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劇薬
処方箋医薬品注)
下記疾患の自覚的・他覚的症状の寛解並びに改善
本剤のバイアルに5%ブドウ糖注射液、注射用水又は生理食塩液10mLを加えて溶解する。
頭頸部癌はⅢ法又はⅣ法を、乳癌及び胃癌はⅠ法又はⅢ法を、卵巣癌及び子宮癌はⅠ法を、尿路上皮癌はⅠ法又はⅡ法を、急性白血病はⅤ法を、悪性リンパ腫はⅠ法又はⅣ法を標準的用法・用量として選択する。
ピラルビシンとして、1日1回、40~60mg(25~40mg/m2)(力価)を投与し、3~4週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
ピラルビシンとして、1日1回、30~40mg(20~25mg/m2)(力価)を2日間連日投与し、3~4週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
ピラルビシンとして、1日1回、20~40mg(14~25mg/m2)(力価)を1週間間隔で2~3回投与し、3~4週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
ピラルビシンとして、1日1回、10~20mg(7~14mg/m2)(力価)を3~5日間連日投与し、3~4週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
ピラルビシンとして、1日1回、10~30mg(7~20mg/m2)(力価)を5日間連日投与する。骨髄機能が回復するまで休薬し、投与を繰り返す。
ピラルビシンとして、1日1回、10~20mg(7~14mg/m2)(力価)を連日又は隔日に5~10回投与する。
カテーテルを用いて導尿した後、ピラルビシンとして、1日1回、15~30mg(力価)を500~1000μg(力価)/mLの溶液として週3回、各1~2時間膀胱内把持する。これを1クールとし、2~3クール繰り返す。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
骨髄機能抑制を増悪させるおそれがある。,,
骨髄機能抑制により感染を増悪させるおそれがある。,,,
致命的な全身障害があらわれるおそれがある。
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副作用が強くあらわれるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物実験(ラット)で胎児に対する毒性的影響(体重抑制、腰椎過剰、前肢指化骨数の減少)が報告され1)、アントラサイクリン系の他の抗悪性腫瘍剤の動物実験では催奇形性が報告されている。
授乳しないことが望ましい。本剤は動物実験(ラット)の結果2)から乳汁に移行する可能性があり、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。
副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
用量に留意して患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤は主として肝臓で代謝されるが、高齢者では肝機能等の生理機能が低下していることが多い。
心筋障害が増強されるおそれがある。
心筋に対する蓄積毒性が増強される。
骨髄機能抑制等の副作用が増強することがある。
副作用が相互に増強される。
心筋障害、更に心不全等があらわれることがある。,,,
汎血球減少(頻度不明)、貧血(頻度不明)、白血球減少(63.3%)、好中球減少(頻度不明)、血小板減少(13.7%)、出血傾向(2.9%)等の骨髄抑制があらわれることがある。,,,
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線像異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
膀胱内注入療法によって萎縮膀胱があらわれることがある。
5%以上
0.1~5%未満
頻度不明
心臓
心電図異常
頻脈、不整脈
肝臓
肝障害
γ-GTP上昇
AST、ALT、Al-P、LDH、総ビリルビン上昇
腎臓
腎障害、蛋白尿、BUN上昇、クレアチニン上昇
消化器
食欲不振(35.1%)、悪心・嘔吐、口内炎
下痢、腹痛、イレウス
消化管出血、便秘
皮膚
脱毛
色素沈着
精神神経系
全身倦怠(19.0%)
頭痛、めまい、しびれ
泌尿器
排尿痛、血尿
泌尿器(膀胱内注入療法時)注1)
頻尿(50.0%)、排尿痛(38.0%)、血尿等の膀胱刺激症状
排尿障害
過敏症
発疹等の過敏症状
皮膚炎
その他
発熱
胸痛、動悸、息切れ、味覚異常
感染症、浮腫、血清総蛋白減少、電解質異常、顔面潮紅、耳鳴
癌患者に本剤30mg/m2をワンショット静注投与した場合、投与1分後の血漿中濃度は0.52±0.28μg/mLで、投与後急速に低下したが、8時間以上にわたり6~11ng/mLの濃度が持続した。α、β、γ相の血漿中濃度半減期はそれぞれ0.89分、0.46時間、14.2時間であった3)。
癌患者4名に本剤20mg(0.5mg/mL)を膀胱内に単回投与した症例において、血中には本剤はほとんど検出されなかった。
限外濾過法により測定したヒト血清蛋白との結合率は本剤の濃度10、25、50及び100μg/mLで、それぞれ76.2、33.9、38.3及び19.0%であった(in vitro)。
腫瘍別の奏効率は、頭頸部癌18.8%(12/64)、乳癌21.4%(18/84)、胃癌13.3%(13/98)、尿路上皮癌24.3%(9/37)[膀胱癌22.2%(6/27)、腎盂・尿管腫瘍30.0%(3/10)]、卵巣癌26.8%(11/41)、子宮癌24.2%(8/33)、急性白血病30.4%(14/46)、悪性リンパ腫51.3%(39/76)であった4),5),6),7),8)。また、乳癌を対象とした比較試験でも、本剤の有用性が認められている9)。
腫瘍別の奏効率は、頭頸部癌53.5%(23/43)、膀胱癌60.0%(3/5)であった6),8)。
表在性膀胱癌に対する有効率は、60.0%(30/50)であった6)。
本剤は癌細胞へ速やかに取り込まれ、核画分に移行して核酸合成を阻害し、細胞に障害を与える。細胞分裂のG2期で細胞周期を停止させて癌細胞を致死させると考えられる10),11),12)。
吉田肉腫(ラット)、L1210白血病、P388白血病、B16メラノーマ、Colon38、Ehrlich固形癌、Sarcoma180固形癌(マウス)等の実験腫瘍に対して強い抗腫瘍効果を示した。Lewis肺癌の転移を強く抑制した(マウス)。また、シタラビン、アンシタビン、シクロホスファミド水和物との併用により、高い抗腫瘍効果を示した(マウス)13),14),15),16)。
ピラルビシン(Pirarubicin)
(2S,4S)-4-{3-Amino-2,3,6-trideoxy-4-O-[(2R)-3,4,5,6-tetrahydro-2H-pyran-2-yl]-α-L-lyxo-hexopyranosyloxy}-2,5,12-trihydroxy-2-hydroxyacetyl-7-methoxy-1,2,3,4-tetrahydrotetracene-6,11-dione
C32H37NO12
627.64
*ピラルビシンは赤橙色の結晶性の粉末である。本品はクロロホルムにやや溶けやすく、アセトニトリル、メタノール又はエタノール(99.5)に極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
1バイアル
1) 暮部 勝ほか:Jpn. J. Antibiot. 1986;39(2):477-506
2) 刀根 弘ほか:Jpn. J. Antibiot. 1986;39(2):612-628
3) 藤原 潔:慶應医学. 1988;65(2):147-162
4) 斉藤達雄ほか:癌と化学療法. 1986;13(4):1060-1069
5) 中尾 功ほか:癌と化学療法. 1991;18(8):1325-1332
6) 新島端夫ほか:癌と化学療法. 1986;13(2):224-231
7) 木村禧代二ほか:癌と化学療法. 1986;13(2):368-375
8) 竹田千里ほか:癌と化学療法. 1986;13(5):1970-1979
9) 阿部令彦ほか:癌と化学療法. 1986;13(6):2160-2168
10) Kunimoto, S., et al.:J. Antibiot. 1983;36(3):312-317
11) Tanaka, M., et al.:Jpn. J. Cancer Res. (Gann). 1983;74(6):829-836
12) 高本 滋ほか:癌と化学療法. 1986;13(5):1868-1875
13) Umezawa, H., et al.:J. Antibiot. 1979;32(10):1082-1084
14) Tsuruo, T., et al.:Cancer Res. 1982;42(4):1462-1467
15) Hisamatsu, T., et al.:Jpn. J. Cancer Res. (Gann). 1985;76(10):1008-1020
16) Matsushita, Y., et al.:J. Antibiot. 1985;38(10):1408-1419
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