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コスタイベ筋注用

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.接種不適当者(予防接種を受けることが適当でない者)
3.製法の概要及び組成・性状
3.1製法の概要
3.2組成
3.3製剤の性状
4.効能・効果
5.効能・効果に関連する注意
6.用法・用量
7.用法・用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する者に関する注意
9.1接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)
9.2腎機能障害を有する者
9.3肝機能障害を有する者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
11.副反応
11.1重大な副反応
11.2その他の副反応
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2*変異株に対する中和抗体産生能
20.取扱い上の注意
21.承認条件
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
25.保険給付上の注意
26.製造販売業者等

コスタイベ筋注用

添付文書番号

631341PE1020_1_02

企業コード

780009

作成又は改訂年月

2024年9月改訂(第2版)
2024年6月作成

日本標準商品分類番号

876313

薬効分類名

ウイルスワクチン類

承認等

コスタイベ筋注用

販売名コード

YJコード

631341PE1020

販売名英語表記

KOSTAIVE intramuscular injection

販売名ひらがな

こすたいべきんちゅうよう

承認番号等

承認番号

30500AMX00282000

販売開始年月

2024年9月

貯法・有効期間

貯法

-20±5℃

有効期間

18ヵ月

基準名

生物学的製剤基準

コロナウイルス(SARS-CoV-2)RNAワクチン

一般的名称

コロナウイルス(SARS-CoV-2)RNAワクチン

2. 接種不適当者(予防接種を受けることが適当でない者)

  1. 2.1 明らかな発熱を呈している者
  2. 2.2 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
  3. 2.3 本剤の成分に対し重度の過敏症の既往歴のある者,,
  4. 2.4 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者

3. 製法の概要及び組成・性状

3.1 製法の概要

*SARS-CoV-2のスパイクタンパク質及びVEEV由来レプリカーゼのアミノ酸配列をコードするDNAを鋳型として転写したmRNAを精製し、脂質ナノ粒子に封入する。本剤は、mRNAの原材料及び本剤における製造工程で、動物(ブタ、ウサギ)由来成分を用いて製した酵素を使用している。
抗原として用いる株(抗原株)は下表のとおり。
抗原株
SARS-CoV-2オミクロン株 JN.1系統

3.2 組成

コスタイベ筋注用

有効成分
  *1バイアル中SARS-CoV-2のスパイクタンパク質をコードするmRNA 0.10mg
添加剤
  1バイアル中ジ(ペンタデカン-8-イル)4,4'-[({[3-(ジメチルアミノ)プロピル]チオ}カルボニル)アザンジイル]ジブチレート(ATX-126) 2.11mg
1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DSPC) 0.44mg
コレステロール 0.83mg
1,2-ジミリストイル-rac-グリセロ-3-メチルポリオキシエチレン(PEG2000-DMG) 0.21mg
トロメタモール 2.42mg
塩化ナトリウム 2.92mg
精製白糖 180.0mg
ソルビン酸カリウム 3.76mg
ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール 0.25mg

3.3 製剤の性状

コスタイベ筋注用

形状白色の塊または粉末(凍結乾燥品)
pH7.5~8.5
浸透圧比(生理食塩液対比)約1.3

4. 効能・効果

SARS-CoV-2による感染症の予防

5. 効能・効果に関連する注意

  1. 5.1 本剤の予防効果の持続期間は確立していない。

6. 用法・用量

本剤を日局生理食塩液10mLにて溶解する。
1回0.5mLを筋肉内に接種する。

7. 用法・用量に関連する注意

  1. 7.1 接種対象者

    18歳以上の者

  2. 7.2 接種時期

    通常、前回のSARS-CoV-2ワクチンの接種から少なくとも3ヵ月経過した後に接種することができる。

  3. 7.3 接種回数

    過去にSARS-CoV-2ワクチンの接種歴のない者には、およそ4週間の間隔をおいて2回目接種を行うことができる。

  4. 7.4 同時接種

    医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤は「予防接種実施規則」及び「定期接種実施要領」に準拠して使用すること。
  2. 8.2 被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察によって健康状態を調べること。
  3. 8.3 被接種者又はその保護者に、接種当日は過激な運動は避け、接種部位を清潔に保ち、また、接種後の健康監視に留意し、局所の異常反応や体調の変化、さらに高熱、痙攣等の異常な症状を呈した場合には速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせること。
  4. 8.4 ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるため、接種前に過敏症の既往歴等に関する問診を十分に行い、接種後一定時間、被接種者の状態を観察することが望ましい。また、本剤接種後にショック、アナフィラキシーが認められた被接種者に対しては、以降の本剤の接種を行わないこと。,,
  5. 8.5 ワクチン接種直後又は接種後に注射による心因性反応を含む血管迷走神経反射を原因とした失神による転倒を避けるため、接種後一定時間は座らせるなどした上で被接種者の状態を観察することが望ましい。
  6. 8.6 心筋炎、心膜炎があらわれることがあるため、被接種者又はその保護者に対しては、心筋炎、心膜炎が疑われる症状(胸痛、動悸、むくみ、呼吸困難、頻呼吸等)が認められた場合には、速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせること。,,
  7. 8.7 コロナウイルス(SARS-CoV-2)RNAワクチン接種後に、ギラン・バレー症候群が報告されている。被接種者又はその保護者に対しては、ギラン・バレー症候群が疑われる症状(四肢遠位から始まる弛緩性麻痺、腱反射の減弱ないし消失等)が認められた場合には直ちに医師等に相談するよう、あらかじめ説明すること。
  8. 8.8 本剤と他のSARS-CoV-2に対するワクチンの互換性に関するデータはない。

9. 特定の背景を有する者に関する注意

9.1 接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)

被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。

  1. 9.1.1 抗凝固療法を受けている者、血小板減少症又は凝固障害を有する者

    本剤接種後に出血又は注射部位に血腫があらわれるおそれがある。

  2. 9.1.2 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
  3. 9.1.3 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者

    ,

  4. 9.1.4 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
  5. 9.1.5 過去に痙攣の既往のある者
  6. 9.1.6 本剤の成分に対して、アレルギーを呈するおそれのある者

    ,,

9.2 腎機能障害を有する者

接種要注意者である。

9.3 肝機能障害を有する者

接種要注意者である。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること。

9.6 授乳婦

予防接種上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤及び本剤に対する抗体のヒト乳汁中への移行は不明である。

9.7 小児等

18歳未満を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

接種にあたっては、問診等を慎重に行い、被接種者の健康状態を十分に観察すること。一般に、生理機能が低下している。

11. 副反応

次の副反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副反応

  1. 11.1.1 ショック、アナフィラキシー(頻度不明)

    ,,

  2. 11.1.2 心筋炎、心膜炎(頻度不明)

    ,,

11.2 その他の副反応

10%以上

1~10%未満

1%未満

局所症状
(注射部位)

*圧痛(92.9%)a)、疼痛(83.8%)a)、腫脹(14.0%)a)、硬結(12.4%)a)、紅斑(12.4%)a)

そう痒感

過敏症

発疹、過敏症、そう痒症

精神神経系

頭痛(39.0%)a)、めまい(19.2%)a)

感覚鈍麻、傾眠

心・血管系

動悸

消化器

下痢a)、悪心a)、嘔吐a)

*腹痛、上腹部痛、軟便、腹部不快感

呼吸器

*鼻漏、咳嗽

筋・骨格系

筋肉痛(28.8%)a)、関節痛(26.7%)a)

背部痛

全身症状

*倦怠感(44.8%)a)、悪寒(30.0%)a)、発熱(20.1%)a)

異常感

感染症

咽頭炎

*a)臨床試験において日誌により収集した副反応の発現割合
注)海外臨床試験(ARCT-154-01試験 第Ⅲbパート)及び国内臨床試験(ARCT-154-J01試験及びARCT-2301-J01試験)で収集した事象の発現割合をそれぞれ算出し、共通して発現の認められた事象についてはより高い発現割合の値を記載した。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意

  1. 14.1.1 保存方法

    本剤は冷蔵庫(2~8℃)で1ヵ月間保存することができる。なお、冷蔵保存後は再冷凍せずに、有効期間を超えない範囲で1ヵ月間以内に使用すること。

  2. 14.1.2 調製方法
    1. (1) 溶解前に室温に戻しておくこと。
    2. (2) 本剤は保存料を含まないため、操作にあたっては雑菌が迷入しないよう注意すること。
    3. (3) 本剤に日局生理食塩液10mLを注入する際は、複数回(少なくとも3回)に分けて注入すること。注入後、白色の均一な液になるまでゆっくりと転倒混和する。もし泡立った場合は、泡立ちが収まるまで静置する。
    4. (4) 溶解後の液に異物や変色がないことを確認する。異物や変色があるバイアルは使用しないこと。
    5. (5) 溶解後の液は16回接種分(1回0.5mL)を有する。16回を超えて採取しないこと。残量は廃棄すること。
    6. (6) 溶解後の液は速やかに使用すること。保存する場合は2~25℃で保存し、一度針を刺した後は6時間以内に使用すること。6時間以内に使用しなかった液は廃棄すること。
    7. (7) 溶解後保存の際には、室内照明による曝露を最小限に抑えること。 直射日光及び紫外線が当たらないようにすること。

14.2 薬剤接種時の注意

  1. 14.2.1 溶解後のバイアルから0.5mLを抜き取り、異物や変色がないことを目視で確認すること。異常が認められる場合は使用しないこと。
  2. 14.2.2 溶解後に保存していた場合は、室温に戻してから、均一な液になるまでゆっくりと転倒混和して使用すること。泡立った場合には、泡立ちが収まるまで静置すること。
  3. 14.2.3 本剤を他のワクチンと混合して接種しないこと。
  4. 14.2.4 通常、上腕三角筋に筋肉内接種すること。静脈内、皮内、皮下への接種は行わないこと。
  5. 14.2.5 注射針の先端が血管内に入っていないことを確かめること。
  6. 14.2.6 組織・神経等への影響を避けるため下記の点に注意すること。
    1. (1) 針長は筋肉内接種に足る長さで、神経、血管、骨等の筋肉下組織に到達しないよう、各被接種者に対して適切な針長を決定すること。
    2. (2) 神経走行部位を避けること。
    3. (3) 注射針を刺入したとき、激痛の訴えや血液の逆流がみられた場合は直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

  1. 15.1.1 海外において、コロナウイルス(SARS-CoV-2)RNAワクチン接種後に心筋炎、心膜炎が報告されている。過去にSARS-CoV-2ワクチンの接種歴のない者に対する2回目までの接種において報告された症例の多くは若年男性であり、特に2回目接種後数日以内に発現している。また、大多数の症例で、入院による安静臥床により症状が改善している1),
  2. 15.1.2 コロナウイルス(SARS-CoV-2)RNAワクチンの国内副反応疑い報告における心筋炎、心膜炎の報告率と、国内の医療情報データベースを用いて算出した一般集団から推測される心筋炎、心膜炎の発現率とを比較したところ、過去にSARS-CoV-2ワクチンの接種歴のない者に対する2回接種後の若年男性で頻度が高いことが示唆された2),
  3. 15.1.3 海外において、皮膚充填剤との関連性は不明であるが、皮膚充填剤注入歴のある被接種者において、コロナウイルス(SARS-CoV-2)RNAワクチン接種後に、皮膚充填剤注入部位周辺の腫脹(特に顔面腫脹)が報告されている。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 海外第Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ相試験(ARCT-154-01試験)第Ⅲbパート(初回免疫)(1価:起源株)

    SARS-CoV-2ワクチン未接種の18歳以上の健康な参加者を対象にコスタイベ筋注用(1価:起源株)(有効成分としてSARS-CoV-2(起源株)のスパイクタンパク質をコードするmRNA 5μg、以下コスタイベ(1価:起源株))を28日間隔で2回接種したときの有効性及び安全性を検討することを目的として、プラセボ対照無作為化多施設共同試験を実施した。
    本試験の第Ⅲbパートへの参加者15510例(コスタイベ(1価:起源株)群7787例、プラセボ群7723例)に対して、主要評価項目であるCOVID-19確定例(2回目接種終了後7日以降2ヵ月後までの期間のCOVID-19発症)に基づくワクチンの有効性(VE)は、表1のとおりであった。

    表1 SARS-CoV-2による感染症に対する有効性

    コスタイベ
    (1価:起源株)
    接種群

    プラセボ
    接種群

    VE%
    [両側95%信頼区間]a)

    解析対象例数

    7787

    7723

    56.6
    [48.7, 63.3]

    COVID-19
    確定例数(%)

    200(2.6)

    440(5.7)

    総観測時間(人年)

    1131.7

    1100.6

    a)地域及びリスクグループ(18~59歳かつ重症化リスク因子なし、18~59歳かつ重症化リスク因子あり、60歳以上)を調整因子としたCox比例ハザードモデルにより算出

    ワクチン接種後7日以内に報告された主な副反応の発現状況は表2のとおりであった。これらの事象はほとんどが軽度又は中等度で、接種後数日以内に消失した3)

    表2 主な副反応の発現状況

    発現例数(発現割合(%))

    1回目

    2回目

    コスタイベ
    (1価:起源株)
    接種群
    (N=7927)

    プラセボ接種群
    (N=7886)

    コスタイベ
    (1価:起源株)
    接種群
    (N=7702)

    プラセボ接種群
    (N=7638)

    全体

    Grade3
    以上a)

    全体

    Grade3
    以上a)

    全体

    Grade3
    以上a)

    全体

    Grade3
    以上a)

    注射部位
    圧痛

    3003
    (37.9)

    32
    (0.4)

    659
    (8.4)

    0
    (0.0)

    2043
    (26.5)

    7
    (0.1)

    429
    (5.6)

    1
    (0.0)

    注射部位
    疼痛

    3029
    (38.2)

    29
    (0.4)

    676
    (8.6)

    0
    (0.0)

    2063
    (26.8)

    7
    (0.1)

    467
    (6.1)

    0
    (0.0)

    注射部位
    硬結/腫脹

    224
    (2.8)

    2
    (0.0)

    29
    (0.4)

    0
    (0.0)

    80
    (1.0)

    1
    (0.0)

    10
    (0.1)

    0
    (0.0)

    注射部位
    紅斑

    79
    (1.0)

    1
    (0.0)

    18
    (0.2)

    0
    (0.0)

    37
    (0.5)

    0
    (0.0)

    9
    (0.1)

    0
    (0.0)

    頭痛

    1925
    (24.3)

    19
    (0.2)

    1235
    (15.7)

    7
    (0.1)

    1649
    (21.4)

    24
    (0.3)

    836
    (10.9)

    3
    (0.0)

    めまい

    1050
    (13.2)

    10
    (0.1)

    720
    (9.1)

    6
    (0.1)

    848
    (11.0)

    8
    (0.1)

    445
    (5.8)

    0
    (0.0)

    下痢

    318
    (4.0)

    2
    (0.0)

    242
    (3.1)

    3
    (0.0)

    165
    (2.1)

    2
    (0.0)

    134
    (1.8)

    1
    (0.0)

    悪心

    247
    (3.1)

    0
    (0.0)

    171
    (2.2)

    1
    (0.0)

    195
    (2.5)

    1
    (0.0)

    108
    (1.4)

    0
    (0.0)

    嘔吐

    94
    (1.2)

    0
    (0.0)

    54
    (0.7)

    1
    (0.0)

    73
    (0.9)

    1
    (0.0)

    32
    (0.4)

    0
    (0.0)

    筋肉痛

    1615
    (20.4)

    13
    (0.2)

    692
    (8.8)

    3
    (0.0)

    1196
    (15.5)

    7
    (0.1)

    550
    (7.2)

    2
    (0.0)

    関節痛

    1431
    (18.1)

    23
    (0.3)

    910
    (11.5)

    4
    (0.1)

    1171
    (15.2)

    17
    (0.2)

    679
    (8.9)

    4
    (0.1)

    疲労

    2344
    (29.6)

    27
    (0.3)

    1307
    (16.6)

    9
    (0.1)

    1926
    (25.0)

    27
    (0.4)

    901
    (11.8)

    4
    (0.1)

    悪寒

    1491
    (18.8)

    19
    (0.2)

    558
    (7.1)

    4
    (0.1)

    1344
    (17.5)

    17
    (0.2)

    386
    (5.1)

    1
    (0.0)

    発熱b)

    417
    (5.3)

    53
    (0.7)

    101
    (1.3)

    12
    (0.2)

    505
    (6.6)

    63
    (0.8)

    92
    (1.2)

    11
    (0.1)

    N=解析対象例数(日誌により評価した例数)

    a)重症度が「重度(日常生活を妨げる)」以上として報告された事象

    b)体温が38℃以上。39℃以上をGrade3以上とした

  2. 17.1.2 国内第Ⅲ相試験(ARCT-154-J01試験)(追加免疫)(1価:起源株)

    過去に既承認コロナウイルス(SARS-CoV-2)RNAワクチンを3回接種した者で、3回目にコミナティ筋注(1価:起源株)(有効成分としてトジナメラン30μg、以下コミナティ(1価:起源株))を接種して少なくとも3ヵ月以上経過した18歳以上(65歳以上も含む)の参加者828名を対象に、コスタイベ(1価:起源株)又はコミナティ(1価:起源株)を1回筋肉内接種した際の安全性及び免疫原性を評価した。
    ワクチン接種1ヵ月後のSARS-CoV-2(起源株)中和抗体価を評価した結果、表3のとおりSARS-CoV-2(起源株)に対する中和抗体の幾何平均抗体価及び抗体反応率においてコミナティ(1価:起源株)に対するコスタイベ(1価:起源株)の非劣性が示された。

    表3 接種1ヵ月後のSARS-CoV-2(起源株)の中和抗体の幾何平均抗体価(GMT)及び抗体反応率(SRR)

    コスタイベ
    (1価:起源株)
    接種群
    N=385

    コミナティ
    (1価:起源株)
    接種群
    N=374

    幾何平均抗体価
    (GMT)

    GMT
    [両側95%信頼区間]

    5640.7
    [4321.2, 7363.2]

    3933.6
    [2993.4, 5169.1]

    GMT比a)
    [両側95%信頼区間]

    1.43
    [1.26, 1.63]

    抗体反応率
    (SRR)

    抗体反応例数(n)

    251

    193

    SRR(%)
    [両側95%信頼区間]

    65.2
    [60.2, 69.9]

    51.6
    [46.4, 56.8]

    SRRの差b)
    [両側95%信頼区間]

    13.6
    [6.8, 20.5]

    N=解析対象例数

    n=抗体反応例数。抗体反応の定義は、追加接種前の中和抗体価(定量下限未満の場合は定量下限の1/2)から4倍以上の上昇

    GMT比:コスタイベ(1価:起源株)接種群のGMT/コミナティ(1価:起源株)接種群のGMT

    SRRの差:コスタイベ(1価:起源株)接種群のSRR-コミナティ(1価:起源株)接種群のSRR

    a)非劣性の成功基準:GMT比の両側95%信頼区間下限>0.67

    b)非劣性の成功基準:SRRの差の両側95%信頼区間下限>-10%

    ワクチン接種後7日間に日誌により収集した主な副反応の発現状況は表4のとおりであった。これらの事象はほとんどが軽度又は中等度で、接種後数日以内に消失した4)

    表4 主な副反応の発現状況

    発現例数(発現割合(%))

    コスタイベ(1価:起源株)
    接種群(N=420)

    コミナティ(1価:起源株)
    接種群(N=408)

    全体

    Grade3以上a)

    全体

    Grade3以上a)

    注射部位圧痛

    388(92.4)

    1(0.2)

    391(95.8)

    1(0.2)

    注射部位疼痛

    352(83.8)

    1(0.2)

    358(87.7)

    0(0.0)

    注射部位腫脹

    59(14.0)

    1(0.2)

    97(23.8)

    1(0.2)

    注射部位硬結

    52(12.4)

    1(0.2)

    81(19.9)

    0(0.0)

    注射部位紅斑

    52(12.4)

    0(0.0)

    85(20.8)

    3(0.7)

    頭痛

    164(39.0)

    3(0.7)

    123(30.1)

    3(0.7)

    めまい

    25(6.0)

    0(0.0)

    13(3.2)

    1(0.2)

    下痢

    27(6.4)

    0(0.0)

    15(3.7)

    0(0.0)

    悪心

    21(5.0)

    0(0.0)

    15(3.7)

    0(0.0)

    嘔吐

    2(0.5)

    0(0.0)

    2(0.5)

    0(0.0)

    筋肉痛

    121(28.8)

    2(0.5)

    99(24.3)

    3(0.7)

    関節痛

    112(26.7)

    1(0.2)

    113(27.7)

    2(0.5)

    倦怠感

    188(44.8)

    3(0.7)

    176(43.1)

    4(1.0)

    悪寒

    126(30.0)

    2(0.5)

    103(25.2)

    4(1.0)

    発熱b)

    84(20.0)

    2(0.5)

    76(18.6)

    2(0.5)

    N=解析対象例数(日誌により評価した例数)

    a)重症度が「重度(日常生活を妨げる)」以上として報告された事象

    b)体温が37.5℃以上。39℃以上をGrade3以上とした

  3. 17.1.3 *国内第Ⅲ相試験(ARCT-2301-J01試験)(追加免疫)(2価:起源株/オミクロン株BA.4-5)

    *過去に既承認コロナウイルス(SARS-CoV-2)RNAワクチンを2~4回接種した者で、コミナティRTU筋注(2価:起源株/オミクロン株BA.1)(有効成分としてトジナメラン及びリルトジナメラン計30μg)又はコミナティRTU筋注(2価:起源株/オミクロン株BA.4-5)(有効成分としてトジナメラン及びファムトジナメラン計30μg、以下コミナティ(2価:起源株/BA.4-5))を追加免疫の最終接種として1回接種し、最終接種から3ヵ月以上経過した18歳以上(65歳以上も含む)の参加者930名を対象に、コスタイベ筋注用(2価:起源株/オミクロン株BA.4-5)(有効成分としてSARS-CoV-2(起源株及びオミクロン株BA.4-5)のスパイクタンパク質をそれぞれコードするmRNA計5μg、以下コスタイベ(2価:起源株/BA.4-5))(未承認)又はコミナティ(2価:起源株/BA.4-5)を1回筋肉内接種した際の安全性及び免疫原性を評価した。
    ワクチン接種1ヵ月後のSARS-CoV-2(オミクロン株BA.4-5)中和抗体価を評価した結果、表5のとおりSARS-CoV-2(オミクロン株BA.4-5)に対する中和抗体の幾何平均抗体価及び抗体反応率においてコミナティ(2価:起源株/BA.4-5)に対するコスタイベ(2価:起源株/BA.4-5)の非劣性が示された。

    表5 接種1ヵ月後のSARS-CoV-2(オミクロン株BA.4-5)の中和抗体の幾何平均抗体価(GMT)及び抗体反応率(SRR)

    コスタイベ
    (2価:起源株
    /BA.4-5)
    接種群
    N=398

    コミナティ
    (2価:起源株
    /BA.4-5)
    接種群
    N=405

    幾何平均抗体価
    (GMT)

    GMT
    [両側95%信頼区間]

    6489.4
    [2787.9, 15105.5]

    4357.5
    [1871.2, 10147.5]

    GMT比a)
    [両側95%信頼区間]

    1.49
    [1.26, 1.76]

    抗体反応率
    (SRR)

    抗体反応例数(n)

    250

    225

    SRR(%)
    [両側95%信頼区間]

    62.8
    [57.9, 67.6]

    55.6
    [50.6, 60.5]

    SRRの差b)
    [両側95%信頼区間]

    7.2
    [0.6, 13.7]

    N=解析対象例数

    n=抗体反応例数。抗体反応の定義は、追加接種前の中和抗体価(定量下限未満の場合は定量下限の1/2)から4倍以上の上昇

    GMT比:コスタイベ(2価:起源株/BA.4-5)接種群のGMT/コミナティ(2価:起源株/BA.4-5)接種群のGMT

    SRRの差:コスタイベ(2価:起源株/BA.4-5)接種群のSRR-コミナティ(2価:起源株/BA.4-5)接種群のSRR

    a)非劣性の成功基準:GMT比の両側95%信頼区間下限>0.67

    b)非劣性の成功基準:SRRの差の両側95%信頼区間下限>-10%

    ワクチン接種後7日間に日誌により収集した主な副反応の発現状況は表6のとおりであった。これらの事象はほとんどが軽度又は中等度で、接種後数日以内に消失した5)

    表6 主な副反応の発現状況

    発現例数(発現割合(%))

    コスタイベ(2価:起源株
    /BA.4-5)接種群(N=463)

    コミナティ(2価:起源株
    /BA.4-5)接種群(N=464)

    全体

    Grade3以上a)

    全体

    Grade3以上a)

    注射部位圧痛

    430(92.9)

    0(0.0)

    427(92.0)

    0(0.0)

    注射部位疼痛

    379(81.9)

    0(0.0)

    378(81.5)

    0(0.0)

    注射部位腫脹

    56(12.1)

    0(0.0)

    68(14.7)

    2(0.4)

    注射部位硬結

    45(9.7)

    0(0.0)

    78(16.8)

    0(0.0)

    注射部位紅斑

    47(10.2)

    0(0.0)

    52(11.2)

    0(0.0)

    頭痛

    117(25.3)

    3(0.6)

    107(23.1)

    1(0.2)

    めまい

    8(1.7)

    0(0.0)

    8(1.7)

    1(0.2)

    下痢

    16(3.5)

    0(0.0)

    11(2.4)

    0(0.0)

    悪心

    14(3.0)

    1(0.2)

    8(1.7)

    0(0.0)

    嘔吐

    2(0.4)

    0(0.0)

    2(0.4)

    0(0.0)

    筋肉痛

    88(19.0)

    0(0.0)

    95(20.5)

    1(0.2)

    関節痛

    82(17.7)

    0(0.0)

    72(15.5)

    0(0.0)

    倦怠感

    177(38.2)

    2(0.4)

    157(33.8)

    2(0.4)

    悪寒

    69(14.9)

    0(0.0)

    58(12.5)

    0(0.0)

    発熱b)

    93(20.1)

    1(0.2)

    72(15.5)

    5(1.1)

    N=解析対象例数(日誌により評価した例数)

    a)重症度が「重度(日常生活を妨げる)」以上として報告された事象

    b)体温が37.5℃以上。39℃以上をGrade3以上とした

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

本剤は脂質ナノ粒子に封入された自己増幅型メッセンジャーRNA(mRNA)を含有する。脂質ナノ粒子によりmRNAは宿主細胞内へ送達され、レプリカーゼ及びSARS-CoV-2完全長スパイクタンパク質が一過性に発現する。これにより、SARS-CoV-2特異的な免疫応答が誘導されることで、SARS-CoV-2による感染症の予防に寄与すると考えられる。

18.2 *変異株に対する中和抗体産生能

*1価(オミクロン株 JN.1)製剤を単回投与したマウスにおいて、投与28日後にオミクロン株 JN.1、XDQ.1、KP.2、KP.3及びLB.1に対する中和抗体の産生が認められた。また2価(起源株/オミクロン株BA.4-5)製剤と1価(オミクロン株XBB.1.5)製剤を同時投与した69日後に1価(オミクロン株 JN.1)製剤を1回追加投与したマウスにおいても、追加投与28日後にオミクロン株 JN.1、XDQ.1、KP.2、KP.3及びLB.1に対する中和抗体の産生が認められた6)

20. 取扱い上の注意

外箱開封後は遮光して保存すること。

21. 承認条件

  1. 21.1 医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
  2. 21.2 現時点での知見が限られていることから、製造販売後、副反応情報等の本剤の安全性に関するデータを、あらかじめ定めた計画に基づき早期に収集するとともに、独立行政法人医薬品医療機器総合機構に提出し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。
  3. 21.3 現在国内で実施中の本剤に係る臨床試験の成績が得られた際には、速やかに当該成績を独立行政法人医薬品医療機器総合機構に提出するとともに、本剤の有効性及び安全性に係る最新の情報を、医療従事者及び被接種者が容易に入手可能となるよう必要な措置を講じること。
  4. 21.4 本剤の接種に際し、本剤の有効性及び安全性については今後も情報が集積されることを踏まえ、あらかじめ被接種者又は代諾者に最新の有効性及び安全性に関する情報が文書をもって説明され、予診票等で文書による同意を得てから接種されるよう、医師に対して適切に説明すること。

22. 包装

*1バイアル

24. 文献請求先及び問い合わせ先

Meiji Seika ファルマ株式会社 くすり相談室

〒104-8002 東京都中央区京橋2-4-16

フリーダイヤル(0120)093-396 電話(03)3273-3539
FAX(03)3272-2438

25. 保険給付上の注意

本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

Meiji Seikaファルマ株式会社

東京都中央区京橋2-4-16

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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