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劇薬
処方箋医薬品注)
*本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
急性白血病(慢性骨髄性白血病の急性転化を含む)
通常、成人はダウノルビシン塩酸塩として1日量体重1㎏当たり0.4~1.0mg(力価)を、小児はダウノルビシン塩酸塩として1日量体重1kg当たり1.0mg(力価)を連日あるいは隔日に3~5回静脈内又は点滴静注し、約1週間の観察期間をおき、投与を反復する。
*他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人はダウノルビシン塩酸塩として1日25~60mg(力価)/m2(体表面積)を2~5回、小児はダウノルビシン塩酸塩として1日25~45mg(力価)/m2(体表面積)を2~4回、連日あるいは1~6日間をあけて静脈内投与し、骨髄機能が回復するまで休薬する。この方法を1コースとし、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
*他の抗悪性腫瘍剤との併用の場合、本剤の投与量、投与スケジュール、併用薬等について、学会のガイドライン等、最新の情報を参考にすること。
骨髄機能抑制を増悪させるおそれがある。,
骨髄機能抑制により感染を増悪させるおそれがある。,
致命的な全身障害があらわれるおそれがある。
,,
副作用が強くあらわれるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物実験(マウス)で催奇形性が報告されている。
授乳しないことが望ましい。本剤は乳汁に移行する可能性があり、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。
副作用の発現に特に注意すること。
用量に留意して患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤は主として肝臓で代謝されるが、高齢者では肝機能等の生理機能が低下していることが多い。
心筋障害が増強されるおそれがある。
心筋に対する蓄積毒性が増強される。
骨髄機能抑制等の副作用が増強することがある。
副作用が相互に増強される。
貧血、顆粒球減少、血小板減少、出血傾向等の骨髄抑制があらわれることがある。,,
5%以上又は頻度不明
0.1~5%未満
心臓
心電図異常、頻脈等
―
過敏症
発熱、発疹等
肝臓
AST、ALT、Al-P上昇、黄疸等
腎臓
BUN上昇、蛋白尿等
消化器
潰瘍性口内炎、食欲不振、悪心・嘔吐等
皮膚
脱毛等
精神神経系
倦怠感、頭痛、眩暈等
その他
悪寒、呼吸困難
白血病成人患者10例に本剤40mgを生理食塩液40mLに溶解し3分間で静注したときの血中濃度は、図1、2、表1のとおりであった4)。
血漿中
赤血球中
投与5分後の濃度
228.00±204.00 ng/mL
237.00±111.00 ng/g
T1/2α
0.0351±0.0157 hr
0.0738±0.0714 hr
T1/2β
1.82 ±2.01 hr
2.86 ±2.86 hr
T1/2γ
15.8 ±8.4 hr
97.3 ±210.8 hr
(平均±SD,n=10)
ヒトでの主要代謝物はダウノルビシノールである4)。
白血病成人患者10例に本剤40mgを投与したとき、24時間までの尿中総排泄率は、11.8±5.1%で、そのうちダウノルビシンは6.33±2.93%、ダウノルビシノールは5.30±2.48%であった4)。
急性白血病患者における寛解率は46.6%(41/88例)であった。投与群別では、本剤単独群37.0%(10/27例)、副腎皮質ホルモン併用群37.8%(14/37例)、他抗白血病・悪性腫瘍剤併用群70.8%(17/24例)であった。
副作用調査された総症例302例で報告された副作用の種類は33種類、症状累計521件であった。その主なものは、消化管障害97件32.12%、一般的全身症状(発熱、悪寒、倦怠感、胸内苦悶等)79件26.16%、皮膚障害(脱毛、発疹等)60件19.87%、心臓障害(心不全、頻脈)11件3.64%、血管障害(血管炎、血管痛等)13件4.30%、血液障害(白血球減少、赤血球減少、血小板減少等)212件70.20%、骨髄組織障害21件6.95%、肝障害16件5.30%、腎障害7件2.32%、その他5件1.66%であった。(副作用頻度調査終了時)
細胞の核酸合成過程に作用し直接DNAと結合しその結合部位はpurine及びpyrimidine環上にあると考えられ、このためDNA合成とDNA依存RNA合成反応を阻害する5),6),7)。
ダウノルビシン塩酸塩(Daunorubicin Hydrochloride)
(2S,4S)-2-Acetyl-4-(3-amino-2,3,6-trideoxy-α-L-lyxo-hexopyranosyloxy)-2,5,12-trihydroxy-7-methoxy-1,2,3,4-tetrahydrotetracene-6,11-dione monohydrochloride
C27H29NO10・HCl
563.98
ダウノルビシン塩酸塩は、赤色の粉末である。本品は水又はメタノールにやや溶けやすく、エタノール(99.5)に溶けにくい。
(log10 1-オクタノール層/水層、20±5℃)
pH2.0
pH4.0
pH6.0
pH8.0
-2.3
-1.8
-1.3
0.23
1バイアル
1) McCann, J., et al.:Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 1975;72(12):5135-5139
2) Watanabe, K., et al.:Mutat. Res. 1998;412(1):17-31
3) Le Fevre, AC., et al.:Mutat. Res. 2007;619(1-2):16-29
4) 小川浩司ほか:Chemotherapy. 1987;35(5):398-410
5) Rusconi, A., et al.:Biochim. Biophys. Acta. 1966;123:627-630
6) Di Marco, A., et al.:J. Cell Biol. 1965;27(3):545-550
7) Calendi, E., et al.:Biochim. Biophys. Acta. 1965;103:25-49
8) 太田和雄ほか:薬物療法. 1969;2(9):1323-1332
9) Di Marco, A., et al.:Tumori. 1963;49:203-217
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