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劇薬
処方箋医薬品注)
通常、成人にはタラポルフィンナトリウムとして40mg/m2を1回静脈内注射する。静脈内注射4~6時間後にレーザ光を病巣部位に照射する。
通常、成人にはタラポルフィンナトリウムとして40mg/m2を1回静脈内注射する。静脈内注射22~26時間後にレーザ光を病巣部位に照射する。
※日本産業規格の照明基準総則(JIS Z 9110)では、保健医療施設の照度範囲について、病室75~150ルクス、食堂200~500ルクス、一般検査室・診察室・薬局300~750ルクス、手術室750~1500ルクスと規定している。
気管癌の患者へのレーザ光照射後に、肉芽形成に起因した気管狭窄による呼吸困難があらわれたとの報告がある。
排泄が遅延し、高い血中濃度が持続するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で胎児の骨化遅延が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。高齢者では一般に生理機能が低下していることが多い。
光線過敏症が発現するおそれがあるので、本剤と併用、又は本剤投与の前後にこれらの薬剤の投与又は食品を摂取する場合には、直射日光を避け薄暗い室内で過ごさせるなど十分な管理を行うこと。
本剤は光感受性を高める作用があるので、これらの薬剤との併用又は食品の摂取により光感受性が増強されるおそれがある。
早期肺癌において、レーザ光照射後、肉芽形成に起因する気管狭窄による呼吸困難があらわれることがある。
AST、ALT、血中ビリルビンの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある。
20%以上
5~20%未満
5%未満
皮膚
光線過敏症
瘙痒
血液
血中アルブミン減少、リンパ球減少
白血球減少、好中球減少、リンパ球増多、白血球増多、単球増多、ヘモグロビン減少、血小板減少、血中カリウム上昇、好中球増多、ヘモグロビン増多、乳状血清
腎臓
BUN上昇、蛋白尿
呼吸器
喀痰、血痰、咳、咽頭痛
しゃっくり、低酸素症
消化器
食道痛注2)
嚥下障害注2)、食道狭窄注2)
下痢、嚥下痛、上腹部痛、悪心、嘔吐、便秘、食道炎
その他
CRP上昇
発熱
心電図異常(房室ブロック、洞性頻脈)、倦怠感、胸部不快感、低カルシウム血症、背部痛
海外の臨床試験において、ホルター心電図を用いた観察で、心室性頻拍や完全房室ブロック等の不整脈が発現したとの報告がある。
モルモット抗原性試験において一部の動物に掻鼻がみられ弱い抗原性が認められたとの報告がある。本剤を繰り返し投与する場合は、アナフィラキシー等の発現に注意すること。
早期肺癌患者(n=9)に本剤40mg/m2を静脈内投与したときの血漿中濃度は、4~6時間後に約20μg/mLであった。薬物動態パラメータは表のとおりであった。
T1/2α(hr)
T1/2β(hr)
CLtot(mL/hr/m2)
Vdss(L/m2)
14.6±2.96
138±21.4
19.0±3.8
3.26±0.51
Mean±S.D.
限外濾過法により測定したヒト血清蛋白結合率は、5、100μg/mLの濃度でほぼ100%であった(in vitro)。
ヒトではほとんど代謝されない(in vitro)。
早期肺癌患者(n=5)に本剤40mg/m2を静脈内投与したとき、投与7日後までの尿中排泄率は約3.4%であった。
早期肺癌患者を対象に、本剤40mg/m2単回静脈内投与4時間後に照射エネルギー密度100J/cm2の条件で光線力学的療法が実施された症例3例(3病変)の臨床効果は、何れも著効であり著効率100%であった4)。安全性評価対象例9例中42件の副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主なものは、喀痰増加9件(100%)、血痰5件(55.6%)、咳7件(77.8%)、咽頭痛5件(55.6%)等の呼吸器系障害、CRP上昇4件(44.4%)、発熱2件(22.2%)等の一般的全身障害、ALT上昇2件(22.2%)等の肝臓・胆管系障害であった。
早期肺癌患者を対象に、本剤40mg/m2単回静脈内投与4時間後に照射エネルギー密度100J/cm2の条件で光線力学的療法が実施された症例35例(39病変)の臨床効果は、病変別は表1、症例別は表2のとおりであった5)。
照射エネルギー密度
著効病変/評価病変
著効率(%)
奏効病変/評価病変
奏効率※(%)
100J/cm2
33/39
84.6
37/39
94.9
著効症例/評価症例
奏効症例/評価症例
29/35
82.9
33/35
94.3
※奏効率:(著効+有効)/評価母数
安全性評価対象例40例中63件の副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主なものは、喀痰増加11件(27.5%)、血痰10件(25.0%)、咳6件(15.0%)、咽頭痛2件(5.0%)等の呼吸器系障害、CRP上昇8件/37例(21.6%)、発熱4件(10.0%)等の一般的全身障害、ALT上昇4件(10.0%)等の肝臓・胆管系障害であった。
光線力学的療法施行後1年の追跡調査(国内臨床試験の全例を対象)では、確認できた34病変のうち、2病変で再発が確認され、1年以内の再発率は5.9%であった。全体(39病変)では、6病変で再発が確認され、調査時点(追跡症例数36例、追跡期間中央値832日、範囲457~2012日)での全体の局所再発率は15.4%(6/39病変)であった。
術前画像診断により原発性悪性脳腫瘍が疑われる患者を対象に、本剤40mg/m2単回静脈内投与22~26時間後に、残存腫瘍組織に対して27J/cm2を基本照射量として光線力学的療法を実施し12ヵ月後の全生存率を主要評価項目とした。有効性解析対象22例のうち、中央病理診断による組織型は、膠芽腫13例、退形成性星細胞腫3例、退形成性乏突起膠腫及び退形成性乏突起星細胞腫各2例、膠肉腫及び退形成性変化を伴う毛様細胞性星細胞腫各1例であった。腫瘍摘出率は、全摘出8例、亜全摘出11例、部分摘出3例であった。術中に光線力学的療法を施行し、術後放射線化学療法等の標準治療を行った際の12ヵ月全生存率は、有効性解析対象22例では95.5%、初発膠芽腫13例注)では100%であった。安全性評価対象例27例中18例(66.7%)、60件の副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主なものは、γ-GTP上昇16件(59.3%)、ALT上昇13件(48.1%)、AST上昇10件(37.0%)、Al-P上昇7件(25.9%)、LDH上昇6件(22.2%)等の肝機能検査値異常であった6)。,注)腫瘍摘出率は、全摘出5例、亜全摘出8例であった。
化学放射線療法又は放射線療法後の局所遺残再発食道癌患者を対象に、本剤40mg/m2単回静脈内投与4~6時間後に照射エネルギー密度100 J/cm2の条件で光線力学的療法を実施した。なお、全身化学療法が適応となる遠隔転移又はリンパ節転移を有する患者は除外された。また、本剤投与及びレーザ光照射翌日に内視鏡検査により病変を観察し、残存病変を認めた場合、本剤投与22~32時間後に追加でレーザ光を照射した。本試験に登録された26例全例が有効性の解析対象とされ、主要評価項目である中央判定による局所完全奏効率[95%信頼区間]の結果は、88.5[69.8,97.6]%(23/26例)であった。安全性評価対象例26例中26例(100.0%)、109件の副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主なものは、CRP上昇21件(80.8%)、食道痛14件(53.8%)、血中アルブミン減少9件(34.6%)、発熱8件(30.8%)、リンパ球減少7件(26.9%)、ALT上昇5件(19.2%)、AST上昇5件(19.2%)、γ-GTP上昇3件(11.5%)、好中球増多3件(11.5%)等であった。
タラポルフィンナトリウムにレーザ光を照射することにより一重項酸素が生じる。この一重項酸素が腫瘍細胞に直接障害を与えること、あるいは腫瘍血管に障害を与えることにより、抗腫瘍効果を示すと考えられる7),8)。
本療法は、ヌードマウス移植ヒト肺癌9)(5、10mg/kg、静脈内投与)、ヒト膠芽腫由来細胞株10)(T98G、A172及びU251)及びヒト食道癌由来細胞株11)(TE-5及びTE-10)に対して抗腫瘍効果を示した。
タラポルフィンナトリウム(Talaporfin Sodium)
(+)-tetrasodium(2S,3S)-18-carboxylato-20-[N-(S)-1,2-dicarboxylatoethyl]carbamoylmethyl-13-ethyl-3,7,12,17-tetramethyl-8-vinylchlorin-2-propanoate
C38H37N5Na4O9
799.69
タラポルフィンナトリウムは暗青緑色の粉末である。本品は水に溶けやすく、酢酸(100)にやや溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくく、アセトニトリルにほとんど溶けない。旋光度〔α〕20546:約+1000°(脱水物に換算したもの0.02g、水、500mL、100mm)。本品は吸湿性である。
約150℃(分解点)
1バイアル
1) PDレーザ電子添文
2) PDレーザBT電子添文
3) EC-PDTプローブ電子添文
4) Furukawa K., et al.:Porphyrins. 1998;7(2・3):199-206
5) Kato H., et al.:Lung Cancer. 2003;42:103-111
6) Muragaki Y., et al.:J. Neurosurg. 2013;119:845-852
7) Spikes JD., et al.:J. Photochem. Photobiol. B. 1993;17:135-143
8) Saito K., et al.:Jpn. J. Cancer Res. 2000;91:560-565
9) 社内資料:ヌードマウス移植ヒト肺癌(LC-6-JCK)に対するME2906を用いた光線力学的治療(PDT)の有効性(2003年10月16日承認、申請資料概要ホ.1.(3).1))
10) Tsutsumi M., et al.:Photodiagnosis Photodyn. Ther. 2013;10(2):103-110
11) 社内資料:食道癌細胞に対するレザフィリンを用いた光線力学的療法(photodynamic therapy:PDT)のin vitro殺細胞効果(2015年5月26日承認、CTD2.6.2.2)
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