当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
本剤の成分に対しアナフィラキシーショックの既往歴のある患者
糖原病II型
通常、アルグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)として、1回体重1kgあたり20mgを隔週点滴静脈内投与する。
日局注射用水で溶解し日局生理食塩液で希釈した後に投与すること。本剤20mg/kgをおおよそ4時間にわたり投与する。初回点滴速度は、1mg/kg/時を超えないこと。最大点滴速度7mg/kg/時に達するまで、患者の状態を確認しながら、30分毎に2mg/kg/時ずつ点滴速度を上げる(下表を参照)。,,
体重範囲(kg)
総点滴量(mL)
第1段階
第2段階
第3段階
第4段階
1mg/kg/時
3mg/kg/時
5mg/kg/時
7mg/kg/時
1.25-10
50
3mL/時
8mL/時
13mL/時
18mL/時
10.1-20
100
5
15
25
35
20.1-30
150
8
23
38
53
30.1-35
200
10
30
70
35.1-50
250
13
63
88
50.1-60
300
45
75
105
60.1-100
500
125
175
100.1-120
600
90
210
本剤投与前に患者の臨床症状を慎重に検討すること。外国での臨床試験の結果より、非代償性心不全患者又は急性疾患(急性感染症、熱性疾患、喘鳴又は気管支痙攣等)を有する患者に本剤を投与した場合、infusion reactionの発現頻度が高いとの報告がある。
重症患者では心機能低下及び呼吸機能低下を合併する傾向があり、これらは重度のinfusion reactionを発現するリスクを増大すると考えられる。
肥大型心筋症の罹患率が高いことから、β-アドレナリン作動薬の使用を検討している場合には注意すること。なお、心肥大を併発する乳児型糖原病II型患者については、患者の状態を十分観察し、異常が認められた場合には速やかに本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。心肥大を併発する乳児型糖原病II型患者に本剤投与後、挿管及び強心薬投与を要する急性心肺不全が認められたとの報告があり、本剤の投与による水分過負荷との関連性が疑われたため、急性心肺不全を発症する危険性がある。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与すること。ウサギの胚・胎児発生に関する試験で10及び40mg/kg投与群の少数で流産又は早産がみられている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトで哺乳中の児における影響は不明である。
副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
*本剤投与中又は投与終了後数時間以内に、蕁麻疹、発疹、潮紅、発熱、頻脈、咳嗽、酸素飽和度低下、頻呼吸、喘鳴、低血圧、失神等が発現することがある。これらの症状が発現した場合、投与速度の減速又は投与の一時中止、適切な薬剤治療(副腎皮質ホルモン剤、抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤又は抗炎症剤等)、もしくは緊急処置を行うこと。,,,,,
本剤の使用中に、免疫複合体を介すると考えられる反応により皮膚壊死、皮膚潰瘍、関節痛、関節腫脹、ネフローゼ症候群、蛋白尿、血尿等が発現することがある。患者の状態を十分に観察するとともに必要に応じ尿検査等を実施すること。
10%以上
5~10%未満
5%未満
頻度不明
皮膚
蕁麻疹
発疹、多汗症
斑状皮疹、紅斑、斑状丘疹状皮疹、そう痒症、丘疹、紅斑性皮疹、網状皮疹、眼窩周囲浮腫、手掌紅斑、血管浮腫
血管
潮紅
高血圧、蒼白、低血圧
臨床検査
酸素飽和度低下、血圧上昇
CK-MB上昇、AST上昇、ALT上昇、血中Ca上昇、CK上昇、尿素上昇、ヘモグロビン減少、心拍数増加、血小板数減少、呼吸数増加、体温上昇、血圧低下、心拍数減少
全身及び局所反応
発熱
悪寒、注射部位反応、嗜眠、低体温、疲労、胸部不快感、局所腫脹、末梢性浮腫、熱感、非心臓性胸痛
インフルエンザ症状
呼吸器
咳嗽、頻呼吸
気管支痙攣、ラ音、咽喉絞扼感
消化器
嘔吐、悪心
便秘、胃食道逆流性疾患、下痢
循環器
頻脈、チアノーゼ、上室性頻脈
精神系
激越、易刺激性、不眠症、落ち着きのなさ
神経系
頭痛
振戦、浮動性めまい、錯感覚
筋骨格系
筋攣縮、筋肉痛、筋痙縮
0.2ミクロンの親水性ポリエーテルスルフォン製メンブレンフィルターが付いた輸液セットを使用すること。微小異物除去用のろ過網が組込まれた輸液セットは、目詰まりを起こすため使用しないこと。
本剤投与と明らかに関連性はないが、乳児型糖原病II型患者に全身麻酔を実施する場合には十分な注意が必要である。心肥大を併発する乳児型糖原病II型患者における本剤投与のための中心静脈カテーテル留置の際の全身麻酔に関連して、心停止又は死亡に繋がる心室細動、心室性頻脈、徐脈等の不整脈、あるいは心蘇生又は除細動を要する不整脈が認められた。すべての患者で本剤との関連性はなかった。心肥大を併発した乳児型糖原病II型患者では、全身麻酔に関する合併症発現のリスクが高くなる1) 。,
乳児型糖原病II型患者18例に本剤20mg/kg又は40mg/kg注2) を隔週点滴静注し、血液検体が得られた15例について薬物動態を検討した。初回及び投与12週時における平均最大血漿中濃度(Cmax)はそれぞれ178.2及び263.7μg/mL、平均血中濃度時間曲線下面積(AUC0-∞)は977.5及び1,872.5μg・時/mLであり、平均血漿クリアランス(CL)は21.9mL/時/kg、定常状態時平均分布容積(Vss)は66.2mL/kg、平均血中消失半減期(T1/2)は2.75時間であった2) (外国人データ)。
乳児型及び小児型糖原病II型患者21例を対象に本剤20mg/kg投与後の薬物動態を検討した。血液検体が得られた12例の成績より、AUC0-∞及びCmaxは他の乳児型糖原病II型患者を対象にした試験での20mg/kg群の成績と同様であった。T1/2は2~3時間であり、他の乳児型糖原病II型患者を対象にした試験の成績と同様であった3) (外国人データ)。
酸性α-グルコシダーゼノックアウトマウスへ本剤を投与したところ、肝臓でもっとも高く、心臓、脾臓及び腎臓等には少なく、骨格筋でも微量であった4) 。
生後6ヵ月以下の乳児型糖原病II型患者18例を対象とし、本剤20mg/kg又は40mg/kg(承認外用量)を隔週、52週間投与した。無治療のヒストリカルコントロール群の患者では、生後18ヵ月での生存率が1.9%(95%信頼区間0.0~5.5)であったのに対し、本剤を投与した患者では、生後18ヵ月における侵襲的人工呼吸器非使用での生存率が88.9%(95%信頼区間74.4~100)であった(下図参照)。また、ベースライン時の平均左室心筋重量係数(LVMI)は193.4g/m2(n=15;59.3~301.8g/m2)であったのに対し、52週目の平均LVMIは86.8g/m2(n=15;44.9~157.3g/m2)に低下した5) 。本剤の副作用の発現率は、本剤20mg/kg群及び40mg/kg群共に66.7%(6/9例)であり、本剤20mg/kg群の副作用は、infusion reactionが5例(55.6%)、血中カルシウム増加及び血中クレアチンホスホキナーゼMB増加が各1例(11.1%)であった。
また、18例中16例に対し、本剤20mg/kg又は40mg/kg(承認外用量)を隔週、最長150週間投与した。試験終了時、16例中13例(81.3%)が生存し、無治療のヒストリカルコントロール群の患者では、生後24~36ヵ月での生存率が1.9%(95%信頼区間0~5.5)に対し、本剤を投与した患者では、生後36ヵ月における侵襲的人工呼吸器非使用での生存率が49.4%(95%信頼区間26.0~72.8)であった。また、18例中13例(72.2%)においては最終評価時(64~13.0週時)に左室心筋重量(LVM)Zスコアの低下が認められた。本剤20mg/kg群が62.5%(5/8例)、40mg/kg群が75.0%(6/8例)であった6) 。
生後3ヵ月から3.5歳までの乳児型及び小児型糖原病II型患者21例に対し、20mg/kgを隔週、52週間投与した。52週投与後における有効性評価対象21例中において、生存率は76.2%(95%信頼区間52.8~91.8)であった。試験開始時に侵襲的人工呼吸器非使用であった患者16例中10例(62.5%)は、投与52週間後も侵襲的人工呼吸器非使用であった。また、52週目の平均LVMIはベースラインと比べて42%低下した3) 。副作用の 発現率は52.4%(11/21例)で、主な副作用は、蕁麻疹、潮紅、血圧上昇、咳嗽、頻呼吸及び発熱が各2例(9.5%)であった。また、本剤20mg/kg又は40mg/kg(承認外用量)を隔週、最長168週間投与した。最終評価時(104週目)における有効性評価対象20例中において、生存率は71.1%(95%信頼区間51.6~90.6)であった。試験開始時に侵襲的人工呼吸器非使用であった患者16例中7例(43.8%)は、試験期間終了時にも侵襲的人工呼吸器非使用であった。また、最終評価時(104週目)における平均LVMIはベースラインと比べて63%低下した。副作用の発現率は52.4%(11/21例)で、主な副作用は、紅潮が4例(19.0%)、酸素飽和度低下が3例(14.3%)、蕁麻疹、発熱、咳嗽および頻呼吸が各2例(9.5%)であった7) 。
10歳から70歳までの小児型及び成人型糖原病II型患者90例を対象とし、本剤20mg/kg又はプラセボを隔週、78週間投与した。78週時点において、プラセボ投与群では、6分間歩行が平均2.99m減少したのに対し、本剤投与群では平均25.13m増加した(p=0.0347)。また、プラセボ投与群では、%努力肺活量(予測正常値に対する努力肺活量の比率%)が平均2.20%減少したのに対し、本剤投与群では1.20%増加した(p=0.0055)。本剤の副作用の発現率は28%であった8) 。
特定使用成績調査(全例調査)において、安全性集計対象症例92例中33例(35.9%)に副作用(臨床検査値異常変動を含む)が認められた。主な副作用は、蕁麻疹17例(18.5%)、発熱5例(5.4%)、咳嗽、喘鳴、紅斑、発疹各4例(4.3%)、血圧低下、酸素飽和度低下各3例(3.3%)、喘息、下痢、そう痒症各2例(2.2%)であった。
2試験において免疫原性の評価が行われた38例中35例(92.1%)で、アルグルコシダーゼ アルファに対するIgG抗体が産生された。大部分の症例で投与開始3ヵ月以内に抗体陽性を示した。また、抗体価が高い患者ほどinfusion reactionが発現しやすいと考えられる。臨床試験において、1例で52週時及び64週時に阻害抗体反応が陽性であった9) 。
本剤は、ライソゾーム中グリコーゲンのα-1,4-及びα-1,6-グリコシド結合を加水分解することにより、グリコーゲンを分解し、糖原病II型患者における組織中の蓄積グリコーゲンを低下させる。
本剤の静脈内投与により、糖原病II型動物モデルである酸性α-グルコシダーゼノックアウトマウスにおける心臓、横隔膜、骨格筋等のグリコーゲンが低下した。
アルグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)Alglucosidase Alfa(Genetical Recombination)
ヒト酸性α-グルコシダーゼをコードするcDNAを導入したチャイニーズハムスター卵巣細胞から産生される896個のアミノ酸残基(C4490H6817N1197O1298S32;分子量:99358.49)からなる糖タンパク質(分子量:約110,000)
凍結、振盪を避け、外箱に記載された使用期限を過ぎた製剤は使用しないこと。
1バイアル
1) R J Ing, et al.:Paediatr Anaesth. 2004;14:514-9
2) 社内資料:隔週投与時の血中濃度(外国試験)
3) 社内資料:臨床第1/2相オープンラベル試験(外国試験)
4) 社内資料:マウスにおける分布・代謝
5) P S Kishnani, et al.:Neurology. 2007;68:99-109
6) P S Kishnani, et al.:Pediatr Res. 2009;66:329-35
7) M Nicolino, et al.:Genetics IN Medicine. 2009;11:210-9
8) A T van der Ploeg, et al.:NEJM. 2010;362:1396-406
9) 社内資料:隔週投与時の免疫原性(外国試験)
サノフィ株式会社くすり相談室
〒163-1488 東京都新宿区西新宿三丁目20番2号
フリーダイヤル 0120-109-905
サノフィ株式会社
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.