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処方箋医薬品注)
本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
ホスホマイシンに感性のブドウ球菌属、プロテウス属、緑膿菌
外耳炎、中耳炎
「抗微生物薬適正使用の手引き」1)を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。
添付の溶解液で溶解し、1mL当りホスホマイシンナトリウムとして30mg(力価)の溶液とし、通常、10滴(約0.5mL)を1日2回点耳する。なお、症状により適宜回数を増減するが、難治性あるいは遷延性の重症例では、1日4回まで点耳回数を増加する。
本剤の使用にあたっては、4週間の使用を目安とし、その後の継続使用については、漫然と使用しないよう慎重に行うこと。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
0.1~5%未満
0.1%未満
過敏症
過敏症状
その他
めまい感
頭痛
患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
慢性化膿性中耳炎急性増悪症の患者(n=3)に、本剤を0.5mL点耳し、10分間耳浴した後の血清中濃度を測定した結果では、耳浴終了後30~60分での薬剤の血清中濃度は0.010~0.084μg/mLで、血清中への移行はわずかであった2)。
ホスホマイシンナトリウムの300μg/mL(0.03%)注)の溶液0.5mLを慢性化膿性中耳炎の患者(n=5)に点耳し、10分間耳浴して耳漏中濃度を測定した結果では、耳浴終了後10~120分にわたり、耳漏中に20μg/mL以上のホスホマイシンが認められた。また、耳漏中の半減期は、およそ0.9時間であった3)。
注)本剤1バイアルを添付の溶解液に溶解したときの溶液の濃度は30mg/mL(3%)である。
一般臨床試験における有効性評価対象症例261例での有効率は75.1%(196/261例)で、主な疾患別臨床効果は次表のとおりであった。なお、二重盲検比較試験では基礎治療としてセファレキシンを用いているので、その臨床試験の成績は、このまとめからは除外した4),5),6),7),8),9),10)。
疾患名
有効率
中耳炎
慢性化膿性中耳炎
71.6%(58/81)
慢性化膿性中耳炎急性増悪症
73.5%(100/136)
急性化膿性中耳炎
92.9%(13/14)
小計
74.0%(171/231)
外耳炎
83.3%(25/30)
合計
75.1%(196/261)
このうち、難治性あるいは遷延性と主治医が判断し、1日3~4回投与した症例では84.6%(11/13例)と高い有効率が得られている。
ホスホマイシンは、UDP-GlcNAcエノールピルビン酸エーテル生成を触媒するUDP-GlcNAcエノールピルビルトランスフェラーゼを不可逆的に失活させ、細胞壁ペプチドグリカン生合成の初期反応を阻害することにより抗菌活性を示す11)。
ホスホマイシンはグラム陽性菌、グラム陰性菌に対し殺菌的に作用し、特に、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、プロテウス属等の化膿性中耳炎の主な原因菌に対し優れた抗菌力を示した12),13)。
モルモットの中耳内に黄色ブドウ球菌あるいは緑膿菌を感染させ作成した実験的急性中耳炎に対し、本剤0.1mLを、黄色ブドウ球菌感染では単回投与、緑膿菌感染では1日1回7日間投与した結果、治療効果が認められた14),15)。
ホスホマイシンナトリウム(Fosfomycin Sodium)
Disodium(2R,3S)-3-methyloxiran-2-ylphosphonate
C3H5Na2O4P
182.02
ホスホマイシンナトリウムは白色の結晶性の粉末である。本品は水に極めて溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。
FOM
10バイアル(溶解液 10mL×10本添付)
1) 厚生労働省健康局結核感染症課編:抗微生物薬適正使用の手引き
2) 東堤 稔ほか:基礎と臨床. 1986;20(2):1399-1401
3) 石井哲夫ほか:耳鼻と臨床. 1987;33(5):874-877
4) 藤巻 豊ほか:耳鼻咽喉科臨床. 1986;79(2):321-329
5) 馬場駿吉ほか:耳鼻と臨床. 1986;32(2):270-274
6) 橘 正芳ほか:耳鼻咽喉科臨床. 1986;79(3):495-506
7) 田頭宣治ほか:耳鼻と臨床. 1986;32(1):155-163
8) 昇 卓夫ほか:耳鼻咽喉科臨床. 1986;79(4):657-667
9) 河村正三ほか:耳鼻と臨床. 1986;32(6):1067-1089
10) 馬場駿吉ほか:耳鼻と臨床. 1986;32(補2):946-965
11) 泉 孝英ほか:ホスホマイシン―新たなる展開―(臨床医薬研究協会). 1995:28-33
12) 出口浩一:Jpn. J. Antibiot. 1983;36(10):2844-2848
13) 出口浩一ほか:Jpn. J. Antibiot. 1986;39(9):2344-2354
14) 社内資料:ホスホマイシンのモルモット中耳腔内投与による治療効果
15) 社内資料:耳科用ホスミシンSの感染治療実験
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