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日本薬局方
パロキセチン塩酸塩錠
劇薬
処方箋医薬品注)
海外で実施した7~18歳の大うつ病性障害患者を対象としたプラセボ対照試験において有効性が確認できなかったとの報告、また、自殺に関するリスクが増加するとの報告もあるので、本剤を18歳未満の大うつ病性障害患者に投与する際には適応を慎重に検討すること。
通常、成人には1日1回夕食後、パロキセチンとして20~40mgを経口投与する。投与は1回10~20mgより開始し、原則として1週ごとに10mg/日ずつ増量する。なお、症状により1日40mgを超えない範囲で適宜増減する。
通常、成人には1日1回夕食後、パロキセチンとして30mgを経口投与する。投与は1回10mgより開始し、原則として1週ごとに10mg/日ずつ増量する。なお、症状により1日30mgを超えない範囲で適宜増減する。
通常、成人には1日1回夕食後、パロキセチンとして40mgを経口投与する。投与は1回20mgより開始し、原則として1週ごとに10mg/日ずつ増量する。なお、症状により1日50mgを超えない範囲で適宜増減する。
通常、成人には1日1回夕食後、パロキセチンとして20mgを経口投与する。投与は1回10mgより開始し、原則として1週ごとに10mg/日ずつ増量する。なお、症状により1日40mgを超えない範囲で適宜増減する。
通常、成人には1日1回夕食後、パロキセチンとして20mgを経口投与する。投与は1回10~20mgより開始し、原則として1週ごとに10mg/日ずつ増量する。なお、症状により1日40mgを超えない範囲で適宜増減する。
躁転、自殺企図があらわれることがある。
自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。
精神症状を増悪させることがある。
てんかん発作があらわれることがある。
散瞳があらわれることがある。
皮膚及び粘膜出血(胃腸出血等)が報告されている。
*QT間隔延長を起こすおそれがある。
血中濃度が上昇することがある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。授乳婦の患者に本剤10~40mgを1日1回8日間以上反復経口投与した時、投与量の約1%が乳汁中へ移行した3)(外国人データ)。
血中濃度が上昇するおそれがあるため、十分に注意しながら投与すること。また、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)、出血の危険性が高くなるおそれがあるので注意すること。
MAO阻害剤
セロトニン症候群があらわれることがある。MAO阻害剤を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者には投与しないこと。また、本剤の投与中止後2週間以内にMAO阻害剤の投与を開始しないこと。
脳内セロトニン濃度が高まると考えられている。
*ピモジド
QT延長、心室性不整脈(torsade de pointesを含む)等の重篤な心臓血管系の副作用があらわれるおそれがある。
ピモジド(2mg)との併用により、ピモジドの血中濃度が上昇したことが報告されている。本剤が肝臓の薬物代謝酵素CYP2D6を阻害することによると考えられる。
セロトニン作用を有する薬剤
セロトニン症候群等のセロトニン作用による症状があらわれることがある。これらの薬物を併用する際には観察を十分に行うこと。
相互にセロトニン作用が増強するおそれがある。
メチルチオニニウム塩化物水和物はMAO阻害作用を有するため、セロトニン作用が増強される。
フェノチアジン系抗精神病剤
リスペリドン
これらの抗精神病剤との併用により悪性症候群があらわれるおそれがある。
これらの薬剤の作用が増強され、過鎮静、錐体外路症状等の発現が報告されている。
本剤が肝臓の薬物代謝酵素CYP2D6を阻害することにより、患者によってはこれら薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。ペルフェナジンとの併用により、ペルフェナジンの血中濃度が約6倍増加したことが報告されている。リスペリドンとの併用により、リスペリドン及び活性代謝物の血中濃度が約1.4倍増加したことが報告されている。イミプラミンとの併用により、イミプラミンのAUCが約1.7倍増加したことが報告されている。
三環系抗うつ剤
これら薬剤の作用が増強されるおそれがある。イミプラミンと本剤の薬物相互作用試験において、併用投与により鎮静及び抗コリン作用の症状が報告されている。
抗不整脈剤
これら薬剤の作用が増強されるおそれがある。
β-遮断剤
メトプロロールと本剤の併用投与により、重度の血圧低下が報告されている。
本剤が肝臓の薬物代謝酵素CYP2D6を阻害することにより、メトプロロールの(S)-体及び(R)-体のT1/2がそれぞれ約2.1及び2.5倍、AUCがそれぞれ約5及び8倍増加したことが報告されている。
アトモキセチン塩酸塩
併用によりアトモキセチンの血中濃度が上昇したとの報告がある。
本剤が肝臓の薬物代謝酵素CYP2D6を阻害することによると考えられる。
タモキシフェンクエン酸塩
タモキシフェンの作用が減弱されるおそれがある。併用により乳癌による死亡リスクが増加したとの報告がある。
本剤が肝臓の薬物代謝酵素CYP2D6を阻害することにより、タモキシフェンの活性代謝物の血中濃度が減少するおそれがある。
キニジン硫酸塩水和物シメチジン
本剤の作用が増強するおそれがある。
これらの薬剤の肝薬物代謝酵素阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
フェニトインフェノバルビタールカルバマゼピンリファンピシン
本剤の作用が減弱するおそれがある。
これらの薬剤の肝薬物代謝酵素誘導作用により、本剤の血中濃度が低下するおそれがある。
ホスアンプレナビルカルシウム水和物とリトナビルの併用時
作用機序は不明であるが、ホスアンプレナビルとリトナビルとの併用時に本剤の血中濃度が約60%減少したことが報告されている。
ワルファリンカリウム
ワルファリンの作用が増強されるおそれがある。
本剤との相互作用は認められていないが、他の抗うつ剤で作用の増強が報告されている。
ジゴキシン
ジゴキシンの作用が減弱されるおそれがある。
健康人において、本剤との併用によるジゴキシンの血中濃度の低下が認められている。
止血・血液凝固を阻害する薬剤
出血症状の報告のある薬剤
出血傾向が増強するおそれがある。
これらの薬剤を併用することにより作用が増強されることが考えられる。
アルコール(飲酒)
本剤服用中は、飲酒を避けることが望ましい。
不安、焦燥、興奮、錯乱、幻覚、反射亢進、ミオクロヌス、発汗、戦慄、頻脈、振戦等があらわれるおそれがある。セロトニン作用薬との併用時に発現する可能性が高くなるため、特に注意すること。異常が認められた場合には、投与を中止し、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。
無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合がある。抗精神病剤との併用時にあらわれることが多いため、特に注意すること。異常が認められた場合には、抗精神病剤及び本剤の投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発現時には、白血球の増加や血清CKの上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。
主に高齢者において、低ナトリウム血症、痙攣等があらわれることが報告されている。異常が認められた場合には、投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
肝不全、肝壊死、肝炎、黄疸等があらわれることがある。必要に応じて肝機能検査を行い、異常が認められた場合には、投与を中止する等適切な処置を行うこと。
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
血液検査等の観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
アナフィラキシー(発疹、血管性浮腫、呼吸困難等)があらわれることがある。
10%以上
10%未満
頻度不明
全身症状
倦怠(感)、ほてり、無力症、疲労、発熱、悪寒
精神神経系
傾眠(23.6%)、めまい
頭痛、不眠、振戦、神経過敏、知覚減退、躁病反応、感情鈍麻、錐体外路障害、あくび、アカシジア注1)、味覚異常、異常な夢(悪夢を含む)、健忘、失神、離人症
激越、緊張亢進、レストレスレッグス症候群
消化器
嘔気
便秘、食欲不振、腹痛、口渇、嘔吐、下痢、消化不良
循環器
心悸亢進、一過性の血圧上昇又は低下、起立性低血圧、頻脈
過敏症
発疹、そう痒、蕁麻疹、血管性浮腫、紅斑性発疹
光線過敏症
血液
白血球増多、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット値増加又は減少、赤血球減少、異常出血(皮下溢血、紫斑、胃腸出血等)
肝臓
肝機能検査値異常(ALT、AST、γ-GTP、LDH、Al-P、総ビリルビンの上昇、ウロビリノーゲン陽性等)
腎臓・泌尿器
BUN上昇、尿沈渣(赤血球、白血球)、尿蛋白、排尿困難、尿閉、尿失禁
眼
霧視、視力異常、散瞳
急性緑内障
その他
性機能異常(射精遅延、勃起障害等)注2)、発汗、総コレステロール上昇、体重増加、血清カリウム上昇、総蛋白減少、乳汁漏出、末梢性浮腫、月経障害(不正子宮出血、無月経等)
高プロラクチン血症
外国において、本剤単独2000mgまでの、また、他剤との併用による過量投与が報告されている。過量投与後にみられる主な症状は、11.副作用の項にあげる症状の他、発熱、不随意筋収縮及び不安等である。飲酒の有無にかかわらず他の精神病用薬と併用した場合に、昏睡、心電図の変化があらわれることがある。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人(20~27歳)に本剤10、20又は40mgを単回経口投与した時の投与量で補正した最高血漿中濃度(Cmax)の平均値は10mg群と比較して20及び40mg群でそれぞれ1.98及び4.69倍であり、投与量の増加を上回った増加が確認された。また、40mg群の投与量で補正した血漿中濃度曲線下面積(AUC)は20mg群の2.48倍であり、Cmaxと同様に投与量の増加を上回った増加がみられ、薬物動態の非線形性が確認された4)。
投与量
(mg)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
AUC
(ng・hr/mL)
T1/2
10
20
40
1.93±1.38
6.48±4.10
26.89±11.00
4.61±1.04
5.05±1.22
4.58±0.96
-
119.6±100.1
447.2±254.8
14.35±10.99
14.98±11.51
-:算出できず Mean±S.D.(n=19)
Tmax:最高濃度到達時間、T1/2:消失半減期
健康成人(21~27歳)に本剤20mgを1日1回10日間反復経口投与した時の血漿中濃度は、初回投与5時間後にCmax 12.5ng/mLに達し、T1/2は約10時間であった。Cminは反復投与7日目に定常状態(約23ng/mL)に達した。反復投与時の血漿中濃度は、最終投与5時間後にCmax 59.5ng/mLに達し、T1/2は約15時間であった5)。
パロキセチン錠5mg「明治」2錠とパキシル錠10mg1錠(パロキセチンとして10mg)、パロキセチン錠10mg「明治」1錠とパキシル錠10mg1錠(パロキセチンとして10mg)、又はパロキセチン錠20mg「明治」1錠とパキシル錠20mg1錠(パロキセチンとして20mg)を、クロスオーバー法により健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中パロキセチン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、いずれもlog(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、それぞれ両剤の生物学的同等性が確認された6)。
被験
者数
判定パラメータ
参考パラメータ
AUCt
パロキセチン錠5mg「明治」×2
31
23.03±34.75
1.42±1.61
3.2±2.1
12.5±2.0
パキシル錠10mg
22.92±32.41
1.51±1.86
3.9±2.3
13.4±2.5
パロキセチン錠10mg「明治」
32
24.09±30.33
1.54±1.42
4.0±2.3
12.3±1.7
24.97±33.66
1.55±1.67
3.7±2.2
11.9±1.7
パロキセチン錠20mg「明治」
144.41±172.12
7.71±6.35
5.1±2.0
14.0±4.9
パキシル錠20mg
144.07±182.90
7.27±6.30
5.7±1.4
14.4±5.2
Mean±S.D.
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
健康成人に本剤20mgを空腹時又は食後に単回経口投与した時の薬物動態学的パラメータに差は認められず、食事の影響はないと考えられる7)(外国人データ)。
In vitroでヒト血漿にパロキセチンの100又は400ng/mLを添加した時の血漿タンパク結合率は、それぞれ約95及び93%であった8)。
In vitroでヒト血液に14C標識パロキセチン塩酸塩を添加した時の血球分配率は51%以上であり、血球移行が認められた8)。
ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験により、本剤のCYP2D6に対する阻害様式は拮抗阻害であり、sparteineの脱水素反応を指標としたKi値は0.15μMであった9)。
本剤は主に肝臓のCYP2D6により代謝されることから、薬物動態の非線形性はCYP2D6による代謝の飽和と考えられる10)。
本剤がCYP2D6を阻害し、表現型がExtensive MetabolizerからPoor Metabolizer様へ変換することから、CYP2D6で代謝される薬剤との相互作用が考えられる。
なお、この表現型の変換は休薬後約1週間で回復する11)。
健康成人に14C標識パロキセチン塩酸塩30mgを単回経口投与した時の放射能は、投与後168時間以内に投与量の約64%が尿中にほとんど代謝物として排泄され、糞中には約35%が排泄された12)(外国人データ)。
腎機能障害者に本剤20mgを1日1回18日間反復経口投与した時、重度の腎機能障害者(クレアチニンクリアランス値30mL/分未満)において、血漿中濃度の上昇及びAUCの増大が認められた13)(外国人データ)。
肝機能障害者に肝機能低下の程度に応じ本剤20又は30mgを1日1回14日間反復経口投与した時、血漿中濃度の上昇、T1/2の延長及びAUCの増大が認められた13)(外国人データ)。
健康高齢者(65~80歳)に本剤20mgを単回経口投与した時の血漿中濃度は投与約6時間後にCmax 7.3ng/mLに達し、T1/2は約18時間であった14)。
フェノバルビタール100mgを1日1回14日間反復投与し、14日目に本剤30mgを単回経口投与した時、血漿中パロキセチンのAUC及びT1/2は、それぞれ平均25及び38%減少した15)。
フェニトイン300mgを1日1回14日間反復投与し、14日目に本剤30mgを単回経口投与した時、血漿中パロキセチンのAUC及びT1/2は、それぞれ平均50及び35%減少した。本剤30mgを1日1回14日間反復投与し、14日目にフェニトイン300mgを単回経口投与した時、フェニトインのAUCは平均12%減少した15)。
本剤30mgを1日1回28日間反復投与し、投与22~28日目にシメチジン300mgを1日3回反復併用投与した時、定常状態におけるパロキセチン濃度は、併用投与期間中に約50%増加した15)。
ジゴキシン0.25mgを1日1回28日間反復投与し、投与15~42日目に本剤30mgを1日1回反復併用投与した時、定常状態におけるジゴキシンの平均AUCは、パロキセチンの併用により15%減少した15)。
プロプラノロール、ジアゼパム、ワルファリン、ジゴキシン、メチルドパ又はアルコールとの併用投与において、パロキセチンの薬物動態に影響はみられなかった15)。また、パロキセチンはワルファリン、グリベンクラミド及びフェニトインの血漿タンパク結合率に影響を及ぼさなかった16)(in vitro)。
二重盲検比較試験及び一般臨床試験において、うつ病・うつ状態に対して、1回10~40mg、1日1回投与の有効率は50.4%(229/454例)であった17)。
なお、高齢のうつ病・うつ状態患者を対象とした一般臨床試験での有効率は55.1%(27/49例)であり、認められた副作用の種類、副作用発現率及びその程度は、非高齢者と同様であった18)。
プラセボを対照とした二重盲検比較試験において本剤の有用性が確認された19)。
副作用発現頻度は、49.4%(42/85例)であった。主な副作用は、嘔気20.0%(17/85例)であった19)。
プラセボを対照とした二重盲検比較試験において、強迫性障害に対して、1回20~50mg、1日1回投与の有効率は50.0%(47/94例)であり、本剤の有用性が確認された20)。
副作用発現頻度は、71.6%(68/95例)であった。主な副作用は、嘔気28.4%(27/95例)、傾眠22.1%(21/95例)及び便秘11.6%(11/95例)であった20)。
プラセボを対照とした二重盲検比較試験において、社会不安障害に対して本剤を1日1回20mg又は40mgを投与した際、プラセボに対するLSAS合計点減少度の差はそれぞれ-7.2又は-6.2であり、プラセボに対して有意に減少した21)。
プラセボ群
20mg群
40mg群
症例数
130
132
133
LSAS合計点
投与開始時(±S.D.)
80.2±15.3
80.8±14.2
81.6±14.5
投与12週時(±S.D.)
60.1±22.0
53.2±23.1
54.8±21.3
投与開始時
からの減少度
調整済み平均値
-20.4
-27.6
-26.5
減少度の差
(対プラセボ群)
平均値(95%CI)
-7.2
(-12.7, -1.7)
-6.2
(-11.6, -0.7)
p値注)
0.007
0.025
注):Dunnettの多重比較検定、調整済み、有意水準:両側5%
副作用発現頻度は、20mg群で75.0%(99/132例)及び40mg群で82.8%(111/134例)であった。主な副作用は、20mg群では傾眠41.7%(55/132例)、浮動性めまい18.2%(24/132例)、悪心18.9%(25/132例)及び頭痛11.4%(15/132例)、40mg群では傾眠38.8%(52/134例)、浮動性めまい30.6%(41/134例)、悪心21.6%(29/134例)、頭痛15.7%(21/134例)、便秘15.7%(21/134例)及び倦怠感10.4%(14/134例)であった22)。
非盲検試験において、本剤を1日1回20~40mg、52週間投与した際のLSAS合計点は経時的に減少し、52週時の減少度の平均値は-46.8±28.43であった22)。
LSAS合計点(±S.D.)
95.6±16.47
投与開始時からの
減少度(±S.D.)
投与4週時
-11.4±11.42
投与8週時
-21.9±16.07
投与12週時
-28.8±19.19
投与24週時
-36.2±21.94
投与36週時
-40.3±24.32
投与52週時
-46.8±28.43
副作用発現頻度は、78.9%(45/57例)であった。主な副作用は、傾眠45.6%(26/57例)、悪心29.8%(17/57例)、浮動性めまい12.3%(7/57例)、胃不快感10.5%(6/57例)及び便秘10.5%(6/57例)であった22)。
パロキセチン塩酸塩は選択的なセロトニン(5-HT)取り込み阻害作用を示し、神経間隙内の5-HT濃度を上昇させ、反復経口投与によって5-HT2C受容体のdown-regulationを誘発することにより、抗うつ作用及び抗不安作用を示すと考えられる。
ラットにおいてパロキセチン塩酸塩はmCPP誘発自発運動活性減少に対して単回投与では作用を示さなかったが、反復投与で拮抗作用を示したことから、反復投与により5-HT2C受容体のdown-regulationを誘発することが示された23)。
マウスガラス玉覆い隠し行動試験においてガラス玉覆い隠し行動を抑制した25)。
Single prolonged stress負荷ラット(外傷後ストレス障害モデル)において状況恐怖誘発すくみ行動を抑制した26)。
パロキセチン塩酸塩水和物(Paroxetine Hydrochloride Hydrate)
(3S,4R)-3-[(1,3-Benzodioxol-5-yloxy)methyl]-4-(4-fluorophenyl)piperidine monohydrochloride hemihydrate
C19H20FNO3・HCl・1/2H2O
374.83
パロキセチン塩酸塩水和物は白色の結晶性の粉末である。
本品はメタノールに溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けやすく、水に溶けにくい。
旋光度〔α〕20D:-83~-93°(脱水物に換算したもの0.1g、エタノール(99.5)、20mL、100mm)。
約140℃(分解)
PTP包装 100錠(10錠×10)
バラ包装(ボトル入) 100錠
PTP包装 100錠(10錠×10) 500錠(10錠×50)
バラ包装(ボトル入) 300錠
1) Chambers CD, et al.:N. Engl. J. Med. 2006;354(6):579-587
2) Kallen B, et al.:Pharmacoepidemiol. Drug Saf. 2008;17:801-806
3) Öhman R, et al.:J. Clin. Psychiatry. 1999;60(8):519-523
4) 入江 廣ほか:薬理と治療. 2000;28(Suppl 1):47-68
5) 村崎光邦ほか:薬理と治療. 2000;28(Suppl 1):37-46
6) 内田直樹ほか:臨床薬理. 2012;43(2):57-64
7) パキシル錠:2000年9月22日承認、申請資料概要へ.3-7
8) パキシル錠:2000年9月22日承認、申請資料概要へ.2-2
9) Crewe HK, et al.:Br. J. Clin. Pharmacol. 1992;34:262-265
10) パキシル錠:2000年9月22日承認、申請資料概要へ.3-3
11) パキシル錠:2000年9月22日承認、申請資料概要へ.4-2
12) パキシル錠:2000年9月22日承認、申請資料概要へ.3-5
13) パキシル錠:2000年9月22日承認、申請資料概要へ.3-9
14) パキシル錠:2000年9月22日承認、申請資料概要へ.3-8
15) パキシル錠:2000年9月22日承認、申請資料概要へ.4-1
16) パキシル錠:2000年9月22日承認、申請資料概要へ.4-3
17) パキシル錠:2000年9月22日承認、申請資料概要ト.4-1
18) パキシル錠:2000年9月22日承認、申請資料概要ト.2-6
19) パキシル錠:2000年9月22日承認、申請資料概要ト.3-3
20) パキシル錠:2006年1月承認、CTD2.7.6
21) パキシル錠:2009年10月承認、審査報告書
22) パキシル錠:2009年10月承認、CTD2.7.6
23) パキシル錠:2000年9月22日承認、申請資料概要ホ.1-2
24) パキシル錠:2000年9月22日承認、申請資料概要ホ.1-1
25) パキシル錠:2006年1月承認、CTD2.6.2
26) パキシル錠:2013年11月承認、審査報告書
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