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処方箋医薬品注)
本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属(エンテロコッカス・フェシウムを除く)、モラクセラ属、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、インフルエンザ菌、緑膿菌、アシネトバクター属、ペプトストレプトコッカス属、バクテロイデス属、プレボテラ属、フソバクテリウム属
敗血症、肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染、複雑性膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、子宮旁結合織炎
通常、成人にはビアペネムとして1日0.6g(力価)を2回に分割し、30~60分かけて点滴静脈内注射する。なお、年齢、症状に応じて適宜増減する。ただし、投与量の上限は1日1.2g(力価)までとする。
血液透析患者は1日1回投与が望ましい。,,
観察を十分に行うこと。ビタミンK欠乏症状があらわれることがある。
痙攣、意識障害等の中枢神経障害が起こりやすい。
循環血流量を増すことから心臓に負担をかけ、症状が悪化するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
バルプロ酸の血中濃度が低下し、てんかんの発作が再発するおそれがある。
機序は不明である。
不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
発熱、咳嗽、労作時息切れ、呼吸困難等の異常が認められた場合には速やかに胸部X線検査等を実施し、間質性肺炎またはPIE症候群が疑われる場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
痙攣、意識障害等の中枢神経症状があらわれることがある。,,,
劇症肝炎等の重篤な肝炎、肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがある。
発熱、紅斑、そう痒感、眼充血、口内炎等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
5%以上
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
発疹、そう痒
蕁麻疹
血液
好酸球増多、プロトロンビン時間延長、好塩基球増多、血小板増多、赤血球減少、ヘマトクリット値減少、好中球増多、血色素量減少、リンパ球増多、単球増多
肝臓
ALT上昇
AST、γ-GTP、AL-P、LAP、LDH、ビリルビン上昇
腎臓
尿中NAG上昇、尿中β2-ミクログロブリン上昇、BUN上昇、蛋白尿
血清クレアチニン上昇
消化器
血清アミラーゼ上昇
下痢、嘔気、腹痛
嘔吐、食欲不振
呼吸器
喘息発作
精神神経系
しびれ感
菌交代症
口内炎、カンジダ症
ビタミン欠乏症
ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)
その他
高カリウム血症、発熱、頭痛
胸痛、気分不良
浮腫
健常成人(5例)にビアペネム150mg、300mg及び600mgを60分かけて単回点滴静注したときの血漿中濃度は図1のとおりであり、用量依存性が認められている1)。
パラメータ
投与量
Cmax(μg/mL)
T1/2β(hr)
AUC(μg・hr/mL)
150mg
8.8±0.9
0.97±0.06
14.7±0.8
300mg
17.3±2.2
1.03±0.10
29.2±4.8
600mg
32.4±2.3
1.04±0.07
55.4±6.0
(Mean±S.D.、n=5)
健常成人(5例)にビアペネム300mg(1日2回、6日間計11回)及び600mg(1日2回、5日間計9回)を60分間反復点滴静注したときの初回及び最終投与時の薬物動態パラメータはほぼ同等であり、蓄積性は認められていない1),2)。
ビアペネム300mgを30分又は60分かけて単回点滴静注したときの骨盤死腔液最高濃度は9.6μg/mLである。喀痰中濃度は投与終了後6時間までで0.1~2.5μg/gである3)。
健常成人(5例)にビアペネム150mg、300mg及び600mgを単回点滴静注したとき、又は300mg及び600mgを反復点滴静注したとき、血漿中にはいずれの投与においても代謝物は検出されていない。尿中には単回及び反復点滴静注時において総代謝物として9.7~23.4%が排泄されている。なお、これらの代謝物の抗菌活性は認められていない1)。
健常成人(5例)にビアペネム150mg、300mg及び600mgを60分かけて単回点滴静注したときの投与後0~2時間の平均尿中ビアペネム濃度は、それぞれ325.5、584.8及び1105.1μg/mLであり、投与後8~12時間においても2.4、4.7及び21.4μg/mLである。また、0~12時間累積尿中排泄率は、それぞれ62.1、63.4及び64.0%である1)。
投与症例
T1/2(hr)
Ccr23.1mL/min
25.6
2.28
68.0
Ccr40.6mL/min
24.0
1.82
61.1
Ccr49.4mL/min
12.8
1.95
46.6
Tmax(hr)
透析時
24.8±4.7
1.0±0.0
3.33±0.91
52.7±8.7
非透析時
19.0±4.7
1.2±0.4
3.92±1.09
120±29
国内で実施された臨床試験のうち本剤の適応疾患296例についての疾患別臨床成績の概要は次のとおりである3),7),8),9),10)。
疾患名
有効率(有効以上)
例数
%
敗血症
24/26
92.3
呼吸器感染症
肺炎、肺膿瘍慢性呼吸器病変の二次感染
58/6351/55
92.192.7
尿路感染症
複雑性膀胱炎腎盂腎炎
75/8138/44
92.686.4
腹腔内感染症
腹膜炎
15/17
88.2
婦人科領域感染症
子宮旁結合織炎
10/10
100
合計
271/296
91.6
菌名
消失率
株数
ブドウ球菌属
黄色ブドウ球菌表皮ブドウ球菌コアグラーゼ陰性ブドウ球菌
17/2213/1518/18
77.386.7100
レンサ球菌属
46/46
肺炎球菌
25/25
腸球菌属
エンテロコッカス・フェカーリスエンテロコッカス・アビウム他の腸球菌
39/474/41/1
83.0--
モラクセラ属
6/6
大腸菌
63/67
94.0
シトロバクター属
7/7
クレブシエラ属
18/18
エンテロバクター属
14/15
93.3
セラチア属
12/12
プロテウス属
7/8
87.5
インフルエンザ菌
16/21
76.2
緑膿菌
40/55
72.7
アシネトバクター属
3/3
-
ペプトストレプトコッカス属
14/14
バクテロイデス属
22/22
プレボテラ属
23/24
95.8
フソバクテリウム属
8/9
88.9
ビアペネムの作用機序は細菌の細胞壁合成(ムレイン架橋形成)阻害である。MSSAではペニシリン結合蛋白(PBP)のうちPBP1、4に、また、E.coli並びにP.aeruginosaではPBP2、4に対し特に親和性が高い。
ビアペネムは好気性グラム陽性菌・陰性菌及び嫌気性菌に対し幅広い抗菌スペクトルと強い抗菌力を示すとともに、イミペネム、メロペネム、セフタジジム、オフロキサシン、ゲンタマイシンに耐性を示すP.aeruginosaに対しても強い抗菌力を示す。抗菌作用は殺菌的であり、特にP.aeruginosa、B.fragilisにはイミペネムと同等以上の強い殺菌作用を示す。また、ヒト腎デヒドロペプチダーゼ-Ⅰ(DHP-Ⅰ)に対しメロペネムよりも安定である(in vitro)。
ビアペネムはマウスにおける各種細菌による腹腔内感染、E.coli、P.aeruginosaによる混合腹腔内感染、P.aeruginosa白血球減少症感染、K.pneumoniae、P.aeruginosa及びペニシリン耐性S.pneumoniae呼吸器感染並びにE.coli、P.aeruginosa尿路感染に対してイミペネムと同等以上の効果を示す(in vivo)。
ビアペネム(Biapenem)
(-)-6-[(4R,5S,6S)-2-carboxy-6-[(R)-1-hydroxyethyl]-4-methyl-7-oxo-1-azabicyclo[3.2.0]hept-2-ene-3-yl]thio-6,7-dihydro-5H-pyrazolo[1,2-a][1,2,4]triazol-4-ium hydroxide inner salt
C15H18N4O4S
350.39
ビアペネムは白色~微黄白色の結晶性の粉末である。本品はギ酸に極めて溶けやすく、水にやや溶けにくく、メタノール、エタノール(99.5)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
200℃付近からわずかに褐色味を帯び始め、218℃で黒褐色となり、明確な融点を示さなかった。
BIPM
10キット
1) 中島光好ほか:薬理と治療. 1994;22(4):1879-1895
2) 関野久之ほか:基礎と臨床. 1996;30(12):3265-3282
3) 原 耕平ほか:Jpn. J. Antibiot. 1999;52(11):629-660
4) 社内資料:各種感染症に対するbiapenemの臨床的検討(腎機能障害患者における血漿中濃度)(2001年10月2日承認、申請資料概要ヘ.3.(2).1))
5) 青木信樹ほか:Chemotherapy. 1994;42(S-4):350-364
6) Nagashima, S., et al.:J. Antimicrob. Chemother. 2000;46(5):839-842
7) 松本文夫ほか:日本化学療法学会雑誌. 2000;48(1):34-44
8) 河田幸道ほか:日本化学療法学会雑誌. 1999;47(12):852-862
9) 松本文夫ほか:日本化学療法学会雑誌. 2000;48(1):45-67
10) 河田幸道ほか:日本化学療法学会雑誌. 2000;48(3):218-232
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