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日本薬局方
リセドロン酸ナトリウム錠
劇薬
処方箋医薬品注)
通常、成人にはリセドロン酸ナトリウムとして17.5㎎を1週間に1回、起床時に十分量(約180mL)の水とともに経口投与する。なお、服用後少なくとも30分は横にならず、水以外の飲食並びに他の薬剤の経口摂取も避けること。
通常、成人にはリセドロン酸ナトリウムとして17.5㎎を1日1回、起床時に十分量(約180mL)の水とともに8週間連日経口投与する。なお、服用後少なくとも30分は横にならず、水以外の飲食並びに他の薬剤の経口摂取も避けること。
食道通過の遅延又は上部消化管粘膜刺激による基礎疾患の悪化をきたすおそれがある。
排泄が遅延するおそれがある。
妊娠する可能性のある女性へは、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ビスホスホネート系薬剤は骨基質に取り込まれた後に全身循環へ徐々に放出される。全身循環への放出量はビスホスホネート系薬剤の投与量・期間に相関する。ビスホスホネート系薬剤の中止から妊娠までの期間と危険性との関連は明らかではない。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。他のビスホスホネート系薬剤と同様、生殖試験(ラット)において、低カルシウム血症による分娩障害の結果と考えられる母動物の死亡並びに胎児の骨化遅延等がみられている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母動物(ラット)へ投与後授乳された乳児への移行がわずかに認められている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
水以外の飲料、食物
多価陽イオン(カルシウム、マグネシウム、鉄、アルミニウム等)含有製剤
,,
起床後、最初の飲食前に本剤を服用し、かつ服用後少なくとも30分は左記の飲食物や薬剤を摂取・服用しないよう、患者を指導すること。
カルシウム等と錯体を形成する。同時に服用すると本剤の吸収が妨げられることがある。
食道穿孔(頻度不明)、食道狭窄(頻度不明)、食道潰瘍(頻度不明)、胃潰瘍(0.1%未満)注)、食道炎(頻度不明)、十二指腸潰瘍(0.1%未満)注)等が報告されている。,,
AST、ALT、γ-GTPの著しい上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
5%以上
1~5%未満
1%未満
頻度不明
消化器
胃不快感
便秘、上腹部痛
悪心、胃炎、下痢、腹部膨満感、消化不良(胸やけ)、味覚異常、口内炎、口渇、嘔吐、食欲不振
軟便、おくび、舌炎、十二指腸炎、鼓腸、歯肉腫脹
過敏症
そう痒症、発疹、紅斑
じん麻疹、皮膚炎(水疱性を含む)、血管浮腫
肝臓
γ-GTP増加、AST増加、ALT増加
血中AL-P増加
LDH増加
眼
霧視
眼痛、ぶどう膜炎
血液
貧血、白血球数減少
好中球数減少、リンパ球数増加
精神神経系
めまい、頭痛、感覚減退(しびれ)、傾眠
耳鳴
筋・骨格系
筋・骨格痛(関節痛、背部痛、骨痛、筋痛、頸部痛等)、血中カルシウム減少
その他
尿潜血陽性
倦怠感、BUN増加、血中AL-P減少、血中リン減少、浮腫(顔面、四肢等)、ほてり、無力症(疲労、脱力等)、動悸、血圧上昇、発熱
尿中β2ミクログロブリン増加、脱毛
過量投与により血清カルシウムが低下し、低カルシウム血症の症状・徴候があらわれる可能性がある。
吸収を抑えるために、多価陽イオンを含有する制酸剤あるいは牛乳を投与する。また、未吸収薬剤を除去するために胃洗浄を考慮する。必要に応じ、カルシウムの静脈内投与等の処置を行う。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康閉経後女性にリセドロン酸ナトリウムとして17.5㎎を絶食下単回投与した時の血清中濃度のパラメータ及び投与後72時間までの累積尿中排泄率は表1のとおりである5)。
年齢(歳)
Tmax(hr)
Cmax(ng/mL)
AUC0-t(ng・hr
/mL)
T1/2(1.5-6hr)(hr)
T1/2(12-24hr)(hr)
累積尿中排泄率(%)
59.8±3.5
0.90±1.01
13.91±8.78
45.47±32.35
1.73±0.57
11.43±2.58
0.78±0.49
(n=12、T1/2(12-24hr)はn=4、Mean±S.D.、AUC0-tは最終検出時間までのAUC、T1/2(1.5-6hr)は投与1.5時間後から6時間後までの半減期、T1/2(12-24hr)は投与12時間後から24時間後までの半減期)
リセドロン酸Na錠17.5mg「明治」とベネット錠17.5mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(リセドロン酸ナトリウムとして17.5mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中リセドロン酸濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、判定パラメータの対数値の平均値の差はlog(0.90)~log(1.11)の範囲内にあり、かつ溶出試験における溶出挙動に類似性が認められたことから、両剤の生物学的同等性が確認された6)。
被験
者数
判定パラメータ
参考パラメータ
AUCt
(ng・hr
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
リセドロン酸Na錠17.5mg「明治」
24
24.10±15.64
7.53±4.09
1.19±0.53
1.99±0.72
ベネット錠17.5mg
25.16±15.11
8.30±5.91
1.17±0.52
2.03±1.26
Mean±S.D.
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
健康成人男性にリセドロン酸ナトリウムとして5mg注1)を単回経口投与した時、食後投与では絶食時投与と比較してCmax及びAUC0-24は大きく減少し、本剤の吸収は食事の影響を大きく受けることが示唆されている7)。,
投与条件
血漿中濃度
AUC0-24(ng・hr/mL)
絶食時投与
2.85±1.46
10.42±6.20
食前30分投与
2.11±1.25
3.83±2.27
食後30分投与
0.19±0.13
0.67±0.51
食後3時間投与
0.38±0.23
1.52±1.50
n=11、Mean±S.D.
リセドロン酸ナトリウムをジュース、コーヒー又は紅茶に溶解すると、それぞれ38~45%、20%又は68%の割合で不溶性の錯体を形成することが確認されている(in vitro)8)。また、類薬でオレンジジュースやコーヒーとともに服用したときに生物学的利用率が低下することが報告されている。,
腎機能の程度が異なる外国人成人21例を対象に、リセドロン酸ナトリウムとして30mg注1)を単回経口投与した試験の結果、クレアチニンクリアランス(CLCR)と腎クリアランス(CLr)の間には相関関係が認められ、CLCRの低下にしたがってCLrは低下した。この相関関係より高度な腎機能障害(CLCR<30mL/分)の患者ではCLrが70%以上減少すると推定される9)。,
骨粗鬆症患者を対象に、リセドロン酸ナトリウムとして1日1回2.5mg又は週1回17.5mg注3)を48週間経口投与した結果、48週後の腰椎平均骨密度(L2-4BMD)増加率は1日1回2.5mg投与群で5.87%(n=195 うち男性9例)、週1回17.5mg投与群で5.36%(n=214 うち男性3例)であり、週1回17.5mg投与は、1日1回2.5mg投与に対する非劣性が確認された。副作用発現頻度は週1回17.5mg投与群で24.9%(62/249)であり、主な副作用は胃不快感6%(15/249)、上腹部痛1.6%(4/249)であった10)。
骨粗鬆症患者を対象に、1日1回起床時にリセドロン酸ナトリウムとして2.5mg注3)を96週間経口投与した結果、本剤投与群(163例)での非外傷性の椎体骨折(既存骨折の増悪を含む)発生頻度は12.3%であった。本試験により、椎体骨折抑制効果が確認された。副作用発現頻度は31.5%(86/273)であり、主な副作用は上腹部痛6.2%(17/273)、嘔気2.2%(6/273)であった11)。
骨ページェット病患者を対象に、1日1回リセドロン酸ナトリウムとして17.5mgを8週間経口投与した結果、投与開始24週後のExcess血清AL-P値注5)の平均変化率は-85.3%(n=11)、投与開始48週後のExcess血清AL-P値の平均変化率は-82.1%(n=11)であった。副作用発現頻度は25%(3/12)であり、その内訳は、下痢、胃不快感、末梢性浮腫であった12)。
骨ページェット病患者を対象とした外国における二重盲検比較試験の結果、リセドロン酸ナトリウム1日1回30mg投与群(60日間投与)注6)及びエチドロン酸二ナトリウム1日1回400mg投与群(180日間投与)において、投与開始12ヵ月後までにおけるExcess血清AL-P値の最大75%以上低下した被験者の割合は、それぞれ85.0%(51/60)及び23.3%(14/60)であり、投与開始後180日目でのExcess血清AL-P値の平均変化率はそれぞれ-87.9%(n=56)及び-40.6%(n=57)であった13)。また、投与開始18ヵ月後において、血清AL-P値が正常に達し、維持されたのはリセドロン酸ナトリウム投与群で53%(17/32)であり、エチドロン酸二ナトリウム投与群で14%(4/29)であった14)。副作用発現頻度は47.5%(29/61)であり、主な副作用は下痢11.5%(7/61)、悪心8.2%(5/61)、関節痛8.2%(5/61)、頭痛4.9%(3/61)であった13)。
以下の種々の作用により、リセドロン酸ナトリウムは破骨細胞の機能阻害作用を示し、骨吸収を抑制して骨代謝回転を抑制すると考えられる。
ビーグル犬骨折治癒モデルにおいて、1.0mg/kg/日投与により骨折治癒の遅延が認められているが、0.1mg/kg/日注7)投与では骨折治癒の遅延は認められていない22)。
リセドロン酸ナトリウム水和物(Sodium Risedronate Hydrate)
Monosodium trihydrogen 1-hydroxy-2-(pyridin-3-yl)ethane-1, 1-diyldiphosphonate hemipentahydrate
C7H10NNaO7P2・21/2H2O
350.13
リセドロン酸ナトリウム水和物は白色の結晶性の粉末である。本品は水にやや溶けやすく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。本品は薄めた希水酸化ナトリウム試液(1→20)に溶ける。
PTP包装 20錠(2錠×10)
PTP包装 56錠(2錠×28)
1) D. Y. Mitchell, et al.:Br. J. Clin. Pharmacol. 2000;49:215-222
2) S. Takata, et al.:J. Bone Miner. Metab. 2006;24:359-367
3) 高田信二郎ほか:Osteoporosis Japan. 2007;15:246-249
4) **MID-NET®を用いた調査結果の概要(MID-NET®を用いたビスホスホネート製剤の腎機能障害患者における低カルシウム血症のリスク評価に関するデータベース調査):https://www.pmda.go.jp/files/000249186.pdf
5) アクトネル錠・ベネット錠:2007年4月18日承認、CTD2.7.6.1
6) 社内資料:リセドロン酸Na錠17.5mg「明治」の生物学的同等性試験に関する資料
7) アクトネル錠・ベネット錠:2002年1月17日承認、申請資料概要ヘ.3.(1).3)
8) アクトネル錠・ベネット錠:2002年1月17日審査報告書
9) アクトネル錠・ベネット錠:2002年1月17日承認、申請資料概要ヘ.3.(6)
10) アクトネル錠・ベネット錠:2007年4月18日承認、CTD2.7.6.5
11) K. Kushida, et al.:J. Bone Miner. Metab. 2004;22:469-478
12) アクトネル錠・ベネット錠:2008年7月16日承認、CTD2.7.6.12
13) アクトネル錠・ベネット錠:2008年7月16日承認、CTD2.7.6.11
14) P. D. Miller, et al.:Am. J. Med. 1999;106:513-520
15) アクトネル錠・ベネット錠:2002年1月17日承認、申請資料概要ホ.1.(6).1)
16) アクトネル錠・ベネット錠:2002年1月17日承認、申請資料概要ホ.1.(6).2)
17) アクトネル錠・ベネット錠:2002年1月17日承認、申請資料概要ホ.1.(6).3)
18) アクトネル錠・ベネット錠:2002年1月17日承認、申請資料概要ホ.1.(1).1)
19) アクトネル錠・ベネット錠:2002年1月17日承認、申請資料概要ホ.1.(1).2)
20) アクトネル錠・ベネット錠:2002年1月17日承認、申請資料概要ホ.1.(4).1)
21) アクトネル錠・ベネット錠:2002年1月17日承認、申請資料概要ホ.1.(4).2)
22) アクトネル錠・ベネット錠:2002年1月17日承認、申請資料概要ホ.1.(5)
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