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劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
本剤の投与当日に本剤に関連する症状として発現するinfusion reactionのうち、アナフィラキシー反応があらわれる可能性があるので、本剤は、緊急時に十分な対応のできる準備をした上で投与を開始し、投与終了後も十分な観察を行うこと。また、重篤なinfusion reactionが発現した場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。,,
本剤の成分に対しアナフィラキシーショックの既往歴のある患者,
ムコ多糖症I型
中枢神経系症状に対する有効性は認められていない。
通常、ラロニダーゼ(遺伝子組換え)として、1回体重1kgあたり0.58mgを週1回、点滴静注する。
投与総量=50mL
1mL/時(約10μg/kg/時)×15分
バイタルサインを測定し、安定していれば次段階の速度にまで上げる。
2mL/時(約20μg/kg/時)×15分
4mL/時(約50μg/kg/時)×15分
8mL/時(約100μg/kg/時)×15分
16mL/時(約200μg/kg/時)×3時間
投与終了までこの速度で投与する。
投与総量=100mL
2mL/時(約10μg/kg/時)×15分
4mL/時(約20μg/kg/時)×15分
8mL/時(約50μg/kg/時)×15分
16mL/時(約100μg/kg/時)×15分
32mL/時(約200μg/kg/時)×3時間
投与総量=250mL
5mL/時(約10μg/kg/時)×15分
10mL/時(約20μg/kg/時)×15分
20mL/時(約50μg/kg/時)×15分
40mL/時(約100μg/kg/時)×15分
80mL/時(約200μg/kg/時)×3時間
,
腎機能に障害のある患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
肝機能に障害のある患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
妊婦又は妊娠している可能性のある患者には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトで哺乳中の児における影響は不明である。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
重度のアナフィラキシー(呼吸障害等)を投与中に起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、解熱鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、副腎皮質ホルモン剤の投与及び気道確保等の適切な処置を行うこと。,,
5%以上
5%未満
頻度不明
一般的全身
疼痛、発熱、体温変動感
インフルエンザ様症候群、疲労、悪寒、浮腫、アナフィラキシー、蒼白
中枢・末梢神経系
頭痛
浮動性めまい、反射亢進、歩行異常、錯感覚、片頭痛、異常感覚
皮膚
発疹、そう痒症
皮膚障害、蕁麻疹、多汗、脱毛症、皮膚冷湿
血管系
潮紅
静脈障害
消化器系
悪心、腹痛、嘔吐
下痢、消化不良、口内乾燥、歯肉増生、変色歯
筋骨格系
関節障害、関節痛、骨痛
筋力低下
肝臓
ビリルビン血症、血清AST増加、血清ALT増加
心血管系
低血圧
心雑音
呼吸器系
咳嗽、呼吸困難、呼吸障害、低酸素症
**心拍数・心リズム
頻脈
徐脈
血液
紫斑、頚部リンパ節症
適用部位
注射部位反応
精神系
激越、錯乱
代謝
体重増加、低カリウム血症、低マグネシウム血症
その他
溢血
ムコ多糖症I型患者12例に4時間かけて本剤0.58mg/kgを週1回投与した。第1週、第12週及び第26週の投与後における平均最大血漿中濃度(Cmax)は1.2~1.7μg/mL、平均血漿中濃度曲線下面積(AUC0-∞)の平均値は4.5~6.9μg・時/mL、平均分布容積(Vz)は0.24~0.60L/kg、平均血漿クリアランス(CL)は1.7~2.7mL/分/kg、平均消失半減期(t1/2)は1.5~3.6時間であった1)。
ムコ多糖症I型のイヌに本剤0.58mg/kg/週以上を投与したところ、肝臓、腎臓、脾臓、肺、心臓、脳、軟骨、角膜等において酵素活性を検出した。酵素活性は肝臓で最も高く、脳では低かった2)。
海外において、ムコ多糖症I型患者45例を対象として本剤の第3相プラセボ対照二重盲検比較臨床試験を行った。本剤0.58mg/kgまたはプラセボの投与を週1回26週間行い、「努力肺活量の予測正常値に対する割合(以下%努力肺活量)」及び「6分間の歩行距離」を有効性の主要評価項目とし、投与前から26週後の変化量を両群で比較した。その結果、実薬群はプラセボ群に比べて、%努力肺活量で平均4.5%、6分間歩行距離で平均38.1mの改善が認められた3)。
項目
実薬(22例)
プラセボ(23例)
%努力肺活量平均(正常予測値に対する%)
投与前
48.4±14.85
54.2±16.00
第26週
50.2±17.10
51.5±13.13
投与前からの変化
1.8±7.70
-2.7±7.12
群間差
4.5(p=0.028*)
6分間歩行距離平均(m)
319.1±131.41
366.7±113.68
338.8±127.06
348.3±128.82
19.7±68.56
-18.4±67.49
38.1(p=0.066*)
*Wilcoxon順位和検定による
肝容積は、本剤群で投与前異常値を示した18例中13例(72%)が正常化し、プラセボ群では14例中3例(21%)が正常化した。尿中GAG濃度は4週間以内に急速に低下し、低下した値はその後の試験期間を通じて維持された。副作用の発現率は、本剤群54.5%(12/22例)及びプラセボ群69.6%(16/23例)であり、本剤の主な副作用(発現例数2例以上)は、潮紅22.7%(5例)、発疹13.6%(3例)、頭痛、関節障害及び背部痛9.1%(2例)であった4)。
第3相試験に参加した患者45名を対象とし、182週間の第3相非盲検継続試験において本剤0.58mg/kgを週1回投与した。%努力肺活量は、第3相二重盲検試験時に本剤群及びプラセボ群のいずれにおいても継続試験期間中に減少(本剤/本剤群:平均-2.6±7.08%、プラセボ/本剤群:平均-3.3±9.07%)したが、臨床的に有意な変化ではなかった。一方、努力肺活量(L)は、本剤/本剤群で平均0.18±0.28L、プラセボ/本剤群で0.16±0.38Lと改善した。また、6分間歩行距離は、継続試験期間中に本剤/本剤群で平均19.5±73.48m、プラセボ/本剤群で19.4±107.36mの距離の延長がみられた。肝容積は、本剤/本剤群で投与前異常であった5例中3例は正常化し、プラセボ/実薬群では9例中7例が正常化した。本剤/本剤群の患者の尿中GAGの投与前からの低下率は66.3%であり、プラセボ/実薬群では-77.0%であった。副作用の発現率は、本剤/本剤群68.1%(15/22例)及びプラセボ/本剤群60.1%(14/23例)であり、本剤が投与された45例での主な副作用(発現率が10%以上)は、関節痛17.8%(8例)、発疹15.6%(7例)、頭痛及び注射部位反応が13.3%(6例)、潮紅、背(部)痛、発熱、骨痛及び悪心が11.1%(5例)であった5)。
海外における5歳未満の患者20例に対する非盲検臨床試験において、本剤0.58mg/kgを週1回、計52週間投与した。そのうち、4例は第26週から1.2mg/kgの投与を受けた。第13週までに平均尿中GAG濃度は急激に低下し、以降はその濃度が維持された。尿中GAG濃度の平均減少率は61.3%であった。投与前では全患者の肝容積が異常値であったが、第52週において18例中9例の肝容積は正常値となり、他の患者の肝サイズも減少した。心エコーでは左室重量がわずかに減少(投与前に軽度の左室肥大が認められた10例中、7例が第52週で正常化)したが、正常値の範囲内で平均駆出分画も減少した。心臓弁の変化が2例で認められた。成長率(身長及び体重)は年齢及び重症度と相関した改善を示し、より若年で重症度が高いほど精神発達及び適応行動が改善した。また、ほとんどの患者で投与開始から1ヵ月以内に抗体が認められた(5歳以上の患者で平均52.6日に対し、5歳未満では平均25.8日)。ラロニダーゼに対するIgG抗体が初期に認められた患者のうち1例については、投与開始から12ヵ月を経過した時点でIgG抗体が認められなくなった。本剤の副作用は、発熱7例(35%)、悪寒4例(20%)、高血圧3例(15%)、頻脈、酸素飽和度低下が各2例(10%)、捻髪音、呼吸窮迫、喘鳴、斑状皮疹、そう痒症、血中鉄減少、心拍数増加、振戦、蒼白が各1例(5%)であった6)。
特定使用成績調査(全例調査)では、安全性集計対象症例50例中19例(38%)に副作用(臨床検査値異常変動を含む)が認められた。主な副作用は、蕁麻疹、発熱各7例(14%)、紅斑、そう痒症、発疹各3例(6%)、咳嗽、顔面浮腫、倦怠感各2例(4%)であった。
第1/2相非盲検臨床試験と第3相試験中に本剤の投与を受けた患者55例中50例(91%)においてラロニダーゼに対する抗体が生じた。ほとんどは第12週までに発現し、第1週と第12週との間に一部の患者において抗体価と比例すると考えられる本剤の血漿クリアランスの上昇が認められた。第26週にも抗体が認められ、一部の患者では抗体価が上昇していたにもかかわらず、この週における血漿クリアランスの値は第1週と同等であった。
第3相試験及び第3相継続試験(182週間)において、中等度又は重度のinfusion reactionが生じた9例の患者に対し、ラロニダーゼ特異的IgE抗体及び補体活性に関する検査を行った。IgE検査はELISA法、補体活性は酵素免疫測定法により測定した。上記9例の患者のうち1例は第3相継続試験において第62週の投与開始約3時間後に呼吸障害を伴うアナフィラキシー様反応を生じ、蘇生には救急気管切開が必要であった。ラロニダーゼ特異的IgE抗体及び補体活性は陽性であった。この患者には原疾患に起因する上気道閉塞が認められており、過敏反応が重篤なものとなったと考えられた。他8例の患者のIgE検査結果は陰性であった7)。
本剤は、ムコ多糖症I型の組織及び細胞中に蓄積するグリコサミノグリカン(デルマタン硫酸及びヘパラン硫酸)のライソゾーム内加水分解酵素α-L-イズロニダーゼの遺伝子組換え製剤である。
ムコ多糖症I型のイヌに静脈内投与した結果、腎臓、肝臓、肺、リンパ節、脾臓及び滑膜におけるGAGの低下が認められた8)。
ラロニダーゼ(遺伝子組換え)Laronidase(Genetical Recombination)
ヒトα-L-イズロニダーゼをコードするcDNAを導入したチャイニーズハムスター卵巣細胞から産生される628個のアミノ酸残基(C3169H4857N901O884S12;分子量:70,105.76)からなる糖タンパク質(分子量:約83,000)
凍結、振盪を避けること。
5mL×1バイアル
1) 社内資料:海外第3相二重盲検プラセボ対照比較試験での薬物動態の検討(2006年10月20日承認、CTD2.7.2.2)
2) 社内資料:イヌの薬物動態試験/分布(2006年10月20日承認、CTD2.6.4.4)
3) Wraith J E, et al.:J Pediatr. 2004;144(5):581-8
4) 社内資料:海外第3相二重盲検プラセボ対照比較試験(2006年10月20日承認、CTD2.7.6.3)
5) 社内資料:海外第3相継続投与試験(2006年10月20日承認、CTD2.7.6.4)
6) 社内資料:海外小児臨床試験(2006年10月20日承認、CTD2.7.6.5)
7) 社内資料:海外第3相二重盲検試験及び海外第3相継続投与試験/IgE抗体(2006年10月20日承認、CTD2.7.4.2)
8) 社内資料:イヌの効力を裏付ける試験(2006年10月20日承認、CTD2.6.2.2)
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