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劇薬
処方箋医薬品注)
自家末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員促進
「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
G-CSF製剤との併用において、通常、成人にはプレリキサホルとして0.24mg/kgを1日1回、末梢血幹細胞採取終了時まで連日皮下投与する。
中等度以上の腎機能障害(クレアチニンクリアランス(CLcr)50mL/分以下)のある患者では、本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため、減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること。
*妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後1週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット及びウサギ)において、催奇形性が認められている。,
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤の乳汁中への移行は検討されていない。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。
脾臓の急激な腫大が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
5%以上
1~5%未満
1%未満
頻度不明
精神神経系
錯感覚、頭痛
不眠症、浮動性めまい
悪夢
異常な夢、血管迷走神経性反応(起立性低血圧、失神)
消化器
下痢、悪心
鼓腸、腹痛、嘔吐、腹部膨満、腹部不快感、便秘、消化不良、口内乾燥、口の感覚鈍麻
皮膚
多汗症、紅斑
血液
白血球増加症
その他
注射部位反応、疲労
関節痛、筋骨格痛、倦怠感
バイアル内に微粒子や変色がないか目視で確認し、異常が認められた場合はそのバイアルは使用しないこと。
本剤のバイアルは1回使い切りである。バイアル中の未使用残液は適切に廃棄すること。(本剤は保存剤を含有していない。)
皮下注射にのみ使用すること。
海外の製造販売後において、本剤とG-CSF製剤を投与した急性骨髄性白血病患者及び多発性骨髄腫患者で、循環血中の腫瘍細胞の増加が認められたとの報告がある。
日本人健康成人18例(各用量6例)にプレリキサホル0.16、0.24及び0.4mg/kg注1)を単回皮下投与したときのプレリキサホルの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。曝露量(Cmax及びAUC)は、0.16~0.4mg/kgでほぼ用量に比例して増加した1)。
投与量(mg/kg)
Cmax(ng/mL)
Tmax注2)(hr)
AUC0-24hr(ng・hr/mL)
t1/2z(hr)
0.16
401±46.9
0.50(0.50-0.50)
1740±276
5.56±1.30
0.24
685±132
2690±319
5.94±0.777
0.4
1020±92.1
0.50(0.25-1.00)
4600±413
5.49±0.522
N=6, Mean±S.D.
外国人多発性骨髄腫患者2例、非ホジキンリンパ腫患者13例及び非ホジキンリンパ腫患者4例の計19例にG-CSF併用下で本剤0.24mg/kgを最大7日間注3)投与したとき、プレリキサホルの有意な蓄積は認められなかった2)。
日本人健康成人18例(各用量6例)においてプレリキサホル0.16、0.24及び0.4mg/kg注4)を単回皮下投与したときの平均分布容積(Vz/F)は、38.0~40.3Lであった1)。
in vitro試験の結果、プレリキサホル(1~10μg/mL)のヒト血漿タンパク結合率は37.0~58.0%であった3)。
ヒト肝ミクロソーム又はヒト肝細胞を用いた試験において、プレリキサホルの代謝は認められなかった4)。
本剤は主に尿中に排泄される。腎機能が正常な健康成人にプレリキサホル0.24mg/kgを単回皮下投与したとき、投与24時間後までに投与量の約70%が未変化体として尿中に排泄された(外国人データ)5)。
外国人腎機能障害患者(軽度[CLcr:51~80mL/分]、中等度[CLcr:31~50mL/分]、重度[CLcr:<31mL/分])にプレリキサホル0.24mg/kgを単回皮下投与したときのプレリキサホルの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。プレリキサホルのCLは腎機能障害の程度に伴い低下し、CLとCLcrとの間に正の相関関係が認められた。軽度、中等度及び重度腎機能障害患者における、投与量で補正していないAUC0-24hrの健康被験者に対する最小二乗平均の比はそれぞれ106.6%、132.3%及び138.8%であった5)。
Tmax注5)(hr)
t1/2(hr)
CL/F(mL/hr)
対照(健康被験者6例)
980±196
0.559(0.50-1.02)
5070±979
4.87±0.562
4380±821
軽度(5例)
739±76.1
0.500(0.50-1.00)
5410±1070
7.80±2.15
3500±1690
中等度(6例)
936±280
0.500(0.25-1.00)
6780±1660
12.1±2.06
2420±1110
重度(6例)
861±193
0.750(0.50-1.00)
6990±1010
15.8±5.79
1820±380
Mean±S.D.
自家末梢血幹細胞移植に適格な多発性骨髄腫患者を対象に、G-CSF製剤(フィルグラスチム400μg/m2)+本剤(0.24mg/kg)の有効性及び安全性をG-CSF製剤単独と比較した第2相試験を実施した。なお、本剤の投与は末梢血幹細胞採取実施の9~12時間前に行うこととされた。有効性解析対象集団14例(G-CSF製剤+本剤群7例、G-CSF製剤単独群7例)において、主要評価項目であるCD34陽性細胞数(末梢血幹細胞採取2日以内で6×106cells/kg以上)に到達した患者の割合、並びに副次評価項目であるCD34陽性細胞数(末梢血幹細胞採取4日以内で2×106cells/kg以上)に到達した患者の割合及び6×106cells/kg到達までの日数は、下表のとおりであった6)。
有効性評価項目
G-CSF製剤+本剤群(7例)
G-CSF製剤単独群(7例)
2日以内6×106 cells/kg以上
5(71.4%)
0(0%)
4日以内2×106 cells/kg以上
7(100%)
6(85.7%)
6×106 cells/kg到達までの日数
2.0注6)
NC注7)
本剤とG-CSF製剤を併用投与した7例中6例(85.7%)に副作用が認められた。副作用は、背部痛5例(71.4%)、頭痛及び下痢各2例(28.6%)、動悸、腹部不快感、腹痛、関節痛、筋骨格痛及び四肢痛各1例(14.3%)であった。
自家末梢血幹細胞移植に適格な多発性骨髄腫患者を対象に、G-CSF製剤(フィルグラスチム10μg/kg)+本剤(0.24mg/kg)の有効性及び安全性をG-CSF製剤+プラセボと比較した第3相試験を実施した。なお、本剤の投与は末梢血幹細胞採取実施の10~11時間前に行うこととされた。ITT集団302例(G-CSF製剤+本剤群148例、G-CSF製剤+プラセボ群154例)において、主要評価項目であるCD34陽性細胞数(末梢血幹細胞採取2日以内で6×106cells/kg以上)に到達した患者の割合、並びに副次評価項目であるCD34陽性細胞数(末梢血幹細胞採取4日以内で2×106cells/kg以上)に到達した患者の割合及び6×106cells/kg到達までの日数は、下表のとおりであった7)。
G-CSF製剤+本剤群(148例)
G-CSF製剤+プラセボ群(154例)
P値
106(71.6%)
53(34.4%)
<0.001注8)
141(95.3%)
136(88.3%)
0.031注8)
1.0注9)
4.0注9)
―
2.539注10)
<0.001注11)
本剤とG-CSF製剤を併用投与した147例中95例(64.6%)に副作用が認められた。主な副作用は、注射部位紅斑30例(20.4%)、下痢27例(18.4%)、悪心24例(16.3%)、骨痛14例(9.5%)、疲労12例(8.2%)、錯感覚11例(7.5%)等であった。
自家末梢血幹細胞移植に適格な非ホジキンリンパ腫患者を対象に、G-CSF製剤(フィルグラスチム400μg/m2)+本剤(0.24mg/kg)の有効性及び安全性をG-CSF製剤単独と比較した第2相試験を実施した。なお、本剤の投与は末梢血幹細胞採取実施の9~12時間前に行うこととされた。有効性解析対象集団32例(G-CSF製剤+本剤群16例、G-CSF製剤単独群16例)において、主要評価項目であるCD34陽性細胞数(末梢血幹細胞採取4日以内で5×106cells/kg以上)に到達した患者の割合、並びに副次評価項目であるCD34陽性細胞数(末梢血幹細胞採取4日以内で2×106cells/kg以上)に到達した患者の割合及び5×106cells/kg到達までの日数は、下表のとおりであった8)。
G-CSF製剤+本剤群(16例)
G-CSF製剤単独群(16例)
4日以内5×106 cells/kg以上
9(56.3%)
1(6.3%)
15(93.8%)
5(31.3%)
5×106 cells/kg到達までの日数
3.5注12)
NC注13)
本剤とG-CSF製剤を併用投与した16例中12例(75.0%)に副作用が認められた。副作用は、背部痛9例(56.3%)、下痢及び悪心各3例(18.8%)、頭痛及び関節痛各2例(12.5%)、高尿酸血症、潮紅、ほてり、口の感覚鈍麻、門脈ガス血症、注射部位そう痒感、疲労、発熱、血中乳酸脱水素酵素増加及び血小板数減少各1例(6.3%)であった。
自家末梢血幹細胞移植に適格な非ホジキンリンパ腫患者を対象に、G-CSF製剤(フィルグラスチム10μg/kg)+本剤(0.24mg/kg)の有効性及び安全性をG-CSF製剤+プラセボと比較した第3相試験を実施した。なお、本剤の投与は末梢血幹細胞採取実施の10~11時間前に行うこととされた。ITT集団298例(G-CSF製剤+本剤群150例、G-CSF製剤+プラセボ群148例)において、主要評価項目であるCD34陽性細胞数(末梢血幹細胞採取4日以内で5×106cells/kg以上)に到達した患者の割合、並びに副次評価項目であるCD34陽性細胞数(末梢血幹細胞採取4日以内で2×106cells/kg以上)に到達した患者の割合及び5×106cells/kg到達までの日数は、下表のとおりであった9)。
G-CSF製剤+本剤群(150例)
G-CSF製剤+プラセボ群(148例)
89(59.3%)
29(19.6%)
<0.001注14)
130(86.7%)
70(47.3%)
<0.001注15)
3.0注16)
NC注17)
3.643注18)
<0.001注19)
本剤とG-CSF製剤を併用投与した150例中98例(65.3%)に副作用が認められた。主な副作用は、下痢56例(37.3%)、注射部位紅斑44例(29.3%)、悪心26例(17.3%)、頭痛16例(10.7%)、骨痛14例(9.3%)、注射部位そう痒感12例(8.0%)、錯感覚10例(6.7%)等であった。
骨髄の間質細胞表面に発現するSDF-1は、CXCR4を発現している造血幹細胞の骨髄への生着に関与していると考えられている。プレリキサホルはCXCR4に結合し、CXCR4とSDF-1との結合を阻害することにより、骨髄から末梢血中への造血幹細胞の動員を促進すると考えられる10)。
CXCケモカイン受容体4(CXCR4)を発現するヒト急性リンパ性白血病由来CCRF-CEM細胞株において、プレリキサホルは間質細胞由来因子1(SDF-1)のCXCR4への結合を阻害した11)。マウス及びイヌにおいて、プレリキサホルにより末梢血中に造血幹細胞が動員された12),13)。イヌにおいて、プレリキサホルで動員された造血幹細胞を自家移植した後に、好中球及び血小板の生着が確認された13)。
プレリキサホル(Plerixafor)
1,1'-(1,4-Phenylenebismethylene)bis(1,4,8,11-tetraazacyclotetradecane)
C28H54N8
502.78
本品は白色~灰白色の固体である。本品はエタノール(99.5)又はメタノールにやや溶けやすく、水に溶けにくい。
131.5℃
Log P=0.94(1-オクタノール/水)
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
24mg/1.2mL×1バイアル
1) 社内資料:日本人健康成人における薬物動態(2016年12月19日承認、CTD2.7.2.2)
2) 社内資料:外国人患者における蓄積性(2016年12月19日承認、CTD2.7.2.3)
3) 社内資料:血漿タンパク結合に関する検討(2016年12月19日承認、CTD2.6.4.4)
4) 社内資料:代謝に関する検討(in vitro)(2016年12月19日承認、CTD2.7.2.2)
5) 社内資料:外国人腎機能障害患者における薬物動態(2016年12月19日承認、CTD2.7.2.2)
6) 社内資料:国内第II相臨床試験(多発性骨髄腫)(2016年12月19日承認、CTD2.7.6.2)
7) DiPersio J F, et al.:Blood. 2009;113(23):5720-26
8) 社内資料:国内第II相臨床試験(非ホジキンリンパ腫)(2016年12月19日承認、CTD2.7.6.2)
9) DiPersio J F, et al.:J Clin Oncol. 2009;27(28):4767-73
10) Fricker S P:Transfus Med Hemother. 2013;40(4):237-45
11) Fricker S P, et al.:Biochem Pharmacol. 2006;72(5):588-96
12) Broxmeyer H E, et al.:J Exp Med. 2005;201(8):1307-18
13) Burroughs L, et al.:Blood. 2005;106(12):4002-8
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