当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
劇薬
処方箋医薬品注)
本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識と経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、本剤による治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫
通常、成人には、プララトレキサートとして、1日1回30mg/m2(体表面積)を3~5分間かけて、週1回、静脈内投与する。これを6週連続で行い、7週目は休薬する。これを1サイクルとして、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
項目
程度*
粘膜炎
Grade 1以下
血小板数
初回投与時は10万/μL以上、2回目投与時以降は5万/μL以上
好中球数
1,000/μL以上
*:GradeはNCI-CTCAE v3.0による。
処置
Grade 2
Grade 3
Grade 4
5万/μL未満
500/μL以上1,000/μL未満(発熱なし)
500/μL以上1,000/μL未満(発熱あり)又は500/μL未満
上記以外
骨髄機能低下が悪化し、重篤化するおそれがある。,
本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること。本剤の血中濃度が上昇することが報告されている。
妊娠可能な女性及びパートナーが妊娠する可能性のある男性に対しては、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット及びウサギ)において胚・胎児毒性(胚・胎児死亡数及び着床後胚損失率の高値等)が認められている。,,
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト乳汁中への移行は不明である。
小児等を対象とした臨床成績は実施していない。
患者の状態を観察しながら投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
プロベネシド
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、併用を避け、代替の治療薬への変更を考慮すること。併用が必要な場合は、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
機序は不明である。
血小板減少症(43.0%)、貧血(ヘモグロビン減少を含む)(34.9%)、好中球減少症(27.5%)、白血球減少症(18.8%)、リンパ球減少症(15.4%)、発熱性好中球減少症(4.0%)等があらわれることがある。,
細菌、真菌又はウイルスによる重篤な感染症(敗血症(2.7%)、帯状疱疹(2.7%)、肺炎(2.0%)、ニューモシスチス肺炎(1.3%)等)があらわれることがある。
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)、多形紅斑(頻度不明)、皮膚潰瘍(4.7%)等の重度の皮膚障害があらわれることがある。
異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。
10%以上
5%~10%未満
5%未満
精神・神経系
頭痛
味覚異常、不眠症、錯感覚、浮動性めまい、うつ病、感覚鈍麻、末梢性ニューロパチー、蟻走感、記憶障害、神経痛、末梢性感覚ニューロパチー、感覚消失、失神、不安、激越、錯乱状態、妄想
血液・リンパ系
リンパ節痛、脾腫、好酸球増加症、白血球数増加
循環器(心・血管系)
頻脈、心肺停止、心拡大、駆出率減少、低血圧、頚静脈血栓症、鎖骨下静脈血栓症、血圧上昇
呼吸器
鼻出血
咽喉頭疼痛、咳嗽、呼吸困難
発声障害、咽頭の炎症、咽喉乾燥、胸水、湿性咳嗽、しゃっくり、低酸素症、肺硬化、鼻閉、胸膜痛、肺うっ血、肺塞栓症、逆流性喉頭炎、鼻漏、頻呼吸、咽喉絞扼感、鼻の炎症、上気道の炎症
消化器
悪心、嘔吐、下痢、便秘
上腹部痛
口腔内痛、胃食道逆流性疾患、腹部不快感、口唇炎、肛門の炎症、口の感覚鈍麻、腹痛、口渇、消化不良、痔核、鼓腸、胃炎、食道炎、口唇症、口唇乾燥、嚥下障害、歯肉浮腫、歯肉痛、痔出血、口唇障害、口唇痛、口唇潰瘍、嚥下痛、食道痛、口腔障害、口腔粘膜紅斑、膵炎、口の錯感覚、肛門周囲紅斑、直腸出血、舌変色、歯痛、早期満腹、腹部膨満、口角口唇炎、心窩部不快感、軟便、齲歯
眼
眼刺激、眼充血、流涙増加、結膜充血、霧視、結膜炎、眼乾燥、眼瞼紅斑、眼そう痒症、眼瞼浮腫、眼瞼下垂、眼瞼そう痒症、光視症、強膜充血、ぶどう膜炎、視力低下
耳
耳鳴、難聴、聴力低下、回転性めまい
筋・骨格系
四肢痛
筋痙縮、筋肉痛、背部痛、関節痛、筋骨格痛、頚部痛、肋軟骨炎、関節硬直、関節腫脹、筋骨格系胸痛、筋骨格不快感、筋骨格硬直、肉離れ
腎臓・泌尿器
腎不全、排尿躊躇、血中クレアチン増加、頻尿、腎機能障害、血中クレアチニン増加
乳房・生殖器
亀頭包皮炎、性器発疹、性器潰瘍形成、外陰腟そう痒症、包茎、精巣痛
代謝
食欲減退、低カリウム血症、体重減少
低マグネシウム血症、高カリウム血症、高尿酸血症、脱水、低リン酸血症、細胞死、高カルシウム血症、高血糖、低血糖、血中尿酸増加、血中カリウム減少、血中ブドウ糖増加、血中リン増加、体重増加、低アルブミン血症
*肝臓
ALT増加、AST増加
高ビリルビン血症、胆管炎、肝脾腫大、血中ビリルビン増加、肝機能検査異常、血中アルカリホスファターゼ増加、血中乳酸脱水素酵素増加、γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加、肝機能検査値上昇
投与部位
注入に伴う反応、注射部位反応
*その他
末梢性浮腫、発熱、疲労
粘膜の炎症
無力症、顔面浮腫、寝汗、疼痛、腋窩痛、悪寒、インフルエンザ様疾患、限局性浮腫、局所腫脹、粘膜乾燥、挫傷、擦過傷、胸痛、肛門性器疣贅、倦怠感、浮腫、湿疹
本剤の遺伝毒性試験のうち、ラット小核試験の用量設定試験で陽性を示唆する結果が報告されている。また、他の葉酸代謝拮抗剤を用いたマウス小核試験で陽性の結果が報告されている。
日本人再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫患者6例に、ビタミンB12及び葉酸併用下で、本剤30mg/m2を3~5分間かけて静脈内投与したときの本剤(S-ジアステレオマー(PDX-10a)及びR-ジアステレオマー(PDX-10b))の薬物動態パラメータ及び血漿中濃度推移を以下に示す。いずれのジアステレオマーも、単回投与(第1サイクルVisit 1)及び反復投与(第1サイクルVisit 6)後の薬物動態パラメータに顕著な差はなく、本剤の週1回投与による蓄積はみられなかった。
Cmax(ng/mL)
AUCinf(ng/mL・分)
CLtot(mL/分)
t1/2(分)
t1/2term(分)
PDX-10a
単回投与(N=6)
2945±2035
94500±68300
367±170
12±4
1198±954
反復投与(N=5)
2729±1093
75600±27500
379±115
10±2
1398±855
PDX-10b
3888±2094
178000±78100
166±59.6
20±15
718±435
3754±985.9
156000±30600
173±32.6
14±1
1006±503
平均値±標準偏差t1/2term:終末相半減期
本剤の定常状態における分布容積は102±138 L(PDX-10a)及び30.0±20.1 L(PDX-10b)であった。In vitroでのヒト血漿蛋白結合率は約67%~86%であった。
ヒト肝細胞、ヒト肝ミクロソーム、S9分画、CYP発現系及びモノアミンオキシダーゼ発現系を用いたin vitro試験では、本剤の代謝物は検出されず、本剤は広範な代謝を受けないことが示唆された。
正常な腎機能又は軽度から重度の腎機能障害を有する進行がん患者に本剤を静脈内投与したときの薬物動態パラメータを以下に示す。(外国人における成績)
腎機能
投与量(mg/m2)
正常(n=6)
30
2365±1247
99786±28197
293±99
1312±459
軽度(n=7)
2976±2145
126002±56997
245±81
1376±739
中等度(n=6)
2805±460
117958±69576
302±119
1413±827
重度(n=6)
15注2)
1672±814
87830±29490
173±53
1591±830
2942±1193
164871±35807
171±43
967±557
3664±2022
238252±80060
122±28
1072±415
3228±644
214821±93576
154±50
704±378
1915±856
179136±63066
88±30
1310±884
平均値±標準偏差t1/2term:終末相半減期腎機能(推算糸球体濾過量):正常(90mL/分/1.73m2以上)、軽度(60mL/分/1.73m2以上90mL/分/1.73m2未満)、中等度(30mL/分/1.73m2以上60mL/分/1.73m2未満)、重度(15mL/分/1.73m2以上30mL/分/1.73m2未満)
外国人進行固形癌患者17例に本剤40mg/m2注2)とプロベネシド(70mg/m2~233mg/m2)を併用したとき、プロベネシドの用量漸増に伴い、t1/2は1.8時間から3.4時間に延長し、本剤のラセミ体のAUCは27%増大した。
in vitro試験において、本剤はMRP3を阻害した(IC50値0.3μmol/L未満)。注2)承認用法・用量は30mg/m2を週1回6週連続投与し1週休薬
再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫患者注3)25例(第Ⅰ相部分:3例、第Ⅱ相部分:22例)に、ビタミンB12及び葉酸注4)併用下で、本剤30mg/m2を週1回6週連続投与し1週休薬する7週間を1サイクルとして、投与を繰り返した。第Ⅱ相部分の有効性解析対象20例における奏効率は45.0%(9/20例、完全奏効2例、部分奏効7例)(90%信頼区間:25.9~65.3%)であった。WHO分類第4版に基づく病理組織型別の奏効率を以下に示す。注3)対象とされた病理組織型は、末梢性T細胞リンパ腫、非特定型(PTCL-NOS)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)、ALK陰性未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)、ALK陽性ALCL、節外性NK/T細胞リンパ腫、鼻型、形質転換菌状息肉症、腸管症関連T細胞リンパ腫、肝脾T細胞リンパ腫及び皮下脂肪組織炎様T細胞リンパ腫。
病理組織型
第Ⅰ相部分+第Ⅱ相部分
第Ⅱ相部分
奏効例数/対象例数
奏効率(%)(90%信頼区間)
合計
11/23
47.8(29.6~66.5)
9/20
45.0(25.9~65.3)
PTCL-NOS
6/12
50.0(24.5~75.5)
5/10
50.0(22.2~77.8)
AITL
4/9
44.4(16.9~74.9)
ALK陰性ALCL
1/2
50.0(2.5~97.5)
0/1
-
注4)本剤初回投与日の10日以上前から投与することとされた。安全性評価対象25例中、25例(100%)に副作用が認められた。主な副作用(30%以上)は、口内炎84.0%(21例)、血小板減少症64.0%(16例)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)増加60.0%(15例)、貧血(ヘモグロビン減少を含む)60.0%(15例)、リンパ球減少症52.0%(13例)、好中球減少症44.0%(11例)、白血球減少症44.0%(11例)及びアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)増加40.0%(10例)であった。
再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫患者111例に、ビタミンB12及び葉酸併用下で、本剤30mg/m2を週1回6週連続投与し1週休薬する7週間を1サイクルとして、投与を繰り返した。有効性解析対象109例における奏効率は29.4%(32/109例、完全奏効11例、不確定完全奏効1例、部分奏効20例)(95%信頼区間:21.0%~38.8%)であった。安全性評価対象111例中、106例(95.5%)に副作用が認められた。主な副作用(25%以上)は、口内炎66.7%(74例)、血小板減少症39.6%(44例)、悪心33.3%(37例)、貧血(ヘモグロビン減少を含む)32.4%(36例)、疲労29.7%(33例)であった。
再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫患者13例に、ビタミンB12及び葉酸注5)併用下で、本剤30mg/m2を週1回6週連続投与し1週休薬する7週間を1サイクルとした。本試験における本剤及びホリナートの投与期間は第1サイクルまでとされた。本剤の初回投与時は本剤投与24時間後からホリナート1回25mgを8時間ごとに6回経口投与した。本剤の2回目投与以降は、ホリナート25mg(前回の本剤投与時に口内炎が発現した場合)又はホリナート15mg(前回の本剤投与時に口内炎が発現しなかった場合)を、本剤投与24時間後から8時間ごとに6回経口投与することとされ、ホリナート投与から次の本剤投与までの間隔は72時間以上あけることとされた。主要評価項目である第1サイクル中に発現したグレード2以上の口内炎の発現率は7.7%(1/13例)(90%信頼区間:0.4~31.6%)であった。副次評価項目である奏効率は38.5%(5/13例、完全奏効2例、部分奏効3例)(95%信頼区間:13.9~68.4%)であった。安全性評価対象13例中、11例(84.6%)に副作用が認められた。主な副作用(30%以上)は、リンパ球減少症61.5%(8例)、白血球減少症38.5%(5例)、血小板減少症30.8%(4例)であった。注5)本剤初回投与日の7日以上前から投与することとされた。
プララトレキサートは、葉酸からジヒドロ葉酸、及びジヒドロ葉酸からテトラヒドロ葉酸への還元反応を触媒するジヒドロ葉酸還元酵素を競合的に阻害することにより、腫瘍細胞のDNA合成を阻害し、腫瘍の増殖を抑制すると考えられている。4)
プララトレキサート(Pralatrexate)
N-{4-[(2RS)-1-(2,4-Diaminopteridin-6-yl)pent-4-yn-2-yl]benzoyl}-L-glutamic acid
C23H23N7O5
477.47
微黄白色~黄色の固体
216~220℃
中性では0.025及びモノアニオン性では0.011である。
水、クロロホルム及びエタノール(95)中に極めて溶けにくい。
本剤の包装を開封した後も、バイアルを箱に入れて保管すること。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
1バイアル
1) 社内資料(日本人再発・難治性末梢性T細胞リンパ腫患者を対象としたPDXの第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験、PDX-JP1試験)(2017年7月3日承認、CTD2.7.6.2.1.1)
2) O’Connor OA., et al. :J Clin Oncol. 2011;29:1182-9
3) *社内資料(再発・難治性末梢性T細胞リンパ腫患者を対象としたプララトレキサートとロイコボリン併用の第Ⅱ相臨床試験、PDX-LV試験)
4) Sirotnak FM., et al. :Cancer Chemother Pharmacol. 1998;42:313-8
ムンディファーマ株式会社 お客様相談室
〒108-6019 東京都港区港南2-15-1
電話 0120-525-272
ムンディファーマ株式会社
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.