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劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
本剤の成分に対しアナフィラキシーショックの既往歴のある患者,,
ムコ多糖症II型
中枢神経系症状に対する有効性は認められていない。
通常、イデュルスルファーゼ(遺伝子組換え)として、1回体重1kgあたり0.5mgを週1回点滴静脈内投与する。
日局生理食塩液で希釈した後に投与すること。下の表を参考に1~3時間かけて投与すること。なお、本剤の投与開始初期の時点では、投与速度は、患者の忍容性を十分確認しながら段階的に上げ、投与することが望ましい。Infusion reactionが発現するおそれがあるため、一部の患者には長時間かけて点滴静注する必要があるが、その場合は8時間を超えないようにする。,,,
投与速度
投与時間
備考
8mL/時
15分間
バイタルサインを測定し、安定していれば次の段階の速度まで上げる。
16mL/時
24mL/時
32mL/時
40mL/時
2時間
投与終了までこの速度で投与する。
,
患者の状態を十分に観察し、必要に応じて適切な処置を行うこと。急性呼吸器疾患のある患者のうち、発熱がみられる患者では、投与日を遅らせることを考慮すること。Infusion reactionによって症状の急性増悪が起こる可能性がある。
妊婦又は妊娠している可能性のある患者には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)において胎児へ移行することが報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)において乳汁中へ移行することが報告されている。
5歳未満の小児を対象とした臨床試験は実施していない。
副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
アナフィラキシー(呼吸窮迫、低酸素症、低血圧、血管浮腫、発作等)を起こすことがある。投与中あるいは投与終了後は、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、解熱鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、副腎皮質ホルモン剤の投与及び気道確保等の適切な処置を行うこと。特に重度及び難治性のアナフィラキシーが発現した患者では、初回発現24時間以降にも、アナフィラキシーが発現する可能性があるので、観察期間を延長し、適切な薬剤治療を行うこと。,,,,,
5%以上
5%未満
頻度不明
血液およびリンパ系
貧血、リンパ節炎、血小板減少症
精神系
不安
神経系
頭痛、浮動性めまい、振戦
意識レベルの低下、知覚過敏
眼
流涙増加
アレルギー性結膜炎、霧視
耳および迷路
回転性眩暈
心臓
不整脈、チアノーゼ、動悸
血管
高血圧、潮紅、低血圧
呼吸器、胸郭および縦隔
咳嗽、頻呼吸、喘鳴音
呼吸困難、鼻閉、気管支痙攣、咽頭炎、肺塞栓症、鼻漏
胃腸
腹痛、悪心、下痢、舌腫脹
上腹部痛、胃腸炎、軟便
皮膚および皮下組織
発疹、そう痒症、蕁麻疹、そう痒性皮疹、紅斑
斑状皮疹、湿疹、顔面浮腫
筋骨格系および結合組織
関節痛、筋痛、筋痙攣、頚部痛、背部痛、骨痛
腎および尿路
遺尿、夜間頻尿
全身障害および投与局所
発熱、末梢性浮腫
悪寒、倦怠感、冷感、局所の炎症、注射部位関節腫脹、疼痛、異物感
注射部位腫脹
臨床検査
血中アルカリホスファターゼ増加、血中乳酸脱水素酵素増加、血中ビリルビン増加、血中尿酸増加、ヘモグロビン減少、心拍数減少、心拍数増加
以下の通り調製すること。
ムコ多糖症II型はX連鎖劣性遺伝疾患であるが、稀に女性患者の報告がある。臨床試験に女性患者の参加はなく、女性における本剤の安全性は確立していない。
ムコ多糖症II型患者12例を対象とした臨床第1/2相試験において本剤の薬物動態を検討した。血清中イデュルスルファーゼ濃度はELISA法により測定した。本剤0.15、0.5及び1.5mg/kgを1時間の点滴静注にて単回投与したとき、血清中濃度-時間曲線下面積(AUC)は増量比率以上に増加した(外国人データ)。
本剤の推奨用法・用量(本剤0.5mg/kgを毎週1回3時間の点滴静注にて投与)の薬物動態パラメータを、臨床第2/3相試験で本剤0.5mg/kgを毎週1回又は2週間に1回あるいはプラセボを週に1回52週間、ムコ多糖症II型患者96例(日本人患者4例を含む)に反復投与し、投与1週目及び27週目に測定した(表)。投与1週目及び27週目のパラメータに顕著な差は認められなかった1)。
0.5mg/kg、毎週3時間点滴投与
薬物動態パラメータ
初回投与時
27回目投与時
Cmax(μg/mL)
1.5(0.6)
1.1(0.3)
AUC(min・μg/mL)
206(87)
169(55)
t1/2(min)
44(19)
48(21)
Cl(mL/min/kg)
3.0(1.2)
3.4(1.0)
Vss(%BW)
21(8)
25(9)
海外においてムコ多糖症II型患者96例(日本人4例を含む)を対象に無作為化二重盲検プラセボ対照試験2)を行い、本剤の安全性ならびに有効性を評価した。本試験の対象患者は、努力肺活量の予測値に対する百分率(%FVC)が80%未満で、イズロン酸-2-スルファターゼの酵素活性が認められない5~31歳の男性とし、肺機能検査を行うことができない患者、又は治験実施計画書を遵守できない患者は除外した。本剤0.5mg/kgを毎週(n=32)又は隔週(n=32)、あるいはプラセボ(n=32)のいずれかを53週間投与した。有効性の主要評価項目は、6分間歩行試験(6MWT)及び%FVCにおけるベースラインから53週目までにみられた変化量を順位付けし、順位を合計したスコアとした。本スコアに3群間で統計的有意差が見られ、プラセボ群と本剤毎週投与群との差が最大であった(本剤毎週投与群対プラセボ群:p=0.0049)。本スコアを構成する個々の項目の変化量を比較したところ、6MWTでは、本剤毎週投与群はプラセボ群に比べて歩行距離が35m増加していた。%FVCでは、両群の変化量に有意差はなかった(下表)。なお、中枢神経系症状の改善については評価していない。
本剤毎週群 n=32a
プラセボ群 n=32a
本剤毎週群-プラセボ群
ベースライン
53週目
変化量b
変化量の差
6分間歩行試験結果(6MWT、m)
平均±SD
392±108
436±138
44±70(19, 69)
392±106
400±106
7±54(-12, 27)
37±16(6~68)c35±14(7.66~62.52)(p=0.01)d
中央値
397
429
31
403
412
-4
分位点(25, 75)
317, 486
369, 533
1, 94
341, 469
362, 459
-30, 30
努力肺活量試験結果(%FVC、%)
55.3±15.9
58.7±19.3
3.4±10.0(-0.2, 7.1)
55.6±12.3
56.3±15.7
0.8±9.6(-2.7, 4.2)
2.7±2.5(-2.2~7.6)c4.3±2.3(-0.27~8.83)(p=0.07)e
54.9
59.2
2.1
57.4
54.6
-2.5
43.6, 69.3
44.4, 70.7
-0.8, 9.5
46.9, 64.4
43.8, 67.5
-5.4, 5.0
尿中GAG濃度測定結果(μg/mg creatinine)
325.6±145.9
136.4±70.7
-189.2±145.7(-241.8, -136.7)
419.4±194.4
437.6±142.0
18.2±169.4(-42.9, 79.2)
-207.4±39.5(-286.3~-128.4)c-275.5±30.1(-335.8~-215.3)(p<0.0001)f
301.4
111.1
-158.9
405.8
412.4
30.2
208.4, 420.9
84.4, 178.1
-256.6, -92.7
308.6, 529.5
360.1, 530.7
-88.0, 94.8
a プラセボ群で1例、本剤投与群で1例が53週目までに死亡。欠測値は直前の値を繰り越して補完。intent-to-treat解析。b 53週目の値からベースラインの値を引いた値(95%信頼区間)。c 平均±標準誤差(95%信頼区間)。d 投与群、地域、ベースライン時の年齢及び6MWT重症度で補正した共分散分析モデルに基づく投与群間差の調整平均±標準誤差(95%信頼区間)及びp値。e 投与群、地域、ベースライン時の年齢及びFVC重症度で補正した共分散分析モデルに基づく投与群間差の調整平均±標準誤差(95%信頼区間)及びp値。f 投与群、地域、ベースライン時の年齢及び尿中GAG濃度で補正した共分散分析モデルに基づく投与群間差の調整平均±標準誤差(95%信頼区間)及びp値。
全被験者のベースライン時の尿中GAG濃度は異常高値を示していた。プラセボ群では、尿中GAG濃度は低下せず、治験期間中、基本的に変化はなかった。一方、本剤毎週投与群では、53週目の平均尿中GAG濃度は正常範囲の上限値付近まで著明に低下した。肝臓及び脾臓容積はプラセボ群と比較して、本剤毎週投与群では53週間をとおして減少した(p<0.0001)が、プラセボ群では変化がみられなかった。副作用は、本剤毎週群(32例)で23例(71.9%)、本剤隔週群(32例)で24例(75.0%)及びプラセボ群(32例)で23例(71.9%)認められた。本剤毎週群の主な副作用は、頭痛9例(28.1%)、発熱7例(21.9%)、そう痒症7例(21.9%)、高血圧6例(18.8%)、蕁麻疹5例(15.6%)及び発疹5例(15.6%)であった。
安全性解析対象症例172例中83例に副作用が認められた。主な副作用は蕁麻疹35例(20.3%)、発熱20例(11.6%)、発疹19例(11.0%)、喘鳴10例(5.8%)、紅斑8例(4.7%)であった。このうち、小児症例102例中56例に副作用が認められ、小児のみで複数発現した副作用は、気管支炎、アナフィラキシー、腫脹及び注入に伴う反応各3例(2.9%)、血小板減少症、不眠症、気分変化、上気道の炎症及び下痢各2例(2.0%)であった。
海外におけるプラセボ対照試験及びその非盲検継続試験では、本剤の投与を受けた被験者94例注2)中47例(50.0%)に抗イデュルスルファーゼIgG抗体が発現した。IgG抗体陽性被験者では陰性被験者に比べ尿中GAG濃度の減少効果は弱かったが、本剤の有効性に与える抗体産生の影響は不明である。また、抗体陽性被験者では、陰性被験者に比べinfusion reactionが発現しやすい傾向にあったが、抗体産生に関わらず、全体的な発現頻度は、本剤の投与継続に伴って、経時的に減少した。プラセボ対照試験では、抗体陽性被験者のうち、5例に中和抗体の産生が認められた。
ムコ多糖症II型はリソソーム酵素であるイズロン酸-2-スルファターゼが不足することで生じるX染色体劣性遺伝病である。この酵素はGAGのデルマタン硫酸及びヘパラン硫酸から末端の2-o-硫酸を加水分解する。ムコ多糖症II型ではイズロン酸-2-スルファターゼが欠損、又は欠乏しているため、GAGが複数の細胞内のリソソームに蓄積し続け、細胞肥大をはじめ、臓器肥大、組織障害、臓器機能不全の原因となる。ムコ多糖症II型患者に本剤を投与することで、細胞内のリソソームに酵素を取り込むことが可能となる。オリゴ糖鎖上にあるマンノース-6-リン酸(M6P)部分を介して、酵素が細胞表面のM6P受容体と特異的に結合することで細胞内に取り込まれ、リソソームに蓄積したGAGを分解する3),4),5)。
イデュルスルファーゼ(遺伝子組換え)Idursulfase(Genetical Recombination)(rINN)
ヒトイズロン酸-2-スルファターゼをコードするcDNAを導入したヒト繊維肉腫細胞HT1080から産生される525個のアミノ酸残基(C2689H4051N699O793S13;分子量:59,274.99)からなる糖タンパク質(分子量:約76,000)
凍結、振盪を避け、外箱開封後は遮光にて保存すること。
3mL×1バイアル
1) 社内資料:第2/3相プラセボ対照二重盲検比較試験
2) Muenzer J, et al.:Genet Med. 2006;8(8):465-73
3) Ghosh P, et al.:Nat Rev Mol Cell Biol. 2003;4(3):202-12
4) Kornfeld S, et al.:Annu Rev Cell Biol. 1989;5:483-525
5) Griffiths G, et al.:Cell. 1988;52(3):329-41
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