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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
クロバザム及びバルプロ酸ナトリウムで十分な効果が認められないDravet症候群患者における間代発作又は強直間代発作に対するクロバザム及びバルプロ酸ナトリウムとの併用療法
通常、1歳以上の患者には、スチリペントールとして1日50mg/kgを1日2~3回に分割して食事中又は食直後に経口投与する。投与は1日20mg/kgから開始し、1週間以上の間隔をあけ10mg/kgずつ増量する。ただし、体重50kg以上の患者には、スチリペントールとして1日1000mgから投与を開始し、1週間以上の間隔をあけ500mgずつ増量する。なお、1日最大投与量は50mg/kg又は2500mgのいずれか低い方を超えないこととする。
血液障害を悪化させるおそれがある。,
呼吸機能が抑制されるおそれがある。
QT間隔を過度に延長させるおそれがある。,
腎機能障害を悪化させるおそれがある。本剤及び本剤の代謝物の血中濃度が上昇すると考えられている。,,
肝機能障害を悪化させるおそれがある。本剤及び本剤の代謝物の血中濃度が上昇すると考えられている。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラットの生殖発生毒性試験において、催奇形性は認められなかったが、母動物に一般状態の悪化及び死亡がみられる用量(800mg/kg/日)で、出生児生存率の低下、胎児及び出生児の体重低下、骨化遅延並びに反射に影響が認められている1)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ヤギ)で乳汁中に移行することが報告されている2)。
乳児(1歳未満)には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与し、本剤投与中は、患者の状態を注意深く観察すること。低出生体重児、新生児又は乳児(1歳未満)を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
高齢者に対する安全性は確立していない。
麦角アルカロイド
これらの薬剤の血中濃度が上昇し、麦角中毒を引き起こすおそれがある。
本剤は肝臓で代謝されるこれらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害する。
ピモジドキニジン硫酸塩水和物ベプリジル塩酸塩水和物
これらの薬剤の血中濃度が上昇することにより、QT延長、心室性不整脈を起こすおそれがある。
本剤は肝臓で代謝されるこれらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4、CYP2D6、CYP1A2等)を阻害する。
フェニトインフェノバルビタールカルバマゼピン,
これらの薬剤の血中濃度上昇や薬理学的相互作用により中枢神経抑制作用が増強されるおそれがある。また、本剤の血中濃度が低下するおそれがある。併用する場合には、必要に応じてこれらの薬剤を減量する、血中濃度を測定するなど、注意して投与すること。
本剤は肝臓で代謝されるこれらの薬剤の代謝酵素(CYP2C9、CYP2C19、CYP3A4等)を阻害する。これら薬剤による代謝酵素(CYP1A2、CYP3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進される。また、本剤とこれらの薬剤は共に中枢神経抑制作用を有する。
抗てんかん薬
これらの薬剤の血中濃度上昇や薬理学的相互作用により中枢神経抑制作用が増強されるおそれがある。併用する場合には、必要に応じてこれらの薬剤を減量する、血中濃度を測定するなど、注意して投与すること。
本剤は肝臓で代謝されるこれらの薬剤の代謝酵素(CYP2C19、CYP3A4等)を阻害する。また、本剤とこれらの薬剤は共に中枢神経抑制作用を有する。
ベンゾジアゼピン系薬剤
これらの薬剤の血中濃度上昇や薬理学的相互作用により過度の鎮静が起こることがある。併用する場合にはこれらの薬剤を減量するなど、注意して投与すること。
本剤は肝臓で代謝されるこれらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害する。また、本剤とこれらの薬剤は共に中枢神経抑制作用を有する。
スタチン系薬剤
これらの薬剤の血中濃度が上昇し、横紋筋融解症などの副作用の発現頻度が増加するおそれがある。併用する場合には、これらの薬剤を減量するなど、注意して投与すること。
本剤は肝臓で代謝されるこれらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4等)を阻害する。
免疫抑制剤
これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。併用する場合には、必要に応じてこれらの薬剤を減量する、血中濃度を測定するなど、注意して投与すること。
キサンチン系薬剤
これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。併用する場合には、これらの薬剤を減量するなど、注意して投与すること。
本剤は肝臓で代謝されるこれらの薬剤の代謝酵素(CYP1A2)を阻害する。
テオフィリン
テオフィリンの血中濃度が上昇するおそれがある。併用する場合には、必要に応じてテオフィリンを減量する、血中濃度を測定するなど、注意して投与すること。
カフェイン含有食品
これらの食品に含まれるカフェインの血中濃度が上昇するおそれがある。同時に服用する場合は、注意すること。
本剤の肝薬物代謝酵素(CYP1A2)に対する阻害作用により、これらの食品に含まれるカフェインの代謝を抑制する。
プロトンポンプ阻害薬
本剤は肝臓で代謝されるこれらの薬剤の代謝酵素(CYP2C19)を阻害する。
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
本剤は肝臓で代謝されるこれらの薬剤の代謝酵素(CYP2C9)を阻害する。
クマリン系抗血液凝固薬
ワルファリンカリウムの抗凝血作用が増強されるおそれがある。併用する場合には、必要に応じてワルファリンカリウムを減量する、血液凝固能を確認するなど、注意して投与すること。
本剤は肝臓で代謝されるワルファリンカリウムの代謝酵素(CYP2C9等)を阻害する。
HIVプロテアーゼ阻害剤
クロルフェニラミンマレイン酸塩カルシウム拮抗薬
経口避妊薬
これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。併用する場合には、注意して投与すること。
マクロライド系抗生物質
アゾール系抗真菌剤
本剤及びこれらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。併用する場合には、これらの薬剤を減量するなど、注意して投与すること。
本剤及びこれらの薬剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4)に対する阻害作用により、相互に代謝を抑制する。
β遮断薬
抗うつ薬
ハロペリドールコデインリン酸塩水和物デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物トラマドール塩酸塩
本剤は肝臓で代謝されるこれらの薬剤の代謝酵素(CYP2D6)を阻害する。
クロルプロマジン塩酸塩フルニトラゼパムオキサゾラムロラゼパムハロタンアルコール(飲酒)
これらの薬剤及びアルコールの中枢神経抑制作用が増強され過度の鎮静が起こるおそれがある。併用する場合には、これらの薬剤及びアルコールを減量するなど、注意して投与すること。
共に中枢神経抑制作用を有する。
グリベンクラミド
グリベンクラミドの血糖降下作用が増強されるおそれがある。併用する場合には、グリベンクラミドを減量するなど、注意して投与すること。
本剤の肝薬物代謝酵素に対する阻害作用により、グリベンクラミドの代謝を抑制する。
QT延長を起こすことが知られている薬剤,
QT間隔を過度に延長させるおそれがある。
併用によりQT延長作用が相加的に増加するおそれがある。
血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、併用薬を減量するなど、適切な処置を行うこと。,
15%以上
5~15%未満
5%未満
頻度不明
感染症
気管支炎、麦粒腫、肺炎
精神神経系
傾眠(79.2%)、運動失調(ふらつき)(58.3%)、振戦(25.0%)
不眠症、激越、筋緊張低下
注意欠陥多動性障害、多弁、注意力障害、睡眠期リズム障害、睡眠障害、運動過多
攻撃性、易刺激性、行動障害、敵対行動、興奮性亢進、ジストニー
感覚器
複視
消化器
便秘、下痢
悪心、嘔吐
皮膚
皮膚乾燥
アトピー性皮膚炎、そう痒
発疹、皮膚アレルギー、蕁麻疹
泌尿器
排尿困難
生殖器
不規則月経
一般・全身障害
食欲減退(66.7%)
体重減少
無力症、栄養障害
疲労
肝臓
AST上昇、γ-GTP上昇(37.5%)
Al-P上昇
アンモニア増加
肝機能検査異常
血液
好中球減少、血小板減少、白血球減少
その他
転倒
特異的な解毒剤や体内除去法は知られていない。
外国人健康成人にスチリペントール500、1000及び2000mg(500mgカプセル、各投与量12例)を食後に単回経口投与したときのスチリペントールの血漿中濃度・薬物動態パラメータは図1・表1のとおりであった4)(外国人データ)。
パラメータ
500mg(n=12)
1000mg(n=12)
2000mg(n=12)
Cmax(μg/mL)
2.63±1.18
6.63±1.83
13.8±4.83
Tmax(hr)
2.42±0.76
2.42±1.00
2.96±1.01
T1/2(hr)
-
7.82±1.86
11.0±4.18
AUC0-30hr(μg・hr/mL)
8.85±3.77
32.1±10.7
79.0±24.2
AUC0-∞(μg・hr/mL)
33.8±10.9
86.6±25.3
-:算出できず Mean±S.D.
外国人健康成人に、スチリペントールを1日3回、600、1200及び1800mg/日の用量でそれぞれ2、4及び7日間反復投与(各投与量6例)したときの定常状態の血中濃度は、それぞれ0.70±0.34、2.86±1.44及び5.11±2.19μg/mLであったとの文献報告がある。これは、投与量比の増加を上回って増加した。各投与量の経口クリアランスは、それぞれ1090±624、506±219及び405±151L/日で、高用量ではクリアランスが有意に低下した5)(外国人データ)。
クロバザム及びバルプロ酸ナトリウムが併用されている小児及び成人の日本人Dravet症候群患者において、スチリペントールを1日2~3回、50mg/kg/日の用量で併用投与したときの血漿中スチリペントール濃度は小児では約4~24μg/mL、成人では約9~15μg/mLの範囲であった4)。クロバザム、バルプロ酸ナトリウム及び臭化剤が併用されている小児及び成人の日本人Dravet症候群患者において、スチリペントールを1日2~3回、50mg/kg/日の用量で併用投与したときの血漿中スチリペントール濃度は小児では約4~25μg/mL、成人では約8~19μg/mLの範囲であった4)。,,
カプセル剤とドライシロップ剤との生物学的同等性を、健康成人男性に1000mgを食後に単回経口投与することにより検討した。両製剤はAUCに関しては生物学的同等性の基準を満たしていたが、Cmaxに関しては、ドライシロップ剤でカプセル剤に比べ23%高く、生物学的同等性の基準を満たさなかった4)(外国人データ)。
製剤
例数
Tmaxa)(hr)
AUC0-36hr(μg・hr/mL)
ドライシロップ剤
24
3.50(1.50~4.00)
7.32±2.10
32.97±11.05
カプセル剤
3.00(1.00~4.00)
5.99±1.75
30.23±10.81
幾何平均値の比の90%信頼区間(点推定値)
NSb)
1.10~1.37(1.23)
1.04~1.16(1.10)
Mean±S.D.
a)中央値(最小値~最大値)、b)有意差なし(Wilcoxonの順位和検定)
食事の影響の評価を目的とした試験は実施されていないが、スチリペントールを空腹時に投与したとき6)に比べ、食後に投与したときにはスチリペントールの血中濃度が高い傾向を示す報告がある4)。
投与時期
投与量(mg)
食後
12
1000
2.00(1.00~4.00)a)
3.00(1.00~4.00)a)
17.4±11.4
30.2±10.8b)
空腹時
6
1200
3.43
1.58
12.6c)
a)中央値(最小値~最大値)、b)AUC0-36hr、c)体重70kgとして算出
平衡透析法により測定したヒト血漿蛋白との結合率は30又は60μg/mLの濃度で約99%であった。また、ヒト血清及びヒト血清アルブミンを用いたin vitro試験より、本薬の結合タンパク種は主にアルブミンである可能性が示唆された4),6)(外国人データ)。
スチリペントールのヒト代謝に関与する主なチトクロームP450分子種はCYP1A2、CYP2C19、CYP3A4と考えられる4)(in vitro)。また、スチリペントールは、いくつかのCYP分子種(CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4)を阻害することが明らかにされている7)(in vitro)。健康成人被験者に対するスチリペントールの反復投与(平均投与量44mg/kg/日)後に、CYP1A2及びCYP3A4の有意な阻害が認められたが、CYP2D6の阻害は認められなかった7)(in vivo、外国人データ)。
スチリペントールは、抱合及び酸化反応により代謝され、主に尿中に排泄される。健康成人にスチリペントール600mgを単回経口投与又は1200mgを7日間反復経口投与後、尿中にそれぞれ投与量の73及び98%に相当する13種類の代謝物(未変化体を含む)が排泄された。スチリペントール1200mgを単回経口投与後の糞中には、投与量の13~24%が未変化体として回収された8)(外国人データ)。
クロバザム(0.05~0.78mg/kg/日)及びバルプロ酸ナトリウム(9.3~44.3mg/kg/日)併用療法中のDravet症候群患者(1~18歳20例、19~30歳4例)に、クロバザム及びバルプロ酸ナトリウムの減量を許容してスチリペントール(50mg/kg/日)を反復投与したとき、スチリペントール投与前と比較して、クロバザム、ノルクロバザム(クロバザムの活性代謝物)及びバルプロ酸の血漿中トラフ濃度(μg/mL、CYP2C19の遺伝子多型別)は以下のとおりであった4)。,,
クロバザム
ノルクロバザム
バルプロ酸
投与前
投与後
CYP2C19のEM
0.11±0.07a)
0.17±0.13a)
0.46±0.35a)
2.57±1.90a)
68.22±29.56c)
73.15±28.01d)
CYP2C19のPM
0.12±0.10b)
0.27±0.32b)
4.64±3.53b)
3.21±2.86b)
57.33±36.23e)
54.70±28.15e)
a)n=17、b)n=3、c)n=20、d)n=19、e)n=4 Mean±S.D.
クロバザム(0.07~0.50mg/kg/日)、バルプロ酸ナトリウム(14.88~44.25mg/kg/日)及び臭化剤(13.27~59.32mg/kg/日)併用療法中のDravet症候群患者(1~18歳9例、19~30歳1例;CYP2C19のEM)に、クロバザム及びバルプロ酸ナトリウムの減量を許容してスチリペントール(50mg/kg/日)を反復投与したとき、臭化剤の血漿中トラフ濃度は、スチリペントール投与前と比較して5%増加した4)。
カルバマゼピン(5.7~39.2mg/kg/日)単剤療法中のてんかん患者(小児及び成人)64例に、カルバマゼピンを平均36%減量してスチリペントール(3000mg/日)を反復投与したとき、血漿中カルバマゼピン濃度は、スチリペントール投与前と比較して54%増加した4)(外国人データ)。※本剤の承認された1日最大投与量は50mg/kg又は2500mgのいずれか低い方である。
抗てんかん薬(フェニトイン、フェノバルビタール、カルバマゼピン、クロバザム又はバルプロ酸ナトリウム)を投与中のてんかん患者(成人)11例を対象に、投与中の抗てんかん薬を4~16週間維持投与した後、本剤の投与を開始し、4週間かけて本剤を漸増するとともに併用抗てんかん薬の血漿中濃度が本剤投与前と同程度になるよう用量調節を行い、その後本剤及び他の抗てんかん薬の用量を固定して8週間投与したとき、フェニトイン及びフェノバルビタールの投与量は、本剤投与により、それぞれ45.0及び26.3%減少したとの文献報告がある9)(外国人データ)。
クロバザム及びバルプロ酸ナトリウムでは十分に抑制できない痙攣発作(間代発作又は強直間代発作)を有するDravet症候群患者(1~18歳20例、19~30歳4例)を対象として、非盲検非対照試験を実施した。スチリペントール20mg/kg/日を開始用量として1週ごとに10mg/kg/日ずつ50mg/kg/日まで漸増後(4週後)、50mg/kg/日を12週間、食事中又は食直後に経口投与(クロバザム及びバルプロ酸ナトリウムと併用)したとき、主要評価項目である1~18歳の患者におけるResponder rate(評価時期の痙攣発作の発作回数の合計(30日換算値)がベースライン期と比較して50%以上減少した患者の割合)は65.0%(13/20例)であり、痙攣発作の頻度の減少が示された。なお、19~30歳の患者におけるResponder rateは75.0%(3/4例)であった10),11)。,
年齢区分
1~18歳(n=20)
19~30歳(n=4)
Responder rate(95%信頼区間)
65.0%(40.8%~84.6%)
3/4(19.4%~99.4%)
Responder rate:評価時期の間代発作又は強直間代発作の発作回数の合計(30日換算値)がベースライン期と比較して50%以上減少した患者の割合
短期投与期から移行したDravet症候群患者(1~18歳18例、19~30歳3例)を対象として、スチリペントール、クロバザム及びバルプロ酸ナトリウムを40週継続投与する長期投与試験を実施した。長期投与期移行後の痙攣発作の発作回数の合計(30日換算値)は表2のとおりであった10),12)。,
ベースライン期(第Ⅲ相試験開始時)
16週(長期投与期開始時)
28週
40週
56週
1~18歳
評価例数
18
17
16
発作回数
10.55(4.6, 157.9)
4.20(0.0, 54.8)
4.80(0.0, 82.8)
4.50(0.0, 82.7)
3.70(0.0, 121.0)
19~30歳
3
12.00(7.2, 18.4)
3.10(0.0, 3.2)
1.40(1.1, 14.0)
5.30(5.3, 5.3)
6.00(6.0, 7.5)
発作回数:中央値(最小値、最大値)
副作用は、短期投与期及び長期投与期において、初めて本剤が投与された患者の安全性解析対象例24例中、22例(91.7%)に認められた。主な副作用は傾眠19例(79.2%)、食欲減退16例(66.7%)、運動失調14例(58.3%)、γ-GTP増加9例(37.5%)、振戦6例(25.0%)であった。
クロバザム及びバルプロ酸ナトリウムでは十分に抑制できない痙攣発作(間代発作又は強直間代発作)を有するDravet症候群の小児23例を対象として、二重盲検比較試験を実施した。スチリペントール50mg/kg/日又はプラセボを2ヵ月間、食事中に経口投与(クロバザム及びバルプロ酸ナトリウムと併用)したとき、Responder rateは表3のとおりであり、スチリペントール群でプラセボ群と比較して統計学的に有意な発作頻度の減少が認められた13)。,
投与群
スチリペントール群(n=12)
プラセボ群(n=11)
66.7%(34.9%~90.1%)
9.1%(0.2%~41.3%)
Responder rateの差(差の95%信頼区間)
57.6%(26.0%~89.2%)
p値(Fisherの直接確率)
0.0094
Responder rateの差:スチリペントール群-プラセボ群
**クロバザム及びバルプロ酸ナトリウムでは十分に抑制できない痙攣発作(間代発作又は強直間代発作)を有するDravet症候群患者521例を対象として、安全性及び有効性に関する調査を実施した。全般改善度は表の通りであった。「著明改善」又は「中等度改善」と評価された症例を有効例としたときの改善割合は、37.7%(181/480例)であった。
対象症例数注1)
全般改善度
改善症例数
改善割合(%)注3)
著明改善
中等度改善
軽度改善
不変
悪化
判定不能
不明注2)
515
74
107
106
162
31
19
181
37.7
注1)「著明改善」~「不明」の和とする。注2)全般改善度の判定が「未実施」若しくは「未記載」。注3)分母は「判定不能」、「不明」を除いた症例数とする。
**副作用は、安全性解析対象症例520例中、360例(69.2%)に認められた。主な副作用は、傾眠194例(37.3%)、食欲減退138例(26.5%)、浮動性めまい65例(12.5%)、体重減少44例(8.5%)、薬物濃度増加32例(6.2%)、高アンモニア血症26例(5.0%)であった。
各種てんかん動物モデルにおいて、抗痙攣作用を示すことが報告されている。
スチリペントール(Stiripentol)
(1E,3RS)-1-(Benzo[d][1,3]dioxol-5-yl)-4,4-dimethylpent-1-en-3-ol
C14H18O3
234.29
スチリペントールは白色~微黄色の結晶性の粉末である。本品はエタノール(96%)にやや溶けやすく、クロロホルムにやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。
約75℃
2.94(オクタノール/水系)
使用色素により赤褐色の粒が見られることがある。
60包
バラ包装(ボトル入) 60カプセル
1) 社内資料:生殖発生毒性試験(2012年9月28日承認、CTD2.6.6.6)
2) 社内資料:乳汁移行試験(2012年9月28日承認、CTD2.6.4.6)
3) 社内資料:反復毒性試験(2012年9月28日承認、CTD2.6.6.3)
4) 社内資料:臨床薬理試験(2012年9月28日承認、CTD2.7.1.2、2.7.1.3、2.7.2.2、2.7.2.3)
5) Levy, R. H., et al.:Epilepsia. 1984;25(4):486-491
6) Levy, R. H., et al.:J. Clin. Pharmacol. 1983;23:523-533
7) Tran, A., et al.:Clin. Pharmacol. Ther. 1997;62(5):490-504
8) Moreland, T. A., et al.:Drug Metab. Dispos. 1986;14(6):654-662
9) Loiseau, P., et al.:Rev. Neurol.(Paris). 1988;144(3):165-172
10) 社内資料:国内臨床試験(2012年9月28日承認、CTD2.7.3.2)
11) Inoue, Y., et al.:Epilepsy Res. 2014;108:725-731
12) Inoue, Y., et al.:Epilepsy Res. 2015;113:90-97
13) 社内資料:海外臨床試験(2012年9月28日承認、CTD2.7.3.2)
14) Poisson, M., et al.:Arzneim.-Forsch./Drug Res. 1984;34(2):199-204
15) Wegmann, R., et al.:Cell. Mol. Biol. 1978;23:455-480
16) Quilichini, P. P., et al.:Epilepsia. 2006;47(4):704-716
17) Fisher, J. L.:Neuropharmacology. 2009;56:190-197
18) Shen, D. D., et al.:Epilepsy Res. 1990;7:40-48
19) 社内資料:薬効薬理試験(2012年9月28日承認、CTD2.6.2.2)
20) Lockard, J. S., et al.:Epilepsia. 1985;26:704-712
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