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アウドラザイム点滴静注液2.9mg

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
1.警告
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
5.効能又は効果に関連する注意
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.3肝機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.3分布
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
17.2製造販売後調査等
17.3その他
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2薬理作用
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

アウドラザイム点滴静注液2.9mg

添付文書番号

3959411A1020_2_04

企業コード

780069

作成又は改訂年月

**2023年7月改訂(第2版)
2020年9月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

873959

薬効分類名

遺伝子組換えムコ多糖症I型治療剤

承認等

アウドラザイム点滴静注液2.9mg

販売名コード

YJコード

3959411A1020

販売名英語表記

ALDURAZYME for I.V. Infusion

販売名ひらがな

あうどらざいむてんてきじょうちゅうえき

承認番号等

承認番号

21800AMX10867000

販売開始年月

2006年12月

貯法・有効期間

貯法

凍結を避け、2~8℃で保存

有効期間

36ヵ月

規制区分

一般的名称

ラロニダーゼ(遺伝子組換え)

1. 警告

本剤の投与当日に本剤に関連する症状として発現するinfusion reactionのうち、アナフィラキシー反応があらわれる可能性があるので、本剤は、緊急時に十分な対応のできる準備をした上で投与を開始し、投与終了後も十分な観察を行うこと。また、重篤なinfusion reactionが発現した場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。,,

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対しアナフィラキシーショックの既往歴のある患者,

3. 組成・性状

3.1 組成

アウドラザイム点滴静注液2.9mg

有効成分ラロニダーゼ(遺伝子組換え)1),2)   2.9mg
添加剤塩化ナトリウム   43.9mg
リン酸二水素ナトリウム一水和物   63.5mg
リン酸一水素ナトリウム七水和物   10.7mg
ポリソルベート80   0.05mg
1バイアル(5mL)中の含量

**
1) チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生。本剤は製造工程でウシ胎児血清を使用している。
2) 500単位(U)に相当。ラロニダーゼ(遺伝子組換え)1Uは合成基質4-メチルウンベリフェリルイズロニドを1分間に1μmol加水分解する単位。

3.2 製剤の性状

アウドラザイム点滴静注液2.9mg

pH5.2~5.9
浸透圧比1.5~1.8
性状無色から微黄色の澄明又はわずかに乳白色の液

4. 効能又は効果

ムコ多糖症I型

5. 効能又は効果に関連する注意

中枢神経系症状に対する有効性は認められていない。

6. 用法及び用量

通常、ラロニダーゼ(遺伝子組換え)として、1回体重1kgあたり0.58mgを週1回、点滴静注する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 日局生理食塩液で希釈した後に下表を参考に投与すること。投与速度は初期値10μg/kg/時から開始し、患者の忍容性を十分確認しながら最初の1時間で15分ごとに段階的に上げ、200μg/kg/時以下で投与する。最大投与速度に達した後は、投与が完了するまでこの速度を維持し、2~3時間かけて投与すること。,
    体重7kg未満の患者

    投与総量=50mL

    1mL/時(約10μg/kg/時)×15分

    バイタルサインを測定し、安定していれば次段階の速度にまで上げる。

    2mL/時(約20μg/kg/時)×15分

    4mL/時(約50μg/kg/時)×15分

    8mL/時(約100μg/kg/時)×15分

    16mL/時(約200μg/kg/時)×3時間

    投与終了までこの速度で投与する。

    体重7kg以上20kg以下の患者

    投与総量=100mL

    2mL/時(約10μg/kg/時)×15分

    バイタルサインを測定し、安定していれば次段階の速度にまで上げる。

    4mL/時(約20μg/kg/時)×15分

    8mL/時(約50μg/kg/時)×15分

    16mL/時(約100μg/kg/時)×15分

    32mL/時(約200μg/kg/時)×3時間

    投与終了までこの速度で投与する。

    体重20kgを超える患者

    投与総量=250mL

    5mL/時(約10μg/kg/時)×15分

    バイタルサインを測定し、安定していれば次段階の速度にまで上げる。

    10mL/時(約20μg/kg/時)×15分

    20mL/時(約50μg/kg/時)×15分

    40mL/時(約100μg/kg/時)×15分

    80mL/時(約200μg/kg/時)×3時間

    投与終了までこの速度で投与する。

  2. 7.2 本剤投与によりinfusion reaction(潮紅、発熱、頭痛、発疹等)が発現する可能性がある。これらの症状を軽減させるために、解熱鎮痛剤、抗ヒスタミン剤またはその両方を本剤投与開始の60分前に前投与することが望ましい。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤はたん白質製剤であり、アナフィラキシーショックが起こる可能性が否定できないため、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、このような症状の発現に備え、緊急処置を取れる準備をしておくこと。ムコ多糖症I型患者では冠動脈疾患の罹患率が高いことから、エピネフリンの使用を検討している場合には注意が必要である。,,,,
  2. 8.2 本剤投与によりinfusion reaction(潮紅、発熱、頭痛、発疹等)が発現する可能性がある。Infusion reactionが現れた場合には、投与速度を下げるか、一旦投与を中止し、適切な薬剤治療(副腎皮質ホルモン剤、抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤又は抗炎症剤等)や緊急処置を行うこと。,,,,,
  3. 8.3 ほとんどの患者にIgG抗体の産生が予測されるため、定期的にラロニダーゼ(遺伝子組換え)に対するIgG抗体検査を行うことが望ましい。
  4. 8.4 本剤は、マスターセルバンク構築時にメキシコ産のウシ胎児血清を使用しているが、製造工程においてウシ血清の除去処理を行っており、また、伝達性海綿状脳症(TSE)に関する理論的なリスク評価を行い、一定の安全性を確保する目安に達していることを確認している。しかしながら、TSEの潜在的伝播の危険性を完全に排除することはできないことから、疾病の治療上の必要性を十分に検討の上、本剤を投与すること。また、投与に先立ち患者への有用性と安全性の説明も考慮すること。なお、本剤投与によりTSEがヒトに伝播したとの報告はない。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 本剤の成分に対する過敏症の既往歴のある患者

    ,

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 腎機能に高度な障害のある患者

    腎機能に障害のある患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 肝機能に高度な障害のある患者

    肝機能に障害のある患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある患者には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトで哺乳中の児における影響は不明である。

9.7 小児等

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 重篤なinfusion reaction(頻度不明)

    重度のアナフィラキシー(呼吸障害等)を投与中に起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、解熱鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、副腎皮質ホルモン剤の投与及び気道確保等の適切な処置を行うこと。,,

11.2 その他の副作用

5%以上

5%未満

頻度不明

一般的全身

疼痛、発熱、体温変動感

インフルエンザ様症候群、疲労、悪寒、浮腫、アナフィラキシー、蒼白

中枢・末梢神経系

頭痛

浮動性めまい、反射亢進、歩行異常、錯感覚、片頭痛、異常感覚

皮膚

発疹、そう痒症

皮膚障害、蕁麻疹、多汗、脱毛症、皮膚冷湿

血管系

潮紅

静脈障害

消化器系

悪心、腹痛、嘔吐

下痢、消化不良、口内乾燥、歯肉増生、変色歯

筋骨格系

関節障害、関節痛、骨痛

筋力低下

肝臓

ビリルビン血症、血清AST増加、血清ALT増加

心血管系

低血圧

心雑音

呼吸器系

咳嗽、呼吸困難、呼吸障害、低酸素症

**心拍数・心リズム

頻脈

徐脈

血液

紫斑、頚部リンパ節症

適用部位

注射部位反応

精神系

激越、錯乱

代謝

体重増加、低カリウム血症、低マグネシウム血症

その他

溢血

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意

  1. 14.1.1 調製方法
    1. (1) 患者の体重に基づいて本剤の投与量を算出し、投与に必要なバイアル数を決定する。冷蔵庫より投与に必要なバイアル数を取り出し、室温になるまで放置する(約20分間)。
    2. (2) 調製前に本剤の変色及びバイアル内に微粒子が含まれていないか各バイアルを目視検査すること。変色の見られるものまたは微粒子が混入しているものは使用しないこと。
    3. (3) 本剤は日局生理食塩液で希釈した後に患者へ投与するため、薬液総量に相当する日局生理食塩液を準備する。患者の体重に基づいて投与する薬液総量を決定する。薬液総量は、体重7kg未満の患者には50mL、体重7kg以上20kg以下の患者には100mLとし、体重20kgを超える患者の場合には250mLとする。
    4. (4) (1)で算出した本剤の投与量の等量を(3)で決定した日局生理食塩液バッグより抜き取り廃棄する。
    5. (5) バイアルから必要量を抜き取り、日局生理食塩液バッグにゆっくり添加し、静かに混和する。急激な振盪溶解は避けること。
    6. (6) 患者に投与する前に微粒子が混入してないか希釈液を目視検査する。肉眼で確認できる粒子のない無色澄明な液のみを使用すること。
  2. 14.1.2 希釈後は速やかに使用すること。希釈後直ちに使用できない場合は、希釈した本剤を2~8℃で保存し、24時間以内に使用すること。
  3. 14.1.3 他剤との混注を行わないこと。
  4. 14.1.4 各バイアルは一回限りの使用とすること。
  5. 14.1.5 *本剤は0.2μmのインラインフィルターを通して投与すること。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

ムコ多糖症I型患者12例に4時間かけて本剤0.58mg/kgを週1回投与した。第1週、第12週及び第26週の投与後における平均最大血漿中濃度(Cmax)は1.2~1.7μg/mL、平均血漿中濃度曲線下面積(AUC0-∞)の平均値は4.5~6.9μg・時/mL、平均分布容積(Vz)は0.24~0.60L/kg、平均血漿クリアランス(CL)は1.7~2.7mL/分/kg、平均消失半減期(t1/2)は1.5~3.6時間であった1)

16.3 分布

ムコ多糖症I型のイヌに本剤0.58mg/kg/週以上を投与したところ、肝臓、腎臓、脾臓、肺、心臓、脳、軟骨、角膜等において酵素活性を検出した。酵素活性は肝臓で最も高く、脳では低かった2)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 海外第3相試験

    海外において、ムコ多糖症I型患者45例を対象として本剤の第3相プラセボ対照二重盲検比較臨床試験を行った。本剤0.58mg/kgまたはプラセボの投与を週1回26週間行い、「努力肺活量の予測正常値に対する割合(以下%努力肺活量)」及び「6分間の歩行距離」を有効性の主要評価項目とし、投与前から26週後の変化量を両群で比較した。その結果、実薬群はプラセボ群に比べて、%努力肺活量で平均4.5%、6分間歩行距離で平均38.1mの改善が認められた3)

    項目

    実薬(22例)

    プラセボ(23例)

    %努力肺活量平均(正常予測値に対する%)

    投与前

    48.4±14.85

    54.2±16.00

    第26週

    50.2±17.10

    51.5±13.13

    投与前からの変化

    1.8±7.70

    -2.7±7.12

    群間差

    4.5(p=0.028

    6分間歩行距離平均(m)

    投与前

    319.1±131.41

    366.7±113.68

    第26週

    338.8±127.06

    348.3±128.82

    投与前からの変化

    19.7±68.56

    -18.4±67.49

    群間差

    38.1(p=0.066

    *Wilcoxon順位和検定による

    肝容積は、本剤群で投与前異常値を示した18例中13例(72%)が正常化し、プラセボ群では14例中3例(21%)が正常化した。
    尿中GAG濃度は4週間以内に急速に低下し、低下した値はその後の試験期間を通じて維持された。
    副作用の発現率は、本剤群54.5%(12/22例)及びプラセボ群69.6%(16/23例)であり、本剤の主な副作用(発現例数2例以上)は、潮紅22.7%(5例)、発疹13.6%(3例)、頭痛、関節障害及び背部痛9.1%(2例)であった4)

  2. 17.1.2 海外第3相継続投与試験

    第3相試験に参加した患者45名を対象とし、182週間の第3相非盲検継続試験において本剤0.58mg/kgを週1回投与した。%努力肺活量は、第3相二重盲検試験時に本剤群及びプラセボ群のいずれにおいても継続試験期間中に減少(本剤/本剤群:平均-2.6±7.08%、プラセボ/本剤群:平均-3.3±9.07%)したが、臨床的に有意な変化ではなかった。一方、努力肺活量(L)は、本剤/本剤群で平均0.18±0.28L、プラセボ/本剤群で0.16±0.38Lと改善した。また、6分間歩行距離は、継続試験期間中に本剤/本剤群で平均19.5±73.48m、プラセボ/本剤群で19.4±107.36mの距離の延長がみられた。
    肝容積は、本剤/本剤群で投与前異常であった5例中3例は正常化し、プラセボ/実薬群では9例中7例が正常化した。
    本剤/本剤群の患者の尿中GAGの投与前からの低下率は66.3%であり、プラセボ/実薬群では-77.0%であった。
    副作用の発現率は、本剤/本剤群68.1%(15/22例)及びプラセボ/本剤群60.1%(14/23例)であり、本剤が投与された45例での主な副作用(発現率が10%以上)は、関節痛17.8%(8例)、発疹15.6%(7例)、頭痛及び注射部位反応が13.3%(6例)、潮紅、背(部)痛、発熱、骨痛及び悪心が11.1%(5例)であった5)

  3. 17.1.3 海外非盲検臨床試験(5歳未満児)

    海外における5歳未満の患者20例に対する非盲検臨床試験において、本剤0.58mg/kgを週1回、計52週間投与した。そのうち、4例は第26週から1.2mg/kgの投与を受けた。第13週までに平均尿中GAG濃度は急激に低下し、以降はその濃度が維持された。尿中GAG濃度の平均減少率は61.3%であった。投与前では全患者の肝容積が異常値であったが、第52週において18例中9例の肝容積は正常値となり、他の患者の肝サイズも減少した。心エコーでは左室重量がわずかに減少(投与前に軽度の左室肥大が認められた10例中、7例が第52週で正常化)したが、正常値の範囲内で平均駆出分画も減少した。心臓弁の変化が2例で認められた。成長率(身長及び体重)は年齢及び重症度と相関した改善を示し、より若年で重症度が高いほど精神発達及び適応行動が改善した。また、ほとんどの患者で投与開始から1ヵ月以内に抗体が認められた(5歳以上の患者で平均52.6日に対し、5歳未満では平均25.8日)。ラロニダーゼに対するIgG抗体が初期に認められた患者のうち1例については、投与開始から12ヵ月を経過した時点でIgG抗体が認められなくなった。
    本剤の副作用は、発熱7例(35%)、悪寒4例(20%)、高血圧3例(15%)、頻脈、酸素飽和度低下が各2例(10%)、捻髪音、呼吸窮迫、喘鳴、斑状皮疹、そう痒症、血中鉄減少、心拍数増加、振戦、蒼白が各1例(5%)であった6)

17.2 製造販売後調査等

  1. 17.2.1 国内製造販売後使用成績調査等

    特定使用成績調査(全例調査)では、安全性集計対象症例50例中19例(38%)に副作用(臨床検査値異常変動を含む)が認められた。主な副作用は、蕁麻疹、発熱各7例(14%)、紅斑、そう痒症、発疹各3例(6%)、咳嗽、顔面浮腫、倦怠感各2例(4%)であった。

17.3 その他

  1. 17.3.1 抗体価

    第1/2相非盲検臨床試験と第3相試験中に本剤の投与を受けた患者55例中50例(91%)においてラロニダーゼに対する抗体が生じた。ほとんどは第12週までに発現し、第1週と第12週との間に一部の患者において抗体価と比例すると考えられる本剤の血漿クリアランスの上昇が認められた。第26週にも抗体が認められ、一部の患者では抗体価が上昇していたにもかかわらず、この週における血漿クリアランスの値は第1週と同等であった。

  2. 17.3.2 IgE抗体産生

    第3相試験及び第3相継続試験(182週間)において、中等度又は重度のinfusion reactionが生じた9例の患者に対し、ラロニダーゼ特異的IgE抗体及び補体活性に関する検査を行った。IgE検査はELISA法、補体活性は酵素免疫測定法により測定した。上記9例の患者のうち1例は第3相継続試験において第62週の投与開始約3時間後に呼吸障害を伴うアナフィラキシー様反応を生じ、蘇生には救急気管切開が必要であった。ラロニダーゼ特異的IgE抗体及び補体活性は陽性であった。この患者には原疾患に起因する上気道閉塞が認められており、過敏反応が重篤なものとなったと考えられた。他8例の患者のIgE検査結果は陰性であった7)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

本剤は、ムコ多糖症I型の組織及び細胞中に蓄積するグリコサミノグリカン(デルマタン硫酸及びヘパラン硫酸)のライソゾーム内加水分解酵素α-L-イズロニダーゼの遺伝子組換え製剤である。

18.2 薬理作用

ムコ多糖症I型のイヌに静脈内投与した結果、腎臓、肝臓、肺、リンパ節、脾臓及び滑膜におけるGAGの低下が認められた8)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

ラロニダーゼ(遺伝子組換え)
Laronidase(Genetical Recombination)

化学名(本質)

ヒトα-L-イズロニダーゼをコードするcDNAを導入したチャイニーズハムスター卵巣細胞から産生される628個のアミノ酸残基(C3169H4857N901O884S12;分子量:70,105.76)からなる糖タンパク質(分子量:約83,000)

20. 取扱い上の注意

凍結、振盪を避けること。

22. 包装

5mL×1バイアル

24. 文献請求先及び問い合わせ先

サノフィ株式会社
コールセンター くすり相談室

〒163-1488 東京都新宿区西新宿三丁目20番2号

フリーダイヤル0120-109-905

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

サノフィ株式会社

〒163-1488 東京都新宿区西新宿三丁目20番2号

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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