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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤の使用は致死的不整脈治療の十分な経験のある医師に限り、諸検査の実施が可能で、CCU、ICUあるいはそれに準ずる体制の整った、緊急時にも十分に対応できる施設でのみ使用すること。
致死的不整脈患者で、難治性かつ緊急を要する場合にのみ使用すること。
ただし、心停止時はこの限りでない。
Brugada症候群及びカテコラミン誘発性多形性心室頻拍に対する本剤の効果は確認されていない。
通常、成人には以下のとおり点滴静注により投与する。なお、症状に応じて適宜増減あるいは追加投与を行う。ただし、最大量として1日の総投与量は1250mgを超えないこと及び投与濃度は2.5mg/mLを超えないこと。
血行動態不安定な心室頻拍あるいは心室細動が再発し、本剤投与が必要な場合には追加投与できる。1回の追加投与は本剤125mg(2.5mL)を5%ブドウ糖液100mLに加え、容量型の持続注入ポンプを用い、600mL/時(10mL/分)の速度で10分間投与する。
48時間の投与終了後、本剤の継続投与が必要と判断された場合は、継続投与を行うことができる。アミオダロン塩酸塩として750mg(15mL)を5%ブドウ糖液500mLに加え、容量型の持続注入ポンプを用い17mL/時の速度で投与する(アミオダロン塩酸塩として600mg/24時間)。
アミオダロン塩酸塩として300mg(6mL)又は5mg/kg(体重)を5%ブドウ糖液20mLに加え、静脈内へボーラス投与する。心室性不整脈が持続する場合には、150mg(3mL)又は2.5mg/kg(体重)を5%ブドウ糖液10mLに加え、追加投与することができる。
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。甲状腺機能障害を増悪させることがある。
心不全を増悪させるおそれがある。
活動電位持続時間延長作用により、心電図上QT時間を過度に延長させるおそれがある。
重篤な肺障害を増悪させるおそれがある。
減量又は投与速度の調節を考慮すること。血圧の変動を来たしやすいと考えられる。
**本剤投与の必要性を慎重に検討すること。心臓移植前に本剤を投与した患者において、心臓移植後に原発性移植片機能不全を起こすリスクが増加したとの報告がある1) 。
腎機能を悪化させるおそれがある。
肝機能を悪化させるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。下記のことが報告されている。
授乳婦への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせること。ヒトで経口投与により乳汁中への移行が報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。本剤は、添加剤としてベンジルアルコールを含有する。添加剤のベンジルアルコールを含有する静注薬を投与後の新生児(生後1ヵ月未満)に致死的な「あえぎ症候群」が報告されている。
投与に際しては投与量に十分注意するとともに、心電図、胸部レントゲン検査(必要に応じて肺機能検査)等を定期的に行い、患者の状態をよく観察すること。呼吸機能や肝・腎機能が低下していることが多く、また体重が少ない傾向があるなど、副作用が発現しやすい。
重篤な副作用(不整脈等)を起こすおそれがある。
左記薬剤のCYP3A4に対する競合的阻害作用により、本剤の血中濃度が大幅に上昇するおそれがある。
重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象(QT延長、Torsade de pointes等の不整脈や持続的な鎮静等)を起こすおそれがある。
併用によりTorsade de pointesを起こすことがある。
併用によりQT延長作用が相加的に増加することがある。
併用によりTorsade de pointesのリスクが増加する。
QT延長、心室性不整脈を起こすことがある。
QT延長を増強し、心室性頻拍(Torsade de pointesを含む)等を起こすおそれがある。
併用によりTorsade de pointes等の重篤な不整脈を起こすおそれがある。
これらの薬剤の投与により心拍数が低下するため、併用により不整脈を増強するおそれがある。
併用によりQT延長等を生じるおそれがある。
併用によりQT延長作用が増強すると考えられる。本剤のCYP2D6及びCYP3A阻害作用によりエリグルスタット酒石酸塩の代謝が阻害されるおそれがある。
QT延長を起こすことがある。
併用によりQT延長作用が相加的に増加すると考えられる。
プロトロンビン時間の延長、重大な又は致死的な出血が生じることが報告されている。
本剤によるCYP2C9阻害が考えられる。
本薬の経口剤では、血中濃度が上昇し、抗凝固作用が増強することが報告されている。
本薬の経口剤において、ダビガトランの血中濃度を上昇させるとの報告がある。
血中濃度が上昇し、抗凝固作用が増強することが報告されている。
本剤によるP糖蛋白阻害が考えられる。
ジゴキシン血中濃度が上昇し、臨床的な毒性(洞房ブロック、房室ブロック、憂鬱、胃腸障害、精神神経障害等)を生じることが報告されているため、本剤の投与を開始するときはジギタリス治療の必要性を再検討し、ジギタリス用量を1/2に減量するか又は投与を中止すること。
本剤による腎外クリアランスの低下、消化管吸収の増加が考えられる。
左記薬剤の血中濃度を上昇させるとの報告がある。
本剤によるCYP3A4阻害が考えられる。
本剤によるCYP2D6阻害が考えられる。
本剤によるCYP1A2阻害が考えられる。
フェニトインの血中濃度上昇による精神神経障害があらわれることがある。観察を十分に行い、過量投与の症状があらわれた場合には速やかにフェニトイン投与量を減らすこと。
併用により筋障害のリスクが増加するとの報告がある。
本剤によるCYP3A4阻害により、血中濃度が上昇することがある。
洞停止、洞房ブロックを発現したとの報告がある。
本剤による洞結節の相加的抑制、代謝阻害が考えられる。
徐脈、心停止を発現したとの報告がある。
本剤がメトプロロール、プロプラノロールの肝代謝を抑制し、初回通過効果を低下させることが考えられる。
心停止、房室ブロックを発現したとの報告がある。
本剤はこれらの薬剤との併用で洞房と房室結節伝導を遅延させ、心筋収縮力を相加的に低下させることが考えられる。
血圧低下、徐脈を発現したとの報告がある。
本剤とフェンタニルには、血圧低下、徐脈作用があり併用により作用が増強されることが考えられる。
ハロゲン化吸入麻酔薬の心筋抑制因子及び伝導障害に対する感受性が高くなることがあり、また、アトロピンが不奏効の徐脈、低血圧、伝導障害、心拍出量低下といった潜在的に重度の合併症が報告されている。さらに、非常にまれであるがときに致命的な急性呼吸窮迫症候群が通常手術直後に認められている。
機序不明。
心機能抑制作用が増強するおそれがあるので、心電図検査等によるモニタリングを行うこと。
併用により作用が増強されることが考えられる。
Torsade de pointesを起こすことがある。
機序不明。低カリウム血症が惹起された場合、本剤のQT延長作用が増加されることが考えられる。
血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。
セイヨウオトギリソウにより本剤の代謝酵素が誘導され、代謝が促進されることが考えられる。
徐脈等の不整脈があらわれるおそれがあり、海外の市販後において死亡例も報告されていることから、併用は可能な限り避けること。やむを得ず本剤と併用する場合は、不整脈の徴候の発現等に注意して十分に観察し、異常が認められた場合には適切な対応を行うこと。
心室性不整脈を起こすおそれがある。
間質性肺炎があらわれることがあり、致死的な場合もある。胸部レントゲン検査や胸部CT検査にて異常陰影が出現した場合、また咳、呼吸困難及び捻髪音等が認められた場合には上記副作用を疑い、投与を中止し、必要に応じてステロイド療法等の適切な処置を行うこと。
AST、ALTの著しい上昇等を伴う肝炎等の重篤な肝機能障害、黄疸があらわれることがある。なお、肝不全や死亡に至った例も報告されている。,
既存の不整脈を重度に悪化させることがあるほか、Torsade de pointes、心不全、徐脈からの心停止、完全房室ブロック、血圧低下及び徐脈があらわれることがあるので、心電図の連続監視を十分に行い、異常が認められた場合は、投与を中止する等の適切な処置を行うこと。
必要に応じ甲状腺機能検査を行うなど、観察を十分に行うこと。
10%以上
10%未満~5%以上
5%未満
頻度不明
精神神経系
不眠症
消化器
嘔吐、悪心
全身障害及び投与局所障害
発熱、投与部位反応
循環器
血圧低下、心電図QT延長
心房粗動、心室性頻脈、血管障害、低血圧、ほてり
呼吸器
鼻出血
血液
白血球減少
肝臓
血中ビリルビン増加
AST上昇、LDH上昇
腎臓
尿蛋白
神経障害
頭痛
内分泌系(甲状腺)
甲状腺機能検査値異常(rT3の上昇、TSHの上昇及び低下、T3の低下、T4の上昇及び低下)
皮膚
発疹、蕁麻疹、紅斑
アミオダロン塩酸塩とその代謝産物は、いずれも透析不可能である。
沈殿を生じるので、生理食塩液と配合しないこと。
日本人健康成人男子10例に本剤を5mg/kgで15分間単回静脈内投与した時のデータを示す2) 。
被験者数
Cmax(μg/mL)
AUC0-96(μg・hr/mL)
AUC∞(μg・hr/mL)
T1/2(day)
CL(mL/hr/kg)
10
13.7
16.6
28.1
14.6
200.0
日本人患者45例に本剤を三段階注入法(初期急速投与:0~10分125mg、負荷投与:10分~6時間300mg及び維持投与:6時間~24時間450mg+24時間~48時間600mg)にて静脈内投与した時のデータを示す。なお、有効性評価期間中にHDVT/VFが再発した場合は、本剤125mgの追加投与を可とした。なお、3日目以降は本剤の投与が必要な場合は更に、最大1週間まで延長して(1日量として最大1250mg)継続投与が可とされた3) 。
アミオダロン及び代謝物のデスエチルアミオダロン(DEA)における薬物動態パラメータを以下の表に示した。なお、血清中のアミオダロンとDEAの24時間及び48時間までの比率を見積もると、それぞれ0.0422及び0.0659であった。
パラメータ
症例数
アミオダロン最小値-最大値/平均値±標準偏差(CV%)
デスエチルアミオダロン(DEA)最小値-最大値/平均値±標準偏差(CV%)
Cmaxa)
(ng/mL)
39
2184-13406
5.5-514.9
C24hb)
(ng/mL/mg)
30
1.15±0.354(30.8)
0.0854±0.0453(53.0)
C48hb)
25
0.842±0.246(29.2)
0.08±0.035(43.2)
AUC24hb)
(ng・h/mL/mg)
31.8±7.40(23.2)
1.29±0.765(59.4)
AUC48hb)
37.2±9.13(24.6)
2.30±1.082(47.1)
C24h、AUC24h及びC48h、AUC48hの症例数:24時間及び48時間までの血清中濃度値がなかった症例は除外した。
a):初回急速静脈内投与直後に採血を行わなかった症例を除く。b):C24h、C48h、AUC24h及びAUC48hをそれぞれ投与量1mgあたりに標準化した値として示した。
アミオダロンの消失プロファイルは3-コンパートメントモデルによく合致した。共変量の検討を行った結果、最終モデルに反映される影響因子はなかった。最終モデルから得られた母集団パラメータを以下の表に示した。最終モデルにおけるCLの個人間変動は27.8%であった。
CL(L/h)
t1/2λ1(min)
t1/2λ2(h)
t1/2λz(h)
VSS(L)
Kel(h-1)
母集団パラメータ
15.6
3.10
2.12
55.1
791
2.30
CL:血清クリアランス、t1/2λ1:消失第1相目の半減期、t1/2λ2:消失第2相目の半減期、t1/2λz:消失第3相目の半減期、VSS:定常状態の分布容積、Kel:消失速度
血清からの消失半減期は、平均14.6日(6.8~32.8日)と極めて長かった。これは、deep stock compartmentである脂肪からの緩慢な消失による。脂肪の他に、肝、肺及びリンパ節に高く分布し、脳への移行は低かった2),4) 。
アミオダロンは、5つの代謝経路すなわち脱ヨウ素化、O-脱アルキル化、N-脱アルキル化、水酸化及びグルクロン酸抱合あるいは硫酸抱合により代謝を受けると推定される4) 。
胆汁を介した糞排泄が主排泄経路と考えられた4) (外国人データ)。
致死性心室性不整脈に対する第II相非盲検下・非対照臨床試験として、リドカイン又はプロカインアミド無効又は忍容性がなく、生命に危険のある不整脈(心室細動又は血行動態の不安定な心室頻拍)を呈した日本人患者47例に本剤を三段階注入法(初期急速投与:0~10分125mg、負荷投与:10分~6時間300mg及び維持投与:6時間~24時間450mg+24時間~48時間600mg)にて静脈内投与した5) 。有効性評価期間中にHDVT/VFが再発した場合は、本剤125mgの追加投与を可とした。有効性評価期間(初期急速投与終了時から48時間)中、HDVT/VF発作の再発が1回も認められなかった患者の割合を主要評価項目とした。有効性評価不適格例・逸脱例を除外した41例において、HDVT/VF発作非発現率は53.9%(Kaplan-Meier推定値)であった。因果関係を問わない有害事象は本剤を投与された47例全例に認められた。このうち、因果関係を否定できない有害事象は35例にみられ、主な事象は血圧低下14.9%(7例)、心電図QT延長及び血中甲状腺刺激ホルモン増加が各10.6%(5例)、不眠症8.5%(4例)、心電図QT補正間隔延長、血中ビリルビン増加、血液検査異常、徐脈及び心不全が各6.4%(3例)であった。
アミオダロン塩酸塩は、Vaughan Williams分類のクラスIIIに属する不整脈治療剤であり、作用機序は心筋のK+チャネル遮断作用である6),7) 。また、Na+チャネル遮断作用、Ca2+チャネル遮断作用及び抗アドレナリン作用を併せ持つ8),9),10) 。
アミオダロン塩酸塩は、イヌにおけるアコニチン、ウアバイン、アドレナリン及び電気刺激誘発による心室性不整脈を抑制した11),12) 。また、イヌの心筋梗塞モデルにおいて心室細動の誘発を抑制し、心突然死を予防した13) 。
アミオダロン塩酸塩はイヌにおいてQT間隔の中等度延長と心拍数の減少を示した16) 。また、イヌにおいて、アドレナリンによる昇圧反応、並びにイソプレナリンによる心拍数の増加及び血圧の低下を抑制した8) 。
アミオダロン塩酸塩(Amiodarone Hydrochloride)
(2-Butylbenzofuran-3-yl) {4-[2-(diethylamino)ethoxy]-3,5-diiodophenyl} methanone monohydrochloride
C25H29I2NO3・HCl
681.77
本品は白色~微黄白色の結晶性の粉末である。本品は80℃の水に極めて溶けやすく、ジクロロメタンに溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、水に極めて溶けにくい。
約161℃(分解)
個装箱を開封後は遮光して保存すること。
3mL×10アンプル
1) **Buchan T A, et al.:J Heart Lung Transplant. 2021;40(7):642-51
2) 社内資料:健康成人における単回静脈内投与時の安全性及び薬物動態(2007年1月26日承認、CTD2.7.2.2)
3) 社内資料:致死性心室性不整脈に対する第Ⅱ相臨床試験(2007年1月26日承認、CTD2.7.2.2)
4) Harris L, et al.:AMIODARONE(Médecine et Sciences Internationales), Paris. 1986
5) Katoh T, et al.:J Arrhythmia. 2007;23(2):131-9
6) Patterson E, et al.:Circulation. 1983;68(4):857-64
7) Pallandi R T, et al.:Br J Pharmacol. 1987;92:97-103
8) Winslow E, et al.:J Cardiovasc Pharmacol. 1990;16(6):896-904
9) 社内資料:ウサギ洞房結節の活動電位に対する急性作用(2007年1月26日承認、CTD2.6.2.2)
10) 社内資料:麻酔イヌの電気生理学的パラメータに対する急性作用(2007年1月26日承認、CTD2.6.2.2)
11) Kamiya K, et al.:Circulation. 2001;103(9):1317-24
12) Guillemare E, et al.:J Cardiovasc Pharmacol. 2000;36(6):802-5
13) Hodeige D, et al.:Eur J Pharmacol. 1995;279(1):25-32
14) Lalevée N, et al.:J Cardiovasc Electrophysiol. 2003;14(8):885-90
15) Nishimura M, et al.:J Pharmacol Exp Ther. 1989;251(2):650-9
16) Charlier R, et al.:J Pharmacol. 1970;1(2):175-82
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