mL)
実投与量により補正したAUCinf(ng・h/mL)
絶食下
12
1.03±0.67
4.43±1.99
食事中又は食直後
24
6.32±2.11
33.14±11.97
食後
7.25±3.02
39.68±16.84
0.005~5μg/mLの濃度範囲において、ベキサロテンのヒト血漿蛋白結合率は99.8~99.9%であった4) (In vitro)。
健康成人(24例)に本剤400mg/m2注3) 及びケトコナゾール(CYP3A阻害剤)400mgを併用投与したとき、本剤単独投与時に対するケトコナゾール併用投与時のCmax及びAUCinfの幾何平均値の比[90%CI]は、それぞれ0.925[0.815, 1.049]及び0.935[0.840, 1.040]であった3) 。本剤はin vitroでCYP2C8及びCYP2C9を阻害し、阻害定数はそれぞれ1.43μM及び29μMであった7) 。
未治療を含む病期IIB期以上(IIB~IVB期)、並びに病期IB及びIIA期で標準的初回治療に対して難治性のCTCL患者(ただし、成人T細胞白血病リンパ腫は組み入れ対象から除外した)を対象とした国内第I/II相試験において、13例(第I相部分:6例、第II相部分:7例)に本剤300mg/m2を1日1回、最大24週間、食後に経口投与した。主要評価項目である、投与開始から24週時点又は中止時におけるmodified Severity Weighted Assessment Tool(mSWAT)に基づいた奏効(完全寛解+部分寛解)率は61.5%(8/13例)であり、病期別及び組織型別での奏効率は下表の通りであった1) 。なお、病期IIA、IIIB及びIVA期の患者は組み入れ対象であったが結果的に組み入れられなかった。未治療の患者は1/13例(病期IIB期、菌状息肉症)組み入れられたが、奏効が得られなかった。
寛解例数/評価例数
奏効(CR+PR)注)率(95%信頼区間)(%)
全体
8/13
61.5%(31.6, 86.1)
病期別
IB
3/5
60.0%(14.7, 94.7)
IIB
2/4
50.0%(6.8, 93.2)
IIIA
3/3
100.0%(29.2, 100.0)
IVB
0/1
0.0%(0.0, 97.5)
組織型別
菌状息肉症
8/12
66.7%(34.9, 90.1)
未分化大細胞型リンパ腫
注)mSWATによる評価で完全寛解(CR)又は部分寛解(PR)であった患者
CTCL患者を対象とした国内第I/II相試験において、300mg/m2群13例中13例(100%)に副作用(臨床検査値の変動を含む)が認められた。主な副作用は、甲状腺機能低下症12例(92.3%)、高コレステロール血症及び高トリグリセリド血症各10例(76.9%)、好中球減少症及び白血球数減少各5例(38.5%)、白血球減少症4例(30.8%)、貧血及び好中球数減少各3例(23.1%)、頭痛、悪心、嘔吐及び倦怠感各2例(15.4%)であった。(承認時)
*皮膚病変を有する成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)患者注4) を対象とした国内第II相試験において、17例に本剤300mg/m2を1日1回、最大24週間、食後に経口投与した。また、本剤300mg/m2を24週間投与した後に一定の有効性が認められ注5) 、かつ被験者が投与継続を希望した場合には24週以降も投与を継続した。主要評価項目であるmSWATによる奏効(完全寛解+部分寛解)率(総合最良効果)は70.6%(12/17例)であり、効果判定の内訳は下表の通りであった8) 。
奏効(CR+PR)注)率(総合最良効果)(95%信頼区間)(%)
12/17
70.6%(46.9, 86.7)
病型別
インドレントATL
10/14
71.4%
アグレッシブATL
2/3
66.7%
ATL患者を対象とした国内第II相臨床試験において、安全性評価対象32例中31例(96.9%)に副作用(臨床検査値の変動含む)が認められた。主な副作用は、甲状腺機能低下症24例(75.0%)、高トリグリセリド血症17例(53.1%)、高コレステロール血症10例(31.3%)、好中球減少症6例(18.8%)、脂質異常症及び肝機能異常5例(15.6%)、低HDLコレステロール血症及び白血球数減少4例(12.5%)、白血球減少症、倦怠感及び好中球数減少3例(9.4%)、貧血、高カリウム血症、頭痛、味覚障害、咳嗽、腹痛、便秘、そう痒症、筋痙縮、血中コレステロール増加、血中クレアチンホスホキナーゼ増加及びリンパ球数減少が各2例(6.3%)であった9) 。
ベキサロテンは、レチノイドX受容体(RXRα、RXRβ及びRXRγ)に結合し、転写を活性化することにより、アポトーシス誘導及び細胞周期停止作用を示し、腫瘍増殖を抑制すると推測されている10),11),12),13),14) 。
*ベキサロテンは、ヒトCTCL由来HH及びHuT78細胞株、並びにヒトATL由来ATN-1細胞株の増殖を抑制した12),13),14) 。
*ベキサロテンは、HH細胞株を皮下移植した重症複合型免疫不全マウス及びATN-1細胞株を皮下移植した非肥満型糖尿病/重症複合型免疫不全マウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した15),16) 。
ベキサロテン(Bexarotene)(JAN)
4-[1-(3,5,5,8,8-Pentamethyl-5,6,7,8-tetrahydronaphthalen-2-yl)ethenyl]benzoic acid
C24H28O2
348.48
白色の粉末である。N, N-ジメチルホルムアミドに溶けやすく、メタノール又はエタノール(95)に溶けにくく、アセトニトリルに極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
約225~227℃
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
14カプセル[14カプセル(PTP)×1]
1) 社内資料:国内第I/II相試験(B-1101試験)(2016年1月22日承認、CTD 2.7.6.6)
2) 社内資料:海外第I相試験(2016年1月22日承認、CTD 2.7.6.10)
3) 社内資料:薬物動態試験(L1069-61試験)(2016年1月22日承認、CTD 2.7.6.5)
4) 社内資料:ヒト血漿蛋白結合試験(2016年1月22日承認、CTD 2.6.4.4.2)
5) 社内資料:ヒト肝ミクロソームCYP同定試験(2016年1月22日承認、CTD 2.6.4.5.3)
6) 社内資料:海外第II相試験(L1069DM-01試験)(2016年1月22日承認、CTD 2.7.6.1)
7) 社内資料:ヒト肝ミクロソームCYP阻害試験(2016年1月22日承認、CTD 2.6.4.5.4)
8) *社内資料:国内第II相試験(B-1801試験)(2024年6月24日承認、CTD 2.7.6.1)
9) *社内資料:国内第II相試験(B-1901試験)(2024年6月24日承認、CTD 2.7.6.2)
10) 社内資料:RXR結合性試験(2016年1月22日承認、CTD 2.6.2.2.1)
11) Qin, S., et al.:J. Steroid Biochem. Mol. Biol. 2008;112:25-31.
12) 社内資料:In vitro抗腫瘍試験(2016年1月22日承認、CTD 2.6.2.2.3)
13) *社内資料:In vitro抗腫瘍試験(2024年6月24日承認、CTD 2.6.2.2.1)
14) Zhang, C., et al.:Clin. Cancer Res. 2002;8:1234-1240.
15) 社内資料:In vivo抗腫瘍試験(2016年1月22日承認、CTD 2.6.2.2.3)
16) *社内資料:In vivo抗腫瘍試験(2024年6月24日承認、CTD 2.6.2.2.1)
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