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劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
ゴーシェ病の諸症状(貧血、血小板減少症、肝脾腫及び骨症状)の改善
イミグルセラーゼ(遺伝子組換え)として、1回体重1kg当たり60単位を隔週、1~2時間かけて点滴静注するか、又は適切な用量を1単位/kg/分を超えない注入速度で投与する。投与に当たっては用時1バイアルを注射用水10.2mLで溶解し、1バイアルあたり10.0mLを採取する。必要な薬液量を生理食塩液で希釈し、最終容量は100~200mLとする。なお、症状の程度により適宜増減する。また、一定期間投与した後治療効果を判定し、良好な改善状態が持続してみられた場合には、維持用量として初期量より減量してよい。治療効果を注意深く観察しながら3~6ヵ月の間隔でさらに減量を行ってもよい。
本剤を投与し、抗体検査を実施した患者341例のうち、約15%に投与開始後1年以内にIgG抗体の産生がみられた。IgG抗体の産生は、6ヵ月以内にみられる場合が多く、1年を経過すると抗体の産生はまれである。IgG抗体が検出された患者のうち、約46%が過敏症状を呈した。,
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妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤の動物における生殖試験は実施していない。本剤を妊婦に投与した場合、胎児に有害作用を引き起こすかどうか、生殖能力に影響を及ぼすかどうか検討されていない。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中への移行は不明である。
そう痒感、潮紅、蕁麻疹、血管浮腫、胸部不快感、呼吸困難、喘鳴、血圧低下、チアノーゼ、咳嗽、低血圧等の過敏反応があらわれることがある。,
1%以上
1%未満
頻度不明
胃腸
嘔吐
悪心、腹痛
下痢
筋骨格系
背部痛
血管障害
潮紅
神経系
頭痛
めまい
全身及び局所症状
発熱
倦怠感
疲労、悪寒、一過性の末梢性浮腫
注射部位
不快感、そう痒感、灼熱感、腫脹、無菌性膿瘍
皮膚
蕁麻疹、湿疹
紅斑、爪変形
発疹
臨床検査
ALT上昇
白血球増加、赤血球減少、ヘモグロビン減少、AST上昇
心臓
洞性頻脈
頻脈
0.2ミクロンの親水性ポリエーテルスルフォン製メンブレンフィルターが付いた輸液セットを使用すること。微小異物除去用のろ過網が組込まれた輸液セットは、目詰まりを起こすため使用しないこと。
ゴーシェ病I型の抗体陰性患者(6例)に、本剤7.5~60U/kgを60分間単回点滴静注した結果、30分以内に血中酵素活性が定常状態に到達した。投与後、血中酵素活性は速やかに低下、消失半減期は、3.6~10.4分(5.9±2.4分)、血中クリアランスは9.8~20.3mL/分/kg(14.5±4.0mL/分/kg)、分布容積は、88.6~146.1mL/kg(115±24mL/kg)であった。この投与量範囲では、消失半減期、血中クリアランス、分布容積は投与量に依存しなかった。本剤に対する抗体陽性患者は、定常状態の血中酵素活性が高く、分布容積及びクリアランスの減少と消失半減期の延長が認められた1) (外国人データ)。
マウスに本剤を単回静脈内投与したところ、回収された酵素活性の95~96%が肝臓で回収され、ついで脳、脾臓に分布した。ラットに本剤0~300U/kgを単回静脈内投与あるいは週1回13週間静脈内投与した結果、1週間後の肝組織中に酵素活性は有意に検出されなかった。
マウス単回投与後、クッパー細胞中の酵素活性の細胞内消失は、短い半減期(3~4時間)と長い半減期(79~84時間)の二相性を示した。
改善判定基準は、貧血はヘモグロビン値が投与前値より≧1.0g/dL増加、血小板減少症は血小板数が投与前値より≧30%増加、肝脾腫は肝脾容積が投与前値より≧10%減少とした。
本剤60単位/kgを隔週で6ヵ月間、ゴーシェ病I型3例とIII型2例に投与したところ、5例中貧血は4例で、血小板減少症は3例で、肝腫は4例で、脾腫は脾摘が行われていなかった3例中全例で、改善した。ゴーシェ病患者で異常高値を示す酸性ホスファターゼ及びアンギオテンシン変換酵素は、5例全例で低下し低下率はそれぞれ25.4~67.3%及び29.9~69.8%であった。副作用は5例中2例に報告され、その内訳は洞性頻脈、湿疹、紅斑の各1件であった2) 。
本剤または対照薬(アルグルセラーゼ)を各15例に無作為に割り付け、それぞれ薬剤を60単位/kg、隔週で6ヵ月間投与する臨床試験を実施した。本剤投与群では、15例中貧血は11例で、血小板減少症は9例で、肝腫は8例で、脾腫は全例で、改善した。また、骨症状は11例中7例で長骨のX線所見が改善した。ゴーシェ病患者で異常高値を示す酸性ホスファターゼ及びアンギオテンシン変換酵素は、それぞれ15例中14例で≧30%低下した。治療成績と抗体産生率は、両群で差はみられなかった3) 。本剤投与群の副作用は15例中7例(46.7%)でみられ、発疹・乏尿、低血圧、悪心、眩暈及びそう痒感が各1例、頭痛が各2例であった。
本剤60単位/kgを隔週投与で6ヵ月間投与した後、3ヵ月毎にヘモグロビン値の評価をし、ヘモグロビン値が≧1.0g/dLの患者では本剤を50%減量しながら25~30ヵ月間の長期維持投与を評価した(対照薬投与群では、対照薬から本剤に切り替え、同様に評価した)。その結果、一定期間の投与の後十分な臨床効果が得られた場合であれば、減量した後も減量前に獲得した改善効果(貧血、血小板減少症、肝脾腫)を維持することが示された。また、アルグルセラーゼから本剤への薬剤変更の影響を、貧血、血小板減少症、肝脾腫への改善効果で検討したところ、変更前後で治療効果の変化はなかった。副作用の発現率は、本剤の長期維持群で53.3%(8/15例)及び対照薬から本剤に切り替えられた群で73.3%(11/15例)であった。主な副作用は、本剤の長期維持群では頭痛が3例、発疹・乏尿、低血圧、悪心、眩暈及びそう痒感が各1例であり、対照薬から本剤に切り替えられた群では発熱が2例、眩暈、感覚異常・味覚倒錯、発熱・感情不安定、胸部痛・下痢、無力症・そう痒感、斑状丘疹性皮疹、血管拡張及び眩暈が各1例であった。
ICGG(International Collaborative Gaucher Group)Gaucher Registryに登録されているゴーシェ病I型患者502例(本剤非投与群160例、本剤投与群(15~60単位/kg隔週投与)342例)を最長8年間追跡した結果、二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)による腰椎骨密度の平均Zスコアは、本剤非投与群ではベースラインから徐々に低下する傾向を示したが、本剤投与群では増加した4) 。
製造販売後の使用成績調査等における総症例110例中30例(27.3%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。その主なものは、蕁麻疹5例(4.55%)、発熱4例(3.64%)、嘔吐3例(2.73%)、ALT上昇、頭痛、湿疹が各2例(1.82%)であった。
本剤は、ゴーシェ病のマクロファージに蓄積している糖脂質グルコセレブロシドの分解酵素グルコセレブロシダーゼの改良型酵素である。本剤は、DNA組換え技術によりチャイニーズハムスター卵巣細胞で産生されたヒトβ-グルコセレブロシダーゼ5) の糖鎖を修飾し、マンノース末端にすることにより、標的細胞であるマクロファージに効率よく取り込まれ、効力を発揮する。
天然基質グルコセレブロシドのアナログである合成基質p-ニトロフェニル-β-D-グルコピラノシドに対する本剤及び胎盤由来のβ-グルコセレブロシダーゼ製剤(一般名:アルグルセラーゼ、商品名:セレデース注)の酵素反応性を検討したところ、酵素反応速度定数(Km及びVmax)に差はなく、酵素特性は同等であった。
本剤は、ラット肺胞マクロファージのマンノースレセプターに対する、125I-マンノシレートウシ血清アルブミンの結合を阻害し、その阻害能はアルグルセラーゼと同等であった。また、本剤及びアルグルセラーゼの125I-標識体のラット肺胞マクロファージマンノースレセプターへの結合能について検討した結果、本剤はアルグルセラーゼと同等の親和性及び結合速度を示した。
イミグルセラーゼ(遺伝子組換え)(JAN)Imiglucerase(genetical recombination)(JAN)Imiglucerase(INN)
ヒト胎児肺線維芽細胞に由来するヒトcDNAの発現によりチャイニーズハムスター卵巣細胞で産生されたβ-グルコセレブロシダーゼを、シアリダーゼ、β-ガラクトシダーゼ及びヘキソサミニダーゼの酵素処理により糖鎖末端をマンノースにした497個のアミノ酸残基(C2532H3843N671O711S16;分子量:55,509)からなる糖蛋白質(分子量:約60,000)
1バイアル
1) R Schiffmann, et al.:Ann Neurol. 1997;42(4):613-21
2) 北川照男 他:小児科臨床. 1997;50(8):145-64
3) G Grabowski, et al.:Ann Intern Med. 1995;122(1):33-9
4) RJ Wenstrup, et al.:J Bone Miner Res. 2007;22(1):119-26
5) J Sorge, et al.:Proc Natl Acad Sci. 1985;82:7289-93
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