医療用医薬品 詳細表示

ムンデシンカプセル100mg

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
1.警告
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能・効果
5.効能・効果に関連する注意
6.用法・用量
7.用法・用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.2吸収
16.3分布
16.4代謝
16.5排泄
16.6特定の背景を有する患者
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
21.承認条件
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

ムンデシンカプセル100mg

添付文書番号

4291050M1027_1_03

企業コード

770098

作成又は改訂年月

2022年7月改訂(第2版)
2020年9月改訂

日本標準商品分類番号

874291

薬効分類名

抗悪性腫瘍剤/PNP1)阻害剤
1) Purine Nucleoside Phosphorylase

承認等

ムンデシンカプセル100mg

販売名コード

YJコード

4291050M1027

販売名英語表記

mundesine Capsule 100mg

販売名ひらがな

むんでしんかぷせる100mg

承認番号等

承認番号

22900AMX00532000

販売開始年月

2017年5月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

4年

一般的名称

フォロデシン塩酸塩

1. 警告

本剤は,緊急時に十分対応できる医療施設において,造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識と経験を持つ医師のもとで,本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また,本剤による治療開始に先立ち,患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し,同意を得てから投与を開始すること。

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

ムンデシンカプセル100mg

有効成分・含量
(1カプセル中)
  フォロデシン塩酸塩113.6mg(フォロデシンとして100.0mg)
添加物  結晶セルロース,ヒプロメロース,クロスカルメロースナトリウム,ステアリン酸マグネシウム
カプセル本体にゼラチン,ラウリル硫酸ナトリウム,酸化チタン,黄色三二酸化鉄を含有

3.2 製剤の性状

ムンデシンカプセル100mg

色・剤形頭部黄色,胴部淡黄色の硬カプセル剤
外形
大きさ長径19.4mm,短径6.9mm,質量約326mg,1号カプセル
識別コードMKK211

4. 効能・効果

再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫

5. 効能・効果に関連する注意

  1. 5.1 本剤投与の適応となる疾患の診断は,病理診断に十分な経験を持つ医師又は施設により行うこと。
  2. 5.2 臨床試験に組み入れられた患者の病理組織型等について,「17.臨床成績」の内容を熟知し,本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で,適応患者の選択を行うこと。

6. 用法・用量

通常,成人にはフォロデシンとして1回300mgを1日2回経口投与する。なお,患者の状態により適宜減量する。

7. 用法・用量に関連する注意

  1. 7.1 他の抗悪性腫瘍剤との併用について,有効性及び安全性は確立していない。
  2. 7.2 本剤の投与により副作用が発現した場合には,以下の基準を目安に,本剤の休薬等を考慮すること。
    <本剤の休薬・減量・中止の基準>

    副作用

    処置

    Grade3以上の非血液毒性
    Grade4の好中球減少及び血小板減少

    • 副作用が回復するまで休薬し,再開する場合には本剤の減量を考慮する。なお,減量後に再度増量はしないこと。
    • 減量しても投与再開後に左記の副作用が発現した場合には本剤の投与を中止する。

    *GradeはNCI-CTCAE v4.0による

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 骨髄抑制があらわれることがあるので,本剤の投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行い,患者の状態を十分に観察すること。,
  2. 8.2 本剤投与により,重篤な感染症や日和見感染が発現又は増悪することがあり,B型肝炎ウイルス,帯状疱疹ウイルス等が再活性化するおそれがあるので,本剤投与に先立って肝炎ウイルス等の感染の有無を確認し,本剤投与前に適切な処置を行うこと。本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること。,

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 感染症を合併している患者

    感染症が増悪するおそれがある。,

  2. 9.1.2 重篤な骨髄機能低下のある患者

    リンパ球減少,好中球減少及び血小板減少が増悪するおそれがある。,

9.2 腎機能障害患者

本剤の減量を考慮するとともに,患者の状態をより慎重に観察し,有害事象の発現に十分注意すること。本剤の血中濃度が上昇することが報告されている。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が胎児への危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラット及びウサギ胚・胎児発生に関する試験では,臨床曝露量(AUC)の約12.1倍及び1.1倍で骨化遅延が認められた。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続又は中止を検討すること。乳汁中に移行する可能性がある。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床成績は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 感染症

    帯状疱疹(14.6%),サイトメガロウイルス感染(10.4%),肺炎(8.3%),ニューモシスチス・イロベチイ肺炎(2.1%),帯状疱疹性髄膜炎(2.1%)等の感染症があらわれることがある。また,B型肝炎ウイルス等の再活性化があらわれることがある。,

  2. 11.1.2 骨髄抑制

    リンパ球減少(97.9%),白血球減少(60.4%),貧血(35.4%),好中球減少(33.3%),血小板減少(14.6%)等の骨髄抑制があらわれることがある。,

  3. 11.1.3 エプスタイン・バーウイルス(EBV)関連悪性リンパ腫(8.3%)

11.2 その他の副作用

10%以上

5%~10%未満

5%未満

頻度不明

精神・神経系

頭痛,不眠症

ヘルペス後神経痛,抑うつ症状,浮動性めまい,味覚異常,痙攣発作,強直性痙攣,末梢性感覚ニューロパチー,感覚鈍麻,末梢性ニューロパチー,末梢性運動ニューロパチー

血液・リンパ系

リンパ節炎,好酸球増加,白血球増加,血中免疫グロブリンA減少,血中免疫グロブリンE減少,血中免疫グロブリンG減少,血中免疫グロブリンM減少,免疫グロブリン減少

呼吸器

咳嗽,低酸素症,鼻炎,気管支炎

喉頭炎,上気道の炎症,口腔咽頭不快感

心・血管系

心不全,うっ血性心不全

消化器

便秘

悪心,口内炎

胃腸炎,口唇炎,下痢,口内乾燥,小腸穿孔,嘔吐,心窩部不快感

上腹部痛,消化不良,胃潰瘍

内分泌

甲状腺機能低下症

皮膚

発疹

そう痒症

毛包炎,皮膚炎,水疱性皮膚炎,皮膚乾燥,湿疹,紅斑,嵌入爪,陰茎潰瘍形成,乾癬,脂漏性皮膚炎,中毒性皮疹,多形紅斑,膿疱性乾癬,斑状丘疹状皮疹

眼の異常感,眼精疲労,アレルギー性結膜炎,眼そう痒症,結膜炎

筋・骨格系

筋力低下,関節痛,背部痛,滑液包炎,筋痙縮,筋攣縮

泌尿器

尿中蛋白陽性

出血性膀胱炎,蛋白尿,腎機能障害,膀胱炎,尿中血陽性,血中クレアチニン増加,血中尿素増加

排尿困難

代謝

低アルブミン血症

糖尿病,高カリウム血症,低カリウム血症,低ナトリウム血症,低リン酸血症,血中トリグリセリド増加,総蛋白減少

低蛋白血症

肝臓

ALT(GPT)増加,AST(GOT)増加

血中ビリルビン増加,肝機能異常,γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加,B型肝炎DNA測定陽性

肝機能検査値異常,血中乳酸脱水素酵素増加

その他

倦怠感,発熱

末梢性浮腫,体重減少,過敏症,疲労,食欲減退,浮腫,限局性浮腫,血圧上昇,血中アルカリホスファターゼ増加,C-反応性蛋白増加

異常感,血圧低下,腫瘍疼痛

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

国内外の臨床試験において,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫等の悪性腫瘍(二次発がん)の発現が報告されている。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 単回及び反復投与

    日本人の末梢性T細胞リンパ腫患者7例に本剤300mgを1日2回反復経口投与したときの,投与1日目及び15日目における薬物動態パラメータ及び血漿中フォロデシン濃度推移は以下のとおりであった。

    薬物動態
    パラメータ

    投与1日目
    (7例)

    投与15日目
    (7例)

    Cmax(ng/mL)
    平均値±標準偏差

    450±156

    699±157

    tmax(h)
    中央値(範囲)

    4(4-6)

    4(2-6)

    AUC(ng・hr/mL)
    平均値±標準偏差

    3540±1250

    6520±1660

    投与1日目のAUCは,投与0~12時間後の測定時点のデータを用いて算出した。
    投与15日目のAUCは,投与間隔を12時間とした場合の定常状態でのデータを用いて算出した。

    再発又は難治性の日本人末梢性T細胞リンパ腫患者に本剤300mgを1日2回反復経口投与した時の血漿中フォロデシン濃度の推移(平均値±標準偏差)

16.2 吸収

  1. 16.2.1 食事の影響

    外国人の健康成人に本剤300mgを絶食下及び食後経口投与注3)したときの絶対的バイオアベイラビリティは,絶食下で19.5%,食後経口で23.2%であった。食後投与では絶食下投与に比べて最高濃度(Cmax)及びAUCはそれぞれ13%及び18%増加する傾向が認められた。

16.3 分布

本剤の血漿タンパク結合率をin vitroで評価したところ,0.1~100μmol/Lの濃度範囲で0.2%~32%であった。

16.4 代謝

本剤はヒト肝ミクロソーム中で安定であったことから,ほとんど代謝されないと考えられた。

16.5 排泄

外国人の健康成人に本剤300mgを絶食下及び食後に単回経口投与注3)したときの,投与72時間後までの本剤の尿中排泄率は,絶食下で12.5%,食後投与で14.1%であった。また,外国人の健康成人に本剤40mg/m2を単回静脈内投与したときの,投与72時間後までの本剤の尿中排泄率は91.0%であった。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1 腎機能障害患者における薬物動態

    外国人の腎機能障害患者に本剤100mgを単回経口投与注3)したとき,腎機能の低下とともにAUCが増加し,高度腎機能障害患者では正常被験者の1.8倍であった。

    外国人腎機能障害患者に本剤100mgを単回経口投与した時の薬物動態パラメータ

    薬物動態
    パラメータ

    腎機能
    正常
    (9例)

    軽度
    腎機能
    障害
    (8例)

    中等度
    腎機能
    障害
    (3例)

    高度
    腎機能
    障害
    (5例)

    Cmax(ng/mL)
    平均値±標準偏差

    214±134

    248±90.8

    218±72.6

    257±115

    tmax(h)
    中央値(範囲)

    3(2-48)

    2(2-5)

    5(2-6)

    4(3-12)

    AUClast(ng・hr/mL)
    平均値±標準偏差

    8949±3227.5

    11640±2457.3

    13183±2093.6

    16382±2950.4

    注3)承認用法・用量は300mgを1日2回反復経口投与

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国内第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験(FDS-J02試験)1)

    直近の治療で部分奏効以上が認められた,再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫注4)患者48例(第Ⅰ相部分4例,第Ⅱ相部分44例)を対象に,本剤300mgを1日2回経口投与した。第Ⅱ相部分の有効性解析対象41例における奏効は9例に認められ,主要評価項目とされた奏効率は,22.5%(90%信頼区間:12.0%~35.3%)と推定された(一様最小分散不変推定量)。
    また,第Ⅰ相部分及び第Ⅱ相部分を合わせた有効性の解析対象45例を対象とした病理組織型別の奏効率は,下表のとおりであった。
    注4)対象とされた病理組織型は,末梢性T細胞性リンパ腫,非特定型(PTCL-NOS),血管免疫芽球性T細胞性リンパ腫(AITL),ALK陽性未分化大細胞型リンパ腫(ALCL),ALK陰性ALCL,節外性NK/T細胞リンパ腫,鼻型,形質転換菌状息肉症,腸管症関連T細胞リンパ腫,肝脾T細胞リンパ腫及び皮下脂肪組織炎様T細胞リンパ腫。

    対象例数

    完全
    奏効

    部分
    奏効

    奏効
    例数

    奏効率
    (95%信頼区間)(%)

    合計

    45

    4

    6

    10

    22.2
    (11.2~37.1)

    PTCL-NOS

    22

    2

    2

    4

    18.2
    (5.2~40.3)

    AITL

    18

    2

    4

    6

    33.3
    (13.3~59.0)

    ALK陰性ALCL

    2

    0

    0

    0

    0
    (0~84.2)

    ALK陽性ALCL

    1

    0

    0

    0

    0
    (0~97.5)

    節外性NK/T細胞リンパ腫,鼻型

    1

    0

    0

    0

    0
    (0~97.5)

    形質転換菌状息肉症

    1

    0

    0

    0

    0
    (0~97.5)

    安全性評価対象48例中,48例(100%)に副作用が認められた。主な副作用(10%以上)は,リンパ球減少47例(97.9%),白血球減少29例(60.4%),貧血17例(35.4%),好中球減少16例(33.3%),鼻咽頭炎8例(16.7%),頭痛8例(16.7%),帯状疱疹7例(14.6%),低アルブミン血症7例(14.6%),発疹7例(14.6%),血小板減少7例(14.6%),アラニンアミノトランスフェラーゼ増加7例(14.6%),アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加7例(14.6%),尿中蛋白陽性7例(14.6%),便秘6例(12.5%),サイトメガロウイルス感染5例(10.4%),不眠症5例(10.4%)であった。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

フォロデシンは,PNPを阻害し,細胞内に蓄積された2’-デオキシグアノシン(dGuo)がリン酸化され,2’-デオキシグアノシン三リン酸(dGTP)が蓄積されることにより,アポトーシスを誘導し,腫瘍の増殖を抑制すると考えられている。フォロデシンは,ヒト赤血球由来PNPを阻害し,そのIC50(50%阻害濃度)値は1.19nmol/Lであった。2)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

フォロデシン塩酸塩(JAN)forodesine(INN)

化学名

7-[(2S,3S,4R,5R)-3,4-Dihydroxy-5-(hydroxymethyl)pyrrolidin-2-yl]-1,5-dihydro-4H-pyrrolo[3,2-d]pyrimidin-4-one monohydrochloride

分子式

C11H14N4O4・HCl

分子量

302.71

性状

白色から微褐白色の粉末

化学構造式

融点

約294℃(分解)

分配係数

n-オクタノール/水分配係数はlog P=-3.42である。

溶解性

水にやや溶けやすく,ジメチルスルホキシドに溶けにくく,N,N-ジメチルホルムアミド及びエタノール(99.5)にほとんど溶けない。

20. 取扱い上の注意

小児の手の届かない,高温にならないところに保管すること。

21. 承認条件

  1. 21.1 *医薬品リスク管理計画を策定の上,適切に実施すること。

22. 包装

ムンデシンカプセル100mg:84カプセル(PTP)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

ムンディファーマ株式会社 お客様相談室

東京都港区港南2-15-1

電話 0120-525-272

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

ムンディファーマ株式会社

東京都港区港南2-15-1

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

画面を閉じる

Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.